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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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2018年05月31日

作り笑いでも、健康に効果あり

作り笑いでも、健康に効果あり

臨床ニュース:「笑えない人」にもある、お勧めの方法【時流◆笑い処方のススメ】
福島医大・大平哲也氏の「笑い」に関する真面目な話−Vol. 5

時流2017年8月22日 (火)配信 一般内科疾患循環器疾患内分泌・代謝疾患

 先行研究で明らかになった「笑い」の健康へのポジティブな影響を踏まえ、研究者たちが次に目指すのは「笑い」の介入効果の確立。

ここで十分な効果が確認できれば、簡単かつ安価な方法として「笑い」普及への期待が一気に高まるところだが、福島県立医科大学疫学講座教授の大平哲也氏は研究にまつわる「笑えない」失敗談があると話す。

ちなみに、そこから得られた「教訓」は、より多くの人が「笑い」の効果を享受できる手法の探索にも生かされているようだ。(取材・まとめ:m3.com編集部・坂口恵)

笑いの効果検証する研究の「笑えない話」

 大平氏らが63人の健康ボランティアを対象に「健康漫才道場」による各種ストレス指標の変化を評価する検討を実施。

この際「研究費の関係で、出演費がまだ高騰していない若手の漫才師に協力を仰いだ」ところ、試験後に複数の参加者から「面白いと感じない」との意見が寄せられた。

解析の結果、主観的ストレスが「解消した」と答えた割合は40%を下回り、唾液中コルチゾール値にいたっては漫才により「減少」した人が28人に対し、「増加」した人は32人との結果だった(ストレス緩和ホルモンが逆に上昇=笑えない結果。

 「“笑い”の研究で参加者に笑ってもらえないという、笑えない結果となってしまった」と大平氏。

ただし「漫才師の方の名誉のために断っておくと、年齢別の解析では、50歳未満ではコルチゾール値が減少していた人の割合は半数を超えていた。

しかし、ある一定以上の年齢になると、若い漫才師の話のスピードについて行けない。

つまり“笑い”による健康効果を得るには、自分に合った笑いを探すことも大事ということがこの検討で得られた知見」と振り返る。

「笑いヨガ」「作り笑い」でもOK!

 「漫才や落語やテレビ番組で笑えない場合は、どうしたら良いのか」という相談を受けることもあると話す大平氏。

その後、出合ったのが「笑いヨガ(laughter yoga)」だ。

「笑いヨガ」は面白さにかかわらず、「はははは」と笑う際の身体動作と発声を再現すれば、脳(認知機能)以外の身体指標への良い影響が期待できるのではないかというコンセプトで開発された。

 手をたたきながら「ほ、ほ、ははは」とはっきり発声するなど、「笑う」際の動作を再現することで「笑い」と同様の健康増進効果が期待できると大平氏。

福島県立医科大学や大阪大学で「笑って健康教室」の一環として「笑いヨガ」を導入しており、
標準治療中の糖尿病患者に笑いヨガを追加することで、HbA1cが有意に改善したとの検討結果も得られているそうだ。

薬にはない「笑い」の副次作用

 「笑いヨガを体験することで、もともとあまり笑わなかった人も楽しくなるケースは多い。

要は形から入っても“笑い”の動作を実践することで、どんどん面白い気分が増すということ」と大平氏。

さらに、心から笑えなくても「作り笑い」や「笑顔」でも末梢の血流が増加するとの検討結果もあるそうだ。

「作り笑いをすることで、身体から精神の緊張を解きほぐすことができる。それだけではない、笑いは伝染する。

例えば、自分が胃薬を飲んで隣の人の胃の症状が治ることはないが、笑顔や笑いは周りに伝わる。

自分で意識して笑える機会を増やすことが周囲の健康や幸せな環境作りにもつながると思う」と話した。
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