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本日の新聞広告に「21世紀の風運動」というタイトルのものがありました。文字だけの広告です。「神風は、起こせる。」「私たちが元気になれば、日本は、きっと元気になる。」日本の企業の95%を占める中小企業や個人事業主、四千数百万人に上記のように呼びかけています。広告主は「21世紀の風運動」の会。石原慎太郎知事も含めた、各界の著名人がサポーターとして名を連ねています。ビジネスは、所詮、ヒトの営み。過去の日記で、何回かこう言ってきました。そう、ヒトがやる気になれば、全てが変わるのです!全ては、ヒトの気持ち、ひとつ!なのです。スゴイ運動が始まったものです。私のできる範囲で応援したいと思います。
2003.09.26
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今日はオーナーカンパニーのオーナーに会って来ました。正確に言うと、オーナー一族であってオーナーではありません(長男ではありません)。その方はこう言うのです。「自分の会社は自分の代(長男の代)で潰れることはない。何の努力をしなくても、生きていこうと思えば生きていける。世間でもある程度知られているし、全ての財産は先人が築いてくれた。しかし、自分は何かをしたい。自分の企業が、ここまで経営が安定し、一族が平穏に生活できるのは、これまで自分の企業と商品を愛してくれた人々のおかげ。だから、その恩返しをしたい。社会貢献をしたい。頑張るヒトをサポートしたい。どんな分野で、どう頑張っているヒトをサポートするのかは、我々のセンス。自分たちの会社にふさわしい、自分たちの経営理念にふさわしいヒトを見つけてサポートしたい。今、そのセンスを問われていると、自分にプレッシャーをかけている。本業は安定している。そのお礼をどういう形で世間に示すのか、そんな経営センスのテストを受けている気分だ。それがオーナー一族である自分に今できることだと思っている。」私は大変共感しました!好業績のオーナーカンパニーが世間のために何かをしたいと。そのやり方に、自分たちの経営センスが表れると思っている。そのプレッシャーを感じつつ、本業ではないが、真剣にそれをやり遂げたい・・・。こういう気持ちをオーナー一族が持っている会社は、ホント、潰れないでしょうね。世間が潰れることを許さない。存在していて欲しい会社です。私はこんなオーナーと知り合いになれてとても幸せです!
2003.09.25
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本日、とあるメーカーの生産者(職人)に話を訊きに行きました。いわゆるヒアリングというヤツです。どうして、職人のコトバには、ココロを動かすものがあるのでしょう?私が訊いたのは、一通りの作り方、材料について、そのくらいです。しかし、その回答には、その作り方に至った叡智、創造、知恵が感じられ、しかも、それは先人から受け継ぎ、数代に渡ってやっと完成させている、という歴史的ロマンも含んでいました。見ているだけだと単純に思えてしまう作業にも、訊けば、度重なる改良と些細なことにもこだわってきた意地を感じることができます。材料についてもそうです。材料は特に市場に出回っている商品からは感じることができないので、生産者から直接聞く話は新鮮です。そこには、一般人には想像できないこだわりがあります。何で、そこまでこだわるのか?職人の少しでもいいものを作ろう、作りたいという魂なのでしょう。よく世間で言われるような、顧客満足主義などといった歯の浮くような世界はそこにはありませんでした。単に、いいものを作りたい。それだけなんですね。顧客どころか、ただ、自分がそうしていたいだけ、といった感じです。ヒトのココロを動かすもの。それは、田舎にひっそりと、でもとても熱く存在していました。資本主義に則って、やれ集客だ、やれ売上だ、やれ儲けだ、と騒いでいる現世とは、別の世界のようでした。
2003.09.22
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会社の近くに黒豚料理屋が開店した。こんな時は決まってギリギリまでバタバタする。明日開店だというのに内装が終わっていなかったり、メニューの印刷が終わってなかったりと。お店の評判を決めるのは味だ。味でなければ、価格だ。と決め付けるのは古いマーケティングである。お店の価値はそこでしか体験できないもので決まる。これが夜のバーなどであると分かりやすい。カクテルの質はどこも同じである。(もちろん信じられないくらい劣悪なウォッカやジンを使っていれば別)バーテンダーの力量で変わる味なんてたかが知れている。でも、お店には流行りの所とそうでない所とできる。これは、そのバーでしか体験できない価値があるかどうかなのだ。空間がいい。内装がいい。バーテンダーの話のセンスがいい。音楽の選曲がいい。どれもカクテルという商品が問題なのではない。そこで体験できることに価値を感じられるかどうかなのである。話を黒豚屋に戻そう。この黒豚屋、味はいい。でも、2度と行かないだろう。店員の教育がなっていないのだ。開店時に必要なのは、メニューと内装と、味と価格と思ってしまったのが失敗だ。本当に必要なのは、そこで料理を楽しむときに味わえるオリジナルな体験だ。それには、店員は大きな要素となる。店員の態度が悪いと、一気にそこでの体験は悪い印象になる。たとえ食事がおいしくても、だ。開店に必要なのは、まず店員の教育。そのお店で働く意味、意義、そして誇り。
2003.09.19
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ブランドを創るには、企業意志、それとその共有化。これが必要であるとルールの①と②で話しました。この①と②。これは必要条件なのです。これがないとブランドは成立しません。しかし、これだけでも十分ではないのです。十分条件が一つ残っています。それがルール③です。それは、自発性です。意志があり、それを共有化している。しかし、その意志に従ってチャレンジしたり、改革を起こしたりする「自発性」がないと、アウター(消費者)にはそれが伝わりません。自発的に意志をカタチにしてこそ、ブランドは外へ発信されます。スカンジナビア航空の元CEOが「真実の瞬間」という本を書いています。そこに、従業員の自発性が発揮される瞬間が書かれてあります。彼は、この自発性が発揮される瞬間を「真実の瞬間」と呼び、この一瞬でブランドは全てを判断されてしまう、たとえそれまでどんなに素晴らしい広告をやっていようとも、という説明をしています。その例として載っているエピソードは以下のようなものです。あるビジネスマンがホテルに飛行機のチケットを忘れたまま空港に来てしまいました。チケットなしで乗れる飛行機なんて世界中探してもありません。彼はダメ元でスカンジナビア航空の人にチケットを忘れたことを告げました。そしたら、ホテル名を教えることを条件に、仮搭乗券を発券するというのです。これに驚いた彼。彼はここでスカンジナビア航空の「真実の瞬間」に出会うわけです。この会社はマニュアル通りに働くために従業員を抱えているのではなく、顧客に対して最大限のサービスを提供できるように従業員を抱えているのだと。搭乗時間間際、スカンジナビア航空の従業員は、ホテルまで確認しに行き、正式な搭乗券を持ってきてくれたといいます。従業員は、自発的に顧客への最大限のサービスという意志を体現したのです。ルール①と②がなく、単なる自発性だけならば意味はありません。①と②があるから、それを自発的に行うことはブランドを創ることに直結するわけです。従業員はホテル名を聞いたときに、離陸までに確認の手続きが踏めると判断したのでしょう。そこで、マニュアルを破り、自発的に仮搭乗券を発券したわけです。著者でもあるCEOはこのエピソードをたいへん誇りに思っておりました。そしてスカンジナビア航空は、当時(1990年代初頭)のサービスのいい航空会社、世界No.1です。
2003.09.17
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ブランドを創る上で必要なルールの2番目は、共有化です。企業意志を持たなければ、そのブランドが何のために世の中に存在するのか、その意義が確立できない。つまり、ブランドとして輪郭を描かない。そんな話をルール①でしました。企業意志は、次にインナーで強く共有化されなければなりません。ソニーはSONYらしさをインナーの中で強く意識する、そんな企業風土があると聞きます。自分が今行っていることは、SONYというブランドにふさわしいか。最終的に出来あがるアウトプットは、SONYというブランドを付けるに足るか・・。そんなことを常に意識する、しかも自然に意識する、そんな強いブランドへの姿勢がソニーには共有化されていると言います。1955年のエピソードにこんなものがあります。それは盛田昭夫氏が専務だった頃。彼は新しくできたトランジスタラジオをアメリカに輸出する計画を立てます。アメリカへの輸出、それはソニーの夢、ばかりではなく日本の夢でした。相手は大手のラジオメーカー。そのラジオメーカーは「SONY」というロゴを外し、自社のロゴを付ける、いわゆるOEMならば輸入しようと持ちかけます。日本の夢であったアメリカへの輸出。ですが盛田氏はこれを断わります。理由は、「SONY」というブランドに誇りがあったからです。彼はこう言ったそうです。「どんなブランドにも一歩目がある。まだ無名の第一歩が。SONYは無名。そして、今がその第一歩。今、SONYのロゴを取り下げるわけにはいかない。」このときから、SONYは、自分たちのブランドを強く意識して従事するという共有化の風土が社風としてあったようです。それが今日のSONYを築きました。現在、アメリカでブランド力の調査を行うとアメリカの会社を押さえてSONYが一位になります。50年前無名だったSONYが今、アメリカ人にもっとも評価されるブランドとなったわけです。
2003.09.15
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世の中にはブランドが確立しているといわれる商品がいくつもある。それらは、このデフレ不況の時代でも売り上げを伸ばしている。ソニー、トヨタ、デル、スターバックス・・・。どうしてブランドが確立しているといわれている商品は不況関係なく売れるのか?それには3つのルールがある。ひとつ目。「企業意志がある」ナイキで説明しよう。ナイキは明快な企業意志を、創業当時から持っている。それは、「頂点を目指すアスリートのために」ナイキはシューズメーカーではない。この「頂点を目指すアスリートのために」というミッションを達成するために存在する企業なのだ。シューズメーカーならば、本社や工場など、コスト効率のよい設備を作ればいい。しかし、ナイキは企業意志=ミッションのため、本社にはアスリートのためのフィールド、体育館、プールなどが用意されているという。シューズメーカーならば、販売網は効率よく百貨店、スポーツ店、シューズ店を押さえればいい。販売網はアウトソーシングするのだ。しかし、ナイキは直営店をいくつも持つ。そこで何をするのか?プレゼンテーションをするのだ。単にシューズを売るのではなく。アスリートのために、ナイキはこんなことができると。ナイキは世界のトップアスリートとアドバイザリー契約を結ぶ。中田英寿、小野伸二、タイガーウッズ・・・キリがない。タイガーウッズなんて年契で1億ドル。円ではなく、ドル!シューズを作るメーカーならば、そんなところにお金をかける必要はない。ナイキは企業意志があるから、こうした活動に投資しようと判断する。そして、それはあらゆる場所で消費者に伝わる。野球をテレビで見て、サッカーをスタジアムで見て、ゴルフを見て、シューズショップに行って、ナイキタウンに行って、広告を見て・・・。企業意志がないとブランドはできない。これがブランドの根本。ルールの一番目。
2003.09.14
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仕事柄、マーケティングについて講演することがあります。最近よく取り上げるテーマは「ブランド」です。この不況の時代、「ブランド」は利益をもたらす、そんな「ブランド」はこうやったらできる、そんな話です。先日、同じテーマの他人の講演を聞きました。それも偶然、同じ年の人の。もちろん経歴も違えば、考え方も違う。講演内容も、テーマこそ同じだけれど、中身は違う。参考になりましたねぇ。講演しているときの自分がどんな風に見られているのか、理解されているのか、或いは理解されていないのか・・。もっと自分を磨くいいチャンスになりました!次回から、講演でよく話す、「こうしたらブランドができる!」の話しをしたいと思います。
2003.09.13
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ある程度の規模の企業になるとマーケティングという部署があると思う。このマーケティング部の位置付けで、その企業の成熟度がわかる。マーケティングが、自社の商品、サービス、営業活動などを対象としている場合、成熟度が低い。マーケティングが、顧客における価値創造を対象としている場合、成熟度が高い。商品自体は価値を生まない。サービスや営業活動も価値を生まない。もし、商品自体が価値を生むのならば、少しでも性能のいい商品を従来商品よりも少しでも安く販売すれば、必ず売れるはずである。でも、実際はそんなことは一切ない。高くても売れるものは売れるし、性能関係なく売れるものもある。営業活動をマーケティングして、顧客が多そうなエリアを効率良く回っても価値は生まれない。仕事の効率はすごく上がるけど。価値は、商品・サービスと、顧客との関係性の上に生まれる。顧客の価値創造をマーケティングしないと商品は売れないのだ。スターバックスは価格の高いコーヒーなのに売れる。なぜか?スターバックは、ヒトがコーヒーを飲むことの本質を追及し、そこに価値創造をする戦略に出た。それが、店内全面禁煙、ソファの配置、広い空間、注文後のドリップ・・などなどなのである。これは180円で飲めるドトールのコーヒーでは味わえない価値。もしかしたらコーヒーの品質自体は、そんなに変わらないかもしれない。しかし、価値は商品にまとわり付くものではない。価値は、商品と顧客との関係上に生まれる。さて、あなたの会社のマーケティング部、対象は何?
2003.09.11
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広告会社のマーケティングをやっていると、日々、あらゆる商品が、どうやったら売れるのかを考えます。その商品だけが持つ技術的な差を訴求する、その商品が特別に安いことを訴求する、その商品のイメージを訴求する、いろんなアプローチがありますが、結局は、どんな手段を使ってもいいから、気に入られるということです。つまり、消費者のココロを掴むことです。この商品なら買ってもいいと思わせることです。そうやって突き詰めて考えていくと、ヒトが他人に気に入られるのと同じことがわかります。自分ことばかりを考え、優先するヤツは嫌われます。相手のことを思いやるヒトは万人に好かれます。商品も同じです。自分だけが儲かればいいや、と思っている商品、広告は、どんなにいいことを言っていても、ヒトのココロを動かすことができません。如何に、ココロの底からお客さんのことを考えているか、(顧客満足、なんてどんな企業でも商品でも言っていますが、ココロの底から、そう思っているかどうかが勝負ですね。そういうものは伝わりますから)儲けたければ、儲けは後からついてくる、簡単そうで、ムズカシイ気持ちの持ち方です。
2003.09.10
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先日の日経新聞にトヨタと日立の企業力に差がどんどんついているという話が載っていました。その記事によると、高度経済成長期には「日本のトリプルA」といえば、トヨタ、松下、日立で決まりだったそうです。そして売上も、トヨタが10兆円、日立が8兆円(90年前後だったと思います)。正に、カテゴリーは違うものの日本の重工業を背負う大企業だったわけです。ところがその後、大きな違いが生れます。トヨタは、その後も順調に成長し、今や16兆円企業。一方、日立は8兆円のまま。その差は、倍。トヨタも一時は白いセダンしか作れない、かっこよさなどのイメージではホンダに勝てない、などと言われていました。しかし、今でも日本を代表する企業です。何に違いがあったのでしょう。それは、トップ企業でもその地位に甘んじることなく、自己を常に革新していく勇気と、前向きに行動する従業員の態度があったということだと思います。若者に弱いと言われていた時期、トヨタは「ネッツ」という販売網を立ち上げますが、時同じくして、「ヴィッツ」という車種を開発します。トヨタは「ヴィッツ」の開発のために何をしたか。ヨーロッパに飛んだんです。そう、クルマ文化発祥の地であるヨーロッパに。持っていったのは「トヨタらしさ」という目に見えない何か、だけ。デザイナーは現地で採用しました。トヨタの社風にはイギリス人が合っていたそうですが、そこはあえて各国からデザイナーを集め、トヨタらしさにヨーロッパのクルマ文化を吹き込んでもらったそうです。できたクルマが「ヤリス」。ヨーロッパで大ヒット。このクルマこそ、日本名「ヴィッツ」です。「らしさ」を守りつつ、クルマ文化のルーツを探るという努力。単なる資本主義に則った効果、効率を求めるだけではない企業姿勢。単に資本主義を突き詰めるだけだったら、今でも白いセダンばかりだったのではないでしょうか?ちょっとした企業姿勢、従業員の意識の持ち方の違い、これが数年で大きな違いを生み出します。特に、資本主義が限界まで追求された現在、その傾向は顕著だと言えます。
2003.09.09
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前回からの続きです。ネット環境のない長期出張で少し間があいてしまいました。ゴメンナサイ。さて、老舗の強み、です。老舗の強み、それは「文化」です。老舗は「文化」そのものを背負っている場合があります。(全ての老舗が文化を背負っているわけではないですが・・)虎屋は、和菓子文化を背負っています。和菓子を「五感の芸術」と捉え、日本独特の四季の移ろいを見事に和菓子で表現しています。味覚は前提、触覚は楊枝で和菓子をツーっと切る感触、嗅覚はほのかに立つ香り、そして視覚はそのデザイン(ご存知の方は納得されると思いますが、虎屋の和菓子はホント見事に日本の四季をデザインで表現しています)、聴覚はネーミングです(デザインとネーミングの組み合わせで、創造力を駆り立てられます)。文化は、その土地、その国にしか育ちません。他の場所に移植しても、その風土、気候、民族などが同条件で揃うわけがありません。文化は、絶対に真似できないのです。その真似できない文化を、自分の強みとして売りにできたら、世界で誰も真似のできない事業を展開することができます。文化の産業化。これは重要です。国を繁栄させます。フランスを見て下さい。経済力や国威はアメリカに勝てません。しかし、いつまでたっても国際社会での発言権は大きい。それは、食文化、ファッション文化を自国のものとして世界に広め、芸術の都といえばパリという世界常識を作ったからです。フランスでしか育たない文化を世界に見せつけることで、尊敬を常に勝ち取っているのです。日本人がフランスのブランド品を買ってしまうのは、ミーハーなだけではなく、そのブランドの背景にある、フランス文化に何らかの尊敬や憧憬を感じているからです。老舗は、はじめてそのカテゴリーを産業化した企業だったりします。そして単に自社の利益だけを追求するような愚の資本主義におぼれず、きちんとそのカテゴリーを文化と呼べるまで高めていれば、老舗はものスゴク強くなれます。尊敬されます。カステラ文化を作ったのは、長崎の福砂屋です。馬車文化からクルマ文化を作ったのは、メルセデスです。カバン文化は、ルイヴィトン。企業ばかりではありません。屋台文化といえば、福岡。懐石料理といえば、京都。文化。資本主義で株価ばかり気にしていると、あたかも大して価値がないように感じてしまう文化。文化に価値を感じなくなったら、それは相当な資本主義病です。老舗の持つ価値、その背景にある文化の価値、そして、我々の住む日本の価値に、そろそろ焦点を当ててもいい時代になってきたと思います!
2003.09.08
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以前「老舗がつぶれる」というタイトルの日記を書いたと思うのですが、今日は、タイトル的には反対の内容を書きます。(実は「老舗がつぶれる」の最後の方と話しはつながるんですけどね)「足袋の福助」という老舗は今年の春、再生法を申請しました。「足袋」とあるようにレッグウエアの老舗です。いろんな原因があると思うのですが、私は次のことが根底にあると思っています。それは、アウターウエアに手を出したこと。アウターはインナーと違って、その価値はデザインです。ヒトに見せるために着るのですから。なので、多額の金を払って優秀なデザイナーを雇います。福助はデザインをドメインとしていません。つまり、「着るもの」としては同じカテゴリーに見えたのですが、全く価値の違う領域に手を出してしまったわけです。去年、120周年ということで「新生フクスケ」というプロジェクトを立ち上げたそうです。その中には、アウターウエアの事業縮小が謳われていたそうですが・・・。ツクダといえばゲームの老舗。古くはダッコちゃん、ケロヨンシリーズ、ロングセラーとしてオセロ、ルービックキューブ、スライムなどがあります。しかし、今年、再生法を申請しました。ゲームは日々進化します。オセロは確かに不朽の名作です。しかし、パソコンでゲームができるようになり、パソコンで安価にオセロができるようになればわざわざオセロのボードゲームを買うヒトはいないわけです。ロングセラーという成功は、価値が変化していくことを忘れさせます。自社が強みとする領域で価値を、時代に合わせて提供し続けないと、ヒトはやがて離れて行きます。では、老舗、何が強みなのか?(ゴメンナサイ、時間がなくなってしまいました。後日、続きを書きます。このままでは「老舗がつぶれる②」というタイトルの方が似合ってしまいますもんね)
2003.09.05
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大企業には大企業の戦い方があります。例えば、大量生産によるコスト競争、営業活動におけるローラー作戦、圧倒的な資金による研究開発力・・など。一方、中小企業は中小企業の戦い方があります。例えば、エリアをぐっと絞って顧客とのリレーション強化、ハガキや対面による顧客とのコミュニケーションと信頼獲得、その信頼によって顧客が次の顧客を呼んできてくれる構造・・など。どちらも背反していて、共存できる関係です。睨み合う必要もないし、敵視する必要もない。自然と棲み分けができるものです。しかし、そこに両方のいいとこ取りができる存在がいます。それが大企業の支社です。大企業なので、中央のヒト、モノ、カネという資産を使えば、大胆な戦略を実践することができます。かつ、地方にいて所帯が小さいため、中小企業のような極め細やかな対応で攻めるような経営もできるのです。問題は、従業員のモラルです。大企業であるという変なプライドが邪魔をします。中小企業がやるような営業スタイルをやったことがないので、やる前から面倒に思ってしまったりします。そんなダラダラのモラルを改善すれば、大企業の支社はローカルでものスゴイ強い存在になれます。でもそんな大企業の支社がボコボコ出てきていないようにヒトのモラルを管理するのは、やはり相当ムズカシイようですね。
2003.09.04
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9月3日の日経新聞朝刊に「くるま第2世紀(上)」というコラムがありました。サブタイトルに「『日立自動車』復活」とあり、今やクルマの製造のうち、ハイブリッド車のモーターユニット、電動ブレーキ、制御用半導体などは日立のような電機メーカーが作っているという話が書かれてありました。そこで思ったのです。カテゴリーは意識一つで変えられる!と。つまり、クルマは運輸製造業と思うから、車メーカーしか車を作らないわけですが、クルマは電気製品である、とカテゴリーの認識を変えれば、日立や東芝がクルマを作っても構わないわけです!企業側の立場で言えば、自社の事業範囲の定義を変えれば、ものすごく新しいチャレンジができるようになる!というわけです。フィリップ・コトラー著「マーケティングコンセプト」の中に、IBMは自社を、パソコンハードメーカーと思っていたから、マイクロソフトの台頭に対して何もできなかった、とか、コカコーラは自社を、清涼飲料水メーカーと思っていたから、ミネラルウォーター市場で出遅れた、などと書かれてあります。結果論的なところはありますが、カテゴリーの考え方、事業範囲の定義の仕方をちょっと変えるだけで、会社を一瞬にして変貌させる可能性がある、という点で共感します!日本が変化して行くチャンス、まだまだありそうです!
2003.09.03
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政府による経済対策がピリッとしない。自民党総裁選も相変わらず派閥の論理だけで進めようとする人たちがいる。ダイエー再建も日産のような劇的さがない・・・。最近の新聞を賑わせている記事をみると、どうも保守的な日本人気質が見て取れます。日本人、変化を好まないようです。今までのやり方でうまくいっていたなら、それを繰り返したいようです。なぜ、日本人はそう思うのでしょう?それは日本人が島国の農耕民族だからなんですね。海があり外敵から守られている。そんな中で、土地をという固定資産をベースにした農耕を営んでいた。一度収穫がうまくいった土地は、きっと来年も豊作が期待できる。土地にしがみつく、同じことを繰り返す・・・。これに対し欧米は違います。狩猟民族ですから。基本的に、居留まったらダメなんです。その土地の獲物は食い尽くしていますから。次の土地へと変化していくことが「善」なわけです。こうしたDNAレベルでの違いが、現代の資本主義の中でも見え隠れしているのだと思います。日本人に変化を恐れなくなる時代はやってくるのでしょうか?
2003.09.02
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会社から遅い夏休みをいただいていて、ネットできない環境でバカンスしていました。本日復帰したのでまた書きます。しばらくお休みしていた言い訳です。ですが、本格稼動は明日以降(?)・・。
2003.09.01
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