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2003.03.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 「今だから明かせる保健婦時代の出来事」シリーズ、第九弾だよ。おぉ、久々のシリーズだ。

「「今だからあかせる保健婦時代の出来事」ニュー番外編!」 の日記同様、今回も、担当してた結核患者さんのこと。保健所に配属されたばかりの新米保健婦は、今日も頑張る!赴任して1ヶ月ほど経った頃、ぼちぼち数十枚の結核患者さんのカルテに目を通し、ヨシ、始動だ!

 さて、この患者さんは・・・と。前任者の書いた登録票(カルテ)には、特に詳しい記載はなかった。まずは、電話で様子を伺ってみた。すでに、服薬治療期間を終えていて、今は経過観察中。そのおじいさんは、ざっくばらんな口調で声がハキハキしていた。新しく担当させていただく「 I です。」と自己紹介した。(「I」は私の旧姓イニシャル。)「また、お宅にも訪問させていただくことがあると思いますので、よろしくお願いします。」と言って電話を切った。

 ある日、「I さん、いてるか?」と大声で保健所の事務所フロアーに、どかどか入り込んできた老人がいた。細身で長身の老人は、浮世離れした派手な老紳士だった。ピッカピカのゴージャスさ。

 声で、先日電話で話したあの老人だとわかった。「はい、私です。**さんですね。」と応対した。患者面接は別室に行くのが普通だが、その老人は、私の机のそばにドカッと腰掛けてしまったので、やむなくそこでお話することになった。

 「わざわざ来てもらわんでも、こっちから来てやったで。」とニコニコ顔。ご隠居さんはヒマなんで、新任保健婦の顔を見にきてくれたんだと思い、こちらも愛想良くお礼を言う。前任者がカルテに書きもらしていたことを聴取したいと思っていたので、早速本題に入った。

 結核は、昔、そこいらじゅうに菌が蔓延していたので、年輩の人であれば、すでに自然感染してしまってるのが普通。逆に、年少者は、結核が少なくなった時代に生まれ育ち、菌と遭遇する機会が激減、さらに乳幼児ともなれば、まだ行動範囲が狭いこともあり、ほとんどは未感染状態。ツベルクリンで未感染を確認した上で、人工的な結核菌を植え付け免疫をつくる。これがBCGである。(BCGについては こちら

 老人の場合、発病する前に初めて感染したのではなく、おそらく、老人が若かった頃(子供時代)に感染してしまっていたはず。(これが、もしツベルクリン反応検査をしたなら、自然陽転と言われる状態のこと。)健康な間は、菌は肺の隅でひっそり眠っている。が、他に病気をしたり、心身とも無理をして多大なストレスが続いたり、高齢などの要因で抵抗力が落ちると、大昔に住み着いた結核菌は長い眠りからさめて暴れ出すことがある。これが、発病のメカニズムである。

 一旦、自然感染すると、自前の免疫が作られる。人工的なBCGより長持ちで頑丈な免疫。だから、その後、結核菌まみれの中にいても、その菌は免疫力でやっつけられる。つまり、再感染はしない。もし、その人が、将来、免疫力の低下で発病するとしたら、大昔に吸い込んだ初感染時の菌が原因ということになる。この「初感染発病説」に基づく患者管理指導を全国に先駆けて押し進めていた自治体に属していた私は、まだ理解されづらいこの理論が啓蒙されて、やたら怖がる差別的な要因を払拭できたら・・・と張り切っていた。

 患者さんには、発病までの経過、抵抗力が落ちるような出来事がなかったかどうか、ある意味、調査のために尋ねることになっていた。そういうデータの蓄積が予防へのより優れたマニュアルにつながる。

 「○○さんが発病された昭和**年ごろ、大きな病気をされたとか、お仕事が忙しすぎて疲れていたとか、何か思い当たることはなかったですか?」と質問した。

 「いやー、あのころは、むちゃくちゃやったわ。難波で抗争があってなー、毎日のように撃ち合いやで。そら、組のもんのことで色々気ぃつこた。」との答え。

悠々自適のご隠居さんかと思っていた私は、やっと、カルテの空欄になっていた職業欄に入る言葉を理解した。そう、彼は、組員思いの組長さんだったのだ。

 私は、心底感心して「そうですか、大変だったんですねぇ~。そういうことがあると、ご自分で思ってる以上に身体にこえたんだと思いますよ。」「で、咳が続くようになったのは、それからスグなんですね?お医者様にかかられたのはそれ後どのくらい経ってからですか?」と、続けた。発症から初受診、受診から確定診断までの期間も、大切なデータである。

 終始、ご機嫌な組長さんに「じゃまた、奥様も、念のため検診に来ていただきましょうね。それとも、無料検診票をお渡ししますから、近くのお医者様に行かれますか?」などと勧めた。「いや、また、アレ(奥さん)も連れてくるわ。」と、私にバイバイの手を振りつつ、意気揚々と事務所を出て行かれた。すっかり「I 保健婦」は友だち扱いだ。

 そりゃ、患者さんにはいろんな職業の人がいて当然!早速カルテに「**組 組長」と記入した。

 後日、組長さんにつれられて来所された夫人(後妻さんで、二周り近くお若い!)は、やはり、貫禄があってゴージャスでとても美しい人だった。当時、50歳少し前くらいだっただろうか。キレイな人やなーと見とれたことを覚えている。ただし、岩下志麻さんタイプではなかった。そうそう、水野久美さんタイプだ。

 組長さんは、私がその保健所に属していた間に、他の病気であっけなく亡くなられた。あれから、24年、奥様は、今もお元気だろうか?当時のあの夫人の年齢に近づいてきているというのに、私は、相変わらず、アホアホ状態のおちゃらけ夫人のままである。





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最終更新日  2005.10.23 20:00:17
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