ついた餅を食べたとき、はじめて、年寄りが餅を喉につまらせて死ぬという意味がわかりました。
市販の餅しか、知らない世代は、この感覚わからないと思いま。
あと、月が、ウサギを餅ツキをしているというのも、餅をつく風景がなくなっていますものね。
たぶん、身近な絵では、ないのだと思いますよ。

(2006.01.03 23:41:41)

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2005.12.27

私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月

(10)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(430)

カテゴリ： J【日本】での想い出

昨日の日記に、正月になるとドクロの突いた杖を突いて町を練り歩いたという一休禅師のこの警句を書いたが、私は小さい頃に、この話の載っている絵本を持っていて、ドクロ杖に編み笠をかぶった一休禅師が墨色の僧服で歩く姿の絵の記憶がある。

この正月は昔の正月だから、人々は自宅にこもり物音一つしない世界だっただろうから、余計に一休禅師の奇行が目立ったに違いない。

こういう正月テーマの日記はやはり、三賀日の内に書いた方がいいだろうと思って書いてみる。

私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月の姿なのだけれど、それを知らない、純正日本製品ではない私の娘のためにも書いておこうか。

私の子供時代の昔の正月というものは、「神を迎える」という正月の基本姿勢に則っていて、正月というものが本当に特別なものだった。

「もういくつ寝るとお正月」という唱歌？があるが、当時の正月と言えば子供にとっては、本当にワクワクしながら待つ(時には興奮で寝付きが悪かったほど)一年最高の行事であり、特別な雰囲気のある時間や空間に包まれ、ふだんに無いご馳走であるおせち料理を食べられ、お屠蘇を戴き、酸っぱく渋い生ワインをすすり、甘くて美味しい「赤玉ポートワイン」も戴ける天国であった。

正月のおせち料理は、祖母と母によって晦日ぐらいから作り始められて大晦日には完了。
お餅も家庭で撞いた。
大量の餅米を蒸してそれを撞いて餅を作るのである。
餅つき用の大きな石臼と木製の杵（きね）が、当時はほとんどの家庭にあっって、大晦日あたりは隣近所で「ペッタン　ペッタン」という音が響いたものだった。
杵を撞くのは祖父や父であり、餅をこねるのは祖母と母であった。
つきたてのお餅は木製の箱のようなものに入れられて重ねられる。
柔らかで暖かで、すぐにでも食べたいのだがなかなか食べさせてもらえなかった。
その餅も、白い餅ばかりでは無く、ヨモギを入れた草色のものや、紅の食品顔料を入れ炊いたのだろうけれど、桃色のものがあって、さらに小豆などが入った餅も作られた。
正月のお供え餅も、多分、自家製だったと思う。

お正月を控えて、どの家も大掃除をした。
当時は家具なんてほとんど無いし、油ものの料理もせいぜい天ぷらぐらいだったから、大掃除も楽だった。
箒で畳を掃いて、障子や家具にはたきを入念にかければそれで終わりである。
確か畳には日本茶の出し殻とちぎった新聞紙を濡らしたものを撒いた。
そうするとゴミがよく取れたのである。

年越しそばを食べ、紅白歌合戦をラジオで聞きながら(と言いながらあまりハッキリした記憶は無いが)、時は経って、やがて除夜の鐘が聞こえ出す。
その時にはすでに和服姿に変わった祖父と父が庭に出て、鐘の鳴る方向に手を合わせていた。

まあ、このころには、まだ幼い子供であった私だから、すでに子供時間の限度を過ぎていて、多分、布団の中で白河夜船状態であったはず。

それにしても、子供時代の私には夜更かしが出来なかった。
9時頃になるともう眠たくて仕方がないのである。

＝＝　続く　または　翌日の日記に続く　＝＝

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最終更新日 2006.01.03 09:40:02
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■コメント

Re:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

alex99 さん

とにかく今年の私は、コメントがあろうが無かろうが、マイペースで書いてゆこうと思う

それに、一種のトランス状態で、今までの建前論から離れて、私の灰色の脳細胞の隅に溜まっている、今まで日の目を見なかった、本音や潜在意識を掻き出してみようと思う

それは、私の命がそれほど長くないという自覚があってのことだと思う

昨年の私の、久しぶりの放蕩も、それと関連があるのだろうと思う

(2006.01.03 10:45:17)

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Re:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

alex99 さん

昨年の私は、楽天日記に使われていたと思う
義務感で書いたり、アクセスのために書いたり

しかしブログなんて、本来、自分が利用するために用意された情報発信機能のスペースなのに、今までその機能を充分意識して利用してこなかった。

ブログの機能・効用についてまた書いてみたい。

(2006.01.03 10:51:31)

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Re:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

オダギリチガさん

古い映画のワンシーンみたい。
子供の頃祖父母の家で親戚が集まると、こんな感じでした。神棚と仏壇に向かって皆で手を合わせたり。
ポートワイン、懐かしい。 (2006.01.03 15:06:39)

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Re[1]:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

alex99 さん

オダギリチガさん
＞古い映画のワンシーンみたい。
＞子供の頃祖父母の家で親戚が集まると、こんな感じでした。神棚と仏壇に向かって皆で手を合わせたり。
＞ポートワイン、懐かしい。
-----
赤玉ポートワイン。
今でも酒屋さんには売っていますよ。

それから、昔の「ワイン」と称するものは今のワインとちがって、恐ろしく酸っぱくて渋みもありました。
恐らく使用していたブドウの品種が今のそれとはちがうものだったのだろうと思います。
てんで美味しくなんか無かった。
でも、お正月の想い出ではあります。

(2006.01.03 20:07:00)

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Re:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

ねこのひげ99 さん

先日公開されていた映画「三丁目の夕日」というのは昭和３０年ごろの市井の生活を描いた作品だったと記憶していますが、この映画が人気だったということは新しい物質に翻弄(?)されて古きよき時代に郷愁を感じる人が多いということなのでしょうか。

私は昭和５０年代に子供時代を過ごした人間ですが･･･うん、お正月は今よりずっと特別な日でしたね。お正月に一張羅を着るとか服を新調するということはなかったですが、今のように年越しの瞬間を外で騒ぐというイベントもないので、勿論街中は静まり返っており、布団の中で冴え渡った空気の中響く除夜の鐘を聞きながら子供なりに厳粛な気持ちで年がかわる瞬間を迎えていたように思います。

(2006.01.03 21:48:14)

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Re:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

アトムおじさんさん

Re[1]:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

alex99 さん

ねこのひげ99さん
＞先日公開されていた映画「三丁目の夕日」というのは昭和３０年ごろの市井の生活を描いた作品だったと記憶していますが、
----
この映画、観てみたいです。

＞この映画が人気だったということは新しい物質に翻弄(?)されて古きよき時代に郷愁を感じる人が多いということなのでしょうか。

大きく言えば、人類が洞窟で暮らし、採集・狩猟で暮らしていた時代は数十万年あったわけでしょう？
それなのに、現代は生活様式があまりにも急激に変化して、さすがの人類もその進歩？に感覚的について行けなくなって、そんな違和感がちょっと昔のん生活を懐かしむ風潮につながっているんでしょうね。

＞私は昭和５０年代に子供時代を過ごした人間ですが･･･
----
それじゃ、私と同じじゃないですか。
ウソです。(笑)

＞うん、お正月は今よりずっと特別な日でしたね。お正月に一張羅を着るとか服を新調するということはなかったですが、今のように年越しの瞬間を外で騒ぐというイベントもないので、勿論街中は静まり返っており、布団の中で冴え渡った空気の中響く除夜の鐘を聞きながら子供なりに厳粛な気持ちで年がかわる瞬間を迎えていたように思います。
-----
そうですよね。
今は生活の暦がずんべらぼうですね。
なんのメリハリもない。

だから月日が早く過ぎてゆくように感じるのかな？

(2006.01.04 07:38:40)

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Re[1]:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

alex99 さん

アトムおじさんさん
＞ついた餅を食べたとき、はじめて、年寄りが餅を喉につまらせて死ぬという意味がわかりました。
＞市販の餅しか、知らない世代は、この感覚わからないと思いま。
-----
確かに市販の餅は、粘りが無いようですね。

＞あと、月が、ウサギを餅ツキをしているというのも、餅をつく風景がなくなっていますものね。
-----
あのウサギはどこに行ってしまったのでしょうね。(笑)

(2006.01.04 07:40:20)

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Re:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

ジョンリーフッカーさん

初めまして
一休さんの言葉はいいですね。 (2006.01.04 11:53:26)

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Re[1]:私の想い出の中にある、古色蒼然とした、旧い、昔の日本の正月(12/27)

alex99 さん

ジョンリーフッカーさん
＞初めまして
＞一休さんの言葉はいいですね。
-----
はじめまして。

西洋の中世に言われた「メメント・モリ」(死を思い出せ=人間は死ぬものだ）という標語と同じような言葉ですね。

人間は有限な存在なのに、いつのまにかそれを忘れて生きている。
死を思い出すことによって、もう少しよい生き方が出来るのかな？と思っています。

(2006.01.04 12:18:04)

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