中国とインドは、国境に軍隊を置いて睨み合っている 。
その中での出来事です。下記。
近藤大介「週刊現代」編集次長
1965年生まれ。埼玉県出身。東京大学卒業後、講談社入社。「フライデー」「週刊現代」「月刊現代」などで記者・編集者を務める。現在、「週刊現代」編集次長、明治大学国際日本学部講師(東アジア論)。2009年から2012年まで、講談社(北京)文化有限公司副総経理。「対中戦略」「日中『再』逆転」「中国模式の衝撃」「中国経済『1100兆円破綻』の衝撃」他、著書多数。
習近平「アジア皇帝」への野望 2017/7/27日刊ゲンダイDIGITAL
中国が暴言 「人民解放軍がインド洋を奪ってやろうか!」
昨日に引き続き、「大国の暴走」について述べる。
本日27日から28日まで、インドのアジト・トワル国家安全顧問が、モディ首相の特使として、北京を訪問する。中国の常万全国防相らとの会談が決裂すれば、中国とインドというアジアの大国同士による開戦が、一気に現実味を帯びてくる。中印の国境紛争が、待ったなしの状態を迎えているからである。
インドのスワラージ外相(C)AP
インド側の報道によれば、今年に入って中国人民解放軍が、中国側からインド、中国、ブータンの国境紛争地であるドクラム高地に至る軍事用道路を勝手に建設した。今度は中国側の報道によれば、インド軍は6月4日と5日、中国が建設した道路を破壊したあげく、駐屯しつづけている。さらに7月5日には、チベット亡命政府のセンゲ代表が、国境沿いのラダック地区に「雪山獅子旗」(チベット独立の象徴)を掲揚した——。
7月20日にインドのスワラージ外相が国会で答弁し、「わが国の駐留部隊は強力で、かつ国際社会もインドを支援している」と胸を張った。
これに対して、中国を代表する国際紙「環球時報」は社説で猛烈に反論した。
<女外相が何をたわけたことを言っているのか。中国の土地は一寸たりとも奪われない。いまは「先礼後兵」の伝統にのっとって外交を優先しているが、14億近い中国人民は領土を失う平和は受け入れない。
ニューデリーが頑迷な態度を取り続けるなら、1日にして強大な人民解放軍を送り込む。中印の軍事費は4対1、GDPは5対1だ。インドが、米日はインド洋で支援してくれると言うなら、インド洋も同時に奪ってやろうか>
実際、今秋に5年に一度の共産党大会を控えた習近平政権に、外交で妥協する余地はない。5年前には春にフィリピンから黄岩島(スカボロー礁)を奪って気勢を上げ、秋には日本の尖閣諸島国有化に反発して暴動を起こした。今回もコワモテの習近平主席は、インドが撤収に応じない場合、8月1日に建軍90周年を迎える人民解放軍に「直ちにドクラム高地を奪還せよ!」と命じるだろう。
7月22日からは、バルト海で中国軍とロシア軍が、NATO軍に対抗して中露海上合同軍事演習を始めた。世界中で「大国の暴走」が止まらなくなってきているというのに、防衛省がニッポー問題で大揺れの日本だけが平和ボケ状態である。
タグ: 中国
【このカテゴリーの最新記事】