キンクスの本領の一つは1968年の『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』以降、立て続けにというか、執拗なまでに制作されたコンセプト・アルバム群にある。当初、『ヴィレッジ・グリーン~』は世界中でわずか10万枚ほど(米国内では2万5千枚以下とされる)しか売れなかった上、一部では“想像力に欠け不十分にアレンジされた、ビートルズの貧しいコピー”と言うレッテルまで貼られた(現在ではキンクスの代表作として当時よりもはるかに評価されている)。そんな状況にもかかわらず、彼らはコンセプト・アルバム第二弾を翌1969年に発表する。それが本作『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡(Arthur or the Decline and Fall of the British Empire)』だった。
1.Victoria 2. Yes Sir, No Sir 3. Some Mother's Son 4. Drivin' 5. Brainwashed 6. Australia 7. Shangri-La 8. Mr. Churchill Says 9. She Bought A Hat Like Princess Marina 10. Young And Innocent Days 11. Nothing To Say 12. Arthur