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2004.02.22

客観的な報道と言ってはみたが、実際にはニューソースをそのまま報道すること自体にも危険性があること

(12)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(435)

カテゴリ： 🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】

吉祥寺裕也さんに「饒舌調でもいいではないか」とアドバイスされたので、ちょっと自信を得て、それに開き直りも加えて、相変わらず自動書記法で（いや、そんなおおげさなものでもないが）、考えたことをそのままタイプしていくことにする。
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昨日の日記で日本のジャーナリズム、特にニュースステーションなどの夜のニュースショーでの「事実としてのニュース」と「ニュースの解説」と「番組としての主義主張」が混合したまま視聴者に提供されていること、その結果、視聴者をある特定の意見に誘導してしまう可能性を指摘した。

それに対してyiｔikoさんからＢＢＳに書きのような意見が寄せられた。

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客観的にニュースを報道しようとする時、NHKのように「何の偏りもない」ことを第一にするあまり、問題点がどこにあるか曖昧になってしまう場合もありますね。
その意味で久米さんが出てきた時新鮮だった。
でも確かに個人的意見との境界が分からなくなっているのは事実です。
（以下省略）
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新鮮だったというのは確かにそうだったろうと思う。
ただ、味付け海苔の味になれると、素の海苔が物足りなくなるのと同じことになる。
あの味付け海苔というのはあれだけでご飯が食べられてしまう。
しかし、例えば寿司巻用の味の付いていない海苔ではそうはいかない。
あの味付けというのは、きっと砂糖や醤油やその他の調味料が添加されているはずで、そういう味付け海苔に慣れていると、本当の海苔そのものの味を忘れてしまって、また味付け海苔は「海苔＋添加物」だということを忘れて、海苔とはこんな物だといつの間にか思いこんでしまう。

やはりニュースに「解説」と「意見」を付け加えるのは、本来その立場ではない「アナウンサー」や「司会者」のおしゃべりでは無く、それなりの立場の識者でないとまずいだろうと思う。

＞「NHKのように「何の偏りもない」ことを第一に」といっても、実際にそうだとは思わない。
ＮＨＫは公共放送であり、やはり実際上、政府からの大なり小なりの圧力もあるだろう。
「事実をして語らしめる」というのが野外科学の原則だが、基本的にはこれでいいのではないだろうか？
入ったニュースをできるだけそのまま報道し、そのままでは理解できない部分、不足な部分を補う。
しかし、自分で言い出しておいて矛盾するようだが、「（何の偏りもない）客観中立的なニュース報道」というものは不自然だし、厳密には実現不可能。
無理に中立的なニュースに仕立てることも、事実をゆがめることになる。

それに加えて、厳密に言えば、そのニュースソース自体も問われることになる。
どこまでが事実か？　個人的な主義主張がどの程度反映しているのか？　そんな検証はなかなか難しい物になる。
イラクで活躍した個人のフリー・ジャーナリストたちのコメントや映像も、あのような危険な地域での取材であるから、彼らの発信する情報しかない場合がある。
こんな場合はその情報にしか頼らざるを得ない場合が多いが、そのリポーターの資質も思想傾向も問われる。
ある通信社から配送されたニュースなら、その通信社がすでにバイアスをかけていることもある。

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逃げるようだが、この問題を精密に完璧に論ずることは難しい。
ただ少なくとも出来る範囲内で明確に区分けして欲しい。
「ニュース報道」と「その解説・補足」と「そのニュースに対する責任のある主義・主張」を。

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ここまで書いたら、VAN1977さんからＢＢＳに書き込みがあった。
例によって無断引用ごめん。

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VAN1977さん
＞ニュースと意見番組がごった煮なのである。
＞これが平均的サラリーマンが愛読する週刊誌の構造的現実である。夕刊紙の、夕刊フジ・日刊現代なども、似たようなものだ。
＊＊＊＊＊＊　
まさにその通りです！しかし、そんなくだらないかもしれないモノ達でも、「時代」を読み取らないと部数が伸びないし、数字（視聴率）も取れないのが現実なので、その雑誌や番組に込められた意味は何かを読み取るほどのメディアリテラシー（情報分析能力）が我々には求められていると思います。
ま、すごく「高度」なことですが（笑）。
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VAN1977さんにはやられてしまった。
そうなのだ。
メディアリテラシー（情報分析能力）という一言を中心にすれば、私もあんな冗長な文章を書かなくてもよかったのだ。
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リテラシー(literacy)とは、学問教養のあること・読み書き能力（のあること）だ。
日本人はリテラシーが世界最高水準にある。
文盲など事実上無いといってもいい。
リテラシー率が99%だという。
こんな国は他にない。
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新聞・テレビ・ラジオなどのマスメディアの提供する情報に対して、それを理解し批判する能力があることを「メディア・リテラシー」があるという。
これを正常に機能させるためにも、客観的な事実と意見・主張を分離すべきだと思うので、それを言いたかったのだ。

ただし本当は客観的な事実と意見・主張が区別無く提供される傾向のある日本のメディアを視聴しても、メディア・リテラシーがじゅうぶんあれば、自分でその二つを分離することが出来る。
しかしそれでも、なお誘導には影響される部分があると思うのだ。

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