勢いで書いているので、ネタバレがあるかもしれません。すみません。
少しでもネタバレがあるのが嫌な人は、本記事を読まないことをおすすめします。
ファンタジーな雰囲気と哲学を感じさせる内容の「宝石の国」がおもしろいです。
少女マンガのようなきれいで繊細な絵柄ですが、内容は、最初はファンタジーと思わせつつ、実は色々と考えさせられる内容。
読み進めると「そうだったの!?」と驚かされる、世界の真実が見えてきます。
万人への感想
★★★
個人的な感想
★★★★★(+★★★★)
簡単なあらすじは、人の姿をした宝石たちが、空からくる謎の集団と戦うお話です。
空からくる謎の集団は月人と呼ばれていて、宝石たちを砕いて月に持ち帰ってしまいます。
主人公はフォスフォフィライト(愛称はフォス)という薄荷色の宝石で、とても脆い性質です。
性格は明るいのですが少し間が抜けているところがあり、それでも周りの役に立とうといつも奮闘しています。
フォスがこの世界でどう生きていくのか、どう変化していくのかが、見どころだと思います。
このお話、最後まで読むととても壮大で哲学的なものがあるのでは、と個人的に考えています。
舞台設定や名前など、かなり仏教の考えが取り入れられている感じがあり、読んでいるととても色々なことを考えさせられます。
好きなキャラクターは、主人公のフォスも大好きなのですが、シンシャとボルツが大好きです。
シンシャは毒を持っていて周りから遠ざけられているのですが、その孤独がとても繊細に描かれていて、応援したくなるキャラクターです。
読んでいる途中、いつもシンシャには幸せになって欲しいと思っていました。
ボルツはとても強いキャラクターです。
戦いでも一番頼りになるキャラクターで、ボルツがきたら安心!みたいな感じがあります。
ボルツ本人もそれでいい感じなのですが、実はそうではなかったというのも読み進めていくと分かって、ボルツの抱える複雑な思いがとても魅力的です。
このマンガも登場人物がとても多いので、読んでいると一人は好きなキャラクターができるのではないかな?と思います。
好きな話もたくさんあるのですが、好き、というか印象に残っている話は、金剛先生のもと行く話と、やはりフォスの最後の話です。
物語の最後の方になるのですが、ぼろぼろになったフォスが金剛先生のもとに行く時、過去の自分の幻影を見るシーン、なんだかすごく泣けてしまいました。
過去の自分も忘れてしまって、その幻影を見た時に「かわいいね」とフォス自身が思うシーン、とても切なくてすごく悲しい気分になりました。
フォスの最後の話は、すごく泣けるのですが、それと同時に「よかったね、よくがんばったね」と言ってあげたくなります。
それと同時に、ここまでの待遇をされたのに、かつての仲間や金剛先生に「褒めてくれるかな」と思うシーンがあまりに純粋で健気で、ぽろっと泣いてしまいます。
でも、最後の笑顔に、読んでいる方も何か救われた気分になりました。
絵柄に関しては、とても特徴的で美しい絵柄だと思います。
絵を見れば市川先生の絵だ!と分かるくらい、独自の絵柄を持っているのでは?と個人的に思っています。
しっかりした線や勢いのある描写が好きな人には、少し苦手に感じるかもしれません。
儚い感じと少し怖さを思わせる絶妙な絵柄で、私はすごく好きな絵柄です。
万人への感想が星3つなのは、人によって好き嫌いが分かれる作風かな?と思ったからです。
個人的には読んで、考えさせられたり楽しくなったり悲しくなったりとても感情が動いた作品なので、星5つ+4つにさせて頂きました。
「宝石の国」は、ファンタジーを思わせる内容や哲学的な話が好きな人、綿密に最後まで考えられたストーリーが好きな人に、しっかりオススメできるマンガです!
ここから、さらに私個人の感想ですが、実はこのマンガ、最初読んだときに一旦、読むのを断念しました。
最初の内容が、読んでいてなんだかあまりに悲しかったからです。
月人と戦ってバラバラになる宝石たち、それを持ち去ってしまう月人、仲間の一部や仲間自体を持ち去られ、それを取り返すこともできず見送るだけのフォスや他の仲間たち。
その描写がとても悲しくて辛くて、読んでいてとても落ち込んでしまって読めなくなってしまいました。
完結してから覚悟して読んだのですが、途中、やっぱり苦しくはなりましたが最後までちゃんと読みたい!と奮起して読破。
実際、読み終わった後は色んな感情があったのですが、とてもおもしろいマンガで全部読んでよかったと心から思いました。
元々、市川春子先生の短編集から好きで、宝石の国も読破するのは決めていたのですが、先生の描写があまりに素晴らしすぎて逆に読めなくなったジレンマです。
色々と賛否両論分かれるマンガのようですが、個人的にはぜひぜひ、最後まで読んでほしいマンガです!!
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