石川千代田区長(左)と小池都知事の“エココンビ”に注目(C)日刊ゲンダイ
並木撤去に住民憤慨 小池知事&千代田区長“見える化”逆行
日刊ゲンダイDIGITAL2017年9月19日
「思い出のプラタナスを残して」——。切実な訴えは行政側に届かないのか。東京・千代田区のJR御茶ノ水駅から駿河台下交差点までの坂道。この明治大学の前を通る区道、通称「明大通り」の両側に植えられた街路樹のプラタナス70本が、区の計画で引き抜いて撤去されようとしている。
目的は歩道のバリアフリー化と拡幅だが、1期工事で広がる幅は「植樹ます」を除けば、たった2.5センチ。そのため、計画見直しの陳情7件(陳情者612人)が区議会に提出され、議会は住民向け説明会の開催などを区に求めることを決定。8月末に開始予定の 撤去工事は中断 された。
計画見直し派が憤る理由のひとつは区政の「ブラックボックス化」だ。
15日夜に開かれた住民説明会で 区側 は「10年以上前から沿道の皆さんに計画を説明してきた」と言い張ったが、実際に計画を諮った相手は地元・町会や商店会、大学や有力企業の代表で構成される「まちづくり協議会」のみ。協議会のメンバーは 25人だけで、議事録は非公開 だ。
住民や歩行者の多くが計画を一切知らないのも当然で、質疑応答では「何年も近くのマンションに住んでいるが、きのう初めてこの話を聞いた」との意見も上がった。
民主的手続きを踏まえていない上、明大通りをよく歩く別の区の住民が千代田区へ陳情に訪れると、担当者は「あなたは単なる“通りすがり”でしょ」と語って退けようとしたという。
千代田区の石川雅己区長は都内唯一の「環境モデル都市」に取り組み、環境問題には熱心だったはず。その石川氏を2月の区長選で全面支援し、 5選に導いたのは普段から「エコ」を標榜する小池都知事だ 。
今回の計画に小池都政も無関係ではない。区はバリアフリー化工事について、都に福祉関連の補助金をエントリーする予定。1期工事だけで最大6000万円を見積もっている。
小池・石川の“エココンビ ”が民主的プロセスをかなぐり捨て、見直し派の意見に耳を貸さず、町の象徴である樹木の引き抜きに加担するなら、またもや“行政の 見える化”に逆行 だ。以上。
今日はこれから、外に出てお仕事なのでコマーシャル抜きです。
明日の予告、下記です。
「受け皿にあらず 自民の毒が回った“都民ファ国政版”の悪質」
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