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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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2018年10月20日

ニコチン含有量を最小限または中毒性のないレベルにまで減量する 禁煙は「徐々に」でなく「一気に」

ニコチン含有量を最小限または中毒性のないレベルにまで減量する
禁煙は「徐々に」でなく「一気に」
/JAMA
提供元:ケアネット 公開日:2018/09/26

kinen_ojisan_hanenokeru.jpg

喫煙者において、

タバコのニコチン含有量を即時に減らすほうが、

緩徐に減らすよりも、喫煙毒性曝露バイオマーカー値の低下は一貫して

有意に大きいことが明らかにされた。

また、緩徐に減量した場合とニコチン含有量を減量しなかった場合の同マーカー値には、有意差がなかった。

米国・ミネソタ大学のDorothy K. Hatsukami氏らによる二重盲検無作為化並行群間比較試験の結果で、JAMA誌2018年9月4日号で発表された。

米国内で販売されているすべてのタバコについて、ニコチン含有量を最小限または中毒性のないレベルにまで減量するための最適な時間的アプローチは、これまで検証されていなかったという。

3つの毒性曝露バイオマーカー値で、減量効果を評価

 研究グループは、毒性曝露バイオマーカーを用いて、
ニコチン含有量を極度低値に低下することの
即時vs.緩徐の有効性を検討し、
また通常量維持の場合と比較した。

試験は全米10地点で、2週間のベースライン喫煙期間に続いて、20週間の介入を行った。

 2014年7月〜2016年9月に、30日以内に禁煙する意思がなく毎日喫煙している
ボランティア被験者を集めて、次の3群に割り付けて追跡した。

(1)タバコのニコチン含有量を0.4mg/gへと即時に減量(即時低下群)、
(2)5ヵ月かけて15.5mg/gから0.4mg/gへと徐々に減量(緩徐低下群)、
(3)15.5mg/g量を維持(対照群)。

最終フォローアップは2017年3月であった。

 主要評価項目は3つで、
呼気一酸化炭素(CO)、
尿中3-HPMA(アクロレイン代謝物)、
尿中PheT(多環芳香族炭化水素)の喫煙毒性曝露バイオマーカー値。

介入20週の間の、濃度−時間曲線下面積(AUC)を算出して評価した。

緩徐群と維持群には有意差みられず

 1,250例(平均年齢45歳、女性549例[44%])が無作為化を受け、958例(77%)が試験を完了した。

 即時低下群は緩徐低下群と比べて、CO値は有意に低値であった

(平均値:16.17 vs.20.06ppm、
補正後平均群間差[MD]:−4.06[95%信頼区間[CI]:−4.89〜−3.23]、
p<0.0055)。

3-HPMA(クレアチニン幾何平均[GM]値:6.05 vs.7.26nmol/mg、
補正後GM比[RGM]:0.83[95%CI:0.77〜0.88]、
p<0.0055)、

PheT(同:2.06 vs.2.16pmol/mg、
0.88[0.83〜0.93]、
p<0.0055)についても同様であった。

 また、即時低下群は対照群との比較においても、3つのマーカー値が有意に低値であった。

平均CO値は16.17 vs.19.68ppm(補正後MD:−3.38[95%CI:−4.40〜−2.36]、p<0.0055)、

3-HPMA(クレアチニンGM値)は6.05 vs.7.67nmol/mg(補正後RGM:0.81[95%CI:0.75〜0.88]、p<0.0055)、

PheT(同)は2.06 vs.2.41pmol/mg(0.86[0.81〜0.92]、p<0.0055)であった。

 緩徐低下群vs.対照群では、3つのマーカー値とも有意な差はみられなかった。

平均CO値は20.06 vs.19.68ppm(補正後MD:0.68[95%CI:−0.31〜1.67)、p=0.18)、

3-HPMA(クレアチニンGM値)は7.26 vs.7.67nmol/mg(補正後RGM:0.98[95%CI:0.91〜1.06]、p=0.64)、

PheT(同)は2.16 vs.2.41pmol/mg(0.98[0.92〜1.04]、p=0.52)であった。
(ケアネット)

原著論文はこちら
Hatsukami DK, et al. JAMA. 2018;320:880-891.
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