「中身ゼロの都民へのゴマカシ」と報じている。
市場問題PT座長の小島敏郎氏(右)と小池百合子知事/(C)日刊ゲンダイ
日刊ゲンダイDIGITAL 2017年7月9日
解除できるのか 豊洲“時限爆弾”
「5月か9月移転」明言も 小池知事側近が反対派分断工作
結局、「決められない知事」との批判をかわすためだけの生煮え案に過ぎなかった 。都議選の告示日の直前に、小池都知事が唐突に打ち出した「市場両立」の基本方針、「豊洲移転・築地再開発」案。 小池知事も都民ファーストの候補も都議選の街頭演説ではこの問題にはほとんど触れなかった。
会見のたびに財源や工期などを聞かれても、小池知事は「ベストな解決策を求めていきたい」などと具体策の明言を避け 、真正面から答えない。7日の定例会見でも「今後どのようなスケジュールで、どういうプロセスでいつ頃をめどに具体的な計画を収支も含めて示すのか」との質問が飛んだが、小池知事は「関係局長会議に、できるだけ早くスケジュールと共に内容を詰めるよう指示した」と語るにとどまった。
■スケジュール明言で反対派に圧力か
完全な逃げ腰は、両立案が苦し紛れの弥縫策、中身ゼロの都民へのゴマカシである証拠だが、 小池知事の最側近はどういうわけか、築地市場の一部業者に豊洲移転の具体的日程を言いふらしているという。発言の主は東京都特別顧問で、市場問題プロジェクトチーム座長の小島敏郎氏だ。
都議選終了後の4日に移転反対派の複数の業者と会談、「豊洲市場は来年5月、あるいは9月に開場する」「農水省も認可を下ろすだろう」と打ち明けたというのだ。
まだ都は農水省に豊洲開場の申請すらしていない段階であり、開場時期を決めるのは都のトップの仕事だ。その小池知事が移転計画を満足に答えられず、スケジュールは何ひとつ決まっていない。それなのに、何ら決定権のない小島氏が、さも決定事項のように「来年5月、あるいは9月開場」などと言えるのか。
小島氏は「豊洲移転・築地再開発」を進言した小池知事の知恵袋。既に本人の脳裏には移転スケジュールが描かれているのかも知れないが、軽率すぎる。反対派の業者もカンカンだ。こう語る。
「反対派にスケジュールを持ち出したのは『豊洲移転は決定事項だからあきらめろ』と築地残留を断念しろ、という圧力。一部の反対派に近づいているのも、反対派の分断が狙いでしょう」
小島氏に発言の真意などを文書でたずねたが、締め切りまでに回答は得られなかった。
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