政府のやっていた物価統計がでたらめだった。しかも「国民にとって負担の多くなる方向にデタラメ」だったのだ。こうなると、故意にしたと疑われても仕方のないところ。これでも、消費税を上げるというのか?こうなると益々疑いたくなる。
総務省もアベノミクス偽装「物価統計」デタラメ調査の実態
公開日:2019/02/07 14:50 更新日:2019/02/07 14:50日刊ゲンダイ
毎月勤労統計の不正による「アベノミクス偽装」で、昨年の実質賃金のマイナス幅は公表値より下落することが判明。追い打ちをかけるように食品メーカーはこの春から怒涛の値上げラッシュと、庶民生活はますます火の車だ。その上、専門家は物価統計調査のデタラメを指摘。現実の実質賃金は統計の値よりも、さらに減少している恐れがあるというのだ。
日銀が昨年12月に実施した「生活意識に関するアンケート調査」によると、消費者が実感する1年前との物価上昇率は平均5%。中央値でも3%だ。先月実施の内閣府の「消費動向調査」では、今後1年間の物価上昇について「2〜5%」と予想する人が38%と最も多く、「5%以上」の21%を加えると、約6割が2%以上の物価上昇を懸念している。
ところが、総務省の「消費者物価指数」だけが大きく下振れ。昨年12月の物価上昇率は前年比0.7%止まりだ。消費者の実感と総務省の物価統計が、ここまでかけ離れているのはなぜか。
そのカラクリを解き明かしたのが、経済評論家の斎藤満氏だ。自身のメールマガジンで「実態以上に日本の物価を低く見せている可能性がある」と物価統計のデタラメ調査の実態を暴いた。
それによると、1つ目の問題は、実質値上げが統計に反映されていないこと。異次元緩和がもたらした円安により輸入原料は高騰し、ここ数年、内容量を減らし価格を据え置く商品がやたらと目につく。こうした実質値上げは、統計部局の予算と人員が限られているため、見落とされているのが実態だという。
もう1つは、統計上の恣意的な値下げ評価だ。この点が目立つのは、電気製品などの「教養娯楽用耐久財」と自動車の価格表示。統計上の値段は市場価格と大きく隔たり、大幅に値下げされて計上されているのだ。
例えば昨年12月のノートパソコンの指数は101.1だが、2000年1月は8379.2と足元の指数のナント80倍以上。現在20万円のPCが約20年前には1600万円以上していたことを意味するが、そんな記憶は誰にもない。今と値段はさほど変わらなかったはずだ。かくもデタラメな理由を改めて斎藤満氏に聞いてみた。
■実感は3%の値上げなのに…
「統計担当者がこの間のPCの機能向上分を価格に置き換え、実質値下げと勝手に判断。現実に消費者が20万円を払って購入しても、統計上は20年前から99%安い2000円の扱いになってしまう。こんなばかげた統計品目がカメラなど他にもあふれており、自動車も同様です。93年1月の指数99.8に対し、昨年12月は100.9と、ほぼ横ばい。今から25年前に私はニューヨークでトヨタの『カムリ』を、当時のレートで200万円弱で購入しましたが、最近、復活したカムリの市場価格は約400万円。現実の価格は2倍に跳ね上がっても、当局が機能向上分を価格評価し、機能は2倍増と勝手に判断することで価格は横ばいで計上しているのです」
こうした現実の価格とのズレは人為的に決まる。そこに恣意的な統計操作の余地が残るのだ。
「日本の物価統計は『価格は市場で決まる』という経済学の常識から大きく逸脱しています。消費者が感じる『3%のインフレ』が現実なのに、担当者が恣意的に物価統計を歪めている恐れすらある。本当は物価が上がっていれば実質賃金はさらに下がり、昨年平均は野党試算のマイナス0.5%程度から現実には2、3%下落していてもおかしくない。日銀の物価目標2%もとうに達成しているのに、実態以上に物価を低く見せれば、無用な異次元緩和を続ける理由にもなり、統計上の実質賃金を押し上げている可能性があります」(斎藤満氏)
すこぶる怪しい物価統計も、「アベノミクス偽装」の手段のひとつかもしれないのだ。
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