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2024.02.02
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カテゴリ: 観照

これは 「京都御所」の築地塀の南面 です。西側から撮りました。
東には夏の行事・送り火で「大」の文字が浮かび上がる如意が嶽の山腹を遠望できます。

見落としていた門に棲む龍の続編として、 京都・洛中にある門から始めます
記録写真を精査していて気づいたものです。

 2018.5.4 
御所の築地塀の南面には 「建礼門」 があります。この門は四脚向唐門の形式です。

         門のある本柱の頭貫上の蟇股に、


龍がいます。

ここから 洛東、粟田口に飛びます

三条通に北面する形で、 「佛光寺本廟」 があります。既にご紹介しているお寺です。
この門も四脚向唐門です。


         門扉の頭貫上に、 龍虎が向かい合う形の透かし彫り が見られます。
向かって右側に龍が います。



龍像の背面を境内側から眺める と、このように透かし彫りが裏面に連続しています。

洛東を三条通から五条坂へ、南に 向かいます。


五条通と東大路通の交差点の北東側に 西本願寺の「大谷本本廟」 があります。

総門の正面に掲げられた扁額に二頭の龍がいます!!!



総門を見上げると、この龍たちの他に、まだ他に龍がいました!!


  総門の木組構造の中で、建物の角の所に組み込まれる 尾棰の所に龍が 彫刻されています。
  こういうスタイルを他で見た記憶がありません。


五条坂から、 洛東をさらに南へ。「東福寺」境内に 飛びます。

東福寺の「通天橋」 は秋の紅葉で有名な観光スポットです。
この通天橋へ歩む回廊の途中、 右側には築地塀で囲われた「方丈」 が見えます。
回廊は方丈に向かう唐門へと分岐して います。唐門の前までは行くことができます。
この唐門を眺めますと、



門扉の上部に龍が います。かなり繊細な透かし彫りです。

東福寺から 洛中の西大路八条に飛びます。

西大路八条交差点の北東側に 「若一神社」 (七条御所ノ内町)があります。
この辺りは、平安時代末期、平清盛が「西八条殿」と称する別邸を建てたエリアです。
平清盛が紀州熊野の若一王子の御霊を勧請して祭ったのが始まりと言います。 (資料1)

石鳥居に 「若一王子」と記した扁額 が掲げてあります。

その扁額の 上部に向かい合う二頭の龍が います!! 
扁額がちょっと変わった形だなと思って眺めていて、龍に気づきました。

さて、ここから 洛南の山科へ。

西本願寺の「山科別院」 です。ここも既に触れているお寺。

    ここの山門にも、 蟇股の箇所に龍が います。

蟇股に巻き付く姿で龍が彫刻されています 。少し見える右眼から判断すると左眼の玉眼が欠損となってしまったようです。

ここから、 近江(滋賀)の湖南へ。まずは膳所に飛びます。


膳所には、山門の左斜め前方に 「膳所烈士墳墓所」と刻された石標 を設置した 「安昌寺」 (曹洞宗、膳所一丁目)があります。
道路から


境内側

  境内側

山門の降棟のところに、龍像が 据えてあります。
              かなり傷みがでてきているようですが 見事な瓦の造形 です。

膳所から湖東の東近江市へ。

飛び先は 「弘誓寺」 (浄土真宗本願寺派、躰光寺町)です。


       ここの山門にも 龍が います。 二頭の龍が向かい合って います。

余談です が、確認のためにネット検索していて、改めて気づいたことがあります。
東近江市に弘誓寺と称する寺が複数出てくるのです。調べていて参考となる事情報に出会いました。
「下野国から建部の領主に封ぜられた 那須与一宗高の七弘誓寺建立の発願 (資料2) というのがあったそうです。
「源平合戦の武者・ ​那須与一の子孫が開創し、または再興した近江の七ヶ寺の弘誓寺を近江七弘誓寺と​ 呼んでいるようだ」 (資料3) と説明されるブログ記事も。その所在地が
「東近江市瓜生津、東近江市建部、東近江市五個荘、東近江市射光寺、
 東近江市小田苅、東近江市中一色の弘誓寺と彦根市の法蔵寺」 (資料3) と説明されています。
なんと6ヵ寺は今もそのまま「弘誓寺」の名称です。知らないと錯覚してしまいそうです。
少し関連情報を検索してみて、私は、現在そこに宗派的に差異がある点を興味深く感じています (資料2~7) 。時代の変転の影響でしょうか。

さて、 最後は奈良に飛びます。

「唐招提寺」 で締めくくりたいと思います。 南大門 は三間三戸八脚門の形式です。

唐招提寺には露天の 戒壇 があり築地塀で囲まれています。 正面の門 は四脚門です。
この門に龍がいます。


本柱の頭貫の上、 蟇股に巻き付く形で龍が 彫刻されています。

これで門に棲む龍を終わります。

寺社等に棲む龍を様々な観点から眺めてきました。寺社関連での龍の最後に、探訪の範囲で知った龍に関わりのある神社についてまとめておきたいと思います。

つづく

参照資料
1) ​ 若一神社 ​  :「京都観光Navi」
2) ​ 弘誓寺 ​      :「Web版 新纂浄土宗大辞典」
3) ​ 弘誓寺 (滋賀県東近江市瓜生津町) 近江七弘誓寺 ​  :「お寺の風景と陶芸」
4) ​ 弘誓寺 ​   :「滋賀・びわ湖 観光情報」
5) ​ 弘誓寺 ​      :「浄土宗寺院紹介Navi」
6) ​ 弘誓寺 (滋賀県東近江市小田苅町) 近江七弘誓寺 ​ :「お寺の風景と陶芸」
7) ​ 源平の合戦と「那須与一」、愚咄坊(ぐとつぼう)と「近江七弘誓寺」
                         :「スローライフ滋賀」
補遺
京都御所 ​  :「宮内庁」
佛光寺本廟 ​  ホームページ
龍谷山本願寺 大谷本廟 ​ ホームページ
東福寺 ​    ホームページ
浄土真宗本願寺派 本願寺山科別院 ​ ホームページ
平清盛公西八条殿跡 ​   :「フォールド・ミュージアム京都」
若一神社 ​ :「平清盛の京を歩く」
若一王子 ​ :ウィキペディア
曹洞宗安昌寺 ​ ホームページ
  ​ 膳所烈士
弘誓寺本堂 ​  :「文化遺産オンライン」
弘誓寺本堂 ​  :「文化遺産オンライン」
 上掲とは別。こちらは東近江市五個荘町。
唐招提寺 ​   ホームページ
 ​ 戒壇

 ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

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その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

こちらもご覧いただけるとうれしいです。

「観照 辰年 時空を跨ぎ龍の棲息地へ」 記事一覧





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Last updated  2024.02.02 13:38:17
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