遊心六中記

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2023.10.05
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カテゴリ: 探訪

唐門の門扉の上は龍虎の透かし彫り です。
その門扉を潜った先の控柱の頭貫の上を見上げますと



       内側の部分には 松の木が透かし彫りにされているよう です。

頭貫の側面 に取り付けられた 飾金具は瑞鳥の意匠 と思われます。左右2枚の合わせです。
また、 底面 にも飾金具が取り付けてあり、 草花の意匠 です。


北西角の木組の端部 透かし彫りの飾金具 を取り付けて、豪華絢爛さを示しています。


二の丸御殿前から唐門の唐破風を眺めた景色 です。
破風と虹梁、頭貫の中央部には 菊の紋章を中央に浮き出させた飾金具 が取り付けてあります。


虹梁の上 には、 草花と蝶の透かし彫り が見えます。こちらは 左側

少し角度を変えると 、蝶と花の立体感が際立ちます。
                    
                       こちらは 右側 です。 左側と照応して、 蝶と花 が彫られています。

                           同様に、 少し角度を変えて とって見ました。蝶が飛ぶ様がリアルです。


虹梁と頭貫の間 には、 松の木と鳥の透かし彫り が見えます。こちらは 左側

少し角度を変えて 撮りました。


中央部の蟇股の内側 には、 亀に乗る仙人 が彫刻されています。
調べてみますと、 黄安 と称する前漢・武帝の時代の仙人​ だそうです。 通称、亀仙人。亀乗り仙人 。この仙人、知恵の象徴であるとともに、長寿の象徴でもあるとか。 (資料1,2)
曾我蕭白が「亀寿老図(亀仙人)」を描いています 。黄安仙人は『列仙伝』(巻之二)に登場すると言います。 (資料3)


この鳥は左右でやはり一対のつがいを表しているのでしょうか。鴛鶯

角度を変えると 、透かし彫りの立体感が際立ってきます。


唐門に少し歩み寄ると、 本柱の頭貫の上の透かし彫り が見やすくなります。
この唐門、一説には「鍮石(チュウセキ)門」と 称されるそうです。 (資料4)


さらに近寄って眺めると 龍の胴体の背面が彫り込まれて います。部分図写真を撮り忘れたのですが、 同様に左端には、竹の間に虎の背面が浮き彫りに されています。
「雲に龍」、「竹に虎」という組み合わせで一体となった透かし彫り です。


内側の北西側から 唐門の右(西)側の側面 を含めて撮りました。
         
側面の外側 には 唐獅子が透かし彫りに なっています。こちらは 「牡丹に唐獅子」 です。

「牡丹に唐獅子 竹に虎」は取り合わせとしてよいものと
考えられているようです。そう言えば、絵図でもよく見かけます。
この取り合わせ、「あなたの依所は、何んですか。 あなたが安心して身を寄せられる安住の地は、どこに在りますか」というメッセージを投げかけているという解釈に出会いました。
獅子には、獅子身中の虫が敵。この害虫は牡丹の花から滴り落ちる夜露にあたれば死ぬので、獅子は牡丹の下で休み、虎は象には勝てないので、象が近寄らない竹薮の中を安全な地とするそうです。興味深い話です。 (資料5)
「雲に龍」の取り合わせは同様なのでしょうか。




透かし彫りの飾金具の妙 を各所で堪能できます。 
桟唐戸のある 本柱の頭貫が突き出た先端 もまた 飾金具で覆われて います。

余談ですが、京都にある両本願寺の阿弥陀堂門はこの唐門と同じ形式ですので、この部分は同様に飾金具で覆われています。


東側の側面を内側、北東側から眺めた景色 です。

        唐門に近づいて、 側面を見上げた景色


       花の透かし彫り です。 上段は桜の花でしょうか

前回外側から唐獅子を眺めました。今度は 内側から眺めた唐獅子 です。
ということで、 下段 のこちらは 「牡丹に唐獅子」の牡丹の花 です。

唐獅子の胴体の背面 が彫られているようです。 上半身は門の内側で 見えるのでしょう。


鍵型に折れ込んだ 築地塀の端面の屋根 をアップで撮りました。
唐門の東側を南面・東面を囲む築地塀は、南面の築地塀が少し手前で鍵型に折れて北方向に築地塀が少し延長されています。その北端の屋根部分です。
この北向きの築地塀と唐門は唐門の脇の築地塀と連接しています。
上掲の東側の側面の全体を眺めた景色をご覧いただくとお解りいただけるでしょう。


二の丸御殿の側から眺めた唐門 です。

二の丸御殿の前を東方向に少し移動して、 立ち位置を変えて撮った景色 です。


城内マップ (小冊子より)

つづく

参照資料
*観覧日に入手の小冊子「世界遺産 元離宮二条城」 京都市
1) ​ 黄安仙人 ​  :「いこまいけ髙岡」
2) ​ 黄安仙人[すみ鬼瓦/和風置物] ​ :「北川鬼瓦」
3) ​ 亀寿老図(亀仙人) ​  :「東京富士美術館」
4)『昭和京都名所圖會 洛中』 竹村俊則著 駸々堂   p298
5) ​ 牡丹に唐獅子 竹に虎   大分県・長福寺住職 宇都宮玄秀 ​ :「臨黄ネット」

補遺
【ことわざ】「牡丹に唐獅子」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説! ​  :「Study-Z」
江戸しりとり唄 牡丹に唐獅子 ​  :「世界の民謡・童謡」
境内と建造物 ​  :「お西さん」
世界遺産の【龍谷山 本願寺〔西本願寺〕】に参拝してきました。No.1 ​:「KATSUMI」
東本願寺境内案内図 ​  :「東本願寺」

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Last updated  2023.10.15 18:06:08
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