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2016.10.28

記事　財政難のサウジアラビア　サウジの危機は日本の危機でもある

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カテゴリ： 🔴 M【中東】原油・テロ・宗教

記事　財政難のサウジアラビア
サウジの危機は日本の危機でもある

このタイトルの表題の前段
【財政難のサウジアラビア】は以下の引用記事の表題であるが

後段の 【サウジの危機 は日本 の危機】
これは、記事とは別に、私独自の視点である

とにかく、記事を先に読んでもらおう

――――　記事　――――

HARBOR BUSINESS Online

サウジアラビアのサルマン国王の息子で、王位継承権2番目で、国防大臣の任にある
ムハマンド・ビン・サルマン皇太子
彼が惜しげもなく大金を使うという出来事
が昨年また起きた。
国家は深刻な財政難にあり、彼自身が陣頭に立って緊縮策を実行せねばならない立場にあるはずである。

　その出来事というのは、昨年、皇太子がフランス南部で休暇中に440フィートの豪華ヨットが沿岸に浮かんでいるのが目に留まり、早速それを購入することに決めたというのだ。持ち主はロシアのヴォッカ王のユリ・シェフラー。
価格はおよそ5億5000万ユーロ（600億円）。
交渉を始めたその日の数時間後には両者の代表の間で売買が成立していたという。（参照：『NY Times』）。

　この出来事を知ったサウジ国内では憤りが波のごとく彼に向かったという。当然だろう。
NY Times紙も、
国は財政難で極度の支出削減を迫られている という事態にある中で、＜この購入は国防大臣の正に「無感覚さ」を著わしたものだ＞としている。

　このサルマン王子、王位継承権をもらってまだ2年も経過していないが、米国からの支援もあり、当初は王位継承権１番のムハマンド・ビン・ナイーフ皇太子と王位を競うライバルの中でももっともダイナミックな人物として注目されていた。

　しかし、昨年6月にはサルマン皇太子が会議の席で 幾分酔った感じで 「国のお金は全て私のものだ」と言ったことなどが報じられている。また、サルマン国王に王位継承権を解任されたムクリン・ビン・アブドゥルアジーズ皇太子に、解任されたことに事を荒立てないようにサルマン皇太子が10億リアル（2700億円）を渡したことなども報じられており、悪評が高まりつつある。（参照：『Hispan TV』）

◆脱原油依存を標榜した王子自らの放蕩

　財政難にあるサウジアラビアは、原油に依存しない国家の発展としてサルマン皇太子は「ビジョン2030」を発表するなど、 なんとか財政難を脱しようとしている。

しかし、
労働者の半分は移民に依存し、
これまで原油に関係した産業しか存在しない国 である。
そして、
必要なものはお金の力で外国から輸入するとうシステム から国が形成されている。

それを、
この先15年余りで産業国家に変身させる ことは
サウジの社会構造から判断して無理で、
机上プランで終わりそうだ。

ハーバービジネスオンライン: ムハマンド・ビン・サルマン皇太子 photo via kremlin.ru (CC BY 4.0)© HARBOR BUSINESS Online 提供ムハマンド・ビン・サルマン皇太子 photo via kremlin.ru (CC BY 4.0)

　しかも、国家が財政難にある中で、その復興策を発表した張本人であり、将来国家指導者になろうとする者が衝動買いでおよそ5億5000万ユーロの豪華ヨットを即座に購入するということを平気でする。中東のライバルのイランはこれから益々強大になって来る。それを前に、サウジがそれに対抗できる力を備えるのは現状からだと期待できないとしか言いようがないだろう。

＜文／白石和幸　photo viakremlin.ru(CC BY 4.0)＞

しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。

　――――　私の意見　――――

この皇太子は、王位継承権は二番目だが
（一番は，筆頭皇太子）
父親が現国王であることを背景に権力を振るいつつあり
いずれは、この継承権の順位をひっくり返して
継承権1位をもぎ取るだろうと推測されている
筆頭皇太子が米国留学経験のある親米派であるのに比較して
このサルマンは、米国留学経験が無く，国内組

膨大な戦費を必要とするイエメン侵攻を強行したのも
イランと対抗するスタンスをとっていることも
このサルマンの主導と言われている

この記事にあるように
サウジは，油価の下落により国家財政が危機
後、二・三年で，借金国に転落すると言われている

さらに、この記事が言う様に
サウジが短期間に工業立国に変身するなど
サウジ滞在が長い私としても
あり得ない
と思わざるをえない

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鎖国日本が、わずか数十年で
○　中国・ロシアという世界の大国に戦勝
○　世界の軍事大国・先進国・工業国になった
これは、江戸時代の高度の教育水準と国民性が有っての事
これは、世界史上の奇跡であって、もう2度と起こらない奇跡であろう

神の恵みで（笑）傲慢極まる石油金満になっただけで
遊牧民であったサウジの国民が、日本と同じ事をできるわけがない

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とにかく、このサルマン
イエメン内戦に割り込み
シリアでイランと対峙しようとし
個人的にもこの浪費、極めて危険な存在の男である

　　　――――　◇　――――

サウジがこのまま借金国になれば
今まで、国民に与えていた厚い福祉は削減され、公共サービスも低下

莫大な石油資産を王族に独占されている国民の不満が
いつ革命の形で爆発するか？
その結果、世界最大の産油国の原油の安全供給はどうなるか？

この革命がもし勃発すれば
同じ構造の湾岸のカタール・クェート・UAEなどの王族独裁産油国にも
ドミノ倒しデ押し寄せる可能性が高い

また、イランの後押しもあるだろう
この湾岸諸国は、王族がスンニ派、国民の多数はイランと同じシーア派なのである

これは、私が、今まで何度も、ここで書いて来たことである

しかし、この事は，日本では，触れられることが無い
あまりに恐ろしいシナリオなので，眼をつぶってしまっているのである

ハンターに追い詰められた駝鳥が、砂の中に頭を突っ込む,という話がある
これが本当であるかどうかは別として
われわれは、好ましくない現実から眼を背けるのである

もちろん、その場合は、世界的な石油ショックが予想されるが
その最大のインパクトを受ける国は、日本である

戦前のスローガンではないが
日本では 「油の一滴は　血の一滴」
備蓄が切れた日本経済は瀕死必至

その副次的な結果とし
FX市場では
日本円は，激しく下落
反対に，シェールオイルを持つ有事の通貨でもある米国の米ドルは上昇
と思う

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