【不眠症カフェ】　Insomnia Cafe

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2006.03.19

読売新聞社の入社試験

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(435)

カテゴリ： 🔴 C 【文化・歴史・宗教】

かなり膨大な量の問題なので、まず少し引用してみる。
私は、読売新聞には入社できそうにない。

　　　　　　　～～～～～～～～

１．次の読売新聞朝刊コラム「編集手帳」を読んで、あとの問いに答えなさい。
Ａ　「吾輩は猫である」は一九〇五年（明治三十八年）一月、俳誌「ホトトギス」に第一回分が掲載された。漱石三十八歳、のちに国民的作家となる人の華々しい文壇登場である。「小説家漱石」が生まれて、今月は満百年の節目にあたる。

Ｂ　モデルの猫がいなかったとしても、遅かれ早かれ漱石は文豪への道を歩んだに違いない。（　ア　）　、こういう胸にしみいる一文を読み返すと、ａ後世の読者としては夏目家の名無し猫にも感謝せねばなるまい。

Ｃ　夏目家で飼われていた猫にも名前がなかったという。作家の半藤一利さんが、漱石の長女で半藤さんには義理の母にあたる筆子さんの回想を著書に書き留めている（角川選書「漱石俳句探偵帖」）。

Ｄ　（　イ　）と（　ウ　）に満ちたにぎやかな物語の幕切れ間近、猫がしみじみ独白する場面がある。「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする」…。

Ｅ　「名前なんぞだれも必要じゃなかったんでござんしょ。“猫、猫”って呼んでましたわね」。漱石は犬も飼ったが、そちらは「ヘクトー」とギリシャ神話の英雄にちなむ立派な名前があったらしい。

Ｆ　猫が死んだとき、漱石は白木の墓標に「猫の墓」と書いて、心のこもった哀悼の一句をしたためた。「この下に稲妻起る宵あらん」。ついに名前はなかったが、ｂ以って瞑すべしだろう。

（2005年１月22日掲載）

問1. Ａ～Ｅを文意の通るように正しく並べかえると、どのような順になりますか。次の中から選びなさい。（最後はＦ）
１. ＡＣＥＢＤ２. ＡＤＢＥＣ３. ＡＤＣＥＢ４. ＣＥＡＤＢ５. ＣＥＢＤＡ
問２. 空欄アに当てはまる言葉を選びなさい。
１. もっとも２. とはいえ３. そのうえ４. だからこそ５. にもかかわらず
問３. 筆者が下線部ａのように考えた理由は何ですか。最も適当なものを選びなさい。
１. 夏目家に猫がいなければ、文豪漱石の小説は重厚な作品が中心になり、軽妙な「吾輩は猫である」を書くことはなかっただろうから。

２. 夏目家に猫がいたからこそ、「吾輩は猫である」の猫は生き生きと活写され、人間性を深く見つめる視点を持たせることができたから。

３. 夏目家の猫が名前を持っていたら、「吾輩は猫である」の猫にも名前が付くことになり、物語に広がりがなくなってしまっただろうから。

４. 夏目家の猫が名無しだったからこそ、「吾輩は猫である」の猫も名前が付かず、結果として悲観的な性格を持たせることができたから。

５. 夏目家の猫をモデルとしたことで、「吾輩は猫である」の猫は読者に身近な存在と感じられたため、後世に残る人気作品となったから。

問４. 空欄イ、ウに当てはまる言葉の組み合わせを選びなさい。
イウ
１. 　ロジック　　皮肉　
２. 　ウイット　　伏線　
３. 　エスプリ　　哀感　
４. 　ユーモア　　風刺　
５. 　カタルシス　　機知　

問５. 下線部ｂ「以って瞑すべし」の意味として適切なものを選びなさい。
１. それを甘んじて受け入れるべきである２. そのことの意味を理解すべきである３. それなりの理由があったのである４. そのことで十分満足すべきである５. それをただ悼むべきである
２．次の言葉の意味として最も適切なものを選びなさい。
問６. 「無謬」
１. 偏りのないこと２. 誤りのないこと３. 恐れのないこと４. 根拠のないこと５. 実体のないこと
問７. 「しつらえる」
１. きちんとととのえる２. 注文してつくらせる３. 自分の手で調理する４. ほかのものをまねる５. 適当に処理しておく
３．漢字の読み方がＡＢともに正しいものを選びなさい。
問８.
ＡＢ
１. 　諫言＝かんげん　　塵芥＝じんかい　
２. 　恩賜＝おんちょう　　凋落＝ちょうらく　
３. 　真摯＝しんし　　参詣＝さんし　
４. 　凡例＝ぼんれい　　凡庸＝ぼんよう　
５. 　鼎談＝けんだん　　牽強＝けんきょう　

問９.
ＡＢ
１. 　楼閣＝おうかく　　刺客＝しかく　
２. 　説諭＝せつろん　　胡乱＝うろん　
３. 　禁忌＝きんき　　残滓＝ざんし　
４. 　衷心＝そうしん　　叢書＝そうしょ　
５. 　絢爛＝じゅんらん　　遵守＝じゅんしゅ　

４．次の問いに答えなさい。
問１０. Ａ～Ｅの語の意味をア～オから選んだとき、最も適当な組み合わせはどれですか。
Ａ、懇々Ｂ、深々Ｃ、朗々Ｄ、揚々Ｅ、綿々
ア、声が大きくはっきりしているさまイ、長く続いて絶えないさまウ、ひっそりと静まり返っているさまエ、得意げなさまオ、繰り返し説くさま
ＡＢＣＤＥ
１. 　ア　　ウ　　エ　　オ　　イ　
２. 　ウ　　イ　　ア　　エ　　オ　
３. 　エ　　オ　　ウ　　イ　　ア　
４. 　オ　　イ　　エ　　ア　　ウ　
５. 　オ　　ウ　　ア　　エ　　イ　