新日本歌人投稿歌 0
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夜来の風雨の明け方、ハコネサンショウバラが咲きました。 何年か前、友だちのうさぎAの家の土手の所にあったのが、あまりに可愛い花なので、三本ほど枝を切り取ってきて挿し木にしたものです。 葉っぱはサンショウそっくりで、花はハマナスみたいです。 今日は憲法記念日です。お天気が心配だったけど、とにかく雨が上がって、よかった。 今年はバラに蕾がたくさんつきました。
2018.05.03
緑のカーテンに花が咲いてしまい、あーん、これではヘクソカズラだってバレてしまうわん!朝顔が負けずに伸びているので、早く咲いてほしいです! さて、日本中に飛び散ったフクイチの放射性物質。それに伴ってできた指定廃棄物。 環境省は、早く この量を減らして負担感を和らげたい、との考えらしくて、放射性物質の濃度が「1キログラムあたり8000ベクレル超」という指定基準を下回ったものから、指定廃棄物の指定を排除していく方針とのこと。この「8000ベクレル以下なら安全」という基準もどこから来た数字なのか怪しいものだけど。 千葉市が保有する7,7トンの指定廃棄物は、本日23日付で指定解除になるそうです。普通ごみに。 ニュースによれば市は指定解除後も同じ状態で保管するらしい。だといいけど、普通の廃棄物と同じように処分場に埋められたりしたら困ります。そんなことしないと信じています。 環境省は千葉県内の指定廃棄物を千葉市埋め立て地、東京電力千葉火力発電所に集中管理するという方針を立てているらしいのですが、千葉市&千葉市民は受け入れに反対しています。 自分のところに指定廃棄物がゼロなのに、よその放射性廃棄物を運び込む・・・というのは、気分的にも余計受け入れがたい、というというのが千葉市&千葉市民の考えになると思います。 私も、この考えと同じ。 原発は「トイレのないマンション」と言われてきたけど、人間には核物質の処理能力がないのにもかかわらず、国策でたくさんの原発が作られてしまった・・・。お国のやることに間違いはない・・・と盲信する人たちの支持をもとに。 それが、思いもかけない事故でまき散らされてしまった核物質。 フクイチ以前は、ほんのちょっとでも自然由来以外の放射能が含まれていたら、それはそれは大騒ぎだったのに、安全基準はかつてでは考えられないくらいの緩さ。 これからの各地での反応と国の対応に注目していきたい。保管場所をどこかに決めなといけないのは分かるけど、自分の近くは嫌!という考えを「エゴ」と切り捨てるのは簡単だけど、どの町でも「嫌!」と表明することは、国の原発依存方針(実際はほとんど稼働しなていないのに電気は余っている)に、大きな影響を与える力になるとも思うのです。
2016.07.23
つるバラのアンジェラちゃんです! 東京新聞夕刊、往復書簡より、伊藤比呂美さんの文章をいただきます。 =アングルスさんへ「熊本の文学 支える場」=夫の芯だ後の処理がほとんど終わった。気がついたらもうすぐ四十九日。四十九日なんて概念はこっちにないけど、人がいなくなった寂しさが薄れるのや残していったものを片づけるのにそのくらいの時間が必要だってことかもね。夕方、自分のグラスにワインをつぐ。昔はあたしが夕食を作ってると、夫が台所に来て、こうしてあたしにワインをついで自分はスコッチ片手にいろいろ話したなあと思うとまた寂しくなる。無くしてからそれがわかる。 熊本の地震で「無くしたか」と一瞬焦ったのが熊本の文学だった。そもそも熊本の名物はと聞かれたら、くまモンだデコポンだと人は言うだろうけど、あたしに言わせたら文学だ。 漱石旧居がある。熊本バンドの創始者ジェーンズの館は地震で跡形もなく潰れてしまったが、でもまだ石牟礼道子と渡辺京二が生きている。それを若い世代が熱っぽく支えている。こんなに文学がさかんなのは、場があるからで、それがオレンジという小さなカフェ兼雑貨屋。オーナーはTさん。カフェができて十五年。、橙書店という小さな書店が併設されて九年になる。 人が集まる。イベントを企てる。地元の人だけじゃない、余所からの風を運んでくるような流れ者がふらりと立ち寄っていく。それが文学の流れになる。そうやって熊本の文学の「いま」ができてきた。 橙書店には上から下まで本がつまっている。カフェの棚には器がひしめいている。当然割れて壊れて散乱した。立て直したところで本震があり、また割れて壊れて散乱した。Tさんはどうするか、熊本の文学はどうなるかとあたしは途方に暮れた。こんなに大切だった・・・といつも無くしてからわかる。 でもTさんは店を再開した。 人がまた来だした。こんなときだから本を読みたいと、来る客が言うそうだ。Tさんは聞かれれば本を勧める。それが的確ではずしたことがない。あたしも前に「哲学者とオオカミ」という本を勧めてもらった。これがまた、自分もこんなのが書きたいと思えるようないい本だった。=☆という伊藤比呂美さんの「往復書簡」でした。 熊本の「オレンジ」さん「橙書店」さん、行ってみたいです。熊本の文学を支えて皆さんの拠り所になっているんですね。
2016.06.09
紫陽花のカメレオンちゃんが色づきはじめました。淡いピンクのガクアジサイで、名前が変だけど、これから花が緑になり、秋には紅くなるという色の変化をするかららしい。いつも、あまりに沢山咲くのでピンク以降切ってしまうので、変化を見られません。*紫陽花の芯まっくらにわれの頭(ず)に咲きしが母の顔となり消ゆ by 寺山修司 東京の井の頭自然文化園にいた象のはな子が死んだそうです。69歳。 秋山ちえ子さんが朗読した「かわいそうなぞう」の花子の悲劇のあと、平和になった時代の1949年に日本にやってきて、はな子と名付けられました。多くの人がはな子の死を悲しんで花や果物を持って来園しているそうです。 しかし、知らなかった・・・はな子の69年の生涯。今日の東京新聞に年表が載っていたのでご紹介します。(触れたくないのよ。サミットの話題!) 1947年 タイで生まれる 1949年8月 タイを出発 9月2日 神戸港に到着。戦後日本にやってきた最初の象だった 9月4日 上野動物園に到着 1950年から 移動動物園で東京近郊を回る 1954年3月5日 井の頭自然動物園に移る 1956年 深夜に酔ってゾウ舎に侵入した客を死亡させる 1960年 4月 男性飼育員を踏んで死なす この後、前脚を鎖でつながれ、ゾウ舎に閉じ込められる 1960年 6月 飼育係になった山川清蔵さんが鎖から外し、運動場へ出す。再び人気者に。 2010年 10月 獣医師を鼻で突き飛ばし、軽傷を負わせる 以後、檻越しに世話をする準間接飼育に 2013年 国内最高齢記録となる66歳に。お祝いの会では紙芝居で生い立ちが紹介された 2016年 5月26日 69歳で死ぬ ☆「殺人ゾウ」なんて新聞に書かれたそうです。本人はともかく、関係者の皆さんは大変だったでしょうね。 高齢になって、故郷のタイで余生をおくるという案も出たそうですが、環境の変化はかえって良くない、との判断になったそうです。70年近い年月を、はな子は何を考えて生きてきたんでしょうね。ところで・・・日刊スポーツのネット記事ですが・・・サミットのメディアセンターは仮設で、すぐに取り壊すのだけど、28億5000万円もかけた建物なんですって!そんなことに使うんなら、熊本の益城町の町営住宅費用にしてあげてほしかった!!記事は 「主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が今日26日から三重県で開かれる。 各国報道陣の取材拠点となる伊勢市の国際メディアセンター(IMC)には、20年東京五輪・パラリンピックや19年ラグビーW杯のPRコーナーが設けら れた。また、IMCの横には、日本の技術や伝統文化のほか、三重県の情報を発信する「三重情報館」などを設けた、仮設の別館(アネックス)が建設された。 内部は三重県産のスギやヒノキがふんだんに使われ、和の雰囲気を醸し出す。総工費は約28億5000万円だが、もったいないことに、サミット後は取り壊 し、部材を再利用するという。 」☆とのことです。
2016.05.27
公園のエゴの木の花が咲き始めました。エゴの花は、山林の中で一番好きな花です。 昔、立原道造の足跡を訪ねて、彼が最後に療養した沼袋の国立療養所を訪ねたことがありました。季節は今頃・・・・そこにはエゴの木がたくさんあって、白い花がこぼれるように咲いていました。道造はここで、1939年3月29日に亡くなったのです。 甘たるく感傷的な・・・と本人も思っていたと思うけど、いつまでも新鮮な道造の詩。それにしても、こんな詩人たちがいた時代が、別の人たちによって、戦争への一本道を進んでいたなんて! では、彼の詩を久しぶりにご紹介します。 ひとり林に… 立原道造 だれも 見てゐないのに 咲いてゐる 花と花 だれも きいてゐないのに 啼いてゐる 鳥と鳥 通りおくれた雲が 梢の 空たかく ながされて行く 青い青いあそこには 風が さやさや すぎるのだらう 草の葉には 草の葉のかげ うごかないそれの ふかみには てんたうむしが ねむってゐる うたふやうな沈黙に ひたり 私の胸は 溢れる泉! かたく 脈打つひびきが時を すすめる
2016.05.13
山椒バラの花です!ハコネサンショウバラと言うらしい。7,8年前、友達の山荘から枝を3本もらってきて挿し木でここまでになりました。 去年は花が30以上もつき、とげとげのついた赤い実がなりました。ネットで見たら果実酒になるというので、大事に実が熟すのを待って、割ってみたら全部が虫に食われていて失敗!その結果が今年にも響いて、花がひとつしか咲かないみたい。2,3日でしぼんでしまうけど、きれいでしょう? 今日の東京新聞「こちら特報部」さんは、「玄海町に見る原発の『麻薬』性」ということで、玄海町の岸本町長が登場。町民のほとんどがNOといえない雰囲気がひしひしと伝わってきます。 本音のコラムは鎌田慧さんの「原発プロパガンダ」という文。鎌田さんは青森県出身なんですね。寺山修司と同じ♪ 鎌田さんの文は、ふくいち事故の後なりを潜めていた、安全神話と必要性を謳う『原発広告』が読売新聞を筆頭にまた始められたということから。 電力会社は独占なので広告はいらないのだが、広告費がマスコミを席巻して原発批判の声を抑える役目をしていた。その費用は電力料金に含まれ消費者が負担。経済産業省などの巨額の宣伝費もあり、あわせて数兆円に。消費者は自分が払ったお金で自己催眠にかけられていた・・・。鎌田さんの文章は、こう続きます。=わが古里の青森県は、「来なかったのはウラン鉱山だけ」と言われるほど、核施設の侵攻地帯である。県紙の『東奥日報』の原発広告掲載段数は、2000年から10年までで5418段。立地地方紙の三分の一以上を占めていた。(本間龍『原発プロパガンダ』)。= 同紙は最近になって、また堂々と電気事業連合会や日本原燃の全面広告を、数回にわたって復活させたそうです。電事連は佐藤優氏を起用した全面広告らしい。佐藤優といい、渡辺喜美といい。金さえもらえばどこにもなびく・・・ってことでしょうか? 突然の渡辺喜美の登場ですが、ではこの辺で気分を変えて寺山修司の短歌を。*わが息もて花粉どこまでとばすとも青森県を越ゆる由なし*わが空を売って小さく獲し希望蛙のごとく汗ばみやすし*声のなき斧を冬空の掟とし終生土地を捨つる由なし*幻の小作争議もふいに消え陽があつまれる納屋の片すみ*外套のままの会議ゆ小作田が見えおり冬の鴉が一羽*瘤のある冬木一本眼を去らず農民史序章第一課読後*田園の痛みは捨てて帰らんか大学ノートまで陽焼けして*同志らの小さな眠りの沼にうかび睡蓮は音たてず咲くべし ☆青森で原発に反対してがんばっている皆さん、がんば!
2016.05.10
バラの夢香ちゃんが咲いています。爽やかな柑橘系の強い香りを振り撒いています。 今日は二十四節気の「立夏」だそうです。 ツイッターで爽やかな北海道の若者の声を2つリツイートしました。・5月5日は、5年前原発ゼロを達成した日です・・・というデモのお知らせ・5月8日、大通り公園からのデモ・・・Tpp Has Got To Go・・・というTPP反対のデモの呼びかけ どちらのポスターも雑誌のグラビアみたいにきれい。言葉も思いがあふれてすばらしい! そこで、ふと反省。もっと身近で動かなくっちゃ。近くの若者とつながらなくっちゃ! 茨城のり子さんの「詩のこころを読む」=岩波ジュニア新書、に紹介されてある、石川逸子さんの詩を思います。「風」 =詩集「子どもと戦争」より遠くのできごとに人はやさしい(おれはそのことを知っている 吹いていった風) 近くのできごとに人はだまりこむ(おれはそのことを知っている 吹いていった風) 遠くのできごとに人はうつくしく怒る(おれはそのわけを知っている 吹いていった風) 近くのできごとに人は新聞紙と同じ声をあげる(おれはそのわけを知っている 吹いていった風) 近くのできごとに私たちは自分の声をあげた(おれはその声をきいた 吹いていった風) 近くのできごとに 人はおそろしく私たちは小さな舟のようにふるえた(吹いていった風) 遠くのできごとに立ち向かうのは遠くの人で近くのできごとに立ち向かうのは近くの私たち (あたりまえの歌を風がきいていったあたりまえの苦しさを風がきいていった) ☆という詩。
2016.05.05
バラのパローレちゃんが咲きはじめました。大輪の強い香りつき♪ 今日はサクラソウやチューリップを片付けて、ガーデニングに勤しみました。 東京新聞に哲学者の内山節さんが、「仕事が人間を頽廃させる」という文章を寄せていました。群馬県の上野村にお住まいです。そこでの暮らしは=村の暮らしは案外忙しい。畑仕事をしたり、山菜を採りにいったり、春祭りもあれば共同作業もある。最近では、土日にさまざまな企画も行われている。 面白いのは、それが仕事なのか村の暮らしなのかが、よくわからないことだ。仕事だといえば仕事、それが村の暮らしだといえば暮らしなのである。 伝統的な社会では、すべてのことが何となく一体化している。仕事と暮らしも一体化し、それらと結ばれながら地域文化や地域社会もつくられている。山の神信仰や水の神信仰のような土着的な信仰もそれらと結んでいる。それが伝統的な「生きる世界」のかたちだった。= そして、近代的な社会になって、こうした一体的な世界は壊れて、自分や自分の企業の利益しか考えない存在ができてきた。 職業は、職業以外の世界との結びつきを失ったとき、職業だけが一人歩きするようになり、頽廃していく・・・と内山さんは書き、その結果たえず職業倫理の重要性が語られ、しかし現実には倫理観の欠如した事件が頻発する・・・。 それに気づいた人たちは、仕事が社会や暮らし、文化と結ばれている社会を確立しようとする取り組みを始めた・・・というのが今の状況らしい。 多くの人の気づきで、新しいつながれる社会ができるといいなあ!と思う春の日でした!
2016.05.01
雪柳が満開です! NHKのラジオ深夜便の本を買ってみました。保坂正康さんの「昭和史を味わう」なんかが読み応えありますね。 深夜便しじまのことば、に恩地孝四郎さんという人の詩があったのでご紹介します。「月の出」月はしづかに上つてゐる。そして私は室内で、 いつものやうに机のまへに椅子によつてゐるのである。私の皮膚は滑かでゐるのに私の思想は停沌してゐるのである。月はしづかに上つてゐるのに。☆という詩。 ところで、「しじま」という言葉の意味は暗い「夜」ということかな?と漠然と思っていたのですが、ためしにネット辞書さんで引いてみたら物音ひとつない「静寂」・・・という意味でした。へ~え。気がつけば知らないことがいっぱい♪
2016.03.24
公園の桜が色づきはじめました♪ ソメイヨシノより早く咲き、色も少し濃いめ。河津桜系かな? 東京新聞夕刊に瀬戸内寂聴さんが連載している「縁の行方、今」は、寂聴さんが出会った人たちとのエピソードを書いておいでなのですが、今日は高橋源一郎さんでした♪ しかし、寂聴さんの筆は、ますます軽やか・・・!書き出しは、こんな感じ。=自民党の政治に不安と恐怖を感じ、日本の前途にほとんど絶望的になっていた時、若い人たち(主に大学生)が、自由と民主主義のための学生緊急行動として団体をつくる、SEALD’s(シールズ)と名づけて安保法反対のデモなどを起こしたのを見て、おや、日本はまだ脈があるぞと嬉しくなった。 中心人物は奥田愛基(あき)さんで、明治学院大学の学生である。高橋源一郎さんはこの大学の教授で奥田さんの先生に当たる。 高橋さんは1991年に、湾岸戦争への自衛隊派遣に抗議声明を出したような人物なので、SEALD’sの学生の強力な相談相手、指導者ともなっている。かつての小田実の有力な後継者ともいえる。=(中略)1980年、高橋さんが群像新人賞に応募し、寂聴さんが選考委員だったときに彼を知る。豊かな未来を感じて推薦したが他の選考委員の酷評にあった。彼は寂聴さんの見込みどおりの才能があり、今は5つもの文学賞の選考委員をしている・・・そうです。) =お互い忙しいので、めったに逢うこともないが、最近対談などが巡ってきて、はじめて寂庵にも来られ、思う存分お喋りした。 いつの間にか六十五歳にもなっていたが、体形はスマートで、腹など出ていず、顔つきも至って若々しく爽やかで、五十代にしか見えなかった。 どこか魔性の性的魅力がひそんでいるらしく、これまでに四度の離婚と、五度の結婚をしているという。お子さんも男女あわせて五人もいるようだ。 高橋さんの方がよほど情熱的なのか、相手の方がそれぞれ飽きっぽいのか知らない。本人に訊いても、「さあ、どうかな、気がついたらこうなっていて」とけろりとしている。 最初の奥さんが、私の小説の熱烈なファンだったとかで、自著を送りたいから現在の氏名と住所を教えてくれと言ったら、今は他の人と結婚して幸せそうだから・・・と逃げられてしまった。 私と親しくなる人物は、どうも変り種が多いのは、私自身が変人なのだろうか。=☆という、瀬戸内寂聴さんでした!「腹など出ていず」という観察は、アッパレです!二人とも素敵な人生をお過ごしですよね~!
2016.03.16
去年の写真だけど、ウンベルト・エーコさんに捧げます。玄関前のこの「薔薇の名前」はコティヨンちゃんです。青系ピンク♪ 2月19日に、作家のウンベルト・エーコさんが亡くなったそうです。人は誰でもどんな偉大な人でも亡くなるのね。 書きたいけど難しすぎて書けないので、昨日の東京新聞「大波小波」さんが取り上げていたので、全文をいただきます。題して 「学者小説家の死」=まさに博覧強記の人だった。中世美学の権威であると同時に、現代の最新理論を使いこなす記号論者あったウンベルト・エーコが逝った。 『中世美学史』や『開かれた作品』などにより日本でもつとに知られていたが、その名を一躍高めたのは、小説『薔薇の名前』だろう。 中世の修道院で起こった不思議な事件を解き明かす一種のミステリーで、それだけで読者を惹きつける。しかしその背後にちりばめられる古今の知識の量たるや、アリストテレスから中世の普遍論争を経て、現代の作家ボルヘスまで、そうした細部を読解するための注釈本まで出ているほどだ。 これはたんなる衒学にとどまらず、他のさまざまなテクストの示唆によって作品の価値を高める優れた実践ともなっている。 この不世出の書き手を失ったわけだが、彼は読者に希望も残してくれた。『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という本の中で、歴史が証明している一つの真理に言及する。つまり、新興メディアほど滅びるのが早いのであり、書物は不滅だ、と。 彼が頭を悩ませたのはむしろ、死後の蔵書の始末だった。享年八十四.蔵書の行方はともかく、彼の仕事は書物として残り続けるだろう。=☆という、大波小波さんの、『トマト・秋ナス』さんでした。 薔薇の名前は読んだかなあ?忘れてしまったけど、読んだにしてもきちんと分かっていなかったのかもしれない。映画には引き込まれ、すごく面白かった。でも、えっ!こんなこと!が最後の感想かな? ウンベルト・エーコの作品をもっと読んでみよう!
2016.02.24
NHKラジオ深夜便で最後に、「今日の誕生日の花」というのを教えてくれます。あまり聞いたことがない地味な野草などが多いような気がします。 今日の花は「レンテンローズ」というもの。ローズと名がついているが、キンポウゲ科、と言っていました。どんな花かな?と思ってネットで調べてみたら、クリスマスローズと同じ種類らしい。 クリスマスローズはクリスマスの頃に咲き、レンテンローズはキリスト教のレンテン節の頃に咲くのが名前の由来とのことです。以下に富田林教会のホームページよりコピペさせていただきます。クリスマスローズ Niger レンテンローズ Orientalis. △△△△クリスマスローズ△△△△△△△△△レンテンローズ 日本では花期の長い「オリエンタリス」や交配種の「ガーデンハイブリッド」が広く栽培されているようです。学名はヘレボラスHelleborus キンポウゲ科。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸、西アジアで多くは山地に自生しています。地ぎわで咲き始め、のちに丈夫なステム(茎)が立ち上がります。花径は4~8cm。葉は常緑で、厚く光沢があるのが特徴です。草丈が30cmから1m以上にもなる有茎種もあります。花に見える部分は植物学上では「花」ではなく、「がく片」という部分です。花は退化して蜜管(蜜の出るところ)となっています。西欧では薬として用いられ、神経症、ヒステリー、憂うつ症に効くといい、根にヘレブリンというサポニン配糖体の一種が含まれています。△△△有茎種 ※冬の花の少ないクリスマスからレントの時期に咲くクリスマスローズ、レンテンローズは園芸雑誌等で紹介されて日本の家庭にも広く楽しまれ栽培されるようになってきました。レンテンローズの普及によって、名前の由来となったレント(四旬節)の意味も知って欲しいと思います。「彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであり、彼が打ち砕かれたのはわたしたちの咎のためであった。彼の受けた懲らしめによって、わたしたちに平和が与えられ、彼の受けた傷によってわたしたちはいやされた。」 イザヤ書53・5※参考図書 聖書の植物物語 中島路可著 知らない花の名前を知りました♪
2016.02.16
田舎の庭の侘び助です♪風に煽られて花びらがヨレヨレ。 今日はホームセンターに行って、バラの肥料と土を買い、バラの植え替えをしました。 去年はすごく沢山咲いたので、今年もまた期待してしまいます。 バラ用の鉢を一つ買ってきて、まずバラの堆肥を入れ、土を入れてから、古い鉢からバラを出して植えつけます。からになった古い鉢に新しい堆肥を入れ、土を入れて、また別の古い鉢のバラを植えつけます。こんな調子で、5つのバラの植え替え完了♪ 虫も発生せず、病気にもならずに、きれいな花を咲かせてくれることを期待します。 去年の夏、つるバラが枯れてしまったので、今は羽衣ジャスミンをアーチに這わせてあるのですが、棘のないモッコウバラを植えるつもりでした。もう、ホームセンターによい苗が出ていたので買おうかと思いましたが、やっぱり白や黄色だと寂しいかな?と思い、ピンクのつるバラの苗を買ってきました。これは大きく育ってほしいので地植え。 世間や政治が見るに耐えないひどい状況なので、バラの世界に浸りたい気分です。 では、リルケのバラの詩を。 「薔薇の内部」 リルケ 何処にこの内部に対する 外部があるのだろう? どんな痛みのうえに このような麻布があてられるのか? この憂いなく ひらいた薔薇の 内湖に映っているのは どの空なのだろう? 見よ どんなに薔薇が咲きこぼれ ほぐれているのかを 震える手さえ それを散りこぼすことができないかのよう 薔薇にはほとんど自分が支えきれないのだ その多くの花は 満ち溢れ、内部の世界から外部へと溢れでている そして外部はますます満ちて 圏を閉じ ついに夏ぜんたいが 一つの部屋に 夢の中の一つの部屋になるのだ ☆リルケって、バラの棘が刺さったのが原因?で死んだそうです。 以前、何かでリルケの「マルテの手記」を読みたいと思い、ヤフオクで買ったんだけど、まだ読んでなかったことを思い出しました。
2016.02.12
これは、多分、猫じゃらしです。 東村の富広美術館に行ったとき、この絵が目に留まりました。それまではカレンダーなどで見ていて、あまり心惹かれなかったのですが、絵を初めて見て、感動いっぱい。 そこに書かれていた星野富広さんの詩です。=思い出の向こう側から 一人の少年が走ってくる あれは白い運動ぐつを 初めて買ってもらった日の 私かも知れない 白い布に草の汁を飛び散らせながら あんなにも あんなにも嬉しそうに 今に向かって 走ってくる あと、ミョウガの季節になると思い出す詩。=畑の草を一日中むしり かいこに桑をくれ 夕方ひょいっと出かけてみょうがをとり それを売っては 弁当のおかずを買ってきてくれたっけねえ いつもしょっぱいこぶのつくだ煮 花の咲いたやつは安くなるからと 花を抜いて売ったこともあったよね もんぺと地下たびの間は 蚊にさされた跡が いっぱいだった かあちゃん みょうがを食うとばかになるというけれど おれは 思い出すことばっかりです
2015.07.24
公園の風蝶花です!長雨に負けずに夏の花の風格を漂わせて。ただ、強固な棘と悪臭付ね! 世の中、おばかばっかりが幅をきかせて、ついついそのレベルに相応の悪態をつきたくなるので、心清らかに、風蝶花の絵についた、星野富広さんの詩をご紹介いたしませう♪ =よろこびは 束の間のこと 悲しみも また 明るさの中で見れば ちっぽけな かたまり 朝の庭に 燃えつきた線香花火の 玉をみつけた 朝顔の絵には=一本の茎が 一本の棒を登って行く 棒の先には夏の空 私も あんなふうに登って行きたい ☆さてさて、明日は晴れるでしょうか?晴れるといいな♪
2015.07.09
ツルバラのミミエデンちゃんです!カップ咲きの可愛い花なんですが、沢山ついたつぼみがなかなか同時に咲かないのは何故かな?やっぱり肥料たっぷりの良い土が必要かもね。 写真に写っている白い箱は、御用済みにした床下収納箱で、今年はこれにミニトマトを植えています♪ 大相撲の優勝は照ノ富士という人で、あんまり知らなかったのですが、逸ノ城と10年に来日、鳥取城北高校の同級生なんですって。 最初は間垣部屋に入門したんだけど、親方が病気になり稽古もなかなかできずに部屋が解散、兄弟子たちと伊勢ケ浜部屋に移ったらしい。日馬富士のところね。今までと比べ、稽古が厳しくて3番取ると呼吸困難になるほどだったそうです。 感動話は間垣部屋から一緒に伊勢ケ浜部屋に移ってきた2人の兄弟子。一人は今は付け人になっている駿馬(33歳)、呼び出しの照矢(32歳)。転籍を選び、一緒にがんばってきたので、優勝が決まった時には抱き合って泣いて喜んだそうです。 モンゴルで進学校で学んでいた照ノ富士は高校時代数学と英語が得意だったそうです。 朝稽古での会話。照ノ富士「吐くって言葉からマイナスの部分を引くと、夢が叶う」んだよだからマイナスなことを言っちゃいけない。幕下の照強「辛い、に一本足したら幸になる。」 若いお相撲さんって、こういう会話をしてるんですね♪ さて、数学得意の彼は、難なく解けるでしょうが、東京新聞別刷の「暮らすめいと」に、こういう脳トレが。 江戸時代の数学・和算で「盗人算」という算法があるそうです。 ある人が橋の下で盗人が盗品を分け合っている声を聞き、その話から盗人と盗品の数を推理するのだそうです。1・ 吉田光由の「塵劫記」(1627年)に、ある問題。=何人かの盗人が何反かの反物を盗んで分けることにした。聞けば、各人が8反ずつ取れば7反足らず、7反づつ取れば8反が余るという。盗人は何人で、盗品は何反か?」=2・ 出所は中国の「孫子算法」(400年前後)で、その問題は=盗人が蔵から絹を盗んだが、損害は不明である。但し、草むらの中で分けるのを聞くと、絹を6匹づつ得ると6匹があまり、7匹づつ得ると7匹が不足する。問う、人と絹はいかほどか?」= もうひとつ、日本の藤原徳風「広用算法大全」(1827年)では=何人かの盗人が集まって絹と布を分けることにした。数は不明である。絹は、各人に4反半づつ分けると8反不足、布は2反づつ分けると11反が余る。布と絹を7反づつ分けると7反不足するという。盗人は何人で、絹と布はそれぞれ何反か?」というもの。布は木綿のこと。 これの答えは、「盗人20人、絹82反、布51反」だそうです。 さて、1・と2の答はどうでしょうね。今では連立方程式でやればいいらしいけど。
2015.05.25
バラのシャイニングアワーちゃんも咲きはじめました。朝日が燦燦!という意味かな? PCちゃんの無線RUNちゃんが不調だったけど、自力で修復! オスプレイで書きたかったのは、米国からオスプレイを十何機買わされるらしいけど、オスプレイは航空法では許可されていない機種なので、日本の空は飛べないよ。という話。 米軍オスプレイが飛んでいるのは、日本の空は米軍が制空権を握っている治外法権だから。 国会で航空法を変えるんでしょうね。圧倒的多数の暴力で危険なものを日本の空に飛ばすために。
2015.05.07
今年最初のバラのカクテルちゃんが咲き始めました。まだ1週間もある4月に悪いけど、美しい5月がもうすぐやってきます。(4月は桜でさんざん楽しんだものね♪ 5月といえばパリ5月革命。そのときの歌「美しき5月のパリ」は、こういう歌です。勢いのある良い曲です!1.赤い血を流し 泥にまみれながら この五月のパリに 人は生きてゆく ※オ ル ジョリ モァ ドゥ メ ア パリ オ ル ジョリ モァ ドゥ メ ア パリ 2.風よ吹いておくれ もっと激しく吹け 青空の彼方へ 我等を連れゆけ ※繰り返し 3.年老いた過去は いま醜く脅え 自由の叫びの中で 何かが始まる ※繰り返し 4.ほこりをかぶった 古い銃を取り パリの街は今 再び生まれる ※繰り返し 5.歌え 自由の歌を 届け 空の彼方へ この五月のパリに 人は生きてゆく ※2回繰り返し 辺野古のゲート前で人々の中心になっている山城博治さんが歌う「5月のパリ」の替え歌がユーチューブにありました。山城さんは悪性リンパ腫の治療のために療養中です。 ではその替え歌を・・・1・赤い血を流し 泥にまみれながら この5月のパリに 人は生きて行く ※オ ル ジョリ モァ ドゥ メ ア パリ オ ル ジョリ モァ ドゥ メ ア パリ 2・辺野古の海を 守りぬくために ・・・・・・だが 立ち止まりはしない (・・・・の部分聞き取れなかった) 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう3・高江の森を 守りぬくために 力を合わせて スクラム固めよう 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう4・島々の暮らしを 守りぬくために 思いをめぐらせて スクラム固めよう 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう 辺野古の海を守りぬくために ・・・・・だが立ち止まりはしない ひろじさんが闘病の結果元気に復帰することを、みんなが待っています。現場は大変な緊迫状態。長く続けばいろいろな大変なことがあるでしょうが、辺野古を守るため、オール沖縄、でがんばってほしいです。 日本各地で行われる地方選挙、「平和を守りたい」という皆さんが、一人でも多く赤いバラを咲かせますよう、お祈りしています。それはきっと、辺野古への力づけにもなるはず。
2015.04.24
近所の公園の山桜が満開になりました。葉っぱが赤いのと緑のがあります。これは緑ので花が小さめ。 昨日の朝、美しい別の桜の景色を見ました。下のほうの葉が散ってしまったのに、梢の花が満開で朝日に燦然と輝いているのです。これは西行の花恋の歌といわれる*吉野山梢の花を見し日より 心は身にも沿はずなりにき の景色そのままだと確信しました!(ほんまかいな?) 高橋和夫先生の「古典文学と気象」によれば、平安京の人々は春真っ先に咲くコブシには目もくれず、桜に夢中だったそうです。 本文によれば=桜といってもそれはただの雑木に過ぎない。花が咲いていない時には、ほかの雑木に比べて何の特徴もない。だから木の実用性からみれば薪炭用の材木に過ぎない。ただし貴族たちの桜花発見の基には、在地農民の桜樹への信仰があった。== 桜が散る。古今和歌集春歌下に、限りなく続く落花の歌は、よくもこう桜の散り方をさまざまに作者たちは発見したものだと感心させられる。桜の散りようを観 察して、その姿が美しいというだけではない。散りようが人生を象徴しているからである。桜に対比して人生は二つの相を持っている。一つは、人生とは桜のあ わただしく散るように、はかなく嘆かわしいという相。一つは、桜のきれいな散りざまに較べて、人生は何と思い切りの悪いみっともないものかという相。 多くの歌は、人生を桜に反映させて、この両極の間にさまざまなヴァリエーションを工作したものである。平安貴族は、桜を媒介として、日本人独自の人生哲学をうち建てたのであった。=★古今集春歌下は桜が散り始めるところからはじまって、69番から118番まで、いろいろな散り方をうたっているのです♪ ところで、今度の日曜日は統一地方選挙の投票日。ツイッターでどなたかの応援リツイートして間に古今集の落花の歌をいれると縁起が悪いなあ、と思いつつの今日この頃です。 こちらでは県議会議員と市議会議員の選挙。 どこかのアンケート調査では、安倍内閣を支持する人が50%近くいるけど、安倍内閣の政治を支持する人は30%もいない、という結果が出ていました。この妙なねじれは何でしょう。 国政の不満は地方選挙に関係ない、という人もいるけれど地方自治を守らない国に物申す地方自治体であってほしいと思うので、平和や環境や子どもの未来にきちんとした考えを持っている人を選びたいな! うまく書けないので、岩波書店のホームページからいただきます。=第18回統一地方選挙の第一ラウンドの決着が、今度の日曜日(12日)につきます。引き続き26日には第2ラウンド の投票が行われます。 全国の地方政治のこれからを国民が選択する機会であると同時に、昨年末に大勝した後「国民の全面的な支持を得たと」推し進めてきた安 倍内閣や自公政権の経済政策、国防・安全保障政策、教育政策などの評価が一定程度、国民によって政権に突きつける事のできる重要な選挙です。 また、現在大 きな話題となっている沖縄の基地移設問題への政府の対応は、「国益は地方自治体や市民の意志に優先する」という論理をあからさまにしたものであり、地方単 位で行われる選挙だからこそ、この政府の姿勢への国民の意志を示す機会でもあります。= ★この重要さを、多くの人に広めたいです!
2015.04.10
今日は、芝離宮にお花見に行きました。この場所は、浜松町駅から徒歩1分の交通至便。あんまり桜の名所っぽくないので、穴場かも。 都立なので料金は150円だし(65歳以上70円)きれいで広々してすごく良いところです。桜は1本が満開。ソメイヨシノは一分咲きくらいでした。(写真のとおり)今週末は満開になりそう。 昔は遠浅の海だったのを、明暦の頃に埋め立てられたらしい。水辺の風景が美しいお庭です。幕末には紀州徳川家のお屋敷だったそうです。(別邸?) 海の名残として、海水の取水口があり、池は昔は海水池だったらしいのですが、今は淡水池で、鯉がいます。 帰りに、東京駅八重洲口の桜の通り抜けのお花見に行きました。「八重洲さくら通り」。商店街の両側に植わっていて、桜のトンネルになります。もう、五,六分咲きになっていて、とてもきれいでした♪
2015.03.26
小さくて赤いチューリップ。 おやゆび姫という名前です! 一昨年買って、去年は咲かなかったけど、今年は可愛く咲きました。 今日の東京新聞1面に「ひめゆり語り継ぐ」「沖縄戦70年 元学徒が最終講話」 という記事が載りました。リード文は以下のとおり。『沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館で、1989年の開館当初から行われてきた元ひめゆり学徒による講話が22日、最終日を迎えた。 高齢化により続けていくことが困難と判断、沖縄戦から70年の節目に引退を決めた。 この日、最後の講話を終えた島袋淑子館長(87)は、「戦争を知らない人たちにどう話したら分かってくれるかと、焦ったり悩んだりしている。どれだけ伝わったか心配だが、一つのけじめをつけたい」と話した。 4月以降は、戦争体験のない若い世代が学徒らの記憶を伝える役割を引き継ぐ。』 というもの。 当時、動員された学徒隊240人のうち、生存者は104人。開館当初27人いた証言員も、今は9人に。 後継者育成のために、08年には講話を引き継ぐ説明員たちと戦跡を巡ったそうです。説明員の一人のひろみさんは、「体験者に代われるか不安はあるが、伝えたいという気持ちは同じ。学徒たちの生きざまも伝えていきたい」と話しているそうです。 島袋館長は「世の中がどんなに変わっても、毅然として平和の尊さを伝えてほしい」と。 沖縄に行ったとき、20歳だという観光バスガイドさんの戦跡の話と平和への願いに感動しました。ひめゆりだけでなく、多くの(すべての)学徒が悲惨な体験をさせられたことも。入社すると、先輩のガイドさんから、多くの沖縄戦のことを教えられるそうです。島袋館長さんの言葉のように、世の中がどんなに変わっても、平和の尊さを若い人たちに受け止めてもらいたいです。
2015.03.23
今日は、川村記念美術館に行きました。 写真は、咲いていたユキワリソウです♪ミスミソウ・スハマソウとも言うらしい。キンポウゲ科の可愛い花です。カタクリも咲いていたけど、株が少なくなっていました。 開催中のは、「人と自然のあいだの「精神」と「芸術」・スサノヲの到来・いのち・いかり・いのり」 古事記の神々は、あまり姿がないが、スサノヲは絵や彫刻(神像)などにその姿が表現されているらしい。古事記は、なぜか学ぶ機会がなかったので、よくわからないけど、高天原から追い出されて各地を放浪したらしい。 スサノヲは和歌を初めて作ったそうです。「八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」というもの。 各地を訪ねて足跡や作品を残して立ち去る来訪神のコーナーに芭蕉さんの資料もありました。野ざらし紀行、小夜の中山。 『二十日余の月、かすかに見えて、山の根際いとくらきに、馬上に鞭をたれて、数理いまだ鶏鳴ならず。杜牧が早行の残夢、小夜の中山に至りて忽驚く。 *馬に寝て残夢月遠し茶の煙』虚栗の*世にふるも更に宗祇のやどり哉 もありました。民俗学の所では、平田篤胤が幕末に古事記のブームを起こしたことなど。 また、スサノヲの精神につながる清らかな怒り、として、自然の声を聞くことにつとめた、南方熊楠、田中正造、折口信夫が取り上げられていました。 いろいろな展示がありましたが、藤白尊(1956~)の大石擬真素美の天津神算木、のカラフル木組みが面白かったです。この大石某という人は、幕末頃?の神様占いの人らしい。昔ふうのみぎつばさね♪
2015.03.11
ミモザのつぼみです!昨日の氷雨に打たれて道に落ちていたのを拾ってきました。昔のポケットウイスキーのびんに挿して。マッサンでウイスキーが注目されているけど、この瓶には「DOROME」の文字が。 ミモザは、まだまだ堅いつぼみだけど、2月も終わる頃には輝く黄色の花になることでしょう。国際婦人(女性)デーの花でもありますね。 では、小森香子さんの詩をご紹介。「群れ咲け 花よ」あじさいは 雨にぬれてもぬれるほど 青空色は濃くなりまさり群れ集まる小さな花の そのあつまりが手まりのようにまろやかに ゆたかに雨の中でさえ はずみそうに 輝く 夾竹桃は 陽照り夏に灼かれても 白く冴え 紅く燃え一枝が咲き終われば また次の若枝が萌えたゆむことなきいのちの炎 咲きつづけ原爆の焼け土にさえ 絶えることなく 生きる コスモスは 野分の朝に地に倒れ からまりよじれてもささえあい 陽ざしよみがえれば 宇宙にすっくりと群れ立ち 伸びあがり風に吹きさらされても 花の色は あせない 群れ咲け 花よ 花たちよそのいのち 大地に根ざしとりどりの 色も かたちもそれぞれに 心ひかれる 雄雄しさとやさしさの群れとなって いのちのかぎり ☆立春も過ぎ、もうすぐほんとの春ですね。世の中のいろいろな困難が、女性たちの思いを集めて、少しでも好転しますように・・・。
2015.02.06
1月14日東京新聞「平和の俳句」は横浜の83歳の方。 *芋南瓜命繋いで八十路かな 選者の言葉 いとうせいこうさん:荒廃した国土で食料も乏しかった過去。現在は放射能汚染。 金子兜太さん:戦争はいやです。悲しく苦しい日々でした、と作者。戦後の食糧難も。 今朝、今年はじめてのたんぽぽ発見!上?前?ばっかり見て犬の散歩していたので、たんぽぽがこんなに咲いているなんて気づきませんでした! たんぽぽといえば、この歌ですね。!好きな人多いでしょうね♪ 1.雪の下の 故郷の夜 冷たい風と 土の中で 青い空を 夢に見ながら 野原に咲いた 花だから どんな花より たんぽぽの 花をあなたに おくりましょう どんな花より たんぽぽの 花をあなたに おくりましょう 2.高い工場の 壁の下で どれだけ春を 待つのでしょう 数えた指を 優しく開き 空き地に咲いた 花だから どんな花より たんぽぽの 花をあなたに おくりましょう どんな花より たんぽぽの 花をあなたに おくりましょう 3.ガラスの部屋の ばらの花より 嵐の空を 見つめつづける あなたの胸の 想いのように 心に咲いた 花だから どんな花より たんぽぽの 花をあなたに おくりましょう どんな花より たんぽぽの 花をあなたに おくりましょう イメージ的には、寅さんのさくらの夫のヒロシが、仲間とギター弾きながら歌う感じですね。BSジャパンで再び「土曜は寅さん」が始まったので、先週一回目を見たところ♪ヒロシが自信のない若者をういういしく演じてました。 さて、東京新聞夕刊で、森村誠一さんの「この道」が始まったのですが、今は小説大好き少年の周囲にも、敗戦の色が濃くなってきたころ。 乏しくなった配給を猫と分け合いながら、借りてきた本を読む日々。降伏を呼びかけるチラシも散布されて、彼は読みたいと思ったけど、自分の町には撒かれなかったそうです。 今日の最後の文章は『昭和十九年末から二十年終戦前後にかけて、国民は生活ではなくて生存していた。国民の能力すべてが戦争と戦力に集中され、それ以外の文芸、音楽、演劇、映画、スポーツ、陶芸、美術、化粧、服装、宗教、趣味や嗜好、旅行などの芸術や娯楽や自由は、公用以外には圧殺された。』 でした!いろんな人に知ってほしい戦争の現実を。
2015.01.14
ストケシアの花が咲き始めました。外来種だけど和名は「瑠璃菊」というんですって!丈夫できれい! 先日、平和委員会の全国大会で、辺野古のマグカップを買ったのですが、それを包んであった沖縄の新聞。捨てようと思ってちらっと見たら、地方色あって面白かったのでご紹介します。 2014年5月26日の「琉球新報」の広告欄。『買います 軍用地 3億まで。土地、建物、担保つき可能』 同じく同じ日の琉球新報の記事。提携している中国時報(台湾)の記事より『中国北部発米国着2日間 高速鉄道計画に着手。中国政府は高速鉄道の海外への伸延を強く推し進めている。現在ベーリング海峡の海底トンネルを建設し、中国北部とアメリカを2日間で結ぶ環太平洋高速鉄道の建設計画に着手している。 路線は中国北東部を出発してロシアに入り、海峡を越えてアラスカに達し、さらにカナダを経由してアメリカに至る。(中略)中国と欧州を結ぶ中欧路線はロンドンから内モンゴルに至る路線と、ウルムチを起点にかつてのオリエント急行の路線をたどりトルコを経由してドイツに至る路線の2本。雲南省の昆明を出発し、シンガポールに至るアジア路線は6月、トンネル工事に着工する。』 もう1枚、ちょっと古い2011年の沖縄タイムスの読者の投書。『新基地建設は「負担増」です。本質は隠されています。日本政府もアメリカ政府も本音は基地の要塞化を考えていると思います。未来永劫、沖縄に基地を置くことを考えていると思います。地理的な面がいいとか、在沖米海兵隊に抑止力があるというのもまやかしです。 もう、負の連鎖を止める時期にきていると思います。負の連鎖を止めるには「闘う」ことが求められるのです。(以下略)。』 ☆中国がベーリング海の下をトンネルでアメリカに通じる計画・・・・全然知りませんでした。 沖縄の基地について、熱意の伝わる投書、遠く離れて、真剣さにかけている我が身を反省しました。ところでついったーで平和委員会のついーとを検索したら「そうか学会、沖縄平和委員会」のついーとがいっぱいあってびっくりです。平和のために運動するのはご立派だけど、平和委員会という同じ名前をつけて平和運動を妙な方向に持って行くつもりではないのかと、ちょっと勘ぐりました。結局安倍氏に追随していくのは目に見えているのに。
2014.06.13
今日は、田舎に行きました。 写真は長柄道の駅で買ったタイムです!肉料理に使うというけど、この手の香辛料は苦手。乾燥させて精神安定剤にしようと思います。 何本か水に浸けて根が出たら植えてみたい。何年かたつと幹は木みたいになるそうです。 さて、今日の東京新聞夕刊の「紙つぶて」は、中山千夏ちゃん。「殺すな!」という題の正しさ!ご紹介します。=「殺すな!」を国際条約にしたい。これこそ世界の雑多な人間が、たったひとつ合意できる主張だから。 ただし、それは論理的結論としての殺害禁止ではない。やむにやまれぬ「生命の叫び」だ。 人類の不幸は、この叫びを論理で抑圧してきたところにありはしないか。論理は人間の貴重な特技だろう。しかし論理は、世界を仮に裁断できる便利な道具にすぎない。使いようで、丸が四角に、有が無にもなる。 生命の神秘を敬う宗教にも、落とし穴はある。そもそもどんな宗派も論理的体系を持っている。時に、それをめぐっての、強引な論理による裁断が、戦争へ、殺人へと宗教者を導く。 論理を超えることと、非科学的な思い込みとは、必ずしも同じではない。 多くの優れた科学者は、論理で裁断できない領域に到達すると、賢明にも、論理の行使を保留する。しかるべき時の論理保留は、きわめて科学的な態度なのだ。 正義ではなく正論でもない、論理を寄せつけない、単なる生命の叫びとしての「殺すな!」に、論理を保留して従う。単なる生命の叫びとしての「殺すな!」に論理を保留して従う。それが科学的でもあり、安定した世界平和に有効な唯一の政治的手段だろう。 うちの憲法第九条はその優れた試みだ。原発よりはるかに貴重な財産だ。それを論理でねじ曲げ、参戦の道具にしようとする政権は、非科学的な殺し屋集団にほかならない。=☆という、中山千夏お姉さまでした。
2014.05.24
キンランよりちょっと小さめのギンランです。公園にキンランに少し遅れて咲きました。 先日、公園でキンランを盗掘しているおばばを発見、これは許せぬ、と思って、盗掘には気づかないふりをして「きれいでしょう?今年は特にきれい。公園に来る人みんなが大事にして、やっと増えたんですよ~」 と言ったら、「抜いていっても普通の庭にはつかないみたいね」なんて言いつつ、まだ名残惜しそうなので、なんだかんだと話しかけて未遂に終わらせました。 そしたら、去年に続いて今年もキンランの大豊作!100本はありそう♪一本くらいおばばが掘って行っても、平気みたいなので、言わなくてもよかったかもね。 球根というより花粉で増えるのかもね。 昨日、雷をさけて四街道のブックオフで北村薫の「紙魚家崩壊」を買いました。 ちょっとこだわりのミステリー短編集。 表題のは、本好き夫婦(紙魚一二三氏と、紙魚数子(旧姓、本)の、本にあふれる愛の巣で起きた密室殺人事件。 死んでいた数子さんのダイイングメッセージは1+1=11÷2=0 書物収集狂の二人が結婚して、お互いの本を集めてより充実した蔵書になって=1 しかし、愛も覚め、かつて自分だけのものであった蔵書は、2人のものが合わさって、1になったが、それはもう分けても2分の1にはならない。不完全な蔵書が残るだけ。 なので完璧な1を守るには分母を1にするしかない。ので1人を消すことになる。 というような話。最終的に本で溢れた古い家は倒壊=崩壊してしまうのです♪悲劇的なのになぜか楽しいおとぎ話みたい。
2014.05.10
バラのコティヨンちゃんです。午後に雷雨が来たので、雨に打たれたらしくちょっとヘタレ気味。 今日は四街道に、碓田のぼる先生の歌会に行きました。 私は先日、四街道の自衛隊に行った時の歌を出しました。*毎年の基地の祭りなり基地横で基地反対の宴を囲む*買収を拒否せし土地に豆の花初夏の風に溢れ咲きおり*くさび形の農地は美しく耕され自衛隊基地に深く入り込む こんなところです♪ 帰ろうとしたら急に風が吹いてきて、雷雨到来!小雨になったのでブックオフに寄ったりして帰ってきたら、犬のみかんが雷を怖がったみたいで、網戸をズタズタに破いてありました。この前はつないでいかなかったので、車庫の扉(アルミ製)を食いちぎられて大出費したのですが、今度は網戸の張替えを頼まねば!
2014.05.09
バラの夢香ちゃんです! 朝はまだ蕾だったのに、夕方になって開いてきました。バラの季節到来です♪ 先日、たい湾の若い人たちと食事をしました。その時に、「馬そうとう」がやろうとしている、ちゅう国との融和策について、すごく心配しているのを知りました。こちらはニュースで見て、なんか学生たちが国会議事堂をを占拠して、いさましいなあ、という位にしか思っていなかったのですが。 融和策の中身がどんなものか国民には十分知らされていないまま、進められているらしい。 その中身は大幅に、ちゅう国に擦り寄っている感じらしい。たとえば、大陸から来た学生たちには無料で好条件の特待生として扱うという。たい湾の学生たちは自費でバイトしながら学校へ行っているというのに。 そして大陸から来た学生たちはそののち、たい湾でのポストを占めていくだろう、とのこと。 先日会った人たちは日本企業に就職、ちゅう国語が使えることを生かして、主に、ちゅう国から日本に進出してきている人たちのために働いています。その現場で知るちゅう国の資金豊富なパワーは恐ろしいくらいらしい。 馬せいけんは、ちゅう国との融和策で自分たちの国内での権限を強める後ろ盾にしたいらしい。 でも、多くの国民は、返還後経済特区になった香港の富が、大陸からの人たちのパワーに吸い取られている様子を見て、自分たちもそうなるのではないか、と恐れているらしい。とにかく内容を提示して、国民たちで議論をしてからにしてほしいと要求しているみたいです。 自分の政権のために大国に擦り寄る・・・って感じ、どこかに似ている人がいる、と思ったら、日本の安倍政権ではないですか。 時代も構図も全然違うけど、日本にいて祖国を憂える、たい湾の若者たちの姿に、明治の末に東北の医専で学んでいた「周樹人=のちの魯迅」のことを思い出してしまいました。 東アジアは、これからどうなっていくのでしょうか。日本も、考え深いしっかりした政府を持てないままだと、後々大変なことになりかねません。軽はずみな政権にまかせておいていいのでしょうか。
2014.05.08
八重桜も咲きはじめました。吉野山のヤマザクラも見ごろでしょうね♪ 今年脚光を浴びた八重桜といえば、「桜をみる会」で安倍首相が「ここで一句」とよんだ*給料の上がりし春は八重桜 ですね。突っ込みどころ満載らしいけど、ある短歌専門ブログは短歌と俳句の区別がつかない人が書いてあったりするので、国民の程度に合わせてくれてるのかも。 ネットでは、これを俳句としないで下の句をつけるのが流行ったようです。私も1つ作ってみましたが、まじめな性格が邪魔して*給料の上がりし春は八重桜?(?は承服しかねない意味あい)悪税上がり年金下がる と、あんまり面白みのないのができました。人様のをご紹介します。給料の上がりし春は八重桜 *夏を見ぬ間に夢と散るらむ *駄句詠んで馬脚現す愚宰相 *多き花弁と詭弁かな *民がのたうつ八重の舌先 *税にあえぐは枝垂れの桜 *給料が上がらずへこむ人だらけ *八重に上がるは消費税かな *満開を見ずに散りゆく痩せ桜 *血税で花びら赤く染め なかなかのもの。芭蕉さんたちの楽しんだ、庶民の連句文化は健在かもね♪
2014.04.14
今日は、田舎に行きました。 山の農産物直売所にマンサクの花が生けてありました。梅桃桜に先駆けてお山のなかで「まんず咲く」から来た名前らしいけど。東北生まれかな? さて、今日は東京新聞本音のコラムより、斎藤美奈子さんの「3年目の口約束」をご紹介します。言葉を自在にあやつって!かっけ~!!以下に引用させていただきます。=三年目の三月十一日に先立つ十日、安倍晋三首相が語った所感は選挙演説のようだった。「今や高台移転や災害公営住宅の建設は、その七割で事業をスタートしています」。 現実に、岩手、宮城、福島の三県で建設された復興住宅は計画の3、3%である。「東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策についても国が前面に立って取り組むことは言うまでもありません」。 毎日四百トンずつたまり続ける汚染水、二月下旬に発覚した、大量の高濃度汚染水漏れ事故の件はどう考えているのだろう。「福島をはじめ、東北の被災地にたくさんの観光客に訪れていただけるよう」、計画を前倒しし常磐自動車道を「来年のGWまでに全面開通することと致しました」。 福島第一原発から二十キロ圏内の常磐富岡ー南相馬間も?そんな約束をして大丈夫なのか? しまいには「津波や原子力の被害から見事によみがえった土地を聖火ランナーが走る姿は日本のみならず、世界に勇気を与えることとなるでしょう」。 東京五輪の話かい。 このような無責任な夢を語る一方、同じ十日の参院予算委員会で原発を「再稼動していきたい」と述べた首相。さすが世界を相手に「(原発の状況は)コントロールされている」と大見えを切った方だけのことはある。 口先のコントロールができなくなっているのだろう。=☆という、斎藤美奈子さんでした!大風呂敷の、絵に描いた餅の、口先だけの公約、を並べたてる無責任な選挙演説そのままを、国会でやってしまうのは、確かに口先のコントロールさえ不能みたい。本人が気づいていないみたいで大まじめなのがまた、何ともかんともであります!
2014.03.12
アシビが咲きはじめました。 昨日の葛城の神の続きですけど、芭蕉も葛城山を訪れて、こんな俳句を残してますね。*猶見たし 花に明けゆく 神の顔 きっと醜女ではなくきれいな顔を想像していたと思います。 さて、馬酔木の句にはこんなのがありますね。*来し方や馬酔木咲く野の日の光 水原秋桜子*旅かなし馬酔木の雨にはぐれ鹿 杉田久女*春日野や夕づけるみな花馬酔木 日野草城 ところで、すっかり忘れていましたが、3月8日は国際女性デーだったのですね。アメリカのお母さんたちがパンと選挙権を求めてと立ち上がったのが始まりとか。前は国際婦人デーと言ってました。 井上ひさしが太宰治を描いた戯曲「人間合格」にも、国際婦人デーの場面があります。 地主の息子であることを悩む太宰と知り合った「佐藤」が、タワシの行商で知り合った長屋のおばさんに教宣活動をするのです。佐藤=今月の八日、三月八日はなんの日でしょうか。八日は国際婦人デーです。おばさん=なんだって?佐藤=全世界の婦人、つまりはおばさんのようなプロレタリア婦人が一斉に立ち上がる日です。おばさん=あたしらが立ち上がると何が変わるんだって?佐藤=世の中が変わります。もっとずっと暮らしよくなる。このビラを読んでください。国際婦人デーがなぜ大切か、やさしく書いてあります。でも人に見せないように。おばさん=どうして?佐藤=おまわりににらまれるかもしれない。おばさん=ビラをなげすてて=いまでも疫病神や貧乏神ににらまれているんだ。この上、おまわりにまでにらまれたんじゃ生きていけないよ。(佐藤、山田、太宰の若者3人でタワシの会計報告中におばさんがやってきます)おばさん=ちょっと、いつから世の中が変わるんだっけ?佐藤=三月八日からです。今のところそうなっています。おばさん=もう何日もないんだね。さっきのビラ、もらえないかい?佐藤=どうぞ。(おばさん、ビラをもらって帰る)佐藤=な、ああやってプロレタリア婦人が動き始めているんだ。そしてそのきっかけをタワシがつけた。タワシって偉大じゃないか。佐藤、太宰が歌うインターナショナル♪起て 飢えたる者よ今ぞ 日は近し覚めよ わが同胞(はらから)あかつきは 来ぬ♪☆なんてことからはじまる、3人の学生たちのその後。太宰と田舎の番頭さんの「すまけい」さんの、青森弁でのやりとりが、抱腹絶倒、面白かったです!!
2014.03.09
周りを陰らせるほどにたんぽぽも元気です。と思ったら、たんぽぽの方がぼけて写ってしまいました。スーパーの雑誌コーナーで高血圧の本を見たら「180以下は降圧剤を飲む必要は無い」「高圧剤で引き起こされる痴呆症」なんて書いてあったけど、飲み始めてまだ3週間くらいだけど、大丈夫かな? さて、今日の東京新聞「本音のコラム」は、法政大学の竹田茂夫先生。忘れていたけど、白から黒になった日銀総裁のことも書かれていました。以下に引用します。「政治権力対知の権力」=言論や教育は政権や時代に迎合すべきでない。 これは民主主義のイロハだが、NHK首脳人事や教科書検定でゴリ押しする安倍政権には馬耳東風のようだ。 最も露骨な介入は政権発足時の日銀への恫喝であろう。中央銀行の政治的独立性は超インフレを経験した二十世紀の教訓で、金融論のイロハのはず。 だが、リフレ派には煮え切らない日銀のデフレ脱却策が歯がゆくてたまらない。総裁罷免権と日銀法改正の脅しで金融政策の変更を迫った。いうことを聞かなければ、腕ずくで進駐軍を送り込むぞというのだ。(実際そうなった)。 前総裁らは筋を通して要求を突っぱねることも考えたらしい。 彼らにはこの十五年間、非伝統的金融政策で数々の新機軸を打ち出してきたという自負があった。しかも前総裁は日銀理論派の星。 理屈ではリフレ派に勝ち目はない。 今でもなぜ黒田日銀総裁のバズーカ砲(異例な規模の量的緩和)が効くのか、出口戦略はどうなるか、誰も説明できない。 権力にはH・アーレントの別の二分法もある。 真の権力は熟議と合意に基づくもので、皆が納得した方針は難局で力を発揮する。 軍や警察や政治勢力で無理強いするのは権力ならぬ暴力で、とめどなく拡大する。 現政権は、原発や沖縄でどこまで突っ走るつもりなのか。=☆以上が、竹田茂夫先生の本音のコラムでした。美しい国を愛するという勢いに乗っかることの危険性に気づかない国民が多くて、真の権力の出番がないまま、国が衰退しそうです。皆さん、早く目覚めてほしいです。
2014.03.06
ホトトギスです! 我が家のより花が小さくて、群生してます。 さて、衆議院審議入りした「秘密保護法案」ですが、1985年の中曽根内閣の時の「スパイ防止法案」は、市民の世論、マスコミや文化人、与野党の反対で流れてしまったそうです。 今回もぜひとも立ち消えになってほしいですが。 今回はどうでしょうか。 この前の選挙では、消費税もTPPも原発も、暮らしに重要な課題だったのに、「経済」を良くするらしき甘言を選択してしまった国民。 その流れの無関心でするりと通ってしまいそうで怖いです。 今日のニュースでこんなのがありました。 東京五輪のメイン会場の新国立競技場の計画で、昨年11月の国際コンペで採用したデザイン案が、公募条件の建設範囲を大きく超えていたそうです。 事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は、それを知りながら案を採用し、直後に逸脱部分の削除を決めた・・・。 コンペの審査は建築家の安藤忠雄氏ら十人による審査委員会が担当し、技術的に建設が可能かどうか検証する下部組織も設置。 しかし、議事録も下部組織のメンバーも未公表。 他の案への判断がどうだったかの検証も不可能となっていて、JSCは、「公表すると今後の意思決定の中立性が損なわれる」 と答えたらしい。 景観保護の面から、大きすぎると建築家の人々の反対も起きているらしいけど、それに、猪瀬都知事はなんだか「国の建物なんだから建設費は都が払う筋合いはない」なんていますけど。 国政とは別のところの話ではあるけれど、秘密保護法が通ったら、人々に知らせないで決めてしまう、こういうやり方がいろいろな所で行われそうな気がします。 では、むのたけじ「たいまつ」より『ある種の犯罪がどうしてもあとを絶たないのは、犯罪者がそれを恥辱としないことを社会が許すという、二重の恥辱が許されているからである。』
2013.11.09
川村美術館のりんどうです!これで1本。 平安時代は、竜胆という字の通り「りうたん」と言ったらしい。 晴天にさそわれて、田舎の荘園からきたお米を精米しに行ったついでに、川村美術館まで行ってみました。 田んぼ少々の我が荘園の場所は、八重の桜で先週亡くなった照姫さまの実家の領地だった所です。 殿様の土地を領民で分けたんだべか? 美術館の庭は、竜胆とホトトギス、ツワブキが見ごろ、紅葉と西洋ススキみたいなのは、これからって所でした。 エーリッヒ・ブラウアーという人の版画作品を特集していました。 カラフルで絵みたいな感じ。 ブラウアーは、1929年にウイーンで生まれ、少年のときにナチスによるユダヤ人迫害を受けました。 パリ・ウイーン・イスラエルで活動、絵画、版画、ミュージシャンとしても活動しているらしい。 名前を、ドイツ語のエーリッヒから、ヘブライ語で「神のライオン」という意味の「アリク=Arik」に変えたらしい。 今回の展示作品テーマは「ソロモンの箴言」。 面白い章があったのでご紹介します。 その章の言葉に合わせて版画があるのです。第9章4節*すべて命あるものに連なっていれば希望がある。 生きている犬は死んだライオンに優るからである。第9章17節*愚か者に囲まれた支配者の叫びよりも 智恵者が語る静かな言葉に人は耳を傾ける。第16章18節*放漫の行く先には破滅がある。 尊大な心を持てば転落する。 ふむふむ。
2013.11.08
公園のエンゼルトランペットの花です! 去年より咲くのが1ヶ月くらい遅いような気がします。今年の猛暑で体力作りが遅れたのかも。 今度の伊豆大島の台風被害は大変でしたが、東京新聞で毎日(まだ三回だけど)「大島に心を寄せて」という記事が載っていて、心が温かくなります。 ■まずは、気仙沼大島で」つばき油を製造している人。 九年前から気仙沼大島で椿を育てていて、震災当日は気仙沼大島小の卒業生が記念植樹するための椿の苗木が、伊豆大島の苗屋さんから届いたところだったそうです。 それをきっかけに震災後、苗木や中古の搾油機、漁船などが伊豆大島から。 被災した気仙沼大島を支えてもらった伊豆大島が大変な状況になり、飛んでいって手助けしたい気持ちでいっぱいだそうです。 気仙沼大島の震災がれきはまだ片付いていないそうですが、クリスマスをめどに伊豆大島への募金活動をしているそうです。 ■今日は富山県南砺市井口地区の人。 富山県の旧井口村が村起こしで始めた椿まつりは、今年で23回目にもなるそうです。 2日間で村人口の10倍、1万5000人が集まる一大イベントになったのは、最初から関わってくれた伊豆大島の皆さんのおかげだといいます。 椿を中心に交流は深まって、地元の小学生を親善大使にする大島訪問は20年も続いている。 今回の災害を知り、真っ先に子どもたちが支援の声を。 泣き顔で「お世話になった人たちは大丈夫か」と。 子どもたちは寄せ書きを作り、大人たちは地域を回って義捐金を呼びかけて、少しでも大島の力になるために一生懸命。☆という、大島に心を寄せる人たちのお話。 こういう地域の交流がいろいろあったんですね。 大島の人たちって、独特の人に心篤い文化があるのかも。 被害はほんとにほんとに大変だけど、復興に向けて力強く進んでいるようです。 福島も、原発さえなかったら・・・・。
2013.11.01
雨風にも強いキバナコスモスです! 台風が各地に大雨を降らしましたが、汚染水漏れのふくいちは大丈夫でしょうか? 台風の中、作業をする人たちの被爆が心配です。 彼らには日本で一番の高給を出してもいいはずだけど、そうはならない矛盾した職場なのでしょうね。安全な所で指示出す人ほど高給とか。 さて、国内で唯一稼働中だった大飯の4号機が検査入りし、めでたくも原発ゼロとなりました。 この夏の電力需給率は、猛暑といわれても電力に余裕があったとか。 近所の新築の家々には、誇らしげに太陽光発電のパネルがついています。 今まで原子力一辺倒だったのに、方向を変えようと思えば、できるじゃん!日本。 今日の東京新聞「こちら特報部」さんは、大飯原発から20キロの福井県小浜市で、半世紀近く原発にノーといい続けてきた、僧侶の中島哲演さんのことでした。 1968年、小浜市に原発建設計画が。 市長、市議会、県議、知事らが賛成。 しかし市民たちのグループが「美しい若狭を守ろう」の合言葉で団結。 住民過半数の反対署名を集め、市長に断念させる。 75年、再び市議会の保守系会派が原発誘致を持ち出す。 しかし当時の市長も「原発からの財源よりも市民の豊かな心を選ぶ」と誘致しない考えを表明。 その後も小浜市では誘致話が出ては反対運動が阻止するという緊張が。 中島さんは「小浜の反対運動でも、最初は声を出さない人が大半だった。 それが次第にうねりになった。 再稼動反対の世論が潜在的にあるならば、それは必ず実現できる」 と。 中島さんに一貫しているのは、自分の責任を問う倫理観と人を信じる心。 昨年三月、大飯原発の再稼動反対の意志を示すため、県庁で一週間、断食して座り込んだ。「少しひもじい思いをしてみませんか。 一食分のお金を反対運動に使いませんかと。『小欲知足=欲を小さくしわずかな喜びに満足する』の精神を示したかった。」 中島さんのお寺、明通寺はかつて「ゆずり葉寺」とも呼ばれたという。 古いゆずりの葉が新しい芽吹きに譲り、散って土に返る、命を後世に継承していくシンボルともいう。 中島さんは「国民は現政権に多数を与えたが、稼動を許したわけではない」「潜在的に原発に反対している人は多数派だ」 大飯原発の「立地地元」は大飯町だけだが、「被害地元」「消費地元」の声も聞くべき、と提唱しているそうです。 事故が起きれば日本中が「被害地元」になってしまいます。 「四面楚歌」でも半世紀闘って、原発ノーを貫き通した小浜の皆さんに、日本中が学びたいものです。
2013.09.16
野に生えているつるぼです。 すぐに名前を忘れてしまいます。名前の語源は不明だそうですが、蔓穂という漢字を当てはめるらしい。とてもツルには見えないけど。 牧野富太郎で見ると、球根は水仙の細いのみたいな感じです。 今日の東京新聞の社説は、「自衛隊にオスプレイ不要」です。 自衛隊にオスプレイを導入する計画が進んでいるようで、政府が安全性を強調する狙いで進めているらしい。 社説では「本末転倒」だと。 沖縄からも本土からも反対されているオスプレイ。 それを防衛省は2014年度予算の概算要求にオスプレイ導入の調査費1億円を計上。 15年度には導入する予定だそうです。 社説では『注目されるのは、自衛隊が求めたのではなく、政治が自衛隊に使うよう求めていることです。』 と書いています。 自衛隊にはオスプレイの2倍以上の空輸ができるCH47大型ヘリが55機もあり、特に必要ではないらしい。 危険性その他マイナス要因が多すぎて、どこに配備しても国民に反発されることは確実。 反対の中で導入する必要はないらしいのです。 米海兵隊はオスプレイの事故率は他の機種よりも低いとしながらも、 09年、損害百万ドル(1億円)以上としていたAクラスの重大事故を2百万ドル以上に引き上げ、これにより事故率は下がったけれど、損害百万ドル以上でAクラスに含まれなかった事故を含めて計算すると、オスプレイの事故は海兵隊の平均を上回るそうです。 米軍の公聴会でも「通常のヘリコプターと比べ、制御不能に陥りやすい構造上の欠点がある」 と指摘されているそうです。 ハワイでは自然環境への影響が懸念され ニューメキシコ州では住民の反対で 訓練を中止したオスプレイを、なぜ日本政府は導入するのか。 競合機がないため、価格は米国の言いなりになりそう。 自衛隊員、およびその家族からの反対の声を期待します。
2013.09.15
オキザリにしても丈夫なオキザリス! 犬走りの砂利に繁茂するので、根から抜くのですが秋の気配を感じて勢いよく咲き始めました。 丈夫で綺麗! 死の病といわれた結核の療養所で20代を過ごした、三浦綾子さんの「愛の歌集」を読みました。 ウエディングドレス姿の表紙。 教師だった綾子は、敗戦ののち覆った正義に対し、生徒への裏切りと、自分を許せなかった綾子は、教職を辞したのち、結核を発病。 クリスチャンで結核患者だった幼馴染の前川正と恋に落ちます。 短歌の、旭川アララギにも入会します。*或時はひたに生きたしと思ひいてむさぼるごとく聖書読みゆく*自己嫌悪激しくなりて行きし時黒く濁りし雲割れにけり*命いたはりひたに生きむと思ふ朝障子に写りて鳥影よぎる*導かれつつ叱られつつ来し二年何時しか深く愛して居りぬ*指角力に戯れいしが微熱ある君の温き手に悲しくなりぬ*相病みてこのまま果つべし一度でも君に抱かれ臥したしと思ふ*口は大きく鼻低きしこ女と吾を言ひ正さんはゆっくりとココアを飲んで居る*まばらなる髯の寝顔の君を見てひそかに吾は病室を出る*喘鳴が漸く収まりし君の胸に三十秒ほど抱かれ別れ来たりぬ*妻の如く想ふと吾を抱きくれし君よ君よ還り来よ天の国より*かの日共に死にたるつもりにて吾が髪も君の遺骨の箱に納めぬ*君の写真に供へし蜜柑を下げて食ぶるかかる淋しさは想ひみざりき*君が形見の丹前に刺しありし爪楊枝を見れば泪のとまらざりけり 正の死から5年後、ギブスベッドに寝たきりの綾子はクリスチャンの三浦光世からプロポーズされます。*「信仰で頑張れ」と遺言し給ひし君よ私は人を愛しました*年上の病める女を愛するは寂しき事と思ひ給はずや君*どの様な未来になるかはわからねど二人のみに通ずる言葉も出来ぬ*病む吾の手を握りつつ睡る夫眠れる顔も優しと想ふ*苦しみて顔歪むれば君も同じ表情をして吾を見守る*あざやかに林檎の皮をむき給ふ君は如何なる夫となるらむ*相共に祈る午後九時縫ひかけの布をたたみて灯を消しにけり 日用品の店を開くときの体験でしょうか。こんな歌も*金持に金貸し貧乏人に金貸さぬこんな世の仕組みさへ知らず生き来ぬ 36歳で光世さんと結婚した綾子さんは、42歳の時に朝日新聞の懸賞小説「氷点」で、遅いスタートを切るのです♪
2013.09.13
ちょっとヘタレのオトコエシです! 梅雨の頃に藪ごと刈られてしまい、やっと回復したところらしい。昨年隣に咲いていたオミナエシは見かけないけど、葉や茎を伸ばして来年に力を蓄えているのかもね♪ 図書館で長瀬清子さんの詩集を借りたのでご紹介。「唇の釘」唇のわきには小さな釘がしかけてあるので文楽の女形人形はそこへ袖口をひっかけていつもよよとばかりに泣きしづむ雨にぬれた草葉のようにみもよもあらずべちゃべちゃに本当の人間であればそうした釘はないから自分の歯で泣くまいとこらえて力一杯噛みしめる戦地から帰る筈の夫のため新しい布団を四十数年 新しいまましまっていたおばあさんもいた。布団ばかりじゃなく袖も手拭も泣き声出さぬためのかんぬきになるのです自分の心を出し切れず無理無体に大事な者をとられて泣くな女よ泣くな泣くな女よ乳児の時の歯がほろりと欠け落ちるように私らの唇のわきの釘はもうなくなるのがいいのだ世の中にはたくさんの言葉が山とあるのにどれ一つ自分の心につなげないということがあろうかコンセントを探せ そして理不尽な世の中へはっきりと言え私らは愛する者と生きたいのですともう泣かされたくはないのですと自由が来たように釘はいらぬようにみせかけてやはり聞こえてくるおどし文句まだ涙はふききれぬのに遠い親と子は探しあっているのに物言うための唇だ唇は寒くあってはならない噛みしめるためにありはしない(以下略)☆名前を知った時はすでにおばあさんだった長瀬清子。 なかなか女っぽい詩がたくさん♪ 文楽人形の釘のこと、初めて知りました。
2013.09.12
槿(むくげ)です!*朝顔にうすきゆかりの槿かな 蕪村のこの句は、朝顔は早くしぼんでしまうので、一日花のむくげとはあんまり会えない、という理屈の句らしい♪ 別名『底紅=そこべに』ともいうそうです。 朝鮮半島経由で伝わったこの花に美しい日本の感覚をプラスしたのね! さて、今日も東京新聞よりいただきます。 斎藤美奈子さんの「本音のコラム」。 題して「秋葉原と渋谷」です。=参院選最終日の二十日二十時前、山手線の右と左に位置する二つの街の光景は対照的だった。 一方は秋葉原駅前。 自民党の丸川珠代氏と武見敬三氏の応援に駆けつけた安倍晋三首相が、街宣車の上からこぶしをふりあげて叫ぶ。「誇らしい国をつくっていくためにも憲法を変えていこうではありませんか!」 歓声とともに日の丸の旗が振られる。 演説終了後の「安倍ソーリ、安倍ソーリ」コールはやがて「NHK解体!」「ぶっつぶせ朝日!」などの罵声と怒号に変わった。 他方、ほぼ同時刻の渋谷ハチ公前広場。「選挙フェス」と銘打った特設ステージでスピーチするのは緑の党の比例代表候補・三宅洋平氏と無所属の山本太郎氏だ。 フィナーレで三宅氏は憲法九条を読み上げた。「戦争ボケしているやつらに、平和がどんだけ楽しいか教えてやろうよ!」 スクランブル交差点の対岸まで人が鈴なりだったけど、文字通り老若男女が集まったハチ公前は、和やかで明るかった。 メッセージの内容と行動様式は同調するのである。 二つの動画はまだ見られる。 ちなみに二十三日十四時の段階で、同じ動画サイトの再生回数は 秋葉原(首相演説分)が5200回、 渋谷は14万回。 ライブの出来の差もあるけれど、これが市民の関心の差。 ネット環境がある人はない人に見せてあげて。 希望が見えるから。=☆という斎藤美奈子さんでした。 早速見よう!渋谷!!
2013.07.24
暑くても元気な風蝶花です!爽やかできれいだけど、鋭い棘つきなので御用心! 今日は、東京新聞の「筆洗」さんをご紹介。= 参院選比例代表の当選者は四十八人。その真ん中ぐらいの票を集めながら落選した候補者がいる。 緑の党から立候補したアーティストの三宅洋平さんだ。獲得した十七万六千九百七十票は比例代表の落選者の中では最多だった。▼みんなの党の川田龍平さんや自民党の渡辺美樹さんら知名度のある候補者を上回る票を得ながら、当選を果たせなかったのは、緑の党全体の得票が少なかったためだが、三宅さん独特の選挙活動は若い世代を中心に日を追うごとに支持が広がった。▼東京選挙区で当選した山本太郎さんと共闘しながら、「選挙フェス」と称する街頭ライブを全国各地で展開。原発やTPP、改憲に反対するメッセージを熱っぽく訴えた。▼その動画はツイッターやフェイスブックなどを通じて爆発的に広がった。最終日夜の東京・渋谷駅前は、ツイッターなどを通じて知った大勢の若者で埋め尽くされていた。 インターネットを使った選挙運動は参院選から解禁となったが、大きな効果があった例だろう。▼「負けた気はしない。十数万人の票というのは、質量が重い。三年後の参議院選をめざす。これから千日間で世の中を変えましょう。選挙、面白くてやめられないぜ!」と三宅さん。▼自民党の圧勝の裏に、選挙に無関心だった若い世代をネットでつなげ、社会を変えてゆこうとする新しい運動の芽吹きが見えてきた。☆という、筆洗さんでした。 今日の佐藤正明さんの一こま漫画は、安倍首相が、バラマークの左うちわで「風立たぬ」 でした♪ このままでいいはずはありません。 脱原発の若い風を吹かせてほしいですね。 脱原発・反TPP・憲法改悪反対のいろいろな勢力が、風を吹かせてほしいです。 攻撃の矢が向かうのは、似た考えだけどちょっと違う人たちじゃなくて、左うちわの風を浴びてる方向へね♪
2013.07.23
可哀想な名前。 牧野富太郎先生が、昭和天皇に植物の講釈をしたときに、名前を告げてよいのか、いや、良いであろう、とちょっと考えてしまったのが、この「ヘクソカズラ」や「ママコノシリヌグイ」などであったらしい。 綺麗な造形美なのにね♪ では、不死鳥というより、ゾンビみたいに甦る、竹中平蔵の文章を、せいろんよりご紹介。=成長戦略は、アベノミクスの第3の矢だ。500兆円規模の日本経済を力強く成長させるには、経済・社会の枠組みを変えるような「大玉」の改革が必要だ。 農業では株式会社による農地取得の全面自由化、医療では混合診療の全面解禁が期待される。 6重苦の中心である世界一高い法人税を大胆に半減させるなどの政策ができれば理想だ。が、これらは、十数年議論を重ねてもできなかった「岩盤」のような規制や制度であり、5か月の議論で解決すると期待するには無理がある。= 筆者なりに、今回の成長戦略の最大のポイントは、今後こうした岩盤を崩してゆくための装置をいかに埋め込むかにあった。(以下略)= 彼らのしようとしていることの一部分だけでも・株式会社の農地取得(国民の命をつなぐ食料を金儲けの材料にするのだ)・混合診療の全面解禁(治療を保険でしますか?保険外ですか?と聞かれる歯医者さんみたいになるのね)・法人税の大胆半減(その穴埋めは国民への増税) こんなのが「理想」といってはばからない。 それを実現するための「時限爆弾」を、制度の中に埋め込もうとしているのだ! 日本国民の自爆用爆弾ね! あんまり怒りの声が聞こえてこないのが、いよいよ末期症状なのかとも思えるこの国の今である。
2013.07.15
梔子(くちなし)の花が元気です! 梅雨明けが早かったけど、日照りにも強いみたい。 くちなしといえば、野溝七生子の「山梔(くちなし)」のことが浮かびます。 少女型意識文学のスタートとも言えるらしい。 山梔は、明治時代に自我にめざめてしまった主人公阿字子に共感するし、面白かったけど、同じ作者の「ヌマ叔母さん」は面白くなかった。 では、くちなしの俳句をいくつか。*口なしの花咲くかたや日にうとき 蕪村*山梔子や築地の崩れ咲きかくし 麦水*口なしの淋しう咲けり水のうへ 青羅*薄月夜花くちなしの匂ひけり 子規*山くちなしの花遠ざかるとき匂ふ 稲畑汀子*山くちなしを供花に汝の席出来上がる 稲畑廣太郎*梔子の花の匂ひを古書店に 高島茂
2013.07.13
暑いけど、元気なヒメジョオンです! 特に意味は無いけど、庭にある、バラの「シャイニングアワー」ちゃんとつる性の「ミミエデン」ちゃんが息も絶え絶えに咲いているより涼しげ! 先日の東京新聞、ドナルド・キーンさんの「東京下町日記」をメモしておかなければ、と思いつつ日がたってしまいました。 本日ご紹介します。題は「古浄瑠璃の地 柏崎なぜ原発」 です。 こんな書き出し。=私は先月、九十一歳になった。 日本では高齢者はおしなべて大切にされ、私も恩恵を受けている。 だが、こと「古いもの」となると話は別である。 古典を愛する私には、どうも日本人が「古い日本」の良さを、十分に認識していないような気がしてならないのだ。 一例が、近松門左衛門が活躍する以前の江戸時代初期の古浄瑠璃本『越後国柏崎 弘智法印御伝記』だ。(中略) 浄瑠璃の歴史上、貴重な資料である。 それが日本には残されていなく、ロンドンの大英博物館に、三百年以上も前から保管されていたのである。 御伝記は14世紀に即身仏となり、今も新潟県長岡市の西生寺に安置されている弘智法印がモデル。 1685年に江戸で刷られ、ドイツ人医師が長崎から持ち出したとされる。(中略) (文楽や能を知らない日本人。日本の伝統芸能を忘れたのか?海外にはファンが多いのに) 今も、状況は変わっていない。 大阪市では昨年、文楽への補助金削減が打ち出され、物議を醸したばかりだ。 『越後国柏崎 弘智法印御伝記』は、ゆかりの地、新潟県柏崎市でも上演された。 今、柏崎といえば、過疎地に立地されがちな原発が連想される。 だが、古浄瑠璃の舞台となったことからも分かるように、昔から豊かな文化があった場所だ。 日本はどこでボタンを掛け違え、なぜ柏崎は原発を受け入れることになったのかー。=☆という、ドナルド・キーンさんの失望にも似た、お嘆きでした。 信じられないけど、原発再稼動を一番望んでいるのが「地元」という現実! でも、悪いけど「地元」(の、わずかの利益、本当は巨悪の巨利の)ために、加害者になってほしくないのです。 目を覚まして、誇りをもってほしいです。
2013.07.11
近くの土手に「ゆうすげ」が咲き始めました。ちょっと色が濃くて八重っぽい。園芸種なんでしょうか。 ゆうすげが咲くと、立原道造の「ゆふすげびと」を思い出します。『かなしみではなかった日のながれる雲の下に僕はあなたの口にする言葉をおぼえたそれはひとつの花の名であったそれは黄色の淡いあはい花だった』 ではじまる14行の詩。 「風立ちぬ」の舞台とほとんど一緒。 思うに、今立原道造が生きていたら、日本を戦争ができる国にしようとする、憲法改悪に、必死で反対したと思う。 建築家であり詩人である彼は、美しいもの、きれいなものが好きだった。 木綿の白いスーツのズボンの折り目が消えるのを気にするお洒落さんだった。 戦争直前の暗い時代の中で、それを見ないようにしながら、26歳で死んでしまった。「街には、軍歌ばかりが聞こえるやうになる」 と、言葉を残して。 で、ひとりキャンペーンなんですが、ついったーで、「あの人が生きていたら、憲法改悪に、消費税増税に、原発に、反対するでしょう」を毎日書いています。今までの分をご紹介します。 樋口一葉が今、生きていたら消費税には絶対反対すると思う。 一葉は明治19年、14歳で中島歌子の私塾萩の舎に入門。貧しいため師の代稽古や華族や豪商の友人の着物の仕立てをした。 明治26年、荒物と駄菓子の店を開く。 萩の舎の華族令嬢と、借金をしなければ食べていけない自分とが、同じ税率だなんて、許せない筈だ。 与謝野晶子が今いたら徴兵制につながる憲法改悪に絶対反対するでしょう。 「君死にたもうことなかれ」堺の町の商人の 末に生まれし君なれば 親は刃を握らせて 人を殺せと教えしや 人を殺して死ねよとて 二十四までを育てしや*清水へ祇園をよぎる桜月夜今宵逢ふ人みな美しき 寺山修司がもし生きていたら、故郷を奪う原発に反対したことでしょう。 *村境の春や錆びたる捨て車輪ふるさとまとめて花いちもんめ *つばめの巣つばめの帰るときならず暗き庇を水流れをり *軒の巣はまるく暮れゆく少年と忘れし夏を待つかたちして 寺山修司
2013.07.06
庭の雑草の中に半夏生が咲きました。 あんまり花が地味なので、上の葉っぱが1枚白くなって、蝶を呼ぶのだそうです。 夏至から数えて何日目かの昨日から、二十四節季七十二候の「半夏生」のシーズンです。 半夏生の俳句を探していたら、廣瀬直人さんの句が*恙なき雲つぎつぎに半夏かな ふむふむ、とその季節周辺を見ていたら、金子兜太さんのこんな句が*「相馬恋しや」入道雲に被曝の翳 2011年の作です。 つつがなき雲を詠んだ頃が懐かしい。 人類はこれから気の遠くなるほどに長い間、ふくいち由来の放射能雲と対峙していかなくてはならないのです! しかし、その犯人の東電が、昨日、新潟県の柏崎刈羽原発の再稼動を、申請することに決めたそうです。 このすさまじい被害に対して、責任を感じないのだろうか。被害者に対して心は痛まないのだろうか。何を考えてんだか。 さて、今日の東京新聞は、斎藤美奈子先生の「本音のコラム」の日です♪ そのままいただきます。「重要法案の中身」=6月26日、参院閉幕日に首相の問責決議が可決。 複数の法案が土壇場で廃案となった。 「これは参議院の自殺だ」(朝日) 「首相を問責するほどの事態だったのか」(読売) 「与野党の駆け引きばかりが横行」(毎日) 「国民無視もはなはだしい」(東京) と新聞各紙はオカンムリである。 野党の妨害で、国民生活に直結して重要法案が通らなかったといわんばかり。 が、見方を変えてみよう。 生活保護法改正案は、受給の申請を水際で排除する法案。 生活困窮者自立支援法案は、実効性に乏しく低賃金就労を固定化する法案として、もともと反対意見が強かった。 戦術はともかく、廃案になったのは野党側の抵抗の成果ともいえる。 発送電分離を含む電気事業法改正案も、中身を見れば発送電分離の実施は2018年以降に先送りする、 発電部門と送電部門の資本関係は可とする、 など、大手電力会社の意向にかなり沿ったものだった。 それでも改革の第1歩として不備な法案を通し、政府与党のアリバイ作りに協力すべきだったのだろうか。 法案が通らなくても政府は8月から予定通り生活保護費を引き下げると公言し、 電力会社は株主総会で脱原発の提言を退けた。 悪質なのはどっちだろう。 安倍首相は「ねじれ」を諸悪の根源のようにいうが、ねじれさせたのは国民である。 お忘れなく。=☆という、斎藤美奈子先生でした! ほんとですよね~♪
2013.07.03
近所の空き地のタチアオイの花が咲きはじめました。 梅雨時の花の象徴みたいな気がします。薄い花びらが可憐なのに、大柄で丈夫! 毎月1回、東京新聞に連載の「ドナルド・キーンの東京下町日記」、今回は、何とイスタンブールに停泊中の「飛鳥」より。 キーンさんは15年前から、世界一周ツアーの大型客船の航海の一部、約2週間を「船上での講演」を条件に招待されている・・・んですって! いいなあ♪本人も、お客さんも! そして、惑うこと多かった記憶を彼は書きます。 62年前の1951年、英国ケンブリッジ大学に留学中、イスタンブールでの学会に出席。 その頃、初めて、近松の「国性爺合戦」の英訳も発表したそうです。 自分の本が各書店に並んでいると思って英国に帰ってみると、どこにもない。 出版社からは「今の売れ行きでは、印刷した千冊の完売に72年かかる」と言われ、ひどく落胆。 翌52年はもっと悲惨。 ケンブリッジで日本文学の公開講座を張り切って開いたものの、200人の講堂に10人ほど。それも知人。 第2次大戦中、ケンブリッジ出身の英兵がたくさん捕虜になり、重労働に酷使されたりして、反日感情も高かった。 留学中に日本語を教えていたが、「他の言語を教えられないか」と言われ、「あいさつくらいなら朝鮮語ができる」と、朝鮮語の講座をもったら、意外と受講者は多く、その中の一人はのちにロンドン大学で朝鮮語の教授になったので、キーンさんはひそかにご自分を「英国の朝鮮研究の父」 と思っているそうです。 第2次大戦直後、日本はその荒廃ぶりから「復興に50年はかかる」と言われ、米国の大学には日本文化はおろか、日本語を教えるポストもなかったそうです。 それでケンブリッジに留学したものの・・・。 そこで将来性のありそうなロシア語を習い、専門分野を変えようとしたが、覚えられない。 その時に頭に浮かんだのが松尾芭蕉の「笈の小文」の1節。『ついに無能無芸にしてただ此の一筋につながる』 自分には日本研究しかないと思い直したキーンさん。 ケンブリッジ時代には、将来、世界一周の船旅で日本文学を語るとは夢にも思わなかった・・・そうです。 芭蕉は彼にとって研究対象であると同時に「人生の師」と思っているそうです。 いいなあ~長生き! 今度BSのTBSで6月6日だったと思うけど、キーンさんと寂聴さんの源氏物語対談があるらしい。 すごいでしょうね! イスタンブールの町を背景に、飛鳥2のバルコニーで微笑むキーンさんの写真、素晴らしい笑顔! 今、図書館で借りたキーンさんの「百代の過客」(続)を読んでいるのですが、石川啄木のローマ字日記の解読など、冷静な分析がすごいです。
2013.06.02
紫色の千鳥草は、去年コンクリートの隙間に咲いていたのを1本保護したのが、こぼれ種から何本も芽を出したもの。 ピンクの美女桜は、一昨年住宅建設予定の野原に沢山咲いていたので保護。名前を知らなかったので牧野富太郎でやっと、この派手な名前にたどりつきました。 バーベナとか花手毬とか園芸種で出ているけど、これはほとんど野生のもの。 芥子のオレンジっぽいのが空き地を席捲してるけど千鳥草も負けてないです。でもきれい。 さて、昨日から東京新聞で原発銀座の「若狭」を、水上勉さんの作品を通してたどるシリーズが始まりました。1日目は見開き二頁! 貧しさゆえに原発誘致に傾く故郷への思いです。 それをぜひご紹介したいけど、今日は、くっきり、すっきり、斎藤美奈子さんの「本音のコラム」を書かなくっちゃ! 題して「改憲後を先取り」 です。引用はじめ。『十七日に閣議決定された生活保護法改正案は、「今後はもう保護に頼らないでね」 という意図が見え見えの法案だ。 保護申請者に資産や収入を記した書類の提出を義務づける。 受給が決まったら、扶養義務者(親族など)に書面で通知する。 場合によっては親族の資産や収入まで洗いざらい調査される。 ここで威力を発揮するのが二十四日に可決成立したマイナンバー法(共通番号制)である。 この法律で、収入、納税、年金、保険などの記録を含む九十項目以上の個人情報を行政が管理できるようになった。 これさえあれば鬼に金棒。 保護が申請されたら、行政は親族の資産や収入を一発で調査できる。 そしていうのだ。「ご家族にこれだけ収入があれば生活保護は必要ありませんね。」 なんと巧妙な連携プレー。 政府はマイナンバー制度導入の理由を「行政の効率化」だと説明するが、誰のための効率化なんですかね。 両法の裏を考えると、自民党の改憲草案に行き当たる。 現行憲法の「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」 に書き換えるなど、草案は明らかに基本的人権の制限を狙っている。 「家族の助け合い」を条文に加え(24条)、「財政の健全性」をうたって(83条) 福祉予算の削減を正当化する。 96条を改定するまでもない。 改憲草案の狙いはとっくに先取りされているのだ。』☆という、斎藤美奈子さんでした。 大阪で「たべさせられなくてごめんね」 と、若い母親と幼児が餓死した。 同じ時間のニュースで、「上野のパンダが食欲不振」と報じている。 パンダが悪いわけじゃないけど、憲法の改悪を他人事と思ってはいけないと思う。みんな、自分のことと思って注目しなければ!
2013.05.29
国立能楽堂の中庭です! 緑がきれい! 今日の演目は、和泉流の狂言「すおう落とし」と、 能は観世流の「項羽」 すおう落としは、大きな楽しみだったお伊勢参りに、伯父さんを誘うように太郎冠者に言いつけて・・・。 伯父さんが土産にくれた「すおう」を、酔った太郎冠者が帰りに落としてしまう、てんやわんやです。 「項羽」 草刈の男たちが草を刈っていると、老人が舟を操ってやってきます。 それに乗せてもらった男たちは、船賃がないというと、老人は刈り取った草の中の1本の花をくれればよいといいます。 それは虞美人(けし)の花でした。 なぜその花を選んだのかと聞くと、老人は、この花は虞美人草といい、昔、楚の項羽の后の虞氏の墓から咲いたからだと言います。 項羽は劉邦とともに秦を滅ぼして楚の王となり、のちに不和となるのです。 項羽と高祖は七十余回戦い、一度も負けなかった項羽。 しかしあるとき、項羽の侍が叛いて、四面から鬨の声を上げたため(四面楚歌)虞氏は悲しんで城壁から身を投げて死んでしまいます。 最後のたたかいと知り、項羽は自分の首を切り落とします。 勝った劉邦は、漢の高祖となるのですって。 舞台は中入りののち、項羽と虞氏の霊が登場。 虞氏は美しい舞を舞ったのち、身を投げます。 項羽は虞氏を失った悲しみ、味方の兵に裏切られた怒り、劉邦に負けた口惜しさなど、勇壮な中にも複雑な踊りを見せます。 このお話は「史記」にあるそうですが、 この能は「太平記」巻28の「漢楚合戦の事」から引いてあるそうです。 今日も、美しい和服姿がいっぱいの能楽堂でした。
2013.05.22
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