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2022.08.10
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カテゴリ: こはく文庫

2020年11月刊
こはく文庫
著者:榎木ユウさん
リリーには婚約者がいた。隣国の伯爵家の子息ビリード。親が決めた婚姻。まだ会ったこともないビリードではあったが、リリーは心の底から彼を愛していた。五年の間に交わした手紙から、互いを思いやり、互いの人柄を慈しみ、互いに結婚を望んでいることを確信していた。そんなリリーに悲劇が襲う。両親と兄が事故で亡くなり、リリーが侯爵家を継がねばならなくなる。祖父は縁談を破棄し、国内から婿を得ることを命じる。決まったのは騎士のブレッド。騎士職を捨ててリリーの夫になる道を選んだという。献身的に尽くしてくれるブレッドに、少しずつ心を開いていくリリー。ある日、王都で行われる舞踏会に出席したリリーは、偶然にも元婚約者のビリードに出会ってしまい……


登場人物
  リリー=ドノヴァン侯爵令嬢。事故で両親と兄を亡くし、 婚約者との結婚も
      破談になってしまった。一年後、祖父の決めた相
手である元騎士の
      ブレッドと結婚した。

 ブレッド=リリーの夫。王立騎士団の副団長であったが、ドノヴァン家への婿入
      りの為に除隊。侯爵家の当主となった。
 ビリード=リリーの元婚約者。隣国の伯爵家の子息で長らくリリーと文通してい
      た。その一方で隣国では女性との醜聞が多い。
  アンナ=リリー付きの侍女。

タイトルに「伯爵令嬢」とありますが、ヒロインは侯爵令嬢です。
これは手痛いミス(^_^;)
貴族TLではごっちゃになりやすいのか、あらすじ文で爵位をミスってる​ってのは割とあるんですが、堂々とタイトルでやらかすのは新しいパターンかも。ヒーローとヒロインの身分差を出すために途中で設定変えたのかしら。

隣国に暮らす伯爵家の子息・ビリードとの文通を交わしながら、結婚を心待ちにしていたリリー。
兵役に出ている彼が戻ったらいよいよ結婚できると思っていた矢先、式典に参加するために遠い王都へ出かけていた両親と兄が道中崖崩れに巻き込まれて亡くなった。
一度に家族を亡くしたリリーは悲しみに暮れ、家族の死を思い起こさせるのか葬儀で大量に活けられていた百合の花が大嫌いになってしまった。
だが、沈んでばかりもいられない、彼女は跡取りとして領地と領民を守っていかなければならない。
祖父が領主代行しながらノウハウを叩きこんでくれたけれど、その手の勉強とは無縁だったリリーにはキツイ。そして祖父は彼女に婿を取れと命じた。
本来はビリードのボウエン伯爵家へ嫁ぐはずだったのに、侯爵家存続のためにリリーは家に残らねばならず、婚約破棄になってしまった。多額の慰謝料を払い、ビリードにはせめてと詫びの手紙を送った。
でも、あれほど優しい手紙をくれてた人が、最後は随分と汚い字でたった数行の返事を寄越した時は随分とショックを受けたものだ。
勉強の傍ら数多くの見合いをしたが、名乗りを挙げるのは実家を継げない次男や三男坊と言う爵位目当てのハイエナばかり。どれもこれと言った人物には会えず決めかねていた所、最終的に祖父が決めた。
夫になるのはブラッド・キース・バーンと言う騎士団副団長を務めていた青年だった。
彼はわざわざ除隊してまで婿養子になってくれるらしい。
副団長にまで登り詰めたのに、侯爵家とは言えこんな田舎の領主になるとは随分と変わった人物の様だ。
結婚式にて初めて彼と顔を合わせたが、なるほど騎士と言うだけあって体格が良い。
やはりビリードに未練があり思い出して切なくはなったものの、ブラッドは一々彼女の気持ちを尋ね優しかった。

挙式から一ヶ月。祖父に領主業を習い、当主として毎日頑張っているブラッド。
それを横目にリリーはため息ばかり。自分の元乳母で母親代わりの侍女・アンナに見咎められ思わず愚痴ってしまった。彼は優しいし、気遣い屋だ。おかげで夫婦仲は悪くないと思う。
だが、ブラッドはかなりの絶倫だった。
いくら新婚でも毎晩するのが普通なのだろうか。アンナは愛しているからでしょうと言うけれどイマイチピンと来ないのは、まだビリードを諦めきれないからか。
それにしたって、未だに鍛錬を続けている元騎士と箱入り娘のリリーとでは体力に雲泥の差があることにいい加減気付いて欲しい。

そんなある日、王家主催の舞踏会が開かれ、リリーとブラッドも参加することに。
どうやら、隣国の貴族も多く招待されているらしく、ビリードも来ていると言う。
こんな形で元婚約者と初対面を果たすとは。ドキドキしながらも、ビリードに遭ったリリーは思っていたより美形な彼を見て若干違和感を覚えた。
女性を同伴していたのはともかく、最近未亡人になったと聞く子爵夫人と親し気にしているのは頂けないし、チャラチャラした態度も気になる。
婚約時に風の噂でビリードは王女殿下に色目を使って、貴族なら金でパスできるはずの兵役に追いやられたと聞いた。あの時はあんなに誠実な彼がと笑い飛ばし信じていなかったリリー。
そのせいで本来予定していた結婚が延期となった挙句、家族の死で破談になったわけだが。
女癖が悪く、あちこち浮名を流していると言うのも強ちただの噂話ではなかったのかもしれない。
それに、勝手に理想を抱いていただけかもしれないけれど、どうにも手紙の文面から窺い知れる人物と彼が一致しない。

その日からまたひと月ほど経った頃、王弟殿下の婚約披露の夜会が開催されるとのことで、夫妻は再び王都へ。
大して日も空けずに招集されると遠い領地に住む貴族達には迷惑極まり無いが、王家主催の催しは貴族は全員出席せねばならない。しかもビリードはまだ王都に滞在しているようだ。つい、あの大切な手紙を読み直してしまったリリーの心境は複雑だった。
今ではすっかりブラッドの為人を愛しく思うが、やはり何だかんだとビリードは初恋の人。でも改めて読み直してみると誠実で達筆だった文章と最後の破談了承の字の違いがどうにも気になる。
まさか、ずっと別人に代筆させてて最後だけ自分で書いたとか?
モヤモヤしていたら、当の本人から帰国する前に改めて元婚約者殿とお話がしたいとビリードから手紙が。何とも汚い字は最後の手紙と同じ。
はっきりさせようと、アンナが引き留めるのも聞かず、リリーはビリードへ会いに行き・・・。

文通相手に関しては、文面ととある人物の言動によって割とすぐ判ります。
正直、誤配送にしたって無理があるとは思うものの、細かいことは突っ込んではいけません。
まあそういうこともあるだろうっとこで。
でも、あの元婚約者はクズ過ぎて破談になって正解。
誠実な人だと思って嫁いだら、実際は女遊びしまくる最低男だったなんて不幸一直線ですもん。
反面、ヒーロー・ブラッドが一途でそれこそ誠実な男性でした。
侯爵家の不幸がなくとも、ビリードはやらかし過ぎてたこともあって、早晩破談になってたはず。
さすがに、侯爵も騎士団副団長でいくつも勲章貰ってる人なら娘と結婚させてくれてたと思う。
諦めないことが大事。
この辺の詳しい事情は終盤ブラッドが語っているので、興味がある方は読んでみてください。


評価:★★★★☆
お話は面白い。でもタイトルミスが残念。





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最終更新日  2022.08.10 18:06:05
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