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2017.01.12
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カテゴリ: 探訪 [再録]

                                                           [探訪時期:2014年1月、2009年11月]
拝観受付でいただいたリーフレットの境内案内図をまず載せておきます。三室戸寺のホームページに同じ案内図が掲載されています。


本堂のある境内の左手奥に、さらに石段があって一段高くなった場所が見えます。
そこが十八神社の境内です。上掲案内図では右上の位置です。この案内図には描かれていませんが、 左写真の「霊宝殿」 が建てられています。

「霊宝殿」前の駒札に記されていますが、ここに、来迎弥陀三尊、釈迦如来、毘沙門天の五躰の像が安置されていて、 毎月17日にこの霊宝殿が拝観できるそうです。 ここはまだ拝見していませんので、いずれ違う季節にまた訪ねてみようと思う次第です。
三室戸寺の公式サイトに、 仏像の写真が掲載されています。こちらからご覧ください。

この石段を上って、十八神社の境内から見たお寺の境内をまず眺めてみましょう。
神社境内には、一つおもしろい変形の石灯篭があります。






それでは十八神社ですが、参拝のイメージが湧きやすいように、参道からのご紹介に編集してみました。

最初に、「ようおまいり」という石標の建てられた三室戸寺本堂への石段の写真をご紹介しています。その際に、左側に鋪装された坂道の参道もありますと、述べていました。

その坂道を上っていくと「霊宝殿」の前を通って、本堂に行ける参道と分岐する形で、 十八神社への参道が左に あります。
手前に見える小ぶりな道標が右写真のものです。

台地の西上端にあるこの鳥居が神社の入口です。


境内には3つの小祠と社殿が山を背にして東西方向に一列に並んでいます。


                   社殿(三間社流造、こけら葺)
一書にある説明を引用します。
「この神社は現在では寺から独立しているが、明治初年まではこの寺の鎮守社であった。この社殿は文明19年(1487)に三室戸寺がこの地に再建された時に造建されたと考えられるもので、重文に指定されている。」 (資料2)



ところで、この十八神社の御祭神は? 
現地には駒札や説明板の類いはなかったと思います。
そこで、インターネット・リサーチをしてみました。探して見ると、何某か手掛かりが入手できました。
一つは、三井寺のホームページに、「新羅神社考-『新羅神社』への旅」という出羽弘明氏による連載記事が載っています。その中に関連事項として、この十八神社についても触れられています。

そこで要点を引用させていただきます。 (資料3)
*十八神社も智証大師と係わりが深い。
*元々は三室村の産土神として奉られ、三室(御室)神社と称した。承和七年(八四〇)智証大師が三室戸寺を創建するにあたり、本山の鎮守神として山王信仰にまつわる十五神を合祀、十八神社と改称。
*明治七年までは、三輪山の三神、伊勢神宮の内、外の宮、日吉、八幡、住吉など多くの神々を祀っていた。つまり、明治七年に十五柱の併神を廃祀した。
*現在の祭神は大物主命、熊野樟日(久須毘)命、手刀男(天手刀雄)命。由緒、創建年代不詳。

もう一つは『宇治郡名勝誌』に「十八神社」の項が記載されていました。
「十八神社ハ大字莵道ニ在ル村社ニシテ手力雄命熊野櫞樟日 (クマスクスヒノ) 命大物主命ヲ祭ル創立年代詳ナラズ例祭ハ十一月一日末社三社境内九十八坪」 (資料4)

「十八大明神」の扁額 が懸けられているように、 十八柱の神々が祀られていたけれども、三柱の祭神に戻って行ったということのようです。 元々が三柱だったかどうかはわからないのですが。


この石灯篭がおもしろいでしょう。

閉門の時間も近くなり、冬枯れの時期でもあったので庭園は北側の一部を拝見するだけにとどめました。1月の景色と秋の景色を対比してみましょう。

冒頭の境内案内図をご覧ください。まずは 「十六羅漢の庭」 です。

ここは、柵があって庭には入れません。冬の景色です。
それに対して、秋の景色はこんな感じに・・・・。


その後、「石庭」の部分に坂道をくだります。すぐ近くです。


同じアングルから撮った写真がありませんが、





こちらが秋の石庭の景色です。




通路を隔てて「石庭」(枯山水庭園)の東側は傾斜地を下る形になりますが、「池泉」庭園となっています。
正に静かな池の畔です。
この池泉も秋には・・・・





このような錦繍の景色に変化します。




この池の初夏の景色を見ていますが、春の景色はまだ眺めていません。
いずれまたの機会に。


三室戸寺のあちこちで見かけるのが、火袋の部分を木製で補っている灯篭です。


「池泉」の場所から、坂道を上っていくと、最初にご紹介した 「常楽苑」碑 があります。この写真の奥に見える石段の右手通路から庭の北部分の一部を散策してこの位置に戻ってきたことになります。

三室戸寺の探訪のしめくくりとして、紫陽花の咲く時季の庭園を次回ご紹介したいと思います。

つづく

参照資料
1) 三室戸寺  公式ホームページ  
2)『西国巡礼 三十三所観音めぐり』 西国札所会編/佐和隆研著 現代教養文庫
 p120-121
3) 新羅神社考-『新羅神社』への旅  :「三井寺」 
4) 『宇治郡名勝誌』   :「近代デジタルライブラリー」
       矢部文載編 明治31年11月  コマ番号 138/158

【 付記 】 
「遊心六中記」としてブログを開設した「イオ ブログ(eo blog)」の閉鎖告知を受けました。探訪記録を中心に折々に作成当時の内容でこちらに再録していきたいと思います。ある日、ある場所を訪れたときの記録です。私の記憶の引き出しを兼ねてのご紹介です。少しはお役に立つかも・・・・・。ご関心があれば、ご一読いただけるとうれしいです。

補遺
十八を冠する神社を調べてみました:
額井十八神社  :「奈良の寺社」 
三十八神社 (御所市今住字堂垣内) :「御所市観光HP」 
三十八神社の一覧  :「神代の残像」 
山王信仰  :ウィキペディア
山王鳥居・山王信仰とはなんですか?  :「日吉大社」
数珠巡礼  オフィシャルサイト  
   数珠巡礼社寺一覧に「三室戸寺」も載っています。
   宇治エリアでは 三室戸寺 と萬福寺がこの対象地のようです。   
Mimuroto-ji temple in Uji, Kyoto  :「My Kind of Kyoto」
Mimuroto-ji 三室戸寺 Magnificent Flower Display in Uji City!
                 :「Daily motion」 
京都 5月 三室戸寺 Mimuroto-ji Temple, Kyoto(2013-05) :Youtube

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!


その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)


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Last updated  2017.01.12 21:05:26
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