本日は宇宙ネタで、太陽系の7番目の惑星「天王星」について書きたいと思います。
天王星は太陽系の中では木星、土星の次に大きな惑星で、岩や氷でできた中心核を、水やアンモニア、メタンなどの氷でできたマントル層が包み、さらに水素とヘリウム、そして微量のメタンやアンモニアを含む大気が覆っていると考えられている惑星です。
元々は天王星も木星や土星と同じ 巨大ガス惑星( 土星は水に浮いてしまう?: BFuture を参照)の仲間だと思われていましたが、木星や土星と異なり、酸素、炭素、窒素が星の組成に多く含まれることから、最近では 天王星型惑星 として分類されるようになりました。
天王星は上の画像のように薄い青色の星に見えますが、これは大気中のメタンが赤い光を吸収するために起こる現象です。
同じ青い星の地球のように海の反射によって青く見えているわけではないんです。
(※以下、マウスカーソルがになる画像はクリックで拡大します)
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天王星の様々な謎
まず天王星といえば一番に挙げられる謎は、自転軸の傾きについてだと思います。
その角度は約98度で、黄道面(後述)に対してほぼ水平に近く、天王星は横倒しになったまま太陽の周りを回っています。
黄道面とは簡単に言うと、地球から空を見て、夜空に輝く星々が天に貼り付いているように見える仮想の球を「天球」といいます。
太陽が天球上を動くとした場合、その通り道を黄道といいます。
この時の太陽が公転する地球の軌道面が黄道面です。
金星もかなり傾いていますが(ほぼ逆立ち)、自転軸がこれほど他の惑星と異なっている原因についてはまだ解明されていません。
ちなみに太陽系の他の惑星の自転軸の傾きは以下のようになります。
・水星:0度
・金星:177度
・地球:23度
・火星:25度
・木星:3度
・土星:26度
・天王星:98度
・海王星:28度
自転軸の傾きの原因としては、月の起源を説明する説で有力視されている ジャイアント・インパクト説と同様に、天王星や金星も惑星が形成される途中で巨大な天体と衝突し、自転軸がずれたのではないか?という説や、天王星にはかつて巨大衛星が存在しており、その影響で次第に自転軸が傾斜していったという説があります。
月の起源については過去記事のこちらをどうぞ。
月はどうやって誕生したのか?: BFuture
話はちょっと変わりますが、自転軸の傾きによって天王星の極地は日照量が多いはずなのですが、不思議なことに赤道部分のほうが極地よりも温度が高いのです。
その理由もまだ解明されていません。
現在のところ、天王星探査を行ったのはボイジャー2号だけです。
このボイジャー計画に続く天王星探査の計画はまだ立てられていないため、天王星の謎が解明されるのは、まだまだ時間が掛かりそうです。
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