【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

2006.03.01
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テーマ: 世界の歴史(89)



       ~~~~~~~~

【復刻日記】コーヒーハウスは、新聞社の始まり

コーヒーに話が戻るが、コーヒーハウス、つまり喫茶店・コーヒー店は、実は西アジア起源だという。´

アラビア語で、コーヒー店のことを「マクハーmaqh」というのだと言う。
語源はカフワqahwa。
これもコーヒー店の意味だという。

ルーマニア語は東欧の中の唯一ラテンの国だがkafea(カフェ ア)というらしい。
フランスはカフェ Café。
ポーランド語では、kawa(カヴァ)。
フィンランド語:kahvi(カービィ)。

あるサイトでは、こんなことが書いてある。

       □□□□□□□□


「マクハー」には人が寄り集まるから、特にラジオが無かった頃はマクハーが情報源だったし、職業安定所でもあった。
夕方になるとマクハーに出かけて、タバコを吹かし、茶やコーヒーを啜りながら、夜明けまで、シャーイルという講談語りがラバーブ(胡弓)を手にして英雄譚を語るのを聞いてた。
 今でも、年金生活者がトウラー(西洋すごろく)やトランプ、ドミノ、チェスなんかをやっているそうです。
歴史的に見ると、マクハーは、近代イスラムの改革思想家たちの舞台でもありました。今でも、エジプト文壇の第一人者、ナギーブ・マフフーズは金曜日の夜、カイロのリーシェというマクハーに必ず現れるそうです。

フランスのカフェはトルコからの輸入物。
1654年、マルセイユを経て普及したものです。
パリ最初のはカフェは、1672年、アルメニア人パスカルが始めたと言われてます。

一方イギリスのカフェ(コーヒーハウス)は、1650年ユダヤ人ジェーコブズがオックスフォードに開いたのが最初らしい。
早くもローヤル・ソサエティ設立の場のひとつとなった、というから結構モダンな、おしゃれな高級なところだったんでしょう。
 イギリスのコーヒー・ハウスは18世紀初頭にピークを迎える。
ロンドンだけで2000~3000軒あったというから驚き。
当時の人口を考えると大変な数だ。
同時代のパリでも、300軒前後、18世紀末のフランス革命の頃合いでも700軒程度だったらしいから、今のコンビニ状態。

イギリスの場合、コーヒーハウスは、暇つぶしの場所ではなかった。
文化・政治・経済にわたって情報を交換し、世論を形成する場所だったのだ。
新聞はもちろん、ジャーナリズム、文芸批評、証券・商品取引なんかはコーヒーハウスでやった。
パリでもロンドンでも、初期の新聞って、人が喫茶店で読み上げるのを、みんなで聞くものだった。
新聞は初め聞くものだった。それで、「新読」ではなくて「新聞」だったわけだ。

ただ、喫茶店は反体制派のたまり場でもあった。
1675年には、営業時間や内部での談論内容を規制した【コーヒー・ハウス禁止令】なんかが出されたんだけど、わずか11日で撤回。
でも、隆盛を極めたイギリスのコーヒー・ハウスも、18世紀中ごろから衰退してしまいます。
上流階級のクラブと都市下層民のパブにとって代わられてしまった。
コーヒーに代わって紅茶が国民的飲料となり、おまけに、紅茶が家庭内で飲まれるようになった。

大地主による支配体制が確立して社会の階層秩序が固定化しちゃったことも関係しているらしい。
つまり、階層別に、飲みに行く場所が分かれるようになった。
上流階級はクラブ。下層階級はパブ。
おかげで19世紀になると、コーヒーハウスはロンドンからほとんど姿を消してしまいます。

       □□□□□□□□



コピペはここまでだけれど、英国の地位ある紳士は、自分の「クラブ」という場所に行くので、下賤なパブなんかには入らない。

それに、本当は「クラブ」と「パブ」の昼間に、中産階級が飲みに行く【サルーン】というものが、少し前まではあったのである。
高級なパブと言うところかな。
サルーンといっても、パブと同じ棟で営業しているものも多かった。
中には、入り口は別々だが、中にはいると同じというものもあったらしい。
(銭湯の、「男湯」と「女湯」も、ぜにこの方式にして欲しい)

現在は、このサルーンというのはほとんど姿を消している。
中産階級もパブに行くようになった。
英国の階級制でも少々崩壊しかけているのかもしれない。】


「クラブ」というものを説明しておこう。
これは会員制で、女性禁制という大峰山のような場所だ。
(ちょっとちがうか?)
大相撲の土俵のようなところだ。
(これもちがう)

ロンドンの中心街にある立派な建物で、上流階級の紳士達(歴代の首相もかならずこのクラブの会員である)が集まって、飲んだり煙草を喫ったり、新聞を読んだり、スチームバスに入ったり、プールで泳いだり、スクォッシュをしたり、ゴルフをしたりして、おまけにこれらの設備がちゃんとそろったところだ。
中にクリーニング店や郵便局もあるクラブもある。

要するに上流階級の紳士がうるさい奥さん達から逃れる隠れ家であり、階級社会である英国の上流階級の紳士達が、中流や下流の汚らわしい男とつきあわなくてもいいようにとの場所であり、彼等の情報交換の場でもある。
英国の政治は、主にここで行われているという実態もある。

実は私もある事情で、英国最大のRoyal Automobile Club と言うクラブの会員だったことがある。
英国に行くこともなくなったので会費をおさめるのももったいないようで数年前退会してしまった。
そのクラブの中の様子は、一度日記にしてみようと思う。

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知の巨人、松岡正剛氏が「千夜千冊」で、「コーヒー・ハウス」(小林章夫著)という本を紹介している。
コピペのまたコピペをしてみよう。

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 コーヒーハウスは、まず、(
1)イギリスの都市の構造と風土が生んだクラブ文化である。すでにトルコに「コファ・ハウス」というものがあったが、そのどろどろの飲み物を薄め、2階建ての2階にのみ客を入れた。女は出入り禁止、すなわち
(2)「紳士」をつくった場所でもあった。
 またコーヒーハウスは、
(3)ジャーナルの発生の場であって、
(4)広告が誕生していった場であった。実はジョナサン・スウィフトやダニエル・デフォーが常連で「タトラー」「スペクテイター」「エグザミナー」などのパンフレット・ジャーナルをしょっちゅう書いていたのだから、コーヒーハウスは小説誕生の場とも言いたいが、小説にはいろいろな出自があるので(説教僧とか歴史語りとか)、そこまでは自慢できない。ただし、小説が「ノヴェル」という「新奇なもの」という意味をもつという点でいえば、コーヒーハウスはまさに"ニュースな場所"だった。だから広告も生まれた。ペスト予防薬や赤面恐怖症特効薬や探検隊募集の広告は、みんなコーヒーハウス育ちである。

 それからコーヒーハウスからは、
(5)政党が生まれ、
(6)会社が生まれた。
 政党はまさにコーヒーハウスごとに党派が結成されたといってよく、その代表がトーリー党のオズィング・コーヒーハウスとホイッグ党のセントジェームズ・コーヒーハウスだった。会社という形態はロイズ・コーヒーハウスが先駆者で、ロイズ保険はここが溜り場である。
 まだ、ある。コーヒーハウスは
(7)犯罪の巣窟で、喫煙所で、ギャンブルの発生装置でもあった。フリーメーソンのような秘密結社もここから派生したといっていい。つまり、これが最も重要なところだろうが、コーヒーハウスはようするに、
(8)クラブ社会をつくったのだった。

 クラブについてはここで紹介するとキリがないので詳しくは本書などを見てもらうことにするが、たとえばウォルター・ローリーの「マーメイド・クラブ」、ベン・ジョンソンの「アポロ・クラブ」、ジョナサン・スウィフトやアレキサンダー・ポープが屯した「スクリブリラス・クラブ」などは超有名で、そのほか太っちょが慰めあう「肥満クラブ」から怪しげな「骸骨クラブ」まで、まあ、ありとあらゆるクラブがコーヒーハウスを巣窟としてつくられた。

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某サイトのコピペはここで終わりだが、本当は、コーヒーハウスは、トルコからフランスへ直接渡ったものでは無いという立場の説もある。


1683年、当時の欧州の中心であるウィーンは、オスマントルコによって包囲され、陥落寸前だったが、神聖ローマ皇帝レオポルト1世の求めに応じて、ポーランド王、ヤン・ソビエスキが軍隊を率いてかけつけ、トルコ軍を粉砕、全ヨーロッパのキリスト教世界を救った。

ヨーロッパの危機は、歴史上にもう一度ある。

イベリア半島を支配していたムーア人(マグレブのアラブ人)がフランスに攻め入った時だ。
某サイトのコピペ。

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■7~8世紀 サラセン人と闇の時代(Sarasins et Periode d'ombre)

ローマ帝国の支配が弱まってきた頃、イベリア半島からサラセン人(SARRASINS)が地中海沿岸全域に侵攻して、フランス全土を1世紀に渡り占領していました。
「サラセン人」とは、これ以降18世紀まで、アラブ人(ARABES)、ベルベル人(BERBERES)、ムーア人(MAURES)、トルコ人(TURCS)といった、フランス国土を侵略したイスラム教徒の総称として使われるようになりました。

711年、イベリア半島の西ゴート王国を征服したイスラム帝国(ウマイア朝)がピレネー山脈を超え、フランク国内に侵入。

732年、トゥール・ポワティエ間の戦いでフランク宮宰シャルル・マーテル(CHARLE-MARTEL,688?~741)がこれを撃破します。

この敗戦によりサラセン人はフランス南東部まで撤退。サントロペ(St Tropez)近郊の山に立てこもり、周辺のプロヴァンスを侵略しました。そのため土地の者たちは、エズ(EZE)やヴァンス(VENCE)といった、攻めにくく守りやすい山岳部頂上付近に、いわゆる「鷹の巣 村(VILLAGES PERCHES)」をつくり、堅固な塀で囲んで要塞化しました。

       □□□□□□□□


この二つの戦いでキリスト教・ヨーロッパ勢が敗北していたなら、今頃ヨーロッパは、イスラムの領土になっていたのだろう。
とすれば、世界はイスラム化してしまっていたかも知れない。


       □□□□□□□□

で、最後は、「コーヒー」で話を締めなければいけない。

ウィーンを包囲していたオスマントルコ軍を打ち破ったポーランド軍の一兵士が、トルコ兵が残していったコーヒー豆を使って、欧州で最初の「コーヒーハウス」を開いたという。

それに、ウィーンのパン屋が、戦勝記念にと、「トルコの国旗の三日月」をかたどったパンを焼いたのが、「クロワッサン」の始まりだとか。





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最終更新日  2006.03.02 09:40:14
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