2018年10月25日 14時10分 乗りものニュース
NEXCO中日本グループが、トイレ個室での「倒れ込み」や「忘れ物」を早期発見するためのセンサーを開発。シルエットと輪郭で物や人の動きを検知します。
物や人の輪郭で動きを把握
NEXCO中日本とグループ会社の中日本ハイウェイ・エンジニアリングは2018年10月24日(水)、トイレ内の急病人や忘れ物を早期発見するためのアウトラインセンサーを木村技研と共同で開発したと発表しました。
トイレの天井に設置したセンサーが人や物の動きをシルエットで検知し、輪郭(アウトライン)により前後の差を推定します。この推定にAI分析を採用することで、読み取り精度の向上が見込めるといいます。
個室ドアの開閉信号と連動して、入室後にしばらく時間が経過しても人の動きにまったく変化がなければ「倒れ込み」と判定。また、退室後に10×5cm程度の物が残っている場合は「忘れ物」と判定します。
ひとつのセンサーで「倒れ込み」と「忘れ物」の両方を検知可能。また、検知に必要な明るさを確保するLED照明や、忘れ物を通知するスピーカー、黄色LED照明が一体化されています。
開発の背景として、高速道路のSA・PAのトイレ個室では、急病人の発見まで相応の時間が経過してしまう場合があるとのこと。また、落とし物に関する問い合わせはNEXCO中日本管内で2万件を超えており、トイレ個室での忘れ物も後を絶たないといいます。今回の製品はこれらを早期に発見し、安心・快適に施設を利用してもらうことを目的にしているとしています。
なお、センサーは、2018年6月から東海環状道内回りの鞍ヶ池PA(愛知県豊田市)で男子トイレ2か所に設置し、性能や動作を検証。忘れ物をもれなく検知したといいます(急病人は発生なし)。しかし一方でトイレットペーパーのかすなど検知不要な物まで検知していたことから、AI分析の精度向上を図っていく方針です。
今後は鞍ヶ池PAで引き続き試行検証を行い、2019年度から忘れ物が多いSA・PAに随時導入
タグ: 忘れ物検知
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