【不眠症カフェ】　Insomnia Cafe

< 新しい記事

新着記事一覧(全9060件)

過去の記事 >

2008.07.21

ウォークマンを発明したのは私です

(2)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(435)

カテゴリ： 🔴 【ベトナム戦争サイゴン駐在時の想い出】

しかし、感想記を書く前に、今まで書いてきたサイゴンの想い出シリーズ約１０本を、サイゴン・ヴィエトナムに関する予備知識として、復刻日記としてアップする
完全な押しつけ行為である
すでに読んだ人はスルーしていただいても結構
なにしろこのブログは私のわがままブログなので、こういうことになるのだ

テーマ　：　WALKMANはヴィエトナム駐在中の私が発明したものです。
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

サイゴンでの宿舎からオフィスへの通勤には、車を与えられていて（トヨタ　クラウン）中国系の運転手が運転してくれた

サイゴンは、市電も地下鉄もない街で、外国人にとっての交通手段は車だけとなる
また、その頃のサイゴンは、まだフランス植民地時代の習慣が残っていて、シエスタという昼寝の時間があった
昼の１２時頃になるといったん退社して、宿舎で昼食をとる
その後に午睡して、３時から４時頃にオフィスに戻る
つまり、毎日通勤が４回にもなるわけで、おまけに渋滞となるとその時間もけっこう馬鹿にならない

余談だが
雨期になると、毎日、昼頃にスコールが１時間ほど降る
スコールが降っても、ヴィエトナムの女学生は平気で自転車で走り続ける
女学生の制服は白いアオザイとパンツである
それがスコールに濡れると薄いアオザイが肌にぴったりと張り付いて、透けて見える
彼女たちは特にキャミソールなどの下着を着用していないから、彼女たちのお腹とブラジャーとパンティーズが透けて見える
透けて見えているのはよくわかっているはずだが、彼女はまったく意に介さない様子である
じっと見つめても、にらみつけたりしない
だからヴィエトナムはいいのだ

余談はともかくとして、とにかく合計の通勤時間が長くて退屈である
そこで私は車中で日本から持参したソニーの携帯用カセットテープレコーダーでバロック音楽のテープを聴いていた（高尚でしょう？）
なぜか、通勤の車外の風景とバロック音楽がマッチしたのだ

しかし、テープレコーダーに付属している小さなイヤーフォーンでは音質が悪い
それに片耳だけしか聴けない。
（昔のこんなイヤフォーン、今はもう売っていないかも知れない）

そこで創意に富む私は、ステレオ装置用のヘッドフォーンで聴いたらどうかと思いついた
ステレオ装置用のヘッドフォーンは確かに音質はいいし、両耳で聴けるし、密閉式だから外部のバイクなどの雑音もシャットアウトしてくれる
そう思いついたが、調べてみるとこのテープレコーダはカセット式の小型なものだ
だから、output は小さなイヤーフォーンが前提になっている
イヤーフォーン用のミニジャックの差し込み口があるだけである
一方、ステレオ装置用のヘッドフォーンはミニジャックではなくて、標準のジャックである

「このヘッドフォーンの標準ジャックをミニジャックにしたらどうか？」というアイディアが私の頭にごくふつうに！ひらめいた
「こうすればヘッドフォーンで音楽が聴けるはずだ」
そう思った
（今はミニジャック　→　標準ジャック間の変換ジャックが販売されているけれど、当時は無かった）

その後私は、すぐサイゴンの電気店に赴いてヘッドフォーンを購入
ついでにその標準ジャックをミニジャックにしてくれるように店の主人に頼んだ。
その主人は私の意図をすぐ理解してくれて、標準ジャックを切り取り、その代わりにミニジャックをハンダごてを使って接続してくれた

視聴してみると・・・
見事！に、素晴らしい音が聴けた
心配したヘッドフォーンの能率も結構いいらしく、音量も申し分なく聞くことができる

これで発明と言えるか？疑問かも知れないが、本家のソニーのウォークマンだって発明と言えるほどの代物ではない

ソニーがウォークマンを発売してブームになった時、私は「な～～んだ」と思った。
コロンブスの卵かも知れないけれど、私がすでに作ってしまっているじゃないか

～～～～～～～～～

私のウォークマンのどこが新しかったのか？

それまでの携帯用小型化セット・テレコは、あたりまえだが録音機能がついていて、その録音機能が主機能であって、決して再生機能を利用して、高音質で音楽を聴くというものではなかった
テープを聴くためには、ちゃんとしたスピーカーを内蔵した大型のテープレコーダーを試用するのがあたりまえだった

大学時代、モダンジャズの同好会に入っていた私は、サックスの練習のために、赤井の大型テープレコーダーを持っていて、これは１６インチというこのクラスでは最大の口径のスピーカーを内蔵していた
だから、テープレコーダーの音も、高音質で聞きたいと自然に思った

つまり私は、「移動しながら音楽を聴きたい」という目的のために、密閉型のヘッドフォーンをテープレコーダーにとりつけて、移動しながら本格的に音楽を聴けるテープレコーダーを作ったのだ
このヘッドフォーンの付いた新しいテープレコーダーの意義をわかっていただけるかな？

私は walkman を発明したけれど、企業化はできなかった
一個人の立場では当然かもしれないが、発明だけでも、まあいいとしておいてやろうか