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2024.03.19
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カテゴリ: 観照

これは超有名な 興福寺の阿修羅(アシュラ)像 。ウィキペディアの画像を引用。(資料1)
阿修羅は八部衆に属します 。元は古代インドの異教の神々の一つ。これらの神々が仏教に取り込まれ、 仏法を守護する護法善神 とされ、8つの部族に再編されて八部衆と総称されるようになりました。阿修羅はその八部衆の一部族です。
この八部族は『法華経』の第3「比喩品」や『金光明最勝王経』などの経典に登場します。
「天・龍・夜叉(ヤシャ)・乾闥婆(ケンダッパ)・阿修羅・迦楼羅(カルラ)・緊那羅(キンナラ)・摩睺羅伽(マゴラガ)」の八部族 です。仏像としては天部に属します。わが国の仏教史においてこの八部衆への信仰は、奈良時代に限定されているそうです。 (資料2)
阿修羅を含む興福寺の八部衆が代表例になるのは、なるほどと思います、
阿修羅像を最初に出せば、「八部衆」という護法善神のグループが印象に残るでしょう。
​​の八部族の一つに、「龍」部族が組み込まれています。これが龍神です。 ​​
梵名ナーガ を漢訳したのが「龍」 で、この龍が八部衆での総称となります。「その起源は、古代インドのナーガ族の蛇を神格化した信仰(大海に住む、雲をよび雨を降らす魔力を持つと信じられていた人面蛇尾の半神)にさかのぼり、ナーガ族が仏教徒になった折に仏教に取り入れられて、護法善神になったと考えられている」 (資料2) とのことです。
つまり、この時点からナーガは仏教との縁が深くなっていったのでしょう。
仏教が東漸し、中国に入り経典が漢訳されるとともに、ナーガは龍として中国化されたのでしょう。さらに日本に仏教が伝播されて、現在の龍のイメージが確立・伝承されていると言えるようです。

過去の探訪記録写真をベースに、​ 「観照 辰年 時空を跨ぎ龍の棲息地へ」 ​をまとめました。その折、浄土宗系の寺院では山門(三門)や建造物、灯籠などに龍像が使われている事例を取り上げています。   
それが禅宗系の寺院になれば、さらに方丈の襖絵や法堂の天井画などに龍が現れます。
このシリーズの最初を、

                                     2018.11.10
京都・建仁寺 (臨済宗)の方丈の襖に描かれた 海北友松筆「雲龍図」 から始め、


                                     2018.11.10
建仁寺法堂 の天井に描かれた 小泉淳作筆「双龍図」 をご紹介し、



東福寺 (臨済宗) 本堂 の天井画、 堂本印象筆「蒼龍図」 にも触れました。    2012.3.16

この「【龍/Dragon】探しの旅」で前回、狩野光信が慶長10年(1605)に 相国寺法堂天井画「蟠龍図」 を描いていることに触れました。相国寺も臨済宗の一本山です。
わが地元の宇治市には 黄檗宗の本山萬福寺 があります。ここには龍図は描かれていませんが、 山内の伽藍配置が龍を表して います。
萬福寺については、拙ブログにて、​ 「スポット探訪 宇治市 黄檗山萬福寺細見」 ​と題して、ご紹介しています。

さて、京都には本山のある寺院が多いのですが、非公開もあれば撮影禁止のお寺も数多くあります。
各地に出かけるということもそう簡単ではありません。
そこからインターネットでの龍探しがリンクすることに・・・・。

臨済宗と黄檗宗が合同で 「臨黄ネット」という公式サイト を開設されています。
このサイトに「展示室」というセクションがあります。ここに法堂(はっとう)の天井に描かれた龍について、​ 「第6回 臨済宗黄檗宗各派本山 雲龍図」という紹介 ​があります。 (資料3)

この第6回の記事で、
  妙心寺 萬福寺 南禅寺 建長寺 東福寺
  円覚寺 大徳寺 方広寺 永源寺 天龍寺
  相国寺 建仁寺 向嶽寺 佛通寺 国泰寺
の天井に描かれた龍 と出会うことができます。簡潔な説明も付記されています。
龍探しがまとめてできて、対比的に龍を鑑賞できる有益で便利なページです。

このシリーズの冒頭に、八部衆の一つ、龍神に触れて、法堂の天井に描かれる理由が記されています。
法堂は住職が仏法を大衆に説くための建物・場所です。天井の龍は、
「それが法の雨(仏法の教え)を降らすという意味や、龍神が水を司る神であるため、火災から護るという意味がこめられます」 (資料3) とのこと。

「第6回 臨済宗黄檗宗各派本山 雲龍図」へのアクセスは龍探しの旅でのお薦めです。

曹洞宗のお寺ではどうでしょうか。もう一つの禅宗として、やはり龍との縁はあるはずです。
臨済宗の他のお寺も龍情報が開示されているでしょうか。
【龍/Dragon】探しの旅を続けます。

順不同になりますが、 まずは龍に出会えた事例 を三ヵ所ご紹介します。
☆ ​ 永興寺(曹洞宗) 本堂に「天井龍図」 ​、庭には「龍の尻尾」をモチーフにした石造物があります。京都市山科区に所在。 (資料4)
☆ ​ 高台寺(臨済宗) 開山堂天井の龍図 ​。京都市東山区に所在。通常は非公開。 (資料5)
☆ ​ 西光寺(曹洞宗) 天井絵「雲龍図」 ​。川崎市麻生区に所在。 (資料6)

さて、どこまで辿れるか・・・・龍探しのネット旅を続けます。

つづく

参照資料
1. ​ 阿修羅 ​   :ウィキペディア
2.『仏尊の事典 壮大なる仏教宇宙の仏たち』 関根俊一 編  学研
3. ​ 第6回 臨済宗黄檗宗各派本山 雲龍図 ​ :「臨黄ネット」
4.​ 山科 永興寺~本堂・龍の天井画&庭園・龍尾の石造~ ​ :「とっておきの京都プロジェクト」
5.​ 非公開文化財特別公開~高台寺・開山堂龍図~ ​  YouTube
6. ​ 川崎市麻生区・西光寺 天井絵「雲龍図」を特別公開 ​ :「タウンニュース」

補遺
臨黄ネット ​  臨済禅 黄檗禅 公式ネット
海北友松 ​   :ウィキペディア
海北友松 ​   :「美術手帖」
小泉淳作 ​ 公式ホームページ
京都最古の禅寺 建仁寺 ​ ホームページ
    ​ 小泉淳作筆「双龍図」、海北友松襖絵「雲龍図」  繋ぐ
黄檗宗大本山 萬福寺 ​ ホームページ
臨済宗東福寺派大本山 東福寺 ​  ホームページ
堂本印象美術館 ​  ホームページ
  ​ 堂本印象について
高台寺 ​ ホームページ
高台寺 ​  :「京都観光Navi」
曹洞宗雲長山西光寺 ​ ホームページ  
永興寺(京都市山科区) ​  :「京都風光」

 ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

観照 インターネットで【龍/Dragon】探しの旅へ 」一覧表 ​ へ

こちらもご覧いただけるとうれしいです。
「観照 辰年 時空を跨ぎ龍の棲息地へ」 記事一覧
探訪 京都・東山 建仁寺再見・細見 -1 三門・法堂を巡り本坊に
   5回のシリーズでご紹介
スポット探訪 宇治市 黄檗山萬福寺細見 -1 総門と門前点景
   14回のシリーズでご紹介
スポット探訪 [再録] 東福寺とその周辺 -1 塔頭の門前を眺めて
   9回のシリーズでご紹介





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Last updated  2024.03.22 17:35:50
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