電車や飛行機での移動中は、睡眠不足解消に絶好のタイミングです。スマートフォンでゲームをするより、しっかり眠って疲労回復に努めましょう。ここでは、移動中に眠るときに気をつけたいポイントを6つ解説します。
執筆者:医師 / 睡眠ガイド 坪田 聡
日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める専門医
1. 短時間なら20分まで、長時間なら1時半の倍数で
移動,仮眠
移動中に上手に仮眠をとるには?
移動中に仮眠をとると、眠気を減らして頭をスッキリさせる効果があります。
短時間の仮眠なら、午後3時までの10〜20分にしておきましょう。
長時間の仮眠ができるなら、1時間半かその倍数(3時間・4時間半)で起きるとスッキリ目覚めます。
ただし、遅い時刻の長すぎる仮眠は、寝起きが悪かったり夜の睡眠に悪影響が出たりします。
会社帰りの電車での仮眠は「10分以内」にとどめましょう。
2. 心身ともにリラックスする
気持ちよく眠るためには、リラックスする必要があります。
ネクタイやベルトなど、身体を締め付けるものはなるべく緩めましょう。
好きな音楽を小さな音で聞くのも良いでしょう。
お気に入りのアロマがあれば、ティッシュペーパーに1滴たらして香りをかぎます。
リクライニングできる座席なら、少し後ろに倒しましょう。
3. しっかり頭と首を支える
眠る姿勢について、座席にもたれかかるか、テーブルに突っ伏すと身体が安定します。
座席に持たれたかかるときは、頭や首を安定させるために仮眠用の枕などを使いましょう。
起きたときの首の痛みを予防できます。
テーブルに突っ伏すときは、よだれ対策にハンカチなどを口の下に敷いておきます。
4. 気になる光と音を遮断する
移動,睡眠
頭と首を支え、光や音を遮断する
明るすぎたりうるさすぎたりするところでは、うまく眠れません。
周りの光や音が気になるなら、アイマスクや耳栓を使いましょう。
耳栓をしても周りの音が気になるときは、イヤホンでお気に入りの音楽を聞くと、騒音が気にならなくなります。
5. 自己覚醒法で目覚める
自分が目覚めたい時刻に自然に目覚めることを「自己覚醒法」といいます。
自己覚醒法で目覚めると、アラームで起こされた時より気持ちよく目覚めます。
やり方は、眠る前に「何時に起きよう」とか、「何分後に目覚めよう」と強く念じるだけ。
半数から3分の1の人は、練習するうちにうまく起きられるようになります。
6. 水分をとってエコノミー症候群を予防する
移動,仮眠
しっかり水分をとる
狭い座席で体を動かさずに長時間座っていると、脚の血管に血の塊(血栓)ができて脚がむくむことがあります。
「エコノミー症候群」と言われる状態です。
その血栓が肺に飛んで「急性肺血栓塞栓症」を起こすと、命にかかわります。
特に飛行機の中で長時間眠るときは、十分な水分をとり、足首を動かして、脚の血流を良くしておきましょう。
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