【不眠症カフェ】　Insomnia Cafe

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2008.12.13

存在の悩み　人間という存在

(24)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(431)

カテゴリ：Ｌ【人生】【死生観】

小説家、Ｒｉｎｎさんへの返事を書いていて、「人間存在」ということ考えたので、返事を中断して、そちらの方を書いてみる

小説の題材として恋愛を描いても、人間は常に
○　自分とはなにか？
○　人間とはなにか？

を問い続けているのだろうと思う

生まれ落ちると直ぐに大人並みの能力を発揮する動物の子供とちがって、人類のこども、つまり赤ちゃんは、その出産時には、脳（ハードディスク）はほとんど空白で生まれて来る

成長するにつれ、人間はそのハードディスクの空白部分を、どんどん経験知で埋めてゆく

　　　　　　　――――　◇　――――

以前、以下のような日記を書いたので、参考までに読んでいただきたい

～～～～～～～～～

アメリカの神経学者マクリーンは脳を3つの部分に分け、爬虫類の脳、旧哺乳類の脳、新哺乳類の脳と呼んだ。
内側から順に；

●爬虫類の脳
先祖の行動をそのまま繰り返す「反復」「常同行動(ステロタイプ)」。
飲み、食べ、眠り、交尾するという際限ない繰り返しが機能。
強迫神経症患者は爬虫類の脳の部分が他の部分より優位に立つ。

●旧哺乳類の脳　　
視床下部、海馬など大脳辺縁系・旧皮質。情動行動・性行動の中枢で、下意識的な衝動や本能を司る。
嗅覚、体温、体液成分、食欲、体重調整、記憶、恐怖などの機能に関連する。

●新哺乳類の脳
大脳の新皮質。イルカや霊長類において高度に発達した部分。
話す、聞く、計算する、創造する、認知するなどの機能を司る。

かつて狩猟動物だった頃の「爬虫類・旧哺乳類の脳」を、新哺乳類の脳が十分に抑制できるほどに進化するには、「数万年という期間はあまりに短すぎる（福島章上智大教授・殺人と犯罪の深層心理）。

福島教授は人間の暴力性の根源について、大脳新皮質など新哺乳類の脳の機能が、麻薬・酒・精神障害・物理損傷などにより低下した場合に、狩猟動物としての暴力性が現れると指摘した。

人間の胎児も母親のお腹の中で、生物の進化の歴史通りに、魚　→　爬虫類　→　哺乳類と変化する
狩猟動物だった頃の攻撃性が強くて、反復・常同行動の【爬虫類・旧哺乳類の脳】を、【新哺乳類の脳】は、まだコントロールできる段階では無い模様。
とすると、やはり人間の攻撃本能はコントロールが難しい様だ。
戦争はこれからも絶えることがない。
これが悲しい結論のようだ。

　　　　　　　――――　◇　――――

過去日記の引用はここまで

私が、ハードディスクの空白部分と書いたのは、この新哺乳類の脳、つまり
大脳の新皮質部分である

●新哺乳類の脳
大脳の新皮質。イルカや霊長類において高度に発達した部分。
話す、聞く、計算する、創造する、認知するなどの機能を司る。

それ以外の爬虫類の脳と旧ほ乳類の脳は、ハードディスクの中に、あらかじめプリインストールされているのだと思う

この空白部分という表現は正しくないかも知れない
新哺乳類の脳は、幼児時期には、まだほとんど発達しないでいて、成長につれて、経験知を上げるにつれて、成長してゆくのだろう

ところで、この新哺乳類の脳は、「創造する」能力と「認知する」能力があるという
つまり
○　人間は芸術を創造する
○　人間は、世界を、さらに世界の中の自分自身の存在というものを「認知」する

現生人類が人類史上はじめて芸術を創造しだしたのが、約6万年前だという
アルタミラの洞窟の壁画がその典型である

それまでの人類は、創造というレベルの芸術を生み出していない
ということは、ある時期、つまり今から6万年前の現生人類の頭脳に大きな変化が起こり、新哺乳類頭脳が大幅に発達したと言うことだろう
または、新哺乳類脳が非常に発達したグループが出現して、その他のグループは駆逐されたと言う可能性もある

これで我々現生人類は、動物とちがって、自分という存在と自意識を認識しはじめた
もちろん、この世界も、自分というちっぽけな存在と対比して認識しはじめた

ここから、人間の「自分の存在理由の追及」という悩みが生まれたのでは無いだろうか？
この広大な世界の中の、自分は、果たしていかなる存在か？という不安感が生じた

その悩みが
○ 「救い」を求める方向に向かうと「宗教」を産み
○ 「創造」の方向に向かい「芸術」となり
○ 「思索」の方向に向かい「哲学」になる

悩みながら、人間はセックスをする
自分という生命体を次世代に受け渡すために