【不眠症カフェ】　Insomnia Cafe

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2004.09.25

憲法第９条　日米安保と国防

(18)

テーマ：深夜の不眠症カフェで読書 Insomnia Cafe(92)

カテゴリ： 🔴 D 【防衛と安全保障】　改憲・沖縄

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「国連で考える日本のあり方」　兵庫県の主婦

ブッシュにつく日本には、安保理常任理事国入りにからめて、憲法９条の改正をという主張が流れている。
だが、複雑な世界情勢の中であってこそ、９条は大切に守るべきではないか。
（中略）
それこそ太古から世界各地で、戦争・動乱により、敵味方の別なく、幼い子どもを含めた多くの大切な命が失われてきた。
だが、敗戦を機に、９条に支えられてきたこの国のあり方は、すべての人が安らぎの生を全う出来る方法を示しているのではないか
～～～～～～～～～

こんな意見？が、『声』欄のトップをかざるところが、いかにも朝日新聞らしい！
この意見が私のいう『観念的平和主義』の典型だから、ちょっと考えてみたい。

先ず、前段のこの部分の要点を考えて欲しい。
＞複雑な世界情勢の中であってこそ、９条は大切に守るべきではないか。

第９条とはすなわち、『軍隊』と『交戦権』の放棄である。
つまり、第９条、すなわち、日本が『軍隊』を持たず、『交戦』もしないこと、を大切に守るべきであるという意見なのだが、その理由が、『複雑な世界情勢』。
まあ、『危険な情勢』という意味なのだろうけれど、その危険な世界情勢の中で、日本が『平和憲法』を維持していることが、危険な情勢に対してどんな解決になるのだろうか？
後段で言うが、日本は『平和憲法』を持っているが、その憲法の目玉である『軍隊』廃止は実行していないのだから、なおさら、この人の言う『平和憲法を維持していく意義』が理解できない。

日本だけが、軍隊（＝自衛隊）を廃止して、永久平和・中立と言いながら、『見ザル』『言わザル』『聴かザル』になっていれば、日本だけは戦火を免れるとでも言うのだろうか？
これでは砂漠の砂に頭を突っ込んでいるダチョウと同じではないか？
それとも、世界中が日本の平和憲法を評価して採用・実行して、続々と軍隊を廃止してくれる兆候が、少しでもあるのだろうか？
それなら、『平和憲法』を持っていても大丈夫なのだが。

次に、後段だが
＞９条に支えられてきたこの国のあり方

私のいう『観念的平和主義者』の典型であるこの人の、この意見が全くのウソであることを、この人自身が自覚もしていない。
（こういう人は永遠に自覚しないだろうが）

日本の防衛については、さまざま意見があってしかるべきだが（私も単純ではないつもりだし、右翼でもない）、先ず『前提としての現状認識』として、こんなことを言う人が堂々と存在しているのだから恐ろしい。

この人は、第９条、つまり『軍隊を持たないこと』が、戦後の日本を支えてきた・・・と主張している。
そんな事実があるだろうか？

しかも、実際には日本には軍隊である自衛隊を持っているし、在日米軍も駐留している。
この人は、現実には、世界最強の米軍と自衛隊に守られているという現実には目をふさぎ、または全く評価もしていない。

その一方では、『平和憲法』を世界に誇り、『日本は軍隊を持っていないし、交戦もしない（出来ない）』と言いはり、９条賛歌を歌い上げる。

『平和憲法』は、『日米安保』という国防的実態があってこそ、存続し得ている。
好きか嫌いかは別にして、この現実はすでに何十年も存在してきた。
軍隊無しの日本が、『平和憲法』にいつまでもしがみついていられただろうか？

現実認識の先の国防論は、人それぞれが意見を持っていればいい。
しかし、私たちが今、立っている現実を、このように欺瞞で塗り固めては、その先の議論に進める訳もない。

もう一つ、事実として現状認識しておかねばならないことがある。

最近、北朝鮮がテポドンの発射準備をしているのではないかと言う疑惑が持ち上がっている。
発射までには液体燃料の注入などに三日間はかかるらしい。
その兆候を読みとるための軍事偵察衛星が大切になる。
米国の衛星写真は地上１０センチのものまで解析可能。
人が何をしているのか、歩いているのか、走っているのかまで、一目瞭然という。
それに比べて日本の衛星写真は１メートルまでで、人の存在も明確には分からない。

加えて、ミサイル基地の電話・電波などの情報収集は、日本海に展開する米軍の情報艦・イージス艦がなければ不可能になる。

液体燃料を注入しはじめたら、これを止めなければいけない。
発射されれば、五分で日本に飛来する。
具体的には大陸間弾道（核）ミサイルで、ミサイル基地を壊滅させなければいけないが、これもミサイルを持たない自衛隊にできる業ではない。
米軍のミサイル搭載原子力潜水艦にしかこれは出来ない。

中国が核ミサイル１００発を日本に対して照準を定めているという。
中国は核保有国、ミサイル保有国だから当然核ミサイルは用意している。

北朝鮮も、地下基地から２００発のミサイルを日本に向けているという。
北朝鮮の核保有が問題だが、最近、純度の高いサリンを大量にロシアから購入したという。
核ミサイルでなくて、サリン・ミサイルになってもおかしくない。

こんなミサイルが大量に飛来すれば、日本全土はたちまち、太平洋戦争末期の米軍による大空襲を受けた東京・その他の大都市や、原爆投下時の広島・長崎の惨状になってしまう。

このように、日本は核ミサイル攻撃の脅威に対して、米軍（＝日米安保）の抑止力（ミサイル）に依存している。
好き嫌いは別にして、これは紛れもない現実。

それに専守防衛の軍隊である自衛隊は、敵が日本本土に上陸してくるまでは、ほとんど手出しが出来ないのだ。
そうすれば、太平洋戦争末期の米軍との沖縄決戦のような状況になるまで、手出しが出来ないし、自衛隊が反撃する頃には何十万人もの死者が出ているだろう。

米軍をそれほど信頼している訳でもないが、現状では日米安保が必要だと認めざるを得ないと、私は思う。

追記。

国の最大の責務は国民の安全を守ることで、それが出来なければ、国の存在価値は無いに等しい。
よほどの小国以外は、どの国も軍隊を持っている。
コスタリカという中米の小国は、憲法にも軍隊の放棄をうたっている、人口が３４０万人という貧しい国で、軍隊を持つ余力が無いと言うから、これも例外と言えるだろう。
もちろん、例えば、南洋の小島の小国などは、警察がせいぜいだろう。

それに加えて、日本は今、世界でもっともきな臭い地域の一つである北東アジアに位置している。
しかも、中国・北朝鮮という好戦的な軍事大国と隣接している。

その中で、軍備を持たずにいる（＝抑止力を放棄する）ということが、どういうことなのか？
軍縮なり、軍備の放棄と言うことは、相互に行ってこそ、意味があり、効果がある。
日本だけが単独に武装解除することが、どれほど危険極まりないことなのかは、普通に考えてみればすぐわかること・・・のはずなのだが。
日本人は、いや日本人だけが、客観的な見方を出来ない、または思考停止を起こしているのかも知れない。

おまけに、隣接している某独裁国家の独裁者が、気まぐれや精神的な異常状態に陥ったり、軍部のクーデターが起こって内乱状態になった時に、その余波が日本におよんだり、日本に向けて銃口を向けることは、可能性が比較的高いことと考えてもいいだろう。
現に、独裁者を狙ったと思われる大爆発が連続しているし、暗殺未遂事件は数多くあった。
それがこれから勃発しない保証がどこにあるのだろうか？

もちろん、平和への話し合いの努力はあるべきだし、それで信頼関係のある不戦の友好条約が締結できれば結構だが、現在そんな客観情勢にあるだろうか？

他国を侵略しろといっている訳ではない。
とりあえずは、世界のどの国もやっているように、効率のいい軍備と関連法規を整備するべきだと言っているだけのことだ。
それを否定する人を、私はどう判断していいのか？わからない。

その原因はどうあれ、南北朝鮮間で、再び朝鮮戦争が勃発したら、その余波は必ず日本におよぶ。

ミサイル攻撃があるかどうかは保留するとして、航空機・水上艦艇による攻撃・難民の流入・・・。
これらの確率は高い。
ただし、北朝鮮の海軍の艦艇の戦力がどれほどか？にもよるだろう。
大型艦艇でなくても、不審船規模の高速魚雷艇や潜水艇のダイバーによる臨海原子力発電所へのテロは防ぐことが出来るだろうか？

同時に、難民に混じって潜入してくる、または日本国内に数十人から数百人いるといわれる某独裁国の工作員が、地下鉄・原子力発電所・野球場へ生物・化学兵器で攻撃する可能性は非常に高い。

これ以上書くと、書いてはいけないことまで書きそうなので、これで止めることとするが、戦争というのは異常事態であって、正常な人間的な感情などは、そこには存在し得ない。