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2015.03.26

サウジがイエメンで軍事作戦　地域紛争に発展する可能性

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カテゴリ： 🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】

朝日新聞デジタル>記事
サウジがイエメンで軍事作戦　地域紛争に発展する可能性
カイロ＝渡辺淳基2015年3月26日11時34分

　サウジアラビアのアデル・ジュベイル駐米大使は２５日、米ワシントンでの記者会見で、隣国イエメンで同日、軍事作戦を開始したと発表した。イエメンでは、首都サヌアで暫定政府樹立を宣言したイスラム教シーア派の武装組織「フーシ派」の攻勢で混乱が続いていたが、周辺国の介入で地域紛争に発展する可能性が出てきた。

　フーシ派は、サウジや米国が支援するハディ暫定大統領が逃れた南部アデンへの攻勢を強めていた。サウジは、フーシ派が占拠するサヌアの空軍基地への空爆を始めた模様だ。ＡＰ通信によると、ジュベイル大使は会見で、フーシ派が「常に暴力の道を選んできた」と非難。「イエメンの人々と正統な政府を守るために必要なすべての措置をとる」とも語った。

　サウジ政府は、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、バーレーンとの共同声明を国営通信を通じて発表し、ハディ氏から軍事介入を含む支援要請を受けていたと説明。フーシ派が長距離ミサイルを含む兵器を保有し、「地域と国際社会の安全にとって脅威になっている」と指摘した。

　オバマ米大統領は２５日、米国がサウジの軍事行動に後方支援や情報提供をすることを承認した。米国家安全保障会議（ＮＳＣ）のミーハン報道官が声明で明らかにした。直接的な軍事行動はとらない方針。

　声明では「イエメン政府に対するフーシ派による軍事行動を強く非難する」としたうえで「フーシ派に対して直ちに情勢を不安定化させる軍事行動をやめ、政治対話として交渉の場に戻るよう強く促す」とした。

　エジプト政府も国営通信を通じて「政治的、軍事的支援をしている」と表明した。

　一方、フーシ派の代表者は衛星テレビ局アルジャジーラに「イエメンへの侵略が始まった」と述べた。

　フーシ派はイスラム教シーア派の大国イランの支援を受けていると指摘され、イランを脅威とみなすサウジなど湾岸のスンニ派諸国が神経をとがらせていた。

　今月に入り、これまでサヌアを含むイエメン北中部を拠点にしていたフーシ派が南部でも武力行動を活発化。ハディ氏が避難するアデンでは、ハディ氏の大統領公邸が断続的に空爆を受けた。フーシ派の指示を受けた軍部隊に所属する戦闘機によるものとみられている。

　ハディ氏は「アラブの春」の民主化要求で退陣したサレハ前大統領の後をうけ、２０１２年に就任。無人機（ドローン）を活用して国際テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」（ＡＱＡＰ）の討伐をめざす米国と緊密に協力してきた。（カイロ＝渡辺淳基）

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