【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

2015.05.10
XML
植村隆関連で
池田信夫氏が彼について書いている記事が二つあるので、紹介しよう


   ―――― 記事 1 ――――

「強制連行」をでっち上げたのは植村隆ではない 池田信夫


きのう発売の『文藝春秋』に、「慰安婦問題『捏造記者』と呼ばれて」という朝日新聞の植村隆元記者の手記が掲載されている。28ページにわたる記事のほとんどが「他社もやっていた」という言い訳と、彼が迫害されて職を失った話で、反省も謝罪もない。
特に大きな問題は「女子挺身隊」という日本政府による徴用を意味する言葉を、私的な慰安婦に使ったことだ。問題の1991年8月11日の記事はこうなっている。
日中戦争や第2次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、1人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が聞き取り作業を始めた。
これについて植村は「意図的な捏造ではない」と主張し、「他社も挺身隊と書いていた」とか「朝日の記事でも過去にそうなっていた」などという。

この情報は当時のソウル支局長(小田川興)から教えてもらったと主張し、義母がその「挺身隊」を指弾する遺族会の幹部だったことは偶然だという。慰安婦問題を取材しているうちに、同じ問題を調べている妻と出会って結婚し、あとから義母が遺族会の幹部であることを知ったという。都合のいい偶然だ。

最大の疑惑は、金学順が「戦場に連行された」と言ったのかという点だ。これについて1991年12月6日に提出された慰安婦訴訟の訴状では「14歳からキーセン学校に3年間通ったが、1939年、17歳の春、『そこへ行けば金儲けができる』と説得され、養父に連れられて中国へ渡った」と書いている。ところが12月25日の植村の記事では、こうなっている。
その後は子守をしたりして暮らしていました。「そこへ行けば金もうけができる」。こんな話を、地区の仕事をしている人に言われました。仕事の中身はいいませんでした。近くの友人と2人、誘いに乗りました。17歳(数え)の春(1939年)でした。
訴状には「14歳からキーセン学校に通った」と書かれているのに、17歳でいきなり「連行」されたように書いている。しかも訴状ではキーセンに仲介したのは養父(おそらく朝鮮人の女衒)だが、植村の記事では「地区の仕事をしている人」に連れて行かれたことになっている。

訴訟が起こされたのは記事が出る前であり、彼は訴状を読んだことを認めている。それなのに14歳から17歳の部分を落としたのはなぜか。彼は「弁護団の聞き取り要旨にはキーセンのくだりがなかった」などと言い訳をしているが、そのすぐ後で「キーセンだから慰安婦にされても仕方がないというわけではない」と書いている。

つまり植村は、キーセンに売られた経歴を知りながら落として「連行」の話にしたのだ。これは単なる誤報ではなく、芸者になる訓練をしてから慰安所に売られたという金学順の話を「女子挺身隊の名で連行」されたという(本人が言っていない)話に仕立てた捏造である。

植村は「だまされて慰安婦にされた」と書いているが、だました主語は誰なのか。「挺身隊の名で連行」したなら朝鮮総督府か日本軍だが、人身売買なら女衒である。これはまったく違う話だが、肝心の点をぼかしている。しかし彼は一つ重要な告白をしている。
私は[8月11日の記事の]本文では、この女性が「だまされて慰安婦にされた」と書いた。暴力的に拉致する類の強制連行ではないと認識していた。[…]

私自身は<女子挺身隊の名で>は、決して<女子挺身勤労令によっての連行>ということを意味したものではなかった。植村は記事では<だまされて慰安婦にされた>とはっきり書いており、強制連行とは書いていない。
なぜか最後の文だけ主語が「植村は」となっており、第三者が介入した形跡があるが、それはともかく、彼が金学順について書いた署名記事は2本だけで「旧日本軍の慰安所設置などを示す資料が発見されたという92年1月の有名な記事は私が書いたものではない」という。つまり強制連行をでっち上げて政治問題にしたのは、植村ではないのだ。

それが誰であるのかを彼は書いていないが、当時の彼の上司で慰安婦問題に熱心だった北畠清泰(故人)ではないか。つまり慰安婦デマは植村の個人的な犯罪ではなく、大阪社会部の組織ぐるみの犯罪なのだ。その部長だった渡辺雅隆社長が、問題を解明できるとは思えない。

植村は自分を言論弾圧や脅迫の被害者として描きたいようだが、その問題を解決するのは簡単だ。逃げ回らないで記者会見を開いて、以上の疑問に答えることである。それをしないで一方的に手記を載せても、誰も説得できない。

追記:1992年1月の「軍関与示す資料」の記事を書いたのは、辰濃哲郎記者(東京社会部)だと思われる。本人がそう証言している。ただし「挺身隊として強制連行」という囲み記事を書いたのは別人だろう。



   ―――― 記事 2 ――――


2015年02月13日18:16
植村隆氏への回答

元朝日新聞の植村隆氏が、あちこちに訴訟を起こしている。今週は櫻井よしこ氏とWiLLを相手に起こし、他にも多くの内容証明を送っているようだ。私には来ていないが、彼が『世界』2月号で私の『朝日新聞 世紀の大誤報』に反論しているので、お答えしておく。
彼が事実誤認だと指摘しているのは、1992年1月の「慰安所 軍関与示す資料」の記事を植村氏のものと私が書いた点だが、これは昨年12月22日に発表された朝日新聞の第三者委員会の報告書で次のように事実関係が明らかにされた。
吉見氏は1991年の年末に資料の存在について東京社会部の記者であった辰濃哲郎に連絡をしたと言い、上記朝刊1面記事を中心となって執筆した辰濃は、1991年の年末に吉見氏から連絡を受けて過去の政府答弁などを調べ、当該資料の存在にはニュース性があると判断して記事化を考えた。
これは辰濃氏自身も『朝日新聞 日本型組織の崩壊』で認めており、事実だと考えられる。私の本が出た段階(昨年10月31日)では判明していなかった事実だが、結果として私の記述は誤りだった。私は朝日新聞と一緒にされたくないので、ここで訂正し、植村氏に謝罪する。

ただし大筋の事実関係は、その後の記事で書いたことと変わらない。すなわちこの問題の主人公は植村氏ではなく、彼はデスクに命じられて2本の署名記事を書いたに過ぎない。このキャンペーンの責任者は、当時の大阪本社論説委員、北畠清泰と、大阪社会部デスクの鈴木規雄である(ともに故人)。この点は、植村氏も現代ビジネスで、青木理氏のインタビューにこう答えている。
──ところで、韓国への出張取材は、どうして植村さんが行くことになったんですか。
植村「僕は慰安婦問題の取材はしたことがなくて、在日韓国人政治犯の問題をずっとやっていたんですけど、韓国語もできるし、規さん[鈴木規雄]は広い目で(部下を)いろいろ見ててくれたから、そういうのがあって派遣されることになったんだと思います」
これは意外に重要である。というのは、第三者委員会の報告書にも鈴木が登場するからだ。
辰濃は上記朝刊1面記事を中心となって執筆したものの、従軍慰安婦の用語説明メモの部分については自分が書いたものではなく、記事の前文もデスクなど上司による手が入ったことにより、宮沢首相訪韓を念頭に置いた記載となったと言う。用語説明メモは、デスクの鈴木規雄の指示のもと、社内の過去の記事のスクラップ等からの情報をそのまま利用したと考えられる。
なんと1991年8月に植村に韓国出張を命じた大阪社会部の鈴木デスクが、翌年1月には東京社会部に転勤して、宮沢訪韓の直前の記事の執筆を指揮したのだ。これは書いた記者も別であり、偶然とは考えられない。大阪から東京に拠点を移し、社を挙げて慰安婦キャンペーンを張った責任者は、明らかに鈴木である。

それだけではない。鈴木は1997年の慰安婦特集のときは、大阪社会部長としてその原稿をチェックする立場にあった。若宮政治部長(当時)は「吉田清治の証言は虚偽だ」という訂正を出すべきだと主張したが、清田外報部長と鈴木部長が握りつぶして「真偽は確認できない」という曖昧な記事になった。その後、鈴木は東京社会部長になり、大阪本社の編集局長までなっている。

つまり慰安婦問題は、植村氏個人の誤報ではなく、朝日新聞の幹部が企画し、社を挙げて実行したキャンペーンなのだ。それがこの問題が嘘とわかってから、20年以上も隠蔽された原因である。第三者委員会も、こうした構造的な問題を解明できていない。現在の渡辺雅隆社長は元大阪社会部長であり、解明は不可能だ。

朝日新聞が隠蔽を続けるかぎり、この問題はどこまでも続く。植村氏がまだジャーナリストなら、裁判ではなく取材によって事実関係を明らかにすべきだ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.05.10 20:21:07
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カテゴリ

カテゴリ未分類

(1)

🔴 【ニュース・時事・政治・経済・社会】

(1733)

🔴 【ベトナム戦争 サイゴン駐在時の想い出】

(117)

🔴 【ウクライナ戦争・ロシア】

(226)

🔴 W【女性】記憶の中の女性 恋愛・セックス

(53)

🔴 B 【ブログ】【 You Tube 】

(433)

🔴 B 【ブログ 過去ログ復刻】

(52)

🔴 B 【本・読書・文学】【朗読】

(301)

🔴 C 【カメラ】

(179)

🔴 C【中国】 尖閣 台湾有事

(133)

🔴 C 【文化・歴史・宗教】

(279)

🔴 D 【災害・温暖化・地震】

(116)

🔴 D 【防衛と安全保障】 改憲・沖縄

(183)

🔴 G【ゴルフ】

(63)

🔴 J 【日本】【考古・人類学】

(256)

🔴 M【メモ・サブノート】

(316)

🔴 ME 【私自身のこと】

(91)

🔴 M【中東】原油・テロ・宗教

(44)

🔴 M 【音楽】ジャズ・クラシック・ポップス

(371)

🔴P【PC  パソコン】

(28)

🔴 S【科学】【宇宙】【未来】

(93)

🔴 S 【独り言】 【日記風】

(58)

🔴S スマホ

(29)

🔴V【バレーボール】【迫田さおりさん】

(41)

A【芸術・美術】音楽以外

(24)

A 【米国】

(273)

A【米国】での想い出

(9)

A【オーディオ・ステレオ】

(7)

C 【CAR】車

(13)

C 【知的生産・情報カード】

(159)

D 【ダンス・バレー】【フィギュアスケート】

(35)

E 【情報機器・家電・TV・ブルーレイ】

(60)

E【東欧】および 東欧での想い出

(33)

E 【エネルギー・資源・環境】 原発・太陽光発電・原油・水

(101)

E 【食物 飲み物】

(44)

E【英語】英単語 英語表現

(98)

E 【英国】および 英国での思い出

(28)

F【好きなこと・趣味・落語・遊び】

(63)

F【フランス】および フランスでの思い出

(6)

F【外国】での想い出

(36)

H【野球  阪神タイガース】

(116)

H【健康・医学情報】

(197)

H 【人類・人類史・ 脳科学・人種・民族】

(111)

J【日本】での想い出

(78)

K【韓国】【北朝鮮】反日 慰安婦 徴用工 ベトナム虐殺

(237)

L 【言語】【日本語】【他言語】

(124)

L 【人生】【死生観】

(100)

L 【生活情報・実用情報】

(29)

M【マネー】【ビジネス】

(92)

M【中東】での想い出

(33)

M【映画】 女優

(92)

N【北朝鮮】安全保障 拉致問題

(51)

R 【人種差別】米国黒人 反捕鯨

(17)

O【アウトドア・キャンプ】【サバイバル】

(35)

P【パンデミック】【CIVIT-19】

(515)

P【名言・格言・諺・言葉の力】

(8)

S【SOUND・自然・癒しの音・自然】

(22)

S【スポーツ】 【武道】

(114)

T【思考・知性】【心理学】

(22)

T【旅行】 海外・国内 海外移住

(129)

V 【過去ログ 迫田さおり選手 その1】

(187)

V 【過去ログ 迫田さおり選手 その2】

(391)

W【戦争】 原爆・戦争責任・戦争犯罪

(7)

【シニア】

(1)

日本のタブー

(5)

G GOOD BUY 買って良かったもの

(0)

j 日本 すごい

(1)

J【日本航空123便墜落事故】

(3)

Z 在日問題

(0)

コメント新着

alex99 @ Re:ケルンコンサートさんのブログ記事をお借りして(05/28) >男子は夜まで5次会、6次会と盛り上がっ…
ひよこ@ Re[2]:ケルンコンサートさんのブログ記事をお借りして(05/28) ケルンコンサートさんへ >ひ◯◯さんの旦那…
alex99 @ Re:ケルンコンサートさんのブログ記事をお借りして(05/28) ケルンコンサートさんへ >alex99さん…
alex99 @ Re:ケルンコンサートさんのブログ記事をお借りして(05/28) ケルンコンサートさんへ ケルンコンサー…
alex99 @ Re[2]:今浦島(笑)(05/23) ケルンコンサートさんへ う~~ん 討論…
ケルンコンサート @ Re[1]:今浦島(笑)(05/23) alex99さんへ 他人の悪口、不幸は蜜の味…
alex99@ Re:今浦島(笑)(05/23) ケルンコンサートさんへ 七誌さんに関し…

プロフィール

alex99

alex99

お気に入りブログ

二風谷 萱野茂アイ… New! トイモイさん

綾人へお前のじぃち… New! tckyn3707さん

出会う、ということ New! ぼちぼち7203さん

内田先生かく語りき(… New! Mドングリさん

「ディアファミリー… New! ひよこ7444さん

YouTube動画 アニメ… ケルンコンサートさん

今週、観た映画(202… ばあチャルさん

カレンダー


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: