そして、CO2のうちほとんどを占めるのが運用時。
これは、毎日、建物を冷暖房したり、換気をしたり、照明をしたりと1日中何らかのエネルギーを消費することになるから。
LCAを下げるためにはランニング時のこうしたエネルギーを下げることが重要で、断熱と設備の効率化は欠かせない。
逆いいえば、建設や解体時についてはそんなに頑張らなくてもいいということでもある。
Yahoo!より、
解体までの建築物「生涯CO2」算出義務化へ、政府が制度検討
1/6(月) 5:00配信
読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/bdf25131295e688001fc8fe36b95a4b05a281246
記事より、
政府は、建物の建築から運用・解体までの間に排出される二酸化炭素(CO2)量の算出を建築主や建設業者に求める制度の検討に入った。環境に影響を与えるCO2の排出量を可視化することで、建築分野の脱炭素化を図る。3月までに制度化に向けたスケジュールを確認し、2026年通常国会への関連法案提出を目指している。
【画像】遺体に寄り添いCO2中毒死…濃度10%になると1分で死亡
新制度では、一定規模以上の新築建築物の建築主などに、「ライフサイクルアセスメント(LCA)」として建築物の生涯排出量の算出を求める。材料調達や資材製造から始まり、施工を経て使用、修繕・補修、解体、廃棄物運搬・処理へと続く各段階のCO2を計算する。高炉での鉄製造、車両での運搬、施工・解体などでの重機使用、建物使用時の空調使用などが対象となる。
国際エネルギー機関(IEA)の報告では、建築物関連が世界のCO2排出量(22年)の37%を占めた。政府は高効率の空調設備導入を支援するなど、建物使用時の排出削減を進めてきたが、それ以外の段階の対策は手薄だった。排出量を見えるようにすることで、建設業者などに削減努力を促す狙いがある。
建築物のLCAの取り組みは欧州が先行している。欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は昨年4月、一定規模を超える新築建築物を対象に、28年からCO2の算出と開示を義務付けると決定した。30年からは全ての新築建築物に対象を広げる。フランスやデンマークでは排出量の上限規制も導入している。
政府は昨年11月、内閣官房に国土交通省、経済産業省、環境省などが参加する関係省庁連絡会議を設置し、制度化に向けた議論に着手した。今後、建材ごとの製造過程で発生するCO2量などについて、算出方法の検討を進める。
コメント
建築物がCO2排出に大きな影響を与えるのは間違いありません。その中でも、運用時のエネルギー消費が排出量の大部分を占めるという指摘には非常に納得がいきます。冷暖房や換気、照明など、日常的な活動がいかに持続可能性に影響を与えるかを考えさせられます。
LCA(ライフサイクルアセスメント)を通じて建築物の生涯CO2排出量を可視化する取り組みは、脱炭素化の重要なステップと言えます。ただし、記事にもあるように、運用時の排出削減が最も効果的であることを踏まえると、断熱性能の向上や高効率設備の導入がカギとなるでしょう。一方で、建設や解体時の排出量に過度に注力するよりも、まずは運用時の改善を優先するという視点は非常に現実的だと思います。
日本でも欧州を参考にしながら、建材製造や運搬を含めた段階的な削減努力が必要です。2026年の法案提出が予定されているとのことですが、長期的な視点で実効性のある政策を期待したいです。
English Comment
It’s undeniable that buildings significantly contribute to CO2 emissions, with the majority stemming from their operational phase. The continuous use of energy for heating, cooling, ventilation, and lighting highlights the pressing need for sustainable building operations.
The introduction of lifecycle assessments (LCA) to make CO2 emissions visible throughout a building's lifecycle is a crucial step toward decarbonization in the construction sector. As the article mentions, focusing on reducing emissions during the operational phase−through improved insulation and energy-efficient systems−is likely to yield the most impactful results. On the other hand, the construction and demolition phases, while important, may not require as much emphasis initially.
Drawing lessons from Europe, where regulations for CO2 reporting and even emission caps are already in place, Japan’s upcoming policy framework for 2026 holds promise. Balancing the focus on material production, transportation, and building operations will be key to creating actionable and sustainable measures.
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image