武士の身分を「 士分 」といい、士分は、大きく「 侍 」と「 徒士 (かち)」に分けられる。これは南北朝時代以降、戦場への動員人数が激増して徒歩での集団戦が主体となり、騎馬戦闘を行う戦闘局面が比較的限定されるようになっても、本来の武士であるか否かは騎馬戦闘を家業とする層か否かという基準での線引きが後世まで保持されていったためである。
「侍」は狭義の、つまり本来の武士であり、所領( 知行 )を持ち、戦のときは馬に乗る者で「 御目見え 」の資格を持つ。江戸時代の記録には 騎士 と表記され、これは徒士との比較語である。また、上士とも呼ばれる。「徒士」は 扶持 米をもらい、徒歩で戦うもので、「御目見え」の資格を持たない。下士、軽輩、無足などとも呼ばれる。
「侍」の内、1000石程度以上の者は 大身 (たいしん)、人持ちと呼ばれることがあり、戦のときは 備 の 侍大将 となり、平時は 奉行 職等を歴任し、抜擢されて 側用人 や 仕置き家老 となることもある。それ以下の「侍」は 平侍 (ひらざむらい)、平士、馬乗りなどと呼ばれる。
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