伊藤洋一氏のブログ DAY BY DAY は
DAY BY DAY 読んでいるが
この日の記事は、内容が充実で GJ (笑)
ーーー 記事 ーーー
サウジが一面トップ.......いいね
day by day
(06:55)
今朝の日経新聞は読むところが多くてなかなか良い。一面トップの「サウジ政変 国王退位の影」は、事の潜在的重要性を鑑みれば、非常に妥当な土日版の一面トップだと思う。
この日経の記事と、 CNBCの「Saudi Arabia 'settlement': Why the kingdom is offering detained elites freedom for their assets」
を合わせ読めば、この急激に変化する、しかし世界に対する影響力のはなはだ大きい国の先行きをある程度読める。
このCNBCの記事は、私が別記事として取り上げる事にする
つまりムハンマドがすんなり権力掌握に向けて動けるのかどうか。拘留した王族の処分は「cash-for-freedom」で対処するらしいが、それは逆に王族間で同王子に対する反対運動を強めないのか、という懸念も確かにある。
一方でCNBCで「サウジの多くが職を失った若者の間では、ムハンマドに対する支持が広がるだろう」と予想。
しかしその辺は私はあまり良く分からない。何せ私はサウジに行ったことがないし、行ったことがあっても王族間のパワーバランスを読み解くのはなかなか難しいでしょう。
私は、商社在職中、中東プラントプロジェクトのリーダーとして
サウジには長期間、滞在したので
本件に非常に興味あり
今までずっと、関連記事を読んでいるが
この皇太子、とんでもなく強引な人物
革命児とも言える
サウジは、原油供給の大国という立場から逸脱し
今や彼の主導で
アラブ世界内に於いて
イランと覇権争いをしている
サウジ=スンニ派
イラン=シーア派
と言う宗派対立でもあるのだが
果たして大産油国サウジのこの動きが
アラブ内部のみならず
世界に混乱をもたらすか?
極めて危うく波乱含み
私は、今までこのブログで
● 湾岸独裁産油王国の独裁体制は危うい
● 革命の危機をはらんでいる
と再三指摘してきたが
どうもこの皇太子の動きは
その革命の可能性を先取りして
自分の強硬路線に取り込んでいる様だ
つまり、石油収入を独占されている庶民の不満を取り込む動きでもある
また、この皇太子は
以前は、副皇太子だったのだが
(皇太子は先代国王アブドラの息子)
父親のサルマン国王の威光を借りて
強引に自分が王位継承権トップの皇太子
になったほどの「人物」(笑)
現在のサルマン国王は老齢
ひょっとしたら近いうちに退位して
この皇太子を国王にするかも知れない
こういう過激な肉親主義は
従来の保守的なサウジではあり得なかったのだが
今は様変わり
王室内部の権力争いが露骨になってきた
今までは、初代サウド国王が寵愛した
スディリ妃の息子達
「スデイリ・セブン」が勢力を誇ってきたのだが
ここに来て様変わりか
ーーーー
日経は提携先の financial times の記事を翻訳しているが
その内容は下記
[FT]サウジ、拘束の王族ら釈放の見返りに資産要求
中東・アフリカ FT 2017/11/17 13:42日本経済新聞 電子版
Financial Times
サウジアラビア当局は汚職容疑で拘束中の王子や実業家と和解交渉を進めている。交渉に詳しい関係筋によると、当局は拘置者らに対し、釈放と引き換えに資産の支払いを求めている。
汚職撲滅を推進するサウジアラビアのムハンマド皇太子=AP
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汚職撲滅を推進するサウジアラビアのムハンマド皇太子=AP
交渉筋の2人によると、サウジ政府は枯渇した国庫に数千億ドルをあてがうために、一部では容疑者の70%もの資産を没収しようとしているという。
既に国に資産や資金を譲渡した例もある。こうした取引から、ムハンマド皇太子が大規模な汚職排除を行う背後にある戦略が見えてくる。
今回の一斉摘発では王族や閣僚、莫大な富を持つ有力者が拘束された。この中には億万長者のアルワリード・ビンタラール王子や、同国の衛星テレビ局アルアラビーヤを傘下に持つ中東放送センターの創業者、ワリード・アル・イブラヒム氏、建設大手サウジ・ビンラディン・グループのバクル・ビン・ラディン会長も含まれる。
交渉筋によると、容疑者の多くは先週から首都リヤドのリッツカールトンホテルに拘束されており、その中には釈放のためなら現金や会社の資産を譲渡する契約に署名するのをいとわない者もいる。
ある容疑者の顧問は「彼ら(政府)はリッツにいる大半の拘束者と取引をしている」としたうえで、「お金をはき出せば家に帰れる」と語った。
この資産没収の目的は、長引く原油安と昨年の財政赤字790億ドルに起因するリセッション(景気後退)に政府が取り組んでいる状況下で容疑者らが汚職でため込んだとされる数十億ドルを回収することだ。
司法長官は、総額1000億ドル以上にのぼる汚職容疑を捜査していると話した。交渉に詳しい関係者は、サウジ政府は少なくともこれと同額を取り戻そうとしているが、目標額が増えて3000億ドルになる可能性もあると述べた。
政府が汚職の捜査を拡大するにつれ、逮捕者は増える見込みだと話す関係者もいる。
大きな力を持つ王族や政界にコネのある実業家による汚職に長年憤りを感じてきた多くのサウジアラビア国民は、この一斉拘束を称賛している。だが、外国人投資家はこの摘発の規模の大きさに動揺しており、これが狙い撃ち的な粛清である可能性を懸念している。
リッツカールトンに拘束されているあるスーパー億万長者は、数十年にわたる汚職行為の罰として自身の資産の70%を国に差し出すよう命じられた。
この人物の顧問の一人は、この人物は支払いに応じる方向に傾いているが、資産や現金の受け渡し方法の詳細はまだ打ち出されていないと話す。
拘束中の実業家らは資産の引き渡しを求められている。王族との取引の条件にはムハンマド皇太子への忠誠を誓うことも含まれそうだとこの顧問は話した。
これについてサウジの政府関係者はコメントしなかった。
By Simeon Kerr
(2017年11月17日 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
3面の「日産、まかり通った不正行為」は、あまり今は前面に出てこないが、いわゆる「ゴーン改革」の負の側面が出てきていると思う。積年の弊害という図式を強く感じる。ゴーンさんは確か「コスト・カッター」として有名だった。「省略」はその一つの結末でもある。
中国の広州で自動車ショーが始まったらしいが、7面の関連記事は「日本やドイツをEVで追い越そうとする中国の狙い」がよくわかって面白い。しかしどうだろうか。「モノを作る」ことへの中国人の最後の執着心は、日独より低いと思う。政治の政策の結果としてのトップ狙いのような気もする。
15面の「巨人ウォールマート アマゾンに反撃」は面白かった。古い小売業の代表のように言われてきたが、ウォールマートが着々とネット企業の買収を進めていたことは良く知られていた。私も何回も書いてきた。
アメリカでのネット販売シェアはアマゾン4割に対して、ウォールマートは4%らしい。まだ10分の1。しかしその果敢さは特筆に値するようで、私は知らなかったが「jct」のロゴが増えているという。
ウォールマートが去年買ったネット通販企業にジェット・ドット・コムというのがあるが、「jet」は同社のロゴらしい。つまり今までの「amazon」一色から、徐々にリアル企業系のネット通販企業のロゴも増えていると言うことでしょう。配達の世界で。
それに少し関連するが、グーグルの日本法人は今の六本木ヒルズから渋谷の新しいビルに戻るそうな。ネット企業がリアルに手を伸ばし、リアル企業がネットに手を伸ばす。グーグルもグーグル・ホームのCMを各所で開始して(私が一番頻繁に見るのはタクシーの中だな)、リアル感が出てきた。
今朝の新聞ではないが、昨日の日経夕刊の「GE誤算、ライバルに波紋」も面白かったな。あれだけ優良企業だったのに、GEの株価は今年に入って「42%低下」とある。全体が上がっているだけに、これは痛い。バフェットさんはどうしているのだろう。GE株を(確か持っていると思った)。
最後になるが、白鵬はきっと思っていますよ。「結局、横綱の地位を守るのは俺か.......」と。他の横綱はあまり横綱らしくないことが分かりつつある。稀勢の里には頑張って欲しいが、今でも不思議なのは怪我をした後の「出たい出たい病」。親方には止めて欲しかった。
日馬富士事件は徐々に「何が起きたのか」については明らかになりつつある。診断書が二通あるのも「...骨折の....疑い」で大分晴れてきた。しかし分からないのは貴乃花親方の行動とその意図です。それは彼にしか分からないかもしれない。
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