音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2018年01月17日
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カテゴリ: 映画


ゴッホ(ダグラス・ブース)が親しくしていた郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(クリス・オダウド 声 イッセー尾形)の息子アルマン(ダグラス・ブース 声 山田孝之)が、を知るために、パリの北西にあるオーヴェル村の関係者から話を聞くことによって自殺の真の原因を探るというサスペンスミステリー。
先月篠山紀信の写真展に行った時に置いてあったチラシで、この映画のことを知った。
先週は見に行けなかったのだが、幸いなことに二週目の上映が行われていたので、見ることが出来た。
開場は盛岡の中劇。
いつも映画を見に行くときには通る場所なのだが、行った記憶がない。
あまり期待していなかったが、施設が比較的新しく、座席の間隔がゆったりしていて、とても快適だ。
それに通路は昔ながらのスロープで、飲食可なのも点数が高い。
ただ入り口から外の光が漏れるのが気になった。
日曜日だったが、観客はせいぜい20人ほど。
あまり知られていないのかもしれない。
この映画は俳優の演技を撮影し、それを元に、総勢125名の画家がゴッホのタッチで1秒12コマ絵画描き、フィルムで撮影するという、大変手間のかかった映画だ。
その甲斐があって、素晴らしいアニメ映画になった。
12コマなので動きが荒いのはしょうがない。
ただ、本来静止しているべきもの、例えば郵便配達人が話しているシーンで郵便局の帽子の「postes」(郵便局)という文字が動くのが気になる。
モノクロのシーンが何回か出てくるが、風景は油絵にはしていないようだ。
人物がアニメみたいに加工されているので、カラーのアニメの部分との違和感はない。
最初観た時モノクロのシーンが実写とばかり思っていた。
映像の殆ど全ての素材が、実際にゴッホによって描かれた絵画から抜き出されたものだ。
人物は肖像画に描かれた人物に良く似た俳優が選ばれている。
最期に実際の写真と映画に出てくるキャラクターが対比されている。
これは、最後ではなく最初に見せた方が、観客の理解の助けになったと思う。
公式サイト に、役に扮した俳優たちの写真、ゴッホの書いた肖像画、俳優たちをゴッホ風に描いた絵の3つが対比されていて、違いがよくわかる。
これを見ると、ゴッホの描いた人物ではなく、俳優を元にした絵を使って正解だったと思う。
ゴッホの絵のそのものが動く映画であれば、人物にあまり魅力がないので、あまり面白い映画にはならなかっただろう。
風景や家などは実際の風景というよりは、ゴッホの印象だろう。
実際の風景がゴッホの絵のようだったら、息苦しくなってしまう。
「ローヌ川の星降る夜」や「カラスのいる麦畑」など有名な油絵がそのまま映画の風景に使われていて、其処で人間が動いているのを見ると、観客が映画の中に入りこんで観ているような不思議な感覚に襲われる。
ゴッホの自殺は他殺という意見も映画の中で出てくるが、最後はうやむやになってしまうのは、少し物足りない。
まあ、そこまで追求したらきりがないのだが、何故自殺に落ち着いたかは明らかにしてほしかった。
それに聴く人によって自殺の顛末がまるで違っていたり、ゴッホの性格も穏やかだったり、変人だったりと材料がいろいろ出てくるのはいいのだが、最後のまとめがないのがミステリーとしては消化不良だ。
キャラクターでは主人公のアルマン、ゴッホが止まっていた宿の娘アドリアーヌ・ラヴー(エレノア・トムリンソン)、ガシェ医師(ジェローム・フリン)の家の使用人ルイーズ・シュヴァリエ(ヘレン・マックロリー)が印象的だった。
日本語吹き替えで、観る前は少し不満があったが、吹替でも満足だった。
やはり日本人の吹替えはうまい。
知らなかったとはいえゴッホが28歳から絵を始めたということは、人間は年に関係なく何かを初めて、その分野で才能を発揮できることもあるということも知らされた。
最近の話題だと遠野出身の女性が63歳のデビュー作で芥川賞を受賞したということ出来事もあった。
ところで、映画では10年間に描いた絵画800点のうち売れたのは1点だけと出てくるが、最近の研究だと数点売れていたらしい。

出典: HUFFPOST 2015.10.15

公式サイト





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Last updated  2018年01月17日 17時05分10秒
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