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2020年12月01日

文芸部 ライトノベル初心者が、ライトノベル好きのパートナーに指示されながら書く、ライトノベル完成まで(4)



どうも、梅ゆかり母さんです。

ライトノベル初心者が、ライトノベル好きのパートナーに指示されながら書く、ライトノベル完成まで(4)

 とりあえず、書きだしを考えて書いてみた。

 パートナーいわく春からのスタートがいいようなので、春。しかも、桜が舞い散る中の卒業式だという。
 卒業式に桜なんて、咲いてたっけ? 入学式ですら、葉桜のような。とも言えず、

—少し肌寒いながらも浮足立ってしまうような風が吹く。日はまだ緩く薄く、冬が名残惜しそうな様子なのを感じる、そんな桜の舞う、ほんのりゆる日の射す中、アニスは卒業を迎えた。—

「ごめん、なんていうか、長い。
 なんで、桜が散る中、卒業式を迎えた。みたいな、簡単なのじゃないの? 要らないよ、こういう長いの。わざわざさぁ、春ってこういう感じじゃん。て言わなくてもわかるし」

 え? 小説ってそういうもんじゃないの? 真夏に読もうが、真冬に読もうが、こういう状況でス、今。って説明して、世界に入ってもらうもんじゃないの? いや、確かに、春です。とかいてりゃ春だと解るけども。
「桜が大事なんだよねー。桜がさぁ、こう散ってるなか、行くぞって気になるじゃん」
 って言いましたよね? 桜、ポイントじゃないんですか?

「てか、それ、どこの話?」

 え?
「いや、異世界?」
「うーん、なんか違うんだよねぇ。ねぇ、異世界って、解ってる?」
「いや、全然」
「だと思ったー」

 てかね、常々思っていたのだが、作家各々の頭の中で作り出されている世界はすでに、全部が「異世界」なんじゃないのか?
 異世界の定義って、作り物の世界だろ? だったらいいだろうよ、これで。

「RPGなんだってば。ドラクエとか、ファイナルファンタジーとか。ああいうような世界。解る?
 こういう難しいこと書かなくてもいいんだよ」

 ……はぁ。そうなんですかぁ。

 で、書き直す。

—桜が舞う中で卒業式が終わった。—

「短すぎじゃね?」

 その後、一時間ほどでだしと異世界の説明を受けたが、全く頭に残ってない。なぜなら、ずっと私の頭の中にあったのは、


「じゃー、お前が書けよ」

 言い出しっぺだけども、頑張るよ。と意気込んだけども、ダメ出しだけして、アドバイス「下手すぎ」

「だからぁ。中世的な? 剣と魔法的なものがさぁ、あるんだって」

 なんだ、その、漠然としたどうでもいい説明。いや、そういうものなのかもしれない。
 だって、すでに、ライトノベルファンの頭の中には「世界」が確立してあるのだから、それを壊して書くのはそれは異世界ファンタジーではないのだろう。

 じゃぁ、あたしが書こうとしているのは、何?


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