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2009年02月11日

水木しげるさんの、日記名にある本を読みました。
僕が持っている彼の本…『猫楠』『総員玉砕せよ！』くらいなのですけども。
妖怪モノが無いですね（苦笑）、彼の人生や人生観の方に興味が出てきてたもんで。

彼の人生観、いつでもどんな時でも例え戦場でも（！）鷹揚にのんびりと構える生き方、今みたいな世の中にこそ読むべき本かもな～と思うております。
「なんだか元気が出てくる作品」て表紙の裏に書いてますしね。
岩井三四二の小説に出てくる人物にも通じるなあ。

上官から禁止されながらもラバウルの現地人と交流して仲良くなって…。
外国で暮らすには、まず現地に溶け込むのが第一やと僕は思うてますね。
ゆったりと構えて自然のままに暮らす人々と、周囲とずれまくりだった水木さんとが仲良くなるのは自然の流れだったのでしょう。
もうそんなにせかせかせんでええやんけ日本人よ！と僕も思う時ありつつ、僕自身もそうなる時が多々ありますしね…。

あんまし書くとネタバレになってイカンのですが。
学校、軍隊でも落第状態、左腕を失い戦後は２０年くらいどん底状態で…。
それでも「まぁ何とかなるやろ」と前向きな姿勢が感じられました。
僕が（特に戦後の）水木さんの状態に置かれたら、耐えられず鬱になって死んでるなあ。
「もうやってられるか！何でここまでしんどい生活続けなアカンねん！」て自分に世の中にイラついて…。

本の中に、
「部屋にとじこもって仕事をしていると、本当に世間を恨むようになってくる」
とありました。
引きこもってしまうと精神的に悪化して自暴自棄、自分にも外にも恨みがましくなりますが…
この精神の悪循環について書いてたのはオドロイタ。
いや実際、そんな気分になってきますよ。

何度も読み返す本になりそうです。
新潮文庫から出てますな、５００円でおつり来ます！

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