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2021年03月03日
Pulp Fiction 1994
組の金を勝手に持ち出して、弟分と車で逃げた。わざと古いモーテルを探してシャッター付きの車庫がある部屋を確保し身を隠しながら逃げ続ける。三か月ほど経過した地点での完璧な逃亡生活に気が緩み始め根拠のない自信がふたりを支配する。飽きてきた。
そんな中、とあるステイ先のモーテルの一室で弟分がモーニングサービスを頼んだ。オーダーは柄にもなくエッグベネディクトと濃いめのブレンドコーヒー。それにたっぷりのシリアルにバスケットに盛られた季節感のあるフルーツ達。豪華な朝食だ。普段、身を潜めて生じたストレスを一騎に爆発させようとするのも無理がない。運び込まれたオーダーを満足げに眺めている我々に、可愛らしい客席係が笑顔で話しかける。「追加オーダー頂いてます。」
いつの間にか向けられている二丁の銃口が朝陽で美しく輝いていた。そんな夢を見たことがある。いまだにその続きは見ていないので、恐らく二人ともあの可愛い客席係から逃げることはできなかったんだろう。
この作品の黒人の部下のように日本でも実際に組織を抜けて牧師さんになり、道を説く方がいらっしゃいましたよね。善と悪は表裏一体だという事でしょうか。悪を重ねる人にも善の心が何らかの形で存在するのでしょうか。
パラサイト 2020
生まれ育った家は築70年くらいのたいそう古い建物だった。窓枠も勿論木枠で、隙間風が半端なかった。遊びに来た友達は部屋に入るや否やジャケットやジャンバーを見つけて逆に着込むというおかしなことになっていた。さすがに見かねた親がサッシに取り換えてくれたのだけれど、離れになっていたその部屋全体が歪んでいて本来の窓枠とサッシの間に隙間が生じて何の役にも立たなかった。喜び損をした。やはり結果をきっちりと見届けた上で喜ぶことにしたきっかけの事件の話。まあ、現在の寝床も大差ない気がしないでもないが。
どのシーンだかで父親の言った言葉「最大の作戦は、何も策略を練らないこと。そうすれば失敗もしない。」コロナのダメージの巻き返しに、あの手この手を日々考える自分に対して『もっと気楽に生きましょうね。』
というメッセージなのかもしれない。とにかく一度きりの人生。
2021年02月24日
インクレディブル・ファミリー 2018
カフェの面接で、時折深く印象に残る場合がある。その中で一度だけ即お断りしたのが中年男性で、夕方からカラオケ店勤務のWワークなので、3時までを希望。おまけに前歯が4・5本無い。やはり接客業においてケタ違いの悪印象は改善しようもない。よくのこのこと面接にこれたなと少々いらだちながら他に適している職業があるのではと提案した。
そんな自分が、昨年のコロナウイルスの影響で洒落にならないダメージを受け、今も尚憶測のつかない状況と判断して、夜中の空いている時間に警備の仕事を始めた。勿論経営回復までと割り切ってはいるが、正直場違いで、ちょいちょいミスをしてしまう。新しく何かを発想する必要がないし決まり事を淡々とこなせばいいのだが、やはりどんな仕事でも適材適所という事を再認識した訳で先輩方に申し訳なく思いながら早くコロナが終息の域にと願うばかり。恐らく先輩方の脳裏にもこの言葉があるのだろう。適材適所。
1作目がとても面白かったし、続編を匂わせてからの今回作。本来の持ち味を封印されての家事や子育てに追われ途方に暮れるMr.インクレディブには少し共鳴するものがあり、最終的にヒーローとして息を吹き返す彼の姿にこれから先への希望を感じた(単純)! やはり飲食仕事最高!祭の撮影も早く再開したい!
{ DearJapan47 } HP にカフェシネマページ(予告編一覧)あります。
どうぞお楽しみください。
http://cinema1.web.fc2.com/
2021年02月20日
Priscilla, Queen Of The Desert/プリシラ 1994
正直、自分の外見とカフェのイメージがあっていない。最初からそうではなく、一軒目のカフェアンジュの頃は根拠のない自信があってデザインする事も表現する事も人に負ける気がしなかった。二軒目に至っては自分の想い全開で本当に充実した日々。ところが建物の老朽化で取り壊すことになり、心機一転 コッコロカフェに。ただ、いつも通り自分でデザインして作った空間なのに何故か居心地が悪くなっていく。始めた頃からはとっくに20年の歳月が経過し、もともとの酷いコンプレックスが年齢と重なって自身の心の居場所では無くなってしまった。そんな感情も相まって現在の、等身大の店構えに移った。結局、適材適所が大事というくだらない話。
彼等達(彼女たち?)が3,000キロの旅に選んだのがおんぼろのバス。ショーに出演するためだが、能天気な一人を除いて自分探しの旅になる。結果それぞれの心の居場所を見つける。
ところどころで流れる80年代の名曲に加えて無彩色の砂漠で咲き誇るスパンコールに身を包んだ3人のドラッグクイーンの艶やかさが魅力的な作品に衰えは感じない。是非、ご覧あれ。
{ DearJapan47 } HP にカフェシネマページ(予告編一覧)あります。
どうぞお楽しみください。
http://cinema1.web.fc2.com/
2021年02月17日
Always 1989
お爺さんの50回忌が父親の実家のある小さな山のふもとで行われる一週間前、なぜか思いついて墓道までの落ち葉拾いをしたのだけれど面倒くさいのでその集めた枯れ草を燃やし始めた。その途端映画のワンシーンでもあるかの如く急に強い風が谷側から吹き上げて来た風にのってものの見事に火の粉を廻りの草木に振りまいたからたまったもんじゃない。風が吹き上げる度に延焼していく。母屋の片隅の水道栓を開きっぱなしにして二つのバケツで交互に現場に水を撒き火をたたき、二メートルの岩盤を飛び降りてまた水を運んでという死闘を本当に長い時間(おそらく短い時間なんだろう)かけてふと思った。「もう無理。。。」ところがそんな激しさを増す火の勢いが嘘のように墓道を境にぴたりと止んだ。続々と村の青年部の消火隊がホースを担いで下の道から上がってきてくれたのは火が沈下してからの事だった。この時生まれて初めて腰を抜かして地面にへたり込んだ時、ちょっとだけ自分を笑えた。
自分が死んでしまった後に意識だけが残るのはキツイ。やりたかった事や伝えたかった事を一生(?)引きずっていかなければと思うとキツイ。後悔せずに死に切れるように、日々全力で生きよう!このブログも全力で書くのだ!
この映画の頃に、似たストーリーで{ゴースト}という映画が人気だったが、断然こちらが好きかな。どちらも主人公がショートカットでチャーミングなんだけれど、Alwaysの曲が効いてるし、何と言ってもオードリーヘップバーンが出演した最後の作品なんですから。役柄は映画を観てのお楽しみ。すごく綺麗な佇まいですよ
2021年02月16日
モリのいる場所 2018
飲食店を長い間営んできたわけですが、今になって外の景色が見たくて夜間の仕事を始めた。そう、Wワーク。正直、人間関係や規則が苦手で個人経営の湯に浸かっていたのでいろいろと大変なんだけれど今までにない世界を楽しんでる自分がいる。最終的にはDearJapan47の活動をメインにしたいのだけれどなんせコロナの野郎がねっ。世の中が落ち着くまで辛抱です。
30年間、自分の敷地の森から出たことがない書家であり画家である主人公のモリ(ややこしい)。
その森には様々な生き物が住み、それぞれの観察(挨拶)で一日の大半を過ごすモリにとって格好の遊び相手。繰り返される淡々とした日常に、沢山の人々が訪れ退屈という言葉を封じる。こういう生活も楽しそう。
歳を取って足腰がちょっと不自由になった頃にまたこの作品を見てみるとしよう。
DearJapan47 HP にカフェシネマページ(予告編一覧)あります。どうぞお楽しみください。
http://cinema1.web.fc2.com/
2021年02月14日
おいしい家族 2020
カフェを始めた頃、知り合いの中高年の男性達にこんな事をよく言われた。
「なんで、こんな女のする仕事するんか?」
理由なく威張っていて、しかも偏見に満ちた昭和の時代。そりゃあ仕方のないことでもある。
なんだかんだ言っても戦争を経験していないわけで、それを前面に出してこられたら降参するしかないわけで、しばし理屈だか屁理屈だかわからない強引な言い回しで子供時代からそこそこの年齢になるまで、押し込められていた。
ただ、うちの親父に関しては普段えっらそうにしてた割に肝心なところが女々しくて、そこは女なんかい!
と、心の中ではつっこんでいた。(口に出そうもんなら、町が潰れそうなくらい暴れるので言えなかったが。)
万引き家族の作品が話題になったが、個人的にはこの映画のメッセージも同レベルだと感じた。
結局、どんなスタイルであっても、同性のカップルであっても、どんな事情を背負った人達であってもそこに愛情が溢れていてお互いを思う気持ちが深いのであれば、形だけの家族よりもとても素晴らしいものだと言う事。亡くなった母親が生前好きでよく作っていたおはぎを、父親?母親?が作ってそこに次々と皆が集まってきて美味いうまいと笑顔で頬張るシーンが印象的。おいしい家族。
ま、ろくに父親の役目が出来ていない自分が偉そうに言うような事でもないですけど。
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2021年02月12日
ザ・ファブル 2019
関西弁でいう『アホやなぁ。』は、敬愛の意味が多く占めている。以外のエリアの人達にはきつく取られ勝ちだけど本当は真逆。ところが語気を荒げて短く『アホかっ』となると、皆様ご存じの『アホ』
他の方言でも同じことかも知れないが、感情がそのまま言葉になる。任侠ものは特にどぎつい言い回しなので、関西弁初心者にはその作品がどのようにとらえられるのかとても関心がある。
この作品もどっぷり漬かった関西弁の応酬ですけど、何故かスッキリとした感じは演者のせいかな?とても楽しめたし、続編がめちゃめちゃ楽しみ
時代が違えば、木村文乃はキャッツアイの三姉妹の一人やったやろねぇ間違いなく。
Dear japan 47のホームページに『カフェシネマ』のページがあります。
カテゴリ別にしてありますので、そちらでもお楽しみ下さいませ。
http://cinema1.web.fc2.com/index.html