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2024.02.08
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カテゴリ: 観照


祇園祭の山鉾に棲む龍を探しに行きましょう。まずは前祭から始めます。
今までは祇園祭の宵山と巡行という観点で繰り返し祇園祭をご紹介しています。
しかし、龍に出会いつつも、龍だけに焦点を当てるということはしたことがありません。
そこで、寺院や神社の境内・庭に棲む龍から祇園祭に山鉾を居場所とする龍を、今までに撮ってきた記録写真から再発見する試みを始めました。そのご紹介です。何時撮った写真かを明記しています。過去の写真からの再発見を組み合わせてみます。

冒頭の景色は 、四条通を西に進み、烏丸通の手前、長刀鉾町に鉾建てされた 「長刀鉾」 です。
 2023.7.16
四条通の南側歩道から長刀鉾の側面を 撮りました。
 2023.7.16 
 2018.7.14
こちらは鉾の同じ側面を撮ったもの。
2023年とは鉾の胴懸と下水引(一番)が異なります
しかし、 二番・三番水引は同じ ものが組み合わされています。
鉾の欄縁の下に、三枚の水引が重ねられて 懸けてります。上から一(下水引)・二・三です。

二番水引には、 三本爪の金龍が刺繍されている ようです。

三番水引には、龍を正面から描いた正面龍がいます。その隣りには飛龍がいます。   2018.7.14
部分拡大してみました。飛龍は、船鉾と大船鉾にもいます。
 2018.7.14
この三番水引は、正面龍と飛龍が交互にデザインされた構図になっています。


                                   2023.7.16
2023年に撮った下水引(一番)は 一見龍のような相貌をしています。胴体の一部も龍に近い感じ・・・・。しかし、この動物の脚部を見ますと、蹄が描かれています。想像上の動物・ 麒麟 です。
鉾の傍に立てられた駒札には、「 下水引の五彩雲麒麟図刺繍の図も復元新調品を使用 」と説明がありました。

山鉾の懸装品は、今までにない新調品が加えられる一方で、今まで使われてきた懸装品の復元新調品が作られ、経年変化が加わってきたオリジナルの懸装品と代替していく事業が計画的に組み込まれているようです。そしてオリジナルは大切に保存するという管理がなされています。この懸装品の代替、いわば新陳代謝を眺めるのも、祇園祭での鑑賞の楽しみになります。

長刀鉾で龍に気づいたのはこれだけです。

記録写真を精査していて、長刀鉾の欄縁の飾り金具の中に龍がいないかどうか疑問が。
この点未確認のままです。課題が残りました。

 2023.7.17
2023年の巡行場面。河原町通御池の交差点で、これから辻回しが始まる準備場面です。
現在は長刀鉾だけに、生稚児が乗っています。後の鉾は稚児人形に変わっています。

末尾に祇園祭山鉾連合会のホームページに掲載の前祭の山鉾の位置図を引用・借用し切り出してみました。 (資料1)
山鉾の位置関係をご理解いただくのに役立つと思います。

烏丸通を横断すると 「函谷鉾」 が四条通の北側に見えます。 函谷鉾では龍を見つけてはいません
私の見落としかも・・・・・。これもまた課題に。

烏丸通から一筋西が室町通 です。四条通から北に入りますと、目の前に 「菊水鉾」 が見えます。 この菊水鉾でも龍は未発見です。

四条通を南側に渡ると、 四条通の南側道路、月鉾町に「月鉾」 が建てられています。
 2018.7.16
四条通の北側歩道から月鉾の側面を撮りました。


欄縁の飾り金具には雲と龍が 浮き彫りにされていて、         2018.7.16

二番水引には、様々な姿態の金龍が刺繍されています。

 2023.7.17
2023年の巡行時の月鉾 です。たぶん、辻回しの最初の牽引場面。
観察経験からは3回に分けた段階的な牽引で90度方向転換されていると思います。
鉾の懸装品を眺めると、上掲の2018年と同じ組み合わせで飾られていたようです。

月鉾から 室町通を南に入ると、鶏鉾町に「鶏鉾」 が見えます。
鶏鉾では懸装品等に 龍がいるかどうか、気づきませんでした

少し南に進めば、綾小路通です。 右折してこの綾小路通に立ち寄ります

ここ(善長寺町)にあるのが「綾傘鉾」 です。    2018.7.14
 2018.7.14

綾傘鉾の土台の角を覆う飾り金具の一つに、龍がいます。     2023.7.16

余談です。
 2023.7.17
巡行の当日は、綾傘鉾の先を進みながら行われるこの 棒振りの鮮やかなパフォーマンス が見られます。宵山でも演技が時間限定ですが披露されます。
 2023.7.17
綾傘鉾と称するように、 かつては鉾の屋根に綾傘を載せた形 だったそうですが、今は綾傘だけになり、その名を残して巡行しています。
綾傘鉾の巡行を見物する時には、飾り金具の細部など目に止まることがありません。
宵山を巡り、山鉾の細部を限られた範囲ではありますが、眺め観察する楽しみがあります。

再び室町通に引き返し、少し南に歩めば、白楽天町 です。
山は建てられていますが、御神体の人形をはじめ懸装品は 白楽天山の会所に展示 されています。
 2017.7.15
会所の入口付近から 正面に御神体の人形-道林禅師(右)と白楽天(左)- を拝見できます。
 2022.7.13
左側の壁面に前懸 が吊り下げてあり、 右側に見えるのは後懸 です。
 2023.7.16
中央はトロイ城陥落の時、アイネイアスが父を救出する場面を描いた 毛綴(ケツヅリ) で、 その両側に 文化5年(1808)に新調された 紺地雲龍門刺繍裂 が。 三点継(ツナギ)で組み合わされて います。 (駒札より)

2022.7.13
この刺繍裂に龍がいます 。雲と龍、雲龍文様です。 部分図を切り出してみました

 2023.7.16
17日の巡行では、前懸はこのように山の正面を飾ります。


祇園祭 前祭の山鉾マップ (資料1)

付記:「祇園祭と龍」は実質上第二部と位置づけ、シリーズ番号を30番から始めます。

つづく


参照資料
*京都市作成の駒札
1) ​ 祇園祭山鉾巡行路 前祭 ​ :「祇園祭」(祇園祭山鉾連合会)  

補遺
祇園祭 祇園祭山鉾連合会 ​ ホームページ
長刀鉾保存会 ​  ホームページ
月鉾 月鉾保存会 ​ ホームページ
綾傘鉾保存会 ​  ホームページ
白楽天山 ​  ホームページ

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その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

こちらもご覧いただけるとうれしいです。

「観照 辰年 時空を跨ぎ龍の棲息地へ」 記事一覧





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Last updated  2024.02.08 01:31:28
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