地を這う虫

2023/09/24
XML
カテゴリ: TV
いきなり記事タイトルと無関係な話から・・・。
8月下旬からNHK-BSのBS時代劇「雲霧仁左衛門6 狙うは京の御用金」という時代劇が始まっています。9/22(金)に第五話が放送されています。全8話の予定のようです。
番組公式HPは↓

https://www.nhk.jp/p/ts/NZ28LWRKMV/

このドラマは連ドラ予約してますので、第四話までは観ています。
原作者の池波正太郎先生は1990年にお亡くなりになっており、このシリーズの初期のものはともかく、ここ最近のものは脚本家の完全オリジナルです。基本的な設定(盗賊の雲霧一党の構成員のキャラクター、役割など)のみ池波先生の原作を踏襲してるのですが、最近は原作に登場しない構成員(笑)も頻繁に登場するようです。まぁ、そうしないと話が作れないですわな。

NHKの時代劇なので、ドラマはかなり丁寧に造られています。衣装、大道具、小道具、持道具、ロケ等にあまり手抜きはないように見えます。俳優の演技にも破綻はないと思います。今シリーズには七化けのお千代(内山理名さん)が出演していないのが大いに不満ですが、お千代はシリーズ5で亡くなったんだったかいな?
シリーズ6の大筋、プロットそのものに文句はありませんが、細部があまりに雑、いい加減、テキトー、辻褄合わないとこ多すぎ、ご都合主義、大金を奪われる材木商の経営幹部(笑 番頭等)がアホ過ぎ、etc のオンパレードで、池波先生がご存命であれば、即刻中止命令をだされるほど出来は悪いです。正直、あまりにも酷いです。カタイこと言わずに娯楽時代劇として楽しみたいと思っていても、さすがにこれは酷すぎと怒りがわいてきますな(苦笑

まぁ、他に見るべきドラマがそんなにあるわけじゃないので、録画は続けるし観もします(オイオイ)、もうこのシリーズは今回で打ち切りでいいんじゃないっすかね。NHKは池波先生のご遺族とどういう内容で原作使用契約をしてるのか知りませんが、このままではご遺族からクレームがつくこと必至じゃないっすか!!


(閑話休題)

amazon prime videoでWOWOWが制作した高村薫の直木賞受賞作を原作とした「連続ドラマW マークスの山」が追加料金不要で観られ、その無料期間が後一週間ほどで終了するようだったので、昨日集中して全5話観ました。第一話が59分、第五話が58分、第二~第四話が各50分なので計267分、約4時間半の長丁場ですた。WOWOWでの初回放送は2010年なので、13年ほど前の制作ですね。登場する俳優、女優はおしなべて若いです。重要な役を演じる女優は看護婦役の戸田菜穂さん、主人公の合田刑事(上川隆也)の別れた妻役の鈴木杏樹さんくらいかな。戸田菜穂さんは美人過ぎると薄幸な役柄とちょっと合わないのでちょうどいい塩梅かな(ちなみに映画版では名取裕子さんが演じました)。鈴木杏樹さん演じる合田刑事の元妻はこのドラマでは量子力学の研究者ですが、原作ではそんな設定ではなかったような気がします。記憶がないので、私の間違いかもしれません。それはともかく、この頃の鈴木杏樹さんは非常に魅力的な美女ですね。こんな美人妻と別れるなんて、合田刑事はアタオカじゃないのん(苦笑

原作小説「マークスの山」を読んだのは30年くらい前(直木賞受賞は1993年です)なので、ストーリーの基本骨格以外は忘却の彼方です。登山が絡んだ殺人がベースになってることは覚えていましたが、『マークス MARKS』の意味さえ完全忘却しておりますた(苦笑

WOWOW制作の高村薫原作のドラマには「マークスの山」以外に「レディ・ジョーカー」があります。「レディ・ジョーカー」は2013年に初回放送です。このドラマもamazon prime videoで今は無料視聴できますが、一週間ほどで配信停止になるようです。観たい方はお早めにどうぞ、あ~~~、無料視聴とはいってもamazon prime会員であることは必要ですので誤解なきようにお願いします。

で、下の方にこのドラマのキャストを載せてるのですが、このデータを得るためにネット検索したら、なんとなんとBS日テレで9月19日(火)からこのドラマが放送されておりますた↓。残念ながら初回放送(第一話)は放送終了済みだったのですが、第二話以降は連ドラ予約しておきますたよ。

「髙村薫スペシャル 連続ドラマWマークスの山」
9月19日(火)スタート! 毎週火曜 22:00~23:10放送(初回拡大)


澤野弘之氏はこのドラマの音楽担当です。↓
"MARKS 澤野弘之 / SawanoHiroyuki[nZk]"



で、、、

肝心のドラマの内容、出来具合なんですが、有料放送のWOWOWがかなり気合い入れて制作してるだけあって、かなり良質のドラマだと思います。偉そうな言い方をすれば、「及第点」に至ってると思います。

話が横道にずれますが、映画版「マークスの山」(崔洋一監督、1995年公開、138分、松竹製作)は20年以上前にレンタルビデオで観ています。詳細は忘れましたが、相当酷い出来だったのでレンタル代返せ!と激怒しますた。この件は以前このブログで映画版「レディ・ジョーカー」関係の記事を書いた際に書いています。ここに引用しておきませう(苦笑

2004年12月12日の記事↓ から以下に引用します。
高村薫原作のレディジョーカーの

>高村薫原作のレディジョーカーの上映が始まっているようだ。過去の日記に書いたが、私は映画館で大枚を払ってこの映画を見る勇気はない。マークスの山というゴミ以下の映画をレンタルビデオで借りて見てレンタル代300円を返せ!と叫んだ経験があるからだ。

この記事には作家2507さん(故人)から

>>「マークスの山」は監督の崔洋一がダメだったので、原作者には責任がないと思います。テレビでも番組になっていて、高村さんの「あきれた」という顔と崔洋一の「バツの悪そうな」顔が出ていました。
>>崔は新宿・ゴールデン街では帝王のようですがスクリーンの帝王にはなれないようです。 (2004/12/27 03:05:15 AM)

というコメントを頂いています。


話を戻して、このドラマについて少しだけ感想を書いておきます。
このドラマは観る価値が十二分にあると思います。高村薫の合田刑事シリーズ(この小説が第一作だったはず)は長編で内容はかなり複雑で重層的なので2時間前後の映画にすることは無理があり過ぎです。
映画版「マークスの山」のクソさの内容についての記憶は既にありませんが、映画版「レディ・ジョーカー」については、スト-リー展開がよく分からない、観客はついていけないという致命的欠陥があることは間違いありません。映画版「レディ・ジョーカー」をDVDレンタルで観た感想は過去記事に書いています。それは↓

2005年06月19日の記事
高村薫原作「レディー・ジョーカー」

WOWOWドラマ版の「レディ・ジョーカー」はCATVで放送された時かあるいは動画配信サイトの無料お試し期間中に観たのか忘れましたが、観ています。一話50分前後で全8話だから計400分ほど、なのでスト-リーは端折りがあまりなく丁寧に展開するので観てるものが話についていけない、という問題はなかったし、出来が結構よいドラマだった記憶があります。


WOWOWドラマ版の「マークスの山」について、私が気になった点や不満点を以下に列記しておきます。備忘録として。

・キャスティングに不満はほとんどなく、特に警察関係(刑事)を演じた俳優は皆さん素晴しい。主人公の合田刑事役の上川隆也は横山秀夫の警察小説のドラマ「陰の季節」で人事・総務担当の警務部警務課職員を演じているが、捜査一課の刑事役よりは警務課職員役の方がマッチしていると思います。とはいっても上川隆也以外に誰が合田刑事を演じられるかと問われても答えが出てきません。

・ミスキャストだと私が思うのは合田刑事の義兄(鈴木杏樹さん演じる元妻の兄)で東京地検特捜部検事の加納を演じた石黒賢です。石黒賢はぼっちゃん顔なので切れ者の特捜検事には見えません。NHKのドラマ「照柿」(高村薫原作)では加納検事を白竜が演じてました。ちなみに合田刑事は三浦友和でした。白竜はヤクザ顔なので凄みはあるのですが、検事にはやはり見えません(苦笑

・警察の捜査に関してところどころ雑な脚本になってた印象があります。刑事が非常に間抜けにみえるところが時々あります。警察、刑事の人手不足が前提にあるんだろうが、犯人と極めて親しい関係にある看護婦が犯人と間違えられて銃撃されて入院してる際には、警察はどう考えても入院中の看護婦を監視対象にすべきでしょう。犯人と接点を持てる可能性が極めて大なのだから24時間監視対象にするのは当たり前でしょう。だけど、本作ではそうしない。原作がどうだか分かりません(本はかなり昔に廃棄してるので 苦笑)が、警察が間抜けに見えます。
※追記  看護婦が銃撃された時点では別の殺人事件の犯人と彼女との関係を把握できていないが、その後には看護婦の同居人で銃撃された際に一緒にいた坊主頭の若い男が殺人事件の容疑者であることが判明しています。直後から看護婦の入院先を監視していれば、早期の容疑者確保に繋がった可能性が高いです。。。

・最大の問題点、これは原作が持ってる問題点なんでしょうが、私立大学の暁成大学OBが警察、検察、法曹界を牛耳っている。支配している。各界の上層部に多数いる暁成大学OBからの圧力で捜査が進まない、妨害される、中止命令が出る、云々てところがどうしても腑に落ちない(苦笑

暁成大学を現実の私立大学に当てはめるとしたら早稲田か慶応しかないと思いますが、財界、経済界でのOB人脈・ネットワークは極めて強固なんでしょうが、彼らが警察や検察や法曹界を牛耳ってる実態は多分ないでしょう。そういうものがあるとしたら、東京大学のOBネットワークしかあり得ないんじゃないの。
まぁ、東京大学という実在の大学を小説、映画で悪の秘密結社みたいに書くのはクレーム殺到必至だろうから現実問題としては不可能なんでしょうね。だから架空の私立大である暁成大学にしたのだろうけど、そのために「警察、検察、法曹界に巣食う闇」にリアリティがほとんど 全く ないです(苦笑

警察にしろ検察にしろ法曹界にしろ組織防衛のため表に出せない闇を抱えていることはあるだろうが、複数の組織をまたぐ私立大学OBネットワークの暗躍ってのはちと無理があるでしょう。

高村薫の小説は「冷血」の文庫本を古本で買ったまま放置しています。「マークスの山」の文庫本が200円以下であったら買って再読してみましょうかね~~。

amazon prime videoはスクリーンショットがとれないので、PCディスプレイの映像をiPhoneで撮影した数枚の画像を貼っておきます(苦笑)。合田刑事のアイコン?、アイデンティティ、トレードマークである白い運動靴の画像です。


最初の殺人現場の現場検証に登場する合田刑事の足元




捜査一課七係警部補の合田刑事と捜査一課十係警部補の須崎刑事との確執場面(事件に関する情報共有を申し出た合田刑事に対する須崎刑事の答えがこれです。白い運動靴は合田刑事のアイコン?です)










「連続ドラマW マークスの山」キャスト
引用元: wikipedia

犯人とその関連人物
 水沢裕之 - 高良健吾: マークスと名乗る男。
 高木真知子 - 戸田菜穂: 水沢の恋人。看護師。
 岩田幸平 - 石橋蓮司: 元建設作業員。窃盗で水沢とともに医療刑務所に収監されている。
マスコミ
 根来麻美 - 小西真奈美: 「週刊潮流」記者。
 滝沢寛治 - 相島一之: 「週刊潮流」編集長。
暁成大学
 松井浩司 - 矢島健一: 法務省刑事課長。
 浅野剛 - 山崎一: 浅野総合病院院長。
 林原雄三 - 小日向文世:日弁連理事弁護士。かつて畠山を弁護した。
 林原美由紀 - 国分佐智子:林原の妻。
 木原郁夫 - 升毅: 暁成大学理事長。
 佐伯正一 - 佐野史郎: 佐伯中央建設社長。
捜査関係者
 合田雄一郎 - 上川隆也: 捜査一課七係警部補。
 加納祐介 - 石黒賢: 東京地検特捜部検事。合田の大学時代からの友人。
 加納貴代子 - 鈴木杏樹: 加納祐介の妹。合田の元妻。
 小杉朋久 - 嶋田久作: 東京地検特捜部副部長。加納の上司。
 林省三 - 螢雪次朗: 捜査一課七係警部。
 吾妻哲郎 - 甲本雅裕: 捜査一課七係警部補。
 森義孝 - 袴田吉彦: 捜査一課七係刑事。
 広田義則 - 杉崎真宏: 警視庁巡査部長。
 肥後和巳 - 大高洋夫: 警視庁巡査部長。
 竹内勉 - 木村靖司: 警視庁警視。
 有沢三郎 - 葛山信吾: 捜査一課七係刑事。
 須崎靖邦 - 小木茂光: 捜査一課十係警部補。
 吉原 - 南条弘二: 捜査四課警部。
 戸部伸也 - 草野康太: 山梨県警巡査部長。
 佐野国男 - 大杉漣: 山梨県警警部。
その他
 畠山宏 - 池田成志: 芹澤会系暴力団元組員。
 寺島忠 ‐ 大西武志
 西野富美子 - 伊藤裕子: 畠山の女。
 今井 ‐ 野村修一:渋谷北署刑事。
 看護師 ‐ 滝沢涼子
 リポーター - 中村直美





【おまけ】

合田刑事(上川隆也)とよりを戻したそうに見える元妻(鈴木杏樹)














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023/09/25 12:23:39 AM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: