2024/09/20
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★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳
◆ 富岡八幡宮の祭礼に詰め掛けた群衆の重みで永代橋が崩落、永遠にもつどころかボロ橋であったことが露呈(1807年)。 ◆ 京都市バスが運行開始。運転士の月給は300円であり、当初より知事より裕福な利権エリート専門職として認知されていた(1903年)。 ◆ 野蛮な鬼畜米英の圧制によりわが国の美徳は言論弾圧を受け、墨塗り教科書として闇へ葬られた(1945年)。=生徒に墨で塗りつぶさせる「墨塗り教科書」=
【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年09月18日】

〈解説〉エミー賞18冠の『SHOGUN 将軍』は全米中が高評価なのか?
ここでも見えるアメリカの“分断” =後節= 
=Wedge_Online 【日本人なら知っておきたい近現代史の焦点】 2024年9月18日 
廣部 泉( 明治大学政治経済学部 教授))



受賞に沸くハリウッドと一般国民
 ヒラリー・クリントンとトランプが争った2016年の大統領を思い出してみたい。最初の女性大統領になることを目指したヒラリーを応援したセレブには、マドンナ、ブルース・スプリングスティーン、レディー・ガガ、ビヨンセ、ボン・ジョビ、マライア・キャリー、エルトン・ジョン、ジェニファー・ロペス、マット・デイモンなど影響力のある人々が綺羅星のごとく並んでいた。それに比べてトランプ支持を表明したのは、スティーブン・セガールやジャン=クロード・ヴァン・ダムなどヒラリー陣営に比べると華やかさを欠いていた。

 ヒラリーがトランプに世論調査でもリードしていたこともあり、数多くのスターに応援されたヒラリーを見た人々は、圧勝を確信した。しかし、そのようなハリウッド的浮かれ騒ぎを鼻白んでみいる米国人も多かった。ラストベルトなどに住む日々の生活に追われる人々にとっては、ハリウッドは遥か遠くの世界であり、そのような人々とばかり交流するヒラリーが、自分たちのことを本気で考えてくれるのだろうかと思わざるを得なかった。

 今回の選挙でも同様の構図がみられる。トランプとハリスの討論会直後にハリス支持を表明したテイラー・スイフトをはじめとして様々なセレブがハリス支持を表明している。一方で、トランプは、様々なミュージシャンの楽曲を無許可で選挙運動に使用して、訴えられている。



  トランプを笑いの種にする風潮
 お笑いテレビ番組も寄ってたかってトランプを面白おかしく笑いのネタにしている。NBCのサタデーナイトライブでは、トランプのテレビコマーシャルに似せて、「メディアはトランプを悪く言っているが、本物のアメリカ人はどう言っているか」という問いかけに、素朴そうなアメリカ人たちが、トランプは「本物だ」、「仕事を増やした」、「国を再び偉大にした」などと笑顔で答える。ところがよく見るとそのアメリカ人たちは、腕にナチの腕章をしていたり、アイロンがけをしていたのが白人至上主義の団体の頭巾だったりするというオチで、笑いと拍手が起きる。

 また、主要テレビ局には深夜時間帯にナイトショーを放送する文化があるが、そこでもトランプがやり玉に挙がっている。CBSのスティーヴン・コルベアショーでは、過去の大統領の等身大人形を飾る館の改装が行われたというナレーションに続いてその内部が映し出されると、ほかのすべての人形が正装する中、トランプだけがオレンジ色の囚人服を着せられている。

 それぞれが業績を語る中、リンカーンが「奴隷解放宣言を制定した」と述べた次に、トランプは「私はポルノスターとセックスしてそれを隠すためにいろんなごまかしをした」と述べて、奉仕活動のためのごみ拾いに行ってしまい、そこに笑い声がはいるというものが放送された。むろんバイデンやハリスも笑いの対象となるが、トランプを題材とするものが数の上で圧倒的で、しかもどぎつい。

 ハリスの副大統領候補であるティム・ウォルズがトランプのことを「ウィァード」(変な奴)と呼んだが、それはメディアでは問題化されなかった。これまでトランプは様々な少数者を侮蔑的に語ってきたことで散々批判されてきたが、トランプに対しては蔑称で呼んでもよいのかと不公平に感じた人もいたはずである。

 確かにトランプ自身はもともとテレビ界の人間として、半ば笑いの種になることで人気を博してきた。そのため、トランプを「いじる」のは許されるというのもわからなくはない。ただ、トランプがタレントから大統領候補や大統領になって以降も、体格に比べて手が小さい、後ろから毛を無理やり前に持ってきた髪型がおかしい、オレンジ色の顔色が変だ、などその外見を笑いものにするメディアの姿勢は目に余るものがある。



根深い断絶、内乱への懸念も
 トランプ自身が他者を頻繁にいじめているのだから許されるという考え方もあろうが、だからといってトランプの外見をあげつらってもいいという姿勢を見ていい気持にならない人も多いだろうし、人の外見をあげつらっても許されるととらえられかねないような行為に眉を顰める人もいるだろう。お金や力のあるセレブたちが束になってトランプを笑いものにする様子を見れば見るほど、笑いものにされるトランプ側に自分を重ねる人々もいるだろう。コアなトランプ支持者たちは、もともとそのような番組は見ないだろうが、民主共和両党の中道寄りの人々や無党派層の投票行動に、トランプを笑いものにする姿勢が影響を与えはしないだろうか。
 セレブや主要メディアがこぞってハリス寄りであることによって、ハリスを支持することの正当性を疑わない人々と、それに鼻白んでトランプを支持する人々との間の断絶は深い。この11月の選挙でトランプが敗北した場合、前回の選挙の直後に起きた議会襲撃のような暴力事件が発生し、内乱になると予測する人もいるほどである。この分断はどのようにすれば回復できるだろうか。
 南北戦争は、第二次世界大戦時の米国人死者を超す犠牲者を出した内乱であったが、その時は、南部白人も北部白人も共によく戦ったという白人男性通しのつながりを讃えることで、統一を回復することができた。しかし、もはや多様性の進んだ米国ではそのような連帯が国を牽引するのは難しい。多様性が国をまとめる方法をみつけなければならないが、その困難さがこの分断の解決が見えない理由ではないだろうか。
 『SHOGUN 将軍』のエミー賞18冠は、日本文化が米国社会に受け容れられ、評価された証とも言えるが、それが多様性および分断が進む米国の一部であることも頭に入れておかなければならない。(文中敬称略)



○◎ ○◎    ◎ ◎ ◎   ◎○ ◎○ ◎○ 
古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。
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Last updated  2024/09/20 05:10:08 AM
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