北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2010.12.08
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ついでもあったので、中国のECプラットフォームの最新情報をまとめてみました。

まず、1日あたりの来店者の推計から。Alexaなどのデータを元に独自にページビューやユニークユーザー数を算出している Chinaz の直近1ヶ月の平均ユニークユーザー数を来店者数とみなしています。

1位  淘宝網(TAOBAO)  約2億5,000万人
2位  京東商城(360Buy)  約210万人
3位  拍泊網(PaiPai)  約180万人 (Tencent)
4位  アマゾン中国(卓越網)  約120万人
5位  当当網(DangDang)  約100万人
6位  VANCL(凡客誠品)  約100万人
7位  拉手網  約82万人
8位  美団網  約52万人
9位  麦網(M18)  約45万人
10位  一号店  約38万人

淘宝網(TAOBAO)が圧倒的強さを堅持しているのが分かります。淘宝の来店者のうちB2Cモール(淘宝商城)は2割未満と推測されます。3位の拍泊網<(PaiPai)はQQのTencentグループが運営しています。数百億円規模の資金調達を行っている京東商城(360Buy)やVANCL(凡客誠品)、米国市場でIPOを実施(予定)の当当網(DangDang)、麦網(M18)もトップ10にランキングされています。またGrouponモデル地域密着型の拉手網、美団網も急成長で上位に定着していまた。

売上のほうはどうなんでしょう?
易観(Analysys)という調査会社が 2010年第3四半期のB2Cのマーケットシェア を発表しています。これによると、
1位  淘宝商城(TAOBAO MALL)  33.5%
2位  京東商城(360Buy)  14.1%
3位  当当網(DangDang)  3.7%
4位  アマゾン中国(卓越網)  3.3%
5位  New Egg(新蛋)  2.1%

淘宝はB2Cモールの売上のみが対象とみられますが、それでもマーケットシェア1/3のトップ。ちなみに、VANCL(凡客誠品)は1.4%、麦網(M18)は0.9%程度のシェアとみられます。

さて日本では中国でのECに過大な期待が寄せられていますが、日本製品の取扱を前面に出したECプラットフォームはどんな感じなのでしょう?少なくともトップ10には顔を出していませんね。
孫さんとジャック・マーのダブルキャスト・コンファレンスで話題をよんだ 「淘日本」 (淘宝がYahoo!オークションで販売中の日本製品を集めているモール)は、当初淘宝網のトップページから直接リンクされていましたが、すぐに外され、いまは細々と運営しています。taobao.comのサブドメインのトラフィックシェアの中で、japan.taobao.comは0.1%未満。多く見積もっても1日の来客数は20万人未満と考えられます。
実は淘宝内のショップを除けば、日本絡みの中国向けECプラットフォームで、最も来客数が多いのは ニッセンの中国語サイト のようなのです。1日あたり1万~1.5万人の来客数が推定されます。日本郵政と中国郵政が提携しているJapaNaviや、SBIベリトランスと銀聯が提携して運営している Buy-J(佰宜杰) は残念ながら中国からの来客数は、1日あたり数千人程度に留まっているのが現状です。

中国のネットショップで数が最も多く売れているのはお洋服やアクセサリーと言われています。日本のファッションも中国では人気と言われていますが、実は韓国勢に随分と水を開けられているのです。
韓国ファッションを売りにしたファッション系ECプラットフォーム 時尚起義 の1日あたりの来客数は約12万人と推定され、C2Cを含むEC来客数ランクでは20位台に位置します。いっぽう、日本のファッションを売りにしたファッション系ECプラットフォームで最も人気と言われている MinaStyle(久尚網) の1日あたりの来客数は時尚起義の100分の1程度と推測されます。このサイトは日本のファッション誌で中国でも人気の高い"MINA"と提携しているのですが。
ちなみに、淘宝のジャンクショップでいま最も人気と言われているのも 韓都衣舍 という韓国ファッションのお店です。
品揃えなどいろいろと考えられますが、最も大きい要因は価格帯なのだと思います。例えば時尚起義にしても韓都衣舍にしても、AWの厚手を除けば、ほぼ100RMB(1,300円)以下の商品がモードです。いっぽう、MinaStyle(久尚網)は100-200RMB(1,300円-2,600円)の商品がモードになっています。
こうしたカテゴリーの購入者層にとって、100RMB(1,300円)の価格差はとても重大なのでしょう。

中国でオンライン販売すると必ず売れる、ような神話を耳にすることがありますが、決してそうではありません。
そもそもモール出店といえども、参入のハードルは決して低くないので、マーケットの状況をよく研究してから判断したほうが良いと思います。

蛇足ながら、10月中旬にテストオープンした楽天と百度のJVである 楽酷天 も、まだ市場におけるプレゼンスを得られていない状態です。





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Last updated  2010.12.08 20:42:21
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