アクロイド殺し ハヤカワ文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】
価格: 1,056円
(2021/3/31 14:33時点)
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どうも、梅ゆかり母さんです。
ポワロが土曜日に復活です。
そして、復活が「アクロイド殺し」です。
正直言います。
この話のネタは好きじゃありません。
ですが、タイトルが妙に好き(笑)
そして、この本の表紙。とっても意味深で、とても好き!
キングズ・アボット村のフェラーズ夫人が亡くなった。夫人は未亡人だが大変裕福で、村のもう一人の富豪ロジャー・アクロイドとの再婚も噂されていた。検死をおこなった「わたし」(ジェイムズ・シェパード医師)は睡眠薬の過剰摂取と判断したが、噂好きな姉キャロラインは早速あれこれと聞き出した上、夫人の死は自殺だと主張する。外出した「わたし」は、行き会ったロジャーから、相談したいことがあると言って夕食に誘われた。
夕方、屋敷を訪ねた「わたし」はロジャーから悩みを打ち明けられた。再婚を考えていたフェラーズ夫人から、「一年前に夫を毒殺した」ことを告白されたというのである。しかも、夫人はそのことで何者かから恐喝を受け続けていたという。そこにフェラーズ夫人からの手紙が届き、ロジャーが読み始めたところ、それは恐喝者の名前を告げようとする手紙だった。ロジャーは後で一人で読むと言って「わたし」に帰宅を促す。その夜ロジャーは刺殺され、フェラーズ夫人の手紙は消えた。
いつもの事ながら、wikipedia参照です。
そして、それ以降のあらすじもありましたが、これだけにしておきます。
この話は「わたし」が物語を語っているという奇妙な書き方をしています。
ポワロが書いているのでもなく、この時助手になるかもしれない人の代筆でもなく。
それがこの話を面白くも奇妙なものに仕立て上げ、
意外な犯人へと結びつくわけですが、
このやり方が卑怯だとか、フェアじゃないとか……そう言えば、
アガサ・クリスティはよくそういう評価をされたものを書いてますね。
「そして誰も居なくなった」も現実離れしすぎている。
や、ふざけるな。といった評価をされたようですね。
今でいう、大炎上されたわけだけど、
どうなんでしょう?
大炎上してもなお、ファンがいて、「だまされた〜」と言って楽しむ、私のようなファンもいる。
決して、これは推理小説ではない。と誰からも総すかんされているわけじゃない。
ところを見るとですよ? やはり、アガサ・クリスティは上手な作家なわけですよ。
人の心情をもてあそぶのが
だから、誰もが皆小気味よく騙され、ふざけるな。と言いつつ、続きが読みたくなる。
何度も何度も読んでいるのに、同じ個所で、
「犯人が変わったか?」
などと錯覚してしまう。
それは、どんな小説よりもテクニックがいる読者に再読させる方法だと思う。
ほとんどの人が一度読むともう一度開けて読むということはしないでしょ。
もう犯人だって解っているのだし、今更。とね。
でも、アガサ・クリスティに限っては、二度目、三度目よんでも、
やはり、犯人へとミス・リードさせる方法がうまい。
そして、またミス・リードされ謝った推理をしてしてしまう。
このアクロイド殺しでは、犯人はけしてほかのどの作品の犯人とも違って、
「あいつが怪しい」と騒ぎ立ててはいない。
怪しいわぁと思われていたのは執事であったり、秘書であったりする。
同居している二人だって怪しい。
そう、みな怪しく書き上げているのだ。
まったく、無害そうな人は、正直、ポワロですらないのだ。
だからこそ、何度読み返しても、「あれ? 犯人、変わってないよね?」という錯覚に陥るのじゃないかしら?
ポワロでさえも、犯人じゃないかと容疑者にしてしまうような記述。
やっぱり、アガサ・クリスティはミステリの女王です。
そして、いくら彼女がポワロを作らなけりゃよかったといっても、
ポワロは彼女が作り出した最高の探偵なんです。
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