「やりまわし」とは、だんじりが勢いよく、街角を直角に曲がる事を言います。
一見、下品な言葉に響く方もおられると思いますが、
京都の祇園祭、鉾の「辻まわし」や飛騨高山祭、山車の「戻し車」と同じ意味です。
祇園祭や飛騨高山祭、現在僕が住んでいる大津祭りなど全国各地の祭りでは、曲がり角でゆっくり方向転換する様子は一つの見所になっています。
岸和田のだんじりはゆっくり角を曲がるのではなく、勢いよく走りながら直角に向きをかえます。
重さ約4トンを超えるだんじりが、勢い良く曲がる様子は、他の祭りにない、迫力とスピードを生んでいます。
そこが、岸和田祭りの醍醐味であり、全国で有名になった由縁です。
岸和田祭りの間、だんじりは決められた曳行コースを何周も行き来して、曲がり角ごとに「やりまわし」を行います。
やりまわしは、だんじりを前へ曳く青年団、
きっかけをつくる前梃子、
舵取り役の後梃子、
後梃子に合図を送る大工方、
それぞれのタイミングが合って、はじめてきれいな「やりまわし」が出来ます。
走りながらだんじりを操作するのは難しく腕の見せどころでもあります。
速く、正確できれいな「やりまわし」を行うに為には、
それぞれの持ち場を担当する各団体の息が合うことがもっとも重要となり、
各町の腕の見せどころであります。
そのため、町ごとの仲間意識が非常に高く強いのも岸和田だんじり祭の大きな特長でもあり、時には朝まで「やりまわし」について語り合う事もしばしばあります。
時々、「やりまわし」に失敗し、
だんじりが曲がり角でぶつかったり、
倒れたりする派手なところばかりが、
クローズアップされる事がありますが、
決してパフォーマンスではなく、
どこの町も事故のない、安全な曳行を最優先にしているのです。
岸和田だんじり祭り 通称 貝源(かいげん)でのやりまわしです。
2014年9月12日 大手町
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