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向こうで情報公開になってから、トレーラーとか見まくってすごく楽しみにしていた「バイクライダーズ(THE BIKERIDERS)」を観てきました。主演はオースティン・バトラー。トム・ハーディやノーマン・リーダスも出てます。みんなそれぞれ色気ダダ漏れなので、ああもう、全員好き…。ダニー・ライオンという写真家の「The Bikeriders」という写真集が着想元だそうで、実際に存在したバイク乗りの集団をベースにしたストーリーです。バイク好きのグループからバイク集団「ヴァンダルズ」に発展した彼らを率いるのがトム・ハーディ演じるジョニー。その中で異彩を放つ、誰とも群れない、歩くナイフみたいな男がオースティン・バトラー演じるベニー(これが超カッコいい)です。ベニーと出会って5週間で結婚するのがジョディ・カマー演じるキャシー。プライマ・フェイシィの人じゃんと終わってから気づきました。最初はカッコ良く、ちょっとだけアウトローな感じで、それでも仲間うちで楽しくやっていたヴァンダルズですが、どんどん組織が肥大化していくにつれ、ジョニーの手に負えなくなっていきます。狂信的な若者やベトナム帰りの荒くれ者が加わり、コントロールを失ったヴァンダルズがやがて暴力と犯罪に堕ちていく様子が描かれていくのは、まさに栄枯盛衰。ジョニーの姿にも重なります。そんな中でやはりベニーは異質。キャシーが評するように、彼には感情がありません。大して笑わないし、大して怒りもしないし、表情はほんのちょっとしか動かない。なのに彼の秘めた狂気が背中を見ているだけでも伝わってくるのは、オースティン・バトラーの凄さでしょうか。でも、彼が感情を動かしたのは、ジョニーがよそ者と少々穏やかならぬ雰囲気になった時(いきなりブチ切れて相手をぶん殴る)と、脚を切断するかもしれないと言われた時(バイクに乗れなくなるのは嫌だと泣く)と、ジョニーの死を聞いてシカゴに戻ってきた時(ひたすら無言で号泣)。え、ジョニーが好きすぎるの?と思った私は元・腐女子です。ごめんなさい。だって、キャシーもジョニーに向かって「ベニーは渡さない!」とか言っちゃうし…。ジョニーもベニーを後継者に指名したとき「I need you」って言っちゃうし、キスしちゃうの!?の勢いで距離が近づいてるし…・まあそれは置いておいて、ベニーとジョニーの関係性は、シンプルなようでけっこう複雑。ちょいとイカれたベニーに居場所を作ってくれたのはジョニー。きっとベニーもそれに感謝してる。でも、ベニーは誰にも頼られたくないし頼りたくないという少々困ったちゃん(カッコ良く言うなら孤高だけど)。だから、影響力の衰えを自覚したジョニーに「後継者になって欲しい」と頼られたとき、「俺の知ってるベニーはそんなんじゃない…」と失望してしまったのではないかと。そして行方をくらませる。本当に困った子です。ジョニーはベニーの狂気と若さをちょっと羨ましくも思ってるんじゃないかな。そしてやっぱり特別扱いしたい存在。でなきゃ、ベニーがボコボコにされたクラブを襲撃して火をつけたりしませんって。そういう人じゃないと思って観ていたので、あのシーンはちょっと驚きました。一方、キャシーはキャシーで、自分ならベニーを変えられると思っているし(そしてやっぱり平穏な生活をしたい)、そのためにはジョニーからら離れて欲しいと思っている。女ってそういうものなのよね、と独白するところは、思わずうなずきました。そうなんです。どんなにダメでも、自分なら変えられるかもしれないって思うんですよ、一度は。そんなものなんです、人を好きになるって。また脱線しそうになってますな。結局、ジョニーは若い新入りたち(一度加入を断わられたんだけど、どこか支部に潜り込んだらしい)の挑戦を受け、ナイフか拳かって言ったのにあっさりと拳銃でズドンとされ、命を落としてしまいます。その知らせを聞いたベニーはシカゴに戻ってきますが、家の前で座り込んだきり、号泣。このシーンはちょっと胸に来ます。ラストで語られるのは意外な展開。彼はキャシーとフロリダへ移住し、普通の修理工として働いています。キャシーは「私たちは幸せよ」と言って外にいるベニーを見やるのですが、そのベニーは、微笑を浮かべながらも、魂はどこかに行っているような目をしています。そして轟くバイクのエンジン音は、彼の頭の中で響いている音だったのでしょうか…。しかしバイカーファッションがカッコいい。みんなそれぞれベストをカスタムしているところにこだわりが出てるし、バイクに乗った瞬間いい顔になるんですよね。そして、バイクの話になるとさっきまで殴り合いしてた人たちが楽し気に話し込むところもいいなあ。そうそう、ノーマン・リーダスがファニーな役で出てます。いいですね。処刑人3はまだですか?とりとめのない感想ですが、私がいちばん印象に残ったのは、見終わって席を立った時に後ろを歩いていたお兄さんたちが、「ベニーってさ、カッコいいけど大泉洋に似てるよな!」「そうだよ、大泉洋だよ!」と興奮しながら話してたこと。笑そうだよね、オースティン・バトラーってカッコいいけど100%美形とはなんか違うと思ってた私のもやもやに、お兄さんたちが見事な回答をくださいました。
2024.12.01
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さて、10月の来日公演が最高すぎたKasabianですが、私は今回の「Happenings」が出るまで、かなり長いこと彼らの音楽から離れていました。私の知らないうちにアルバムが何枚も出て、知っていたのはトムミが脱退したってことだけ。ろくなファンではありませんが、一応ファンで居させてください。スエマニジョイントツアーの辺りから徐々に戻ってきたパッションの勢いで昨年末あたりに旧譜を買い漁ったときに、迷わず手に取ったのがこの「The Alchemist's Euphoria」でした。フロントマンがサージに変わり、どうなのかなと思ってはいましたが、それが全くの杞憂であったことを思い知らされた一枚です。冒頭の「Alchemist」が無性に私は好きなのですが、この歌詞はサージの思いのように聞こえてきてしまうからなのかもしれません。「in my head, I saw no way before, try to runaway, don't wanna wait no more」とか「after all we've got to let go of the things we fear」とか、なんだか胸に来るものがあるんですが、私だけでしょうか。ただ、そこからなだれ込む「Scripture」とか「Rocket Fuel」はもうKasabian節ですよね。ロックとダンスの最強の融合イコールKasabian。そんな感じ。「Alygatyr」もたまらん。「T.U.E」と「Stargazr」のエレクトロに振れたナンバーも彼らならではのアプローチ。これなんですよ、彼らの「踊れるロック」。ロックなのにいつの間にかトリップしてしまう中毒性。で、「Chemicals」のこの切なさ全開のメロディはいったい何なのかという話です。ものすごいキャッチー。なのに、胸がキュッとするほど切ない。しかも歌詞までしんどいほど辛い。なのに、懸命に前に向かって進もうとあがく彼らがいる。これが新生Kasabianの決意なのかと。悲壮なまでの覚悟を背負って行こうという思いさえ私には感じられて、ますます彼らを応援していかなきゃと思いましたよ。うーん、また彼らのライヴを観たい!ティムさんを…観たい…!!
2024.11.26
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ポール・メスカル&ペドロ・パスカル(語呂が良い)の勇姿を拝むために「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」を観てきました。マルクス・アウレリウスと聞くとひれ伏したくなる私は古代ローマ狂なもので、前作のワクワク感をそのまま背負って映画館へ赴いたわけです。前作のマキシマスもカッコ良かったけど、今回のルシアスは「超」カッコ良い!!ポール・メスカルが演じているというだけですでに私の中では5つ星ですが、彼がヒーローを演じるなんて、もうたまりません。あの筋肉!あのアクション!あの翳のある眼差し!アフターサンとか異人たちで見せたあの繊細さがありながらも、ムキムキマッチョでカリスマティックなルシアス、最初から最後まで見惚れっぱなしでした。マキシマスと同様、奴隷に落とされ、そこから這い上がる姿と仲間のグラディエーターたちを統率する風格には、もう参りますよ。ストーリーは前作の展開をほぼ踏襲した感じです。将軍アカシウスが指揮するローマ軍に妻を殺されたルシアス(当時はハンノという名前)は、ローマ軍の捕虜となり、奴隷商人マクリヌスに買われ、アカシウスへの復讐心を胸にグラディエーターの道へ…というところから始まります。前作の主人公・マキシマスが、マルクス・アウレリウスの娘で元恋人のルッシラとの間に密かにもうけていた息子が、彼です。ルッシラは前作の後、コモドゥスの姉ということで本来なら処罰されるところでしたが、将軍アカシウスの妻となり、安らぎの日々を送っていました。しかし、闘技場で見たグラディエーターが、命を救うためにローマの外に送り出した我が子・ルシアスだとすぐにわかった彼女は、堕落した皇帝ツインズ:ゲタ&カラカラに我慢ならなくなった夫アカシウスと共に、彼らを追い落とそうとするのですが…ペドロ・パスカル演じるアカシウスも「ザ・漢!」という感じで素敵でした。私はこういうローマ軍人が大好きなのですが、たいていの場合こういう真っ直ぐな人はローマのために散るってわかります。そうだよね、そうですよね…という思いで見てました。でも、将軍が先頭切って敵陣に斬り込んじゃダメです(笑)。強いからいいですけど。ルシウスの前に膝をついての最期は…もう…涙。デンゼル・ワシントンのマクリヌスっていったい何者なの?と公開前から思っていたんですが、こういう使い方なのか!と驚きました。アフリカ出身の皇帝・マクリヌスは実在しますが、これは彼がモデルですよね?あまりにもうまく行き過ぎな感じがしましたが、混乱期のローマだったらこういう話もあり得そう。白塗り皇帝ツインズのゲタ&カラカラ(史上最悪のローマ皇帝って言われてるひと)が、男も女もサルもはべらせ、頽廃とアホの極みを尽くした感じが非常に良かったです(笑)。前作のコモドゥスも白かったけど、今回のツインズはさらに白いし化粧も激しいし、コモドゥスみたいな絶望感とか全然なくて、どうなっても何にも思わない存在なのが、かえって妙な安心感(絶対最後はやられるだろっていう)を醸し出してくれました。ルッシラ様が変わらずお美しいのはため息モノ。立ち位置としては全然好きじゃありませんが(苦笑)、あの凛とした佇まいは見てるだけなら良い。彼女も可哀そうな人生だと思いますが、中途半端に国を引っ掻き回したわけですから、ああいう最期は仕方ない。ていうかルシアスがあっさりと「母上…」モードになってるのだけは不思議でしたが。いいけど。ラストは大団円的な感じになりますが、私は基本的に悲しく終わりたくないので、「ルシアス!万歳!」で良かったと思いました。この世界でのローマは、この後どうなったんでしょうね。余談ですが、この作品のプレミアでアンドリュー・スコットと再会したポールが、彼にがばっと抱きついてキャッキャしてるのが可愛かったです。ルシアス演じてた人とは思えない感じで。
2024.11.24
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久しぶりにJason Mrazの音を聴きました。昨年にリリースされていた彼の8th「Mysterycal Magical Rhythmical Radical Ride」(長い)。私は単純な人間なので、「We Sing. We Dance. We Steal Things.」が好きすぎたおかげで、これを超える彼のアルバムになかなか出会えないことにしびれを切らし、暗黒時代に突入したのも相まって、彼の音楽からすっかり遠ざかっていたのです。ただ、この1年ほどで取り戻した「やっぱ音楽が好きだわ」の情熱をyoutube探索に振り向けたおかげで、彼の「I Feel Like Dancing」のPVに行き当たることができました。そして、彼の変わらぬエンターテイナーっぷりにいたく感動して、ようやくこのアルバムを手に入れたのです。Jasonのダンスが超かわいい。そして、いつの間にか結婚して離婚して、ブロードウェイにも出ちゃって、何だかいろいろ驚きでした。そしてこのアルバム。めっちゃ好きです。プロデューサーが「We Sing~」のMartin Terefeだと知って納得でした。いつの間にかリズムを取ってしまうくらいダンサブルでポップ。ちょっとセクシーなところも彼っぽくていい。でも、「Pancakes & Butter」なんかのメロウなナンバーは甘すぎるほどにロマンチックで、ちょっとほろりとするくらい。私はJasonのこういう二面性が大好きなんです。ライヴで見せるキュートな姿も、すべてが見守りたい感じ。それに加えて、彼がこの曲たちに込めた詞が、なんだかとても私の心に刺さるんですね。基本的にJason Mrazの詞って私の知る限りではポジティヴ8.5割くらいだと思うんですが、そのポジティヴさが押しつけがましくなく、そして限りなく優しいんです。「やってみなよ?」とそっと背中を押してくれる感じに、ぎゅっと心をつかまれてしまうんです。しかもそれが、年を重ねてきた彼の言葉になると、妙に含蓄さえ感じてしまう。それはきっと私も年を取ったからなのでしょうが。若いころからずっと帽子がトレードマークの彼ですが、今も変わらず可愛いです。やっぱり、買ってないアルバムも聴いてみないとなあ…。
2024.11.17
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東京国際映画祭のオープニング作品にもなった「十一人の賊軍」を観てきました。個人的にこういう血沸き肉躍る、そして血も首も飛ぶチャンバラ、大好物です。今回はそれに加えて大砲とか爆弾とかも加わって、とにかく大興奮。たまらんです。10人の賊たちは、妻を暴行した新発田藩士を殺害した政(山田孝之)の他、放火や一家心中、密航、檀家の娘を手籠めにしたとか、筋金入りの辻斬りとか、もう何が何だかのメンツです。根っからの悪党っぽい奴もいるし、そうでもない奴もいるんですが、これがだんだん憎めなくなってくる。それぞれに持つ背景が短い時間の中でうっすらと匂わされたりするので、やっぱり賊軍に肩入れしたくなります。官軍との戦闘シーンは手に汗握る大迫力。音量もすさまじく、ちょっと驚くほどデカいので(笑)、観に行く方は心づもりを。そして、バタバタと人が斬られたり、爆発して肉片になったりします。でも私、こういう戦闘シーンこそ本気が感じられて大好きです。去年見た「首」もこれに近い感じ。仕掛けて、やられて、また仕掛けて…の流れで、やっぱり、「これ賊軍イケるんじゃない!?」と思わされてしまうと、もう作り手の術中にはまってますよね。でも、やっぱり、賊軍は賊軍なんです。砦を守り切ったたら無罪放免にしてやるなんて約束、権謀術数を弄する世界に生きる武士が守ると思いますか?そんなわけない。だから、ラストは想像通りの「そして誰もいなくなった」の空しさが…。賊軍に肩入れして観てしまうからこそ、新発田藩家老の溝口内匠(阿部サダヲ)の冷酷なやり方には腸が煮えくり返ります(苦笑)。ほら、まんまと乗せられてる。ただ、考えてみれば、彼も「藩のため」という大義に生きているからこその行動なんですよね。政は政で、庶民なりの「妻のため」に生きている。賊軍の指揮を執ることになった鷲尾兵士郎(仲野太賀)も、彼なりに「藩のため」に行動している。だからこそ、最期があまりにも悲しい…。ところで、賊軍は当初10人ですが。なんで「十一人の賊軍」なのかって、それは兵士郎の最後のセリフで「うわあああ…」となりますよ。あの瞬間はぞわぞわと、鳥肌が立つような感覚がありました。しかしそれにしても、仲野太賀さんの佇まいが「ザ・侍!」という風格で、素晴らしかったと思います。でも、私がいちばん萌えたのは「爺っつあん」です。最初の戦闘シーンから、「こいつ、ただの爺さんじゃない」という雰囲気アリアリだったんですが、最後の戦いっぷりが惚れ惚れするほど勇ましく、カッコ良かった。そこで明かされるのが、元・長州藩槍術師範だったという過去!そりゃカッコいいって…!爺っつあんを演じた本山力さんという方は、東映剣会に所属されているそうで。殺陣のプロですよね。ひとりだけ格が違う感じがしました。ずっとハラハラドキドキしっぱなしの映画ですが、最後に残る苦さを噛み締めつつ、エンドロールを見終えたのでした。面白かった!あ、玉木宏さんは目の保養でした。何をしても素敵。あと、ナダルはすぐわかりましたよ。緊迫してるんだけど、なんだか笑っちゃいました。
2024.11.12
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M・ナイト・シャマラン監督の「トラップ」を観てきました。予告がすごく気になっていて、友人には「口コミは微妙だよ」と釘を刺されはしたものの、やっぱり観なきゃ何も感想なんて言えないと思いまして。それにジョシュ・ハートネットが見たかった。娘・ライリーを連れて超人気アーティストのレディ・レイヴンのライブにやって来た消防士のクーパー(ジョシュ・ハートネット)。娘が喜んでいるのを嬉しく思う彼ですが、なんだか会場の様子が変。やたらといる警察官にそこら中にある監視カメラ。なんでこんなに…と思うクーパーですが、それはすべて、今日この場所に現れるという情報があった「ブッチャー」と呼ばれる連続殺人犯を捕らえるためだった…!3万人の観衆の中からただ1人を見つけることはできるのか!?で、簡単に言えばその「ブッチャー」はクーパーなんです。当然、そんな風には、当初は見えません。イジメで辛い思いをしている娘を気遣う優しいお父さん。しかもイケメン(当然)。なんですが、会場の異様な警備を察知した瞬間に、その目が殺人犯のものに変わります(実は「獲物」をひとり、隠れ家に拘束中。スマホで様子を監視してる)。何とか娘の目をごまかして逃げ道を探ろうと、いろんな手を使うんですが、それが実に鮮やかで巧妙!まさに息をするように嘘をつく男なんです。でも、こういう人、いるんですよね。息するように嘘をつくから、嘘をついてる自覚すらない人が。私の人生にもいました。そんなことを思い出してちょっと嫌な気分にもなりましたが、それはまあ置いておいて。さて、クーパーのやり口ですが、物販のスタッフに自分の好印象を刻んでおいてからのスタッフパス窃盗、そしてうまいこと警官から無線を盗み(あり得ないけどこれが上手く盗むんです)、警察の動きは彼に筒抜け。その後はレディ・レイヴンの楽屋に招待され(これもクーパーの嘘のおかげ)、そのまま会場脱出!と思いきや、今度はレディ・レイヴンとのヒリヒリするやり取りが…!レディ・レイヴンとの対決あたりから、心臓がドキドキしっぱなしでした。展開も目まぐるしく変わっていくので、「え!」「え!?」「ええーっ!!」の連続です。しかもラストは…こいつ、野に放たれちゃう感じですか?怖い、怖すぎる…!!レディ・レイヴンはM・ナイト・シャマランの娘であるサレカ・ナイト・シャマランが演じています。可愛い。劇中歌の作曲もパフォーマンスもすべて彼女によるもの。すごいですね。もうひとりの娘さんは「ウォッチャーズ」の監督してたはず。才能恵まれすぎ一家ですね。あと個人的にいちばんの見どころとして推したいのは、ラスト近くでなぜかシャツを脱いで上半身裸になるジョシュ・ハートネットです。目の保養です。カッコいいです。なぜあそこで脱がせたのかはよくわかりませんが、あれで星1個分くらい増しです。
2024.11.10
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公開からもう1ヶ月近く経ってしまいましたが、ようやく「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を観てきました。口コミをさっと見るに、評判は微妙のようでしたが…私にも、微妙でした。苦笑観終わっての感想が、「レディ・ガガは歌が上手いなあ」で終わってしまった…。いや、あの、予告編見てたら、ジョーカーがもっとはっちゃけると思っていたんです。あのひたすら笑ってるシーンとか、気持ち悪かったし。歌が多いって言うのは聞いていたので、驚きはしませんでしたが、それでもいかんせん、歌が多い。多すぎる。レディ・ガガいるからそうなのかもしれないけど、そんなに歌いらないです。でも、あの、誤解を恐れずに言えば、リー(レディ・ガガ)って必要でした…?あと、最後の爆破って…わかってますよ、わかってますけど…ナンデスカ?ジョーカーの内面を描くにしても、リーの頭のネジ飛んでる感じを描くにしても、ちょっと中途半端だったように私には思えました。多くを語らず察するのがクレバーな理解の仕方というところなのかもしれないけれど、何のためにリーが出てきたのか、いまだに私には理解できません。で、これ、続くんでしょうか。ベイビーに受け継がれるんでしょうか?エンディングで流れてる、ホアキンが歌ってる曲が一番良かったです。あれ、前情報なしでタワレコとかで試聴機入ってたら、買うと思う。
2024.11.05
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(↑この二人が可愛すぎる)六本木ミュージアムで開催されている「リヴ・フォーエヴァー オアシス 30周年特別展」に行ってきました。開催がアナウンスされてからすぐにチケットを取り、楽しみにしていました。入場直前に専用アプリをダウンロードすると、展示を見ながらそれに合わせたOasisの曲が流れるという仕組みです。これは容赦なくテンションが上がります。当然なのですが、入った瞬間から最後までOasisてんこ盛り。歴代バンドロゴの展示も興味深く、アルバムリリース順に直筆の歌詞とかツアーポスター、メンバーのインタビューもあって、もうずっとじっくり見まくりです。NMEや日本の音楽雑誌の表紙になった号がずらりと並んでいるのは壮観の一言でした。こちらは↓アウォードでもらった記念ディスクやトロフィー。多すぎ!個人的にいちばん面白かったのは、来日公演のときの旅程表です。ノートに手書き!時代を感じます。そして宿はオークラとか六本木プリンスだったんですね。これも興味深い。インタビューでノエル兄が、日本で初めて追っかけに遭遇してロックスターになったことを実感したよって言ってて、微笑ましかったです。で、六本木プリンスでMasterplan書いたって言ってたけど、本当かな…?↓こちらですそして外しちゃいけないのが、兄のギターと弟のタンバリン!↑これを頭にのっけたりくわえたりしてたんですかね?私はこのメンバーのOasisが好きなので、できればアンディとゲムには今度のツアーに加わって欲しいです。最近のゲムがポール師匠に瓜二つすぎてビビります。そういえばドンルクに言及なかったな~と展示を見終えようとしたところで、最後にありました。母に「これがイギリス国歌だよ」と冗談で言ったんですが、それ以来、母はこれが聞こえてくると「国歌ね!」と言うようになってしまいました。あの頃こんなだったよね、とか、あの頃は良かったなあとか、しみじみと回顧モードに浸っていた私ですが、彼らがシーンに帰還するのが現実になったことを思うと、やはりワクワクします。詰めかけたお客さんもなんだかみんな楽しそうで、私も嬉しい。笑で、最後の難関が物販コーナー…。買わないぞと事前に固めた決意はもろくも崩れ落ち、TONIGHT I’M A Rock ’N’ ROLL STARのロゴが入ったTシャツとか、バッヂとか、パンフなどなど、想定外のお金を落として帰ったわけであります。
2024.11.04
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2004年にファンクラブ限定でリリースされていた、Suedeのコンピレーション「see you in the next life...」ですが、2020年にレコードで再リリースされています。例によってSuedeのレコード収集をしているところなので、これもどうしても手に入れたい一枚でした。空けてみると、内袋に「THANKS FOR ALL YOUR LOVE. YOU ARE BEAUTIFUL」という兄さんからのメッセージがプリントされています。Suedeが活動を停止したまさにそのころのリリースですから、この短いメッセージに込められた思いが、泣けます。内容ですが、当初はファンクラブ限定のリリースでしたから、相当Suede好きなファンでないと面白くはないかも。side one1. she (strings)2. elaine paige (another no oneのデモ)3. la puissance live (the powerのフランス語ヴァージョン)4. lazy (demo)5. by the sea (acoustic version)6. indian strings (protocol demo)7. she's in fashion (protocol demo)「she」はSuedeにとっては相当お気に入りの曲みたいで、兄さんもしょっちゅうインタビューで挙げているし、確かにグラマラスで不穏でエロティックで、Suedeの名刺代わりの一曲でもあると思います。で、この凄く印象的なストリングスのアレンジを手掛けているのがCraig Armstrong。映画音楽やU2、Mogwai、Massive Attackなどとも共作している人です。ちなみに、The Blue Hourの「Invisible」もこの人がストリングスアレンジやってます。「elaine paige」は「another no one」のデモヴァージョン。少しテンポが速くて、電子音っぽい雰囲気が目立ちますが、これ、デモなのに泣けるんですけど…!私はこの曲がもともと大好きなので、こういうのが聴けるのがすごく嬉しいです。「the power」のフランス語ヴァージョンの「la puissaince」は、パリでのライヴ音源みたいです。収録されているのはほんの一部なので、最初のサビが終わったところでぶつ切りされちゃってますが、それにしても兄さんのフランス語、セクシー…!「lazy」のデモは他でも聴いているんですが、この「カーッ!」っていうビブラスラップみたいな合いの手が、なんか、笑えます(笑)。「by the sea」はアコースティックヴァージョン。もともとバラードなのでそれほど違和感はありませんが、よりライヴっぽい雰囲気で私は好きです(なんでも好き)。「indian strings」は原曲に割と近いかな?でも私、これが後のベスト盤に入るほどバンドが気に入ってる曲だと思ってませんでした。すいません。チャカポコいってるイントロがなんか好きですが。「she's in fashion」はよりダウナーで変態チックなアレンジですね。それにしても、ホントにHead Musicはニールの曲目白押しですな…。side two1. simon (demo)2. beautiful loser (parkgate demo)3. when the rain falls (stanbridge demo)4. untitled (stanbridge demo)5. attitude (mick jones remix)6. still life (strings)side twoはSuede後期の音源メインです。黒歴史にしたいところでしょうが、ファンクラブ向けにこうやって発表してくれただけでも御の字です。「simon」はdemoの時点ですでに完成形に近いでしょうか。やっぱりこの曲、好きですね…。こんなにストレートに美しくて悲しい調べ、たまりませんよ。いつかライヴで…やって…くれないですよね。うん。「beautiful loser」はAlexの曲。デモ音源ですが、やはりオリジナルにけっこう近いです。私は基本的にnew morning好きな人間なので、どの曲も割といいと思うんですが、けっこうがなってるギターがお気に入り。「when the rain falls」、これはかなり印象が違います!最初何の曲かわからなかったくらい。歌詞もだいぶ違いますね。これこそ本当にSuedeらしくないといえばらしくない一曲ですが、この後の彼らの挫折とか苦難とか、そこからの復活とかをすでに知っているからこそ、妙に胸に迫るものがあります。「untitled」は妙に気に入っていて、歌詞も一字一句ちゃんと覚えてるくらい。なのでこのデモでちょっと歌詞が違うのも気が付きました。でも改めて聴くと、Suedeっぽくは、ないですね(苦笑)。私が大好きな「crashed like a butterfly」の兄さんの歌い回しがちょっと違うので、そこは微妙。「attitude」はSuedeの当時のラストシングル。Matが作ってます。私はオリジナルヴァージョンは全く好みでないのですが、このMick Jones remixはハマりました。むしろこれをリリースすべきだったのではないかと思うくらいです。カッコいいです。大音量で聴きたい。「still life」はストリングス部分のみの収録なんですが、ふだんじっくり聴けないストリングスパートを聴き込むことができてすごく興味深い。これはThe Blue Hourのデラックスヴァイナルに入ってたインストヴァージョンにも共通するところで、ヴォーカルがない分他の音をじっくり聴けて、よりその曲が好きになるんですよね。デモ音源だけでこんなに楽しめるとは、自分がどんだけSuede好きなのかと再確認しました。
2024.10.28
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Suedeの2ndアルバム「Dog Man Star」が30周年ということで、「dog man star 30」というアニバーサリー盤がリリースされました。アートワークも少々異なり、Suedeのフォト関係には欠かせないPaul Kheraが手掛けています。Dinkedバージョンも出ていたのですが、私は予約開始日に出遅れ、手に入れられず…(涙)。なので、オリジナルのブラック・ヴァイナル2枚組を買いました。無念…。CDは3枚組のものが出ていますが、もう持っている音源ばかりだったので、ちょっと様子見です。CDのみにNME Flexiというのが入っていますが、インタビューとかメインですしネットでも聴けるので、無理して買うことはないかなあ。Dinkedを手に入れられなかったとはいえ、イギリスから届いたこれを開けるときのワクワク感といったらありませんでした。このデザイン、いいですねー!オリジナルのDog Man Starのジャケットも雰囲気がありますが、今回のものは潔くブラック基調で、窓のイエローとのコントラストが美しい。そこに横たわる人物の裸身もため息ものの美しさです。何度も聴いているうちに、このアルバムの中で好きな曲というものが変化してきました。当初はNew GenerationとかHeroine、The Powerなどキャッチーなものが好みだったのですが、今は断然Still Lifeです。荘厳すぎて毎回ぐっときます。この頃の兄さんの声の伸びが美しすぎますし、バーニーとの離別などのしんどい出来事も相まって、心を震わせますね。こちらはツアーフィルムというもので、Suedeのyoutubeで公開になっています。曲ごとのイメージPVっぽいのかな?じゃあ次はcoming upの30周年か…期待しちゃうぞ!
2024.10.26
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Manicsの新譜が来年の1月31日にリリースと!しかも今日はニッキーがリードヴォーカルを取る「Higing in Plain Sight」のPVも公開されました。若かりし彼らの古びた写真と、年を重ねた彼らの姿が交互に映され、その写真の中にはもちろんリッチーがいます。そして楽屋で物思いにふけるニッキーが、ふとメイクを始める。そこから衣装を選んでまとって、Manicsのニッキー・ワイアーが出来上がる。ニッキーのメイクは戦闘仕様。Manicsとして戦うための武器であり、彼を守る防具でもある。そんな印象を受けました。ラメとヒラヒラが素敵。来年にはUKツアーもするそうで。…てか、ロキノンソニックでは新曲やってくれるのでしょうか?期待しちゃいます。Manicsが新譜をリリース、となれば、次は…Suedeの番じゃないですか。いまレコーディングもやっているみたいなので、期待して期待して期待して(略)待っています。
2024.10.25
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Oasisの伝説のライヴ「LIVE AT KNEBWORTH1」の初日の方をフルライヴで公開するということで、再結成で熱も高まっているところのテンションのままに観に行ってきました。20万人って、やっぱりすごい人の量(笑)。後ろの人たち、音ちゃんと聞こえているんでしょうか。映像とはいえ、久しぶりに観るOasis。やっぱりリアムは兄ちゃんのギターが横にあってこそ。兄ちゃんの曲はリアムが歌ってこそ。というのをしみじみ感じました。1996年ということで、彼らの快進撃をそのままライヴにぶち込んだ感じの、誰にも止められない勢いのパフォーマンスは圧巻です。そしてセトリが最高です…!(下記参照)Acquieseceとか兄弟デュエットが懐かしい…そしてなぜかWhateverで涙ぐむ。Cast No Shadowの前に、盟友リチャード・アシュクロフト(私の神)に「頑張れ」とメッセージを送る兄、優しい…涙そして、そんなリチャード(神)が今回のOasis再結成ツアーでサポートをつとめるというんですから、ああもう、観に行ける人たちが羨ましすぎますよ…Wonderwallの始まる直前に、盛り上がる観客に「そういう曲じゃねえ」とツッコミを入れるとこがツボってしまい、しばらくニヤニヤ笑っていました。それからのノエル兄独り舞台のMasterplan~Don’t Look Back In Anger…たまりませんよ。最近のドンルクよりもさらっとこなすところも新鮮でした。ラスト2曲Champagne SupernovaとI Am The Warlusはジョン・スクワイアが登場です。ジョン…(ここでまた涙ぐむ)。ちょっとシャツがはだけていてお胸が見えそうなのがセクシーすぎて、涙が引っ込みました。でも、ジョンが入った途端にギターがバリバリにカッコ良くなるのはさすがだなあと。それにしても…若い!リアムもノエル兄も可愛いと思ってしまうのは、やはり私が年を重ねたからでしょうか。リアクションとかいちいち可愛い。自分が座ってた椅子をちゃんとお片付けする兄がめっちゃ可愛い。お客さんが10人いたかどうかというところだったので、私は好き勝手に頭を振ったりリズムを取ったりにやけたり、口パクで歌いながら観ていました。でも、前列の男の人の頭もめっちゃ動いていたので、親近感ましまし。だよね、身体が勝手に動いちゃうよね。こんなのを観てしまうと、再結成ライヴにぜひとも行きたくなります。日本は噂どおりなら来年の10月なのでしょうか。リアムとノエルはもちろん決定ですが、他のメンバーはどうなるのかなあ。ボーンヘッド?アンディ?ゲム?アラン・ホワイト?1.The Swamp Song2.Columbia3.Acquiesce4.Supersonic5.Hello6.Some Might Say7.Roll With It8.Slide Away9.Morning Glory10.Round Are Way (Incl. Up In The Sky)11.Cigarettes & Alcohol12.Whatever (Incl. Octopus’s Garden)13.Cast No Shadow14.Wonderwall15.The Masterplan16.Don’t Look Back In Anger17.My Big Mouth18.It’s Gettin’ Better (Man!!)19.Live Forever20.Champagne Supernova (With John Squire)21.I Am The Walrus (With John Squire)
2024.10.22
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巷で話題の「侍タイムスリッパー」を観てきました。ふだんなら10人いるかいないかのスクリーンが、この日はほぼ満席。メディアに取り上げられた影響力はすごいですね。私は主演の山口馬木也さんの顔が好きという不純な動機で観に行ったのですが…確か、この方を見たのは昼ドラだったはず。妙に「顔が好き…」と思ったことを覚えています。時は幕末。会津藩藩士・高坂新左衛門は、同輩と共に長州藩士・山形彦九郎を暗殺しようと闇夜で待ち伏せするのですが…斬り合いの最中、轟く雷鳴が!目覚めた高坂は、なんと現代の京都、しかも時代劇撮影所にタイムスリップしてしまったのでした。……っていう導入は「ありがちじゃない?」って思うのですが、それでも笑っちゃうんですよ。高坂が時代劇の撮影に乱入しちゃったり、時代のギャップにいちいちうろたえまくったりするところが。妙に順応が早すぎじゃない?と思っても、それが気にならないストーリーの展開の面白さ。いちいち笑いが挟まるのですが(高坂がお師匠に殺陣の指導をしてもらうところ、爆笑)、これはやっぱり関西的なノリ?でも、それがいいんです。ふっと場の空気を緩めてくれるところが、ね。で、高坂は武士の経験(笑)を生かして、撮影所の斬られ役としてデビューするんですが、やはりそこは演技が真に迫るものがあって、徐々に頭角を現していきます。そんなところで、名優・風見恭一郎が10年ぶりに時代劇にカムバックの報せが。しかも風見は敵役として高坂を直々に指名してきたのです。え、なんで!?この理由を書いちゃうとまさにネタバレになってしまうんですが、「そういうことかー!」と腑に落ちまくる。高坂と風見、二人にしかわからない思いがぶつかり合い、真剣を使って本気の試合として挑む最後のシーンは、これまでの軽妙な展開からは一転、見ているこちらも緊張してドキドキしまくりて、思わず息を止めて見入ってしまいました。ずっとバッグをぎゅっと抱えてました。苦笑山口さんと風見役の冨家ノリマサさんの殺陣の迫力は、久しぶりに時代劇で胸躍りました。暴れん坊将軍(映画本編での扱いに笑った)大好きだった私は、上様の殺陣を最初に観た小学生のときみたいに興奮しましたよ。ちょっとほろっときたのは、高坂がケーキを食べて「こんな美味い菓子をみんなが食べられるようになるとは、日本(ひのもと)は良い国になったのですな…」と泣くところ。それと、戊辰戦争後の会津藩の人々がどのような運命をたどったのか知り、静かに慟哭するところ。こういうシーンを挟みながら、ラストへとつなげていくわけですから、あの決闘は固唾をのんで見守ることになるんです。最後もちょっと笑いがあり、そして…お前もかー!!というところで終わります。侍が現代にタイムスリップなんてありそうなシナリオじゃない?と思った方。その思いを軽く飛び越えてくる面白さがあります。見ないのはもったいないです。本当に、これは面白かった!観に行けて良かったです。山口さん、やっぱりカッコいい…
2024.10.14
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10月9日、Zepp HanedaにてKasabianの12年ぶりの単独来日公演2日目に行ってきました。雨と風で心がくじけそうなくらいには寒かったです…。私が彼らを最後に観たのは2009年。なんと15年前…!その間に彼らはフロントマンの交代というとんでもない苦難を乗り越えてきたわけですが、今回実際にサージがヴォーカルを取るのを目の当たりにして、まったく何の違和感も覚えませんでした。サージ、あなたすごいよ。カッコ良すぎるよ。手からビーム出てたし。きっかり定刻(というよりもう少し早い)にスタートしたライヴ、冒頭は新譜からの「CALL」!すごいです、会場の熱気がすごいです…こんなに熱いの久しぶり…で、もう2曲目に「CLUB FOOT」です。もうやっちゃうの!?大丈夫!?と思いましたが、これは杞憂だったことが後になってわかります。これで会場のボルテージは最高潮。そしてこの勢いで最後まで突っ走ったんですから、Kasabianのすごさを実感しました。「EMPIRE」とかだったかな、みんなを座らせて、サビで一気にバースト(みんなジャンプ)!の流れは、ライヴに来て良かったなあと本当に実感した最高の瞬間でしたよ。サージがですね、前日はミカンネットか石鹸ネットかみたいな服着てたそうですが、この日は「Room Service」というロゴが入った白Tと、ピンストライプのトラウザー。そしてハイカットのピンクのスニーカー。おしゃれさんめ!イアンは前日に続き、違う柄の猫Tだった模様。クリスはバッシュみたいなごつい靴が良い。爽やか。私は、ロブ(ex-the Music)がサポメンとして参加しているのが何よりも感無量で。しかも彼の高音コーラスはKasabianの曲にドハマり。タコ踊りしてるのしか知らない私には、ギター弾いたりキーボード弾いたりいたり、パーカッションしたりしてる彼が眩しかったです…。楽しそうで良かった、本当に良かった。で、誰がいちばん素敵だったかというと…ティムでした。この方がこんなにカッコいいとは思わなかった!ニコニコの笑顔も、眼鏡も素敵!ギター構えてこっちを撃つみたいなカッコしてくれたときは、卒倒しそうでした。新旧織り交ぜたセットリストは、お休みタイムなどあるわけもなく、自発的に休まないととても最後までもちませんでした。何しても盛り上がる観衆。煽るサージ。さらに盛り上がる。サージ嬉しそう。みんなまた盛り上がる…のループでした。しょっちゅう「東京、今日マジ最高(意訳)」と言ってくれてて、ニコニコしてて可愛いサージ。「REASON IS TREASON」の「K・I・L・L!」をやれただけでこのライヴに来た甲斐があったというものですが、正味90分ほどのライヴの中にこれでもかというKasabian節を詰め込んだ、真っ向勝負の爽快な時間でした。最後の最後でクリスの手にタッチできたのでもう大満足です。セトリ撮らせてもらいました。私の渾身の(この程度で)一枚。妙にラブい二人。いい顔してますな、ティム!
2024.10.09
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今年前半に「A Matter of Time」が最高だったShed Sevenの、「Liquid Gold」です。これは過去の楽曲をアレンジしたもので、ストリングスやピアノをフィーチャーして、よりゴージャスで美しいサウンドになっています。Youtubeでちょこちょこ公開されていた楽曲を聴きながら楽しみに待っていたのですが、やっぱり期待を裏切らない…ていうか期待以上に素晴らしい。当然のようにまた全英1位を取りました。この勢いはホンモノだ…!私は彼らのアルバムを全部持っているわけではないし、シングルならわかるかなというところではあるんですが、このLiquid Gold、ひたすら泣かせにくるんです。Shed Sevenで泣けるとは思わなかった、正直。最初にYoutubeで先行で公開されてた「Devil in Your Shoes」なんて、もちろんメロディは同じなのに、なんでこんなにも印象が違うのかと思うほど。この詞も、彼らが歩んできた平坦ではない道筋を思うと、なんだか泣けてしまいます。聴き比べてみて思いましたが、Rickのヴォーカルが訴えかけてくる強さが違う。昔の声はやっぱり青くて、そこが良かったりもするけれど、今の声の力強さはすごい。進化してる…!「Getting Better」なんてPV見てるだけでこっちも笑顔になります。ファンの中をフツーに歩いてくるし、それをPVに使ってるってこと?テンションも上がりまくりです。「Speakeasy」とか「Disco Down」もなんだかとってもゴージャスでグルーヴ感半端なくて、で、やっぱりRickの声がいい。ライヴでも大合唱、まさに彼らのアンセム的な「Chasing Rainbows」の荘厳さといったら…。このアルバムのラストを飾るこの一曲で、ウルウルしっぱなしです。一度聴いたら覚えられるメロディと歌詞。どこか諦めたような、でもギラギラした思いを秘めた、野心的なのにこんなに美しいメロディの合わせ技は文句なしです。そしてこのヴァージョン最強です。より強調されたストリングスとバンドサウンドの完璧な融合。それにしてもRickはいつも後頭部の髪の毛がぴょこんとはねているんですが、おっさんのくせにそれが可愛いと思ってしまう…。若い頃はふつうに可愛い(おサルさんぽいけど)。
2024.10.05
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マブリーことマ・ドンソク主演の犯罪都市シリーズ最新作「犯罪都市 PUNISHMENT」を観てきました。今年前半に観た「犯罪都市 NO WAY OUT」の次作です。こんなに早くマブリーの新作を観られるなんて感激…!Suedeのソウル公演に行ったとき、ホテルでずっとこの映画の宣伝が流れてて、言葉はわからなかったんですがやっぱり笑えるしすごく楽しみにしていたんです。今回のマ・ソクトが相対するのは、ITを駆使したオンラインカジノ&薬物ビジネスで荒稼ぎをする悪党です。とはいっても、組織のトップはわりとあっさり退場なので、それに取って代わった元・国際傭兵のペク・チャンギが相手です。チャンギ、やばい人です。息するみたいに人を殺します。使うのはナイフ一本。なのに無敵。怖い。でもめっちゃ良い身体してます…目の保養です…相変わらずのコミカルな掛け合いで笑わせてくれる(IT用語には弱い)マブリーと、引き続き登場のイスがいい味出してます。チームの皆さんも健在で楽しいです。とどのつまりはマブリーの鉄拳ですべての片がつくわけですが、今回、チャンギをボッコボコにするマブリーがカッコいい。というのも、最初の犠牲者の母親が「息子を殺した奴を罰してください」という遺書を残して自殺してしまっていて、マブリーはその約束を守るために鉄拳を振るったんですね。素敵。熱い。マブリーは絶対にやられないという安心感が根底にあるので、もうスカッと爽快です。観終わってこんなに気持ちいいのも久しぶり。ありがとうマブリー!
2024.10.01
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先日、いまいちばん新譜が楽しみなバンドと言及したDeadletterの1stアルバム「Hysterical Strength」がやっと届きました。火事場の馬鹿力って日本語にしてしまうと変な感じがするので、そこは考えないようにしたいです。やっぱり、何度でも聴きたくなる一枚です。キャッチーとかポップとかとは無縁なんですが、この不穏さ無限大のリズミカルな音は、中毒性たっぷり。そして、サックスが本当にいい仕事をしています。これまで担当していたPoppyはおそらくバンドを離れてしまっているんですが、今は別のメンバーがいるみたいですね。VoのZacの声がまたいい響きをしています。冷たいのに熱を秘めた感じもあって、吐き捨てるように投げやりなときもあれば、力強く朗々と歌い上げるときもある。Talking Headsも引き合いに出されていますけど、アルバムに入ってない「Binge」とかそんな感じ。なんでアルバムに入っていないんでしょう。アルバムの話に戻りますが、1曲目の「Credit To Treason」からして、もう穏やかじゃない。踊るようなベースラインに寄り添うサックス、これだけでもうDeadletterの音。ホントにカッコいいんです、この曲。で、吐き出すようなヴォーカルですよ。暗さと艶を併せ持った、何とも言えず魅力的な声。最高。「It Flies」も暴れまくるサックスがカッコ良すぎます。そしてやはりMere Mortalが私的にはいちばん好きなトラック。冒頭のギターのカッティングからやられます。サックスが入ってきて、リズムセクションの跳ねまくる感じに不遜なヴォーカル。こんなにダークにワクワクさせてくれる曲、なかなか出会えません。それにしても、詞が非常に抽象的です。正直、わかんないとこの方が多いです。こう、何というか、うまく言葉で説明できないふわっとした感じでしかわかりません。ただ、いろんなことを突き付けられたような気がします。Mere Mortalとしての私、何をしたいんだい?
2024.09.28
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Fairground Attractionの36年ぶり(!)の新譜「Beautiful Happening」がついにリリースされました。先日の来日公演の際にBeautiful Happeningの4曲入りEPを手に入れていましたが、もちろんそこに収録されている曲も今回のアルバムには入っていますし、もちろん海外配信されてた「What's Wrong With The World?」もちゃんと入っています。そして冒頭を飾るのが「Beautiful Happening」。私がライヴで泣いた曲です。今回もまた泣いた(笑)。で、次の「Sing Anyway」に本当に泣かされるわけです。これはライヴでもやってましたが、詞を読むと、シンプルなのになんだか心に刺さるんです。エディの強さと優しさがまっすぐに伝わってきて、私もこういうふうになりたいって思いました。私は歌えないけれど、自分が誰なのか、自分がどこに行きたいのか、自分の意思をしっかり持っていたいな、と。いつ明けるかもわからない夜の暗闇の中は本当に不安だけれど、それでも、何とか頑張りたい。基本超ネガティヴな私にそう思わせてくれた、素敵な一曲です。そんなポジティヴなイメージを続けてくれるのが、「Learning To Swim」。とてもポップで、一度聴いたら耳に残る可愛らしいメロディです。「泳ぎを覚えるなら飛び込まなくちゃ」という歌詞に、ためらいばっかりじゃダメだなと思わされました。「Hey Little Brother」からのラスト4曲の流れは私的に最高。穏やかで、牧歌的で、心にじんわりとしみいるメロディしかありません。聴いていてこれほど心安らかになる音は、ここ最近出会っていません。EPにも入っていた「Lullaby For Irish Triplets」のメロディは、一日の終わりに聴いて、そのまま眠りに落ちていきたい。……でも、泣きそうになっちゃうので眠れないんですが。アルバム全体を通して感じるのは、穏やかで大きな愛です。この境地にたどり着けたらいいなと思います。難しいですが、それを目指して生きていきたいなと、分不相応な願いを抱いてしまいました。でも、少しだけでもそんな私の背中を押してくれる、素晴らしい一枚だと思います。
2024.09.22
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グレン・パウエル主演の「ヒットマン」を観てきました。韓国行きの飛行機の中で、一般公開よりも先に配信されていたんですが、なんせ行き先がソウルなのでとてもじゃないけどラストまで観るのが不可能。というわけでこの時は我慢したんです。大学で哲学を教えているゲイリーは、猫を愛するおひとり様エンジョイの「ちょっと冴えない」男。でも小銭を稼ぐために地元警察に協力していて、なんと裏の顔は「殺し屋」!殺し屋とはいっても、実際に殺してません。殺し屋の役を演じ、依頼者から明らかな殺人の意図を引き出したところで警察に引き渡す役なんです。見た目は冴えないし、何より顔立ちが人の印象に残らないという点で完璧なゲイリーは、様々な殺し屋に扮して次々と依頼者逮捕に貢献するのですが、夫に虐げられているマディソンという美女に出会ったことで彼の運命はとんでもない方向へ…。グレン・パウエルが演じるゲイリーの冴えなさは超一級品です。グレン・パウエルなのに超ダサい。髪型も変だし服も変。顔はグレン・パウエルなのに。でも、マディソンの依頼を受ける時の殺し屋「ロン」はまるで別人。超カッコいいし超セクシー。グレン・パウエルです。身体もめっちゃいい。何してもセクシーがダダ洩れ。俳優さんてほんとすごいんですね。こんなに変わっちゃうんですね。何が違うの?と友人と議論しましたが、つまりグレン・パウエルだからカッコいいってことだよね、と結論じゃない結論に至りました。でも、ラストは…そうなるの!?それでいいの!?まあ、そういうのもアリかもしれないけど…というところで、やや不完全燃焼というか、モヤモヤというか。友人の感想も同じでした。てか、猫は?猫は天寿を全うしたと思っていいんですよね?グレン・パウエルが演じる殺し屋の数はもっといまして、赤毛でかなり気持ち悪いサイコ野郎とか、南部のガラの悪さ全開な奴とか、ぱっと見超エリートビジネスマンとか、見るからに怪しい黒づくめの男とか、出てくるたびに笑っちゃうくらいハマっていました。
2024.09.17
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Starsailor、7年ぶりのアルバム「where the wild things grow」がリリースされました。もう出ないかなと思っていたところでのこういうニュースは、本当に嬉しい。プロデュースは前作に引き続き、Embraceのマクナマラ兄弟の弟・Richard McNamara。Starsailor+Embraceなんて、おいしすぎる組み合わせです。相変わらずのJames Walshの粘っこく歌い上げるヴォーカルが、何とも言えず激渋です。随所に差し込まれるファルセットも聞きほれます。期待にたがわぬStarsailorっぽさと、ライヴっぽいグルーヴ感のある曲(「heavyweight」とか「dead on the money」とか)がアクセントになっているように感じました。Embraceの初期を思わせる、ワイルドな音のような…?やはりプロデューサーの存在って音に出るのかななんて思っています。賛歌のようなコーラスが印象的なオープニングナンバー「into the wild」や、「after the rain」のあたたかい音も、どこかに野生や自然の雰囲気を感じさせてくれて、聴いていて本当に心地良い。「better times」とか、本当にベタでストレートに元気づけてくれる曲なんですが、このストレートな感じが最近なかなか見ない感じで胸に突き刺さりました。「顔をあげて、息をして。今よりずっといい時間が来るって希望が、そこにあるんだから」って。ありふれてると言われたらぐうの音も出ませんが、これを優しいメロディで歌い上げた直後に、まるで正反対のグルーヴィーなジャムセッションみたいなアウトロで終わるんです。だから普通じゃない。そこが良い。イギリスのバンドの中では少々地味目かなとも思いますが、夜にじっくりと浸りながら聴くのに最適。一瞬のインパクトはなくとも、聴き込んでいくほどにじわじわと味が出ます。凛とした佇まいを崩すことなく、彼ららしい説得力にあふれた美しいメロディの奔流に、内心「くうう~たまらん!」とニヤつく私です。
2024.09.16
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白状しますと、完全に参りました。恋をしました。大変です。一瞬の熱だと思って何度も何度も(エンドレス)聴いてみたんですが、やっぱり何度聴いても胸の奥底がキュッとするんです。ここ数年ロキノンからはまったく遠ざかっていましたが(だって過去インタビューの再録ばっかりだし新譜紹介は少ないしワクワク感ないし、ライヴレポも上っ面なぞっただけだし、すっかり骨抜かれた感じ)、何となく手に取ったときに、ちょっとだけ紹介されていたので、「Brigitte Calls Me Baby」というバンドの名前だけは覚えていました。で、先日タワレコ渋谷に行った際、お目当てのStarsailorの新譜をつかんで通り過ぎようとした試聴機の中にこのアルバム「THE FUTURE IS OUR WAY OUT」を見つけたのです。「Smithsの~」とか書いてあったキャプションに妙に目を引かれ、聴いてしまったのが運の尽き。久しぶりの、「なにこれ…好き…!!」の感覚でした。この甘くて切ないギター。そうですね、スミスっぽいですよね。それにこの朗々と歌い上げる芳醇なヴォーカルは何ですか?モズ様の薫りぷんぷんするじゃないですか。そして全体を通して漂う、どこか懐かしい雰囲気。一瞬、シナトラですか?プレスリーですか?みたいな伸びやかな部分もあって、もう私に買わない選択肢はありませんでした。しかしこのバンド、シカゴ出身なんですよね。それもまた驚きでした。なんでそこから出てきたの?しかも佇まいまで80’sっぽくて、もうツボでした。ジャケットデザインも最高。アルバムタイトルにもなっている「The Future Is Our Way Out」の出だしがいきなり「Now the end is here」という時点で、嫌いなわけがありません。No more life / dreams / seeing/ hearing/ hope と歌い上げながらも「Oh such a joke, such a cruel joke」で締める。たまりません。ひとりで悶えるくらいにはたまりません。私がどうしようもないほど好きでたまらない一曲が「I Wanna Die In The Suburbs」なんですが、「きみのガレージで死にたい」のに「ひとりで死にたくない」。つまりは「死ななきゃならないなら、きみと一緒に死にたい」んですって。試聴機でこれを聴いた瞬間にスミスの「There is a light~」が頭をよぎってしまって、ここからもう彼らの音に魅了されてしまったのです。一曲解説してたら日が暮れそうな勢いなのでやめておこうと思いますが、どの曲もポップで耳に残るメロディなのに、描かれる世界は微妙に捻じれて歪んだ愛の有り様。こういう重たい愛、大好きなんです。こういうので夢見ていたころがありました。それを想起させるから、余計に彼らの音が刺さるのかもしれません。歌詞がついていないのですが、ネットを漁り、自前で歌詞カード作りました。そんなことしたのSuede以来です。そしてアナログも欲しい。そして来日を切に求む。
2024.09.14
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今日はNTLiveで「Nye(ナイ~国民保健サービスの父)」を観てきました。イギリスの国民保健サービス「NHS」の設立に貢献した保健大臣・アナイリン・ベヴァンこと「ナイ」が主人公です。演じたのはマイケル・シーン。グッド・オーメンズのアジラフェルとかステージドの面白いおじさんだってことしか知らなかった私は、当然ですが、ずいぶん違う印象を受けました。声の出し方からすでに違うんですね…!手術を受けた後(たぶんガンなのかな?)、意識が朦朧とする中、ナイは幼少時からNHS設立までの自分の記憶を夢に見続けます。吃音がひどくて先生に折檻を受けたり、組合活動に奔走するせいで病気の父をかえりみることもせず、妹になじられたり。その後議員になるも、だいぶユニークなキャラクタのせい(あまりにも左なのです)で孤立したり。挙句の果てにはチャーチルにまでケンカを売る始末。NHSの構想も当初はまったく受け入れられず、また孤立しそうになりますが、起死回生の一手「妥協(compromise!!)」によって、大逆転でNHS設立が成功したのでした。しかし、夢から覚めた彼が見たのは、枕元で最期のお別れを告げて涙する親友と妻の姿。もうすでに彼の魂は肉体から抜け出る直前で、彼らに何の言葉も返すことはできません。そんな中、彼が最後に亡き父の手を取り、「ぼくはみんなを救えたかな?」と問いかけて終幕します。ここがね、不覚にも涙ぐみました。そんな予定はまったくなかったんですが、ここからカーテンコールまでずっとウルウルしたままでした。あの子犬みたいな目で言われたら泣くでしょう!ちょいちょい挟んでくる、くすりと笑えるジョークが場を和ませてくれますが、テーマは至って重いです。NHSがない時代、貧困層はろくな医療も受けられずに死んでいくだけ。それはナイの父もそうでした。そんなのはおかしい、という一念で立ち上がったナイの意思の強さ、というかとんでもない頑固さには感嘆の一言です。しかもそのエキセントリックなキャラを貫く。本当に信念を曲げない人です。妥協なんてものを一切しなかった彼が、最後の最後でついに「妥協」をしたおかげでNHSは船出することができたわけですが、ある意味、チャーチルとさんざん罵り合ったのは無駄ではなかったのかも。この舞台の上では。「compromise!」の連呼がものすごく印象的でした。嫌でもこの単語は覚える。笑
2024.09.10
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英語も完璧に読めないくせに買ったのがこちらです。Brett Anderson / Coal Black MorningsBrett Anderson / Afternoons with the Blinds Drawnブレ兄さんの自伝です。Coal Black Morningsは幼少時からSuedeがなんとか滑り出したころまで。Afternoons with the Blinds DrawnはSuedeがブレイクしてから解散までが綴られています。もちろん完全に意味を把握できているわけではありませんが、Coal Black Morningsはすごく興味深く、いかに彼の幼少時の環境がSuedeの世界観に影響しているのかがよくわかりました。ちょっと不思議な、エキセントリックな環境で育った兄さん、よくグレなかったね。笑 兄さんのパパは、ちょっと…あれですなあ…。イケメンではありましたが。でも、お母さんとの思い出とかお別れのパートは読んでて涙ぐんでしまいました。あの別れがあってのShe Still Leads Me Onなんだなとか。マットやサイモン、ジャスティーン、もちろんバーニーとの出会いとかも、知らないことが多かったので、それは食い入るように読みました。バンドがだんだんと勢いづいていくところは胸をワクワクさせてくれますし、あの頃は兄さんとバーニーも蜜月でしたねえ。ジャスティーンが抜けてからの方がより距離が縮まった、みたいなことが書いてあったような。(追記)a new morningの国内盤ボートラに入ってる「simon」ですが、これを読んでそのsimonが誰だったのかがようやくわかりました。ドラムのサイモンなわけないし…と思っていましたが、兄さんのお友達だったんですね。若くして自殺した?んだと思います。兄さんがお父さんの肩を借りてわんわん泣いたみたいな描写があって、ここも胸が痛かった…。Afternoons with the Blinds Drawnは現在進行中で読んでいるので、だいたい読んだらまた感想を書きたいと思います。でも先にニール加入のとこと脱退のとこだけ読んじゃった。悶えました。この2冊とSuedeがリリースしたDVD「The Insatiables Ones」を合わせると、Suedeのすべてがわかります。たぶん。さて、こちらはJane Savidgeという人が書いたSuedeのルポというのでしょうか。「Here They Come With Their Make Up On: Suede, Coming Up...And More Tales From Beyond The Wild Frontiers」と言う本。タイトル長い。主にcoming upに主に焦点を当てたものになっています。1曲ごとにどんなエピソードがあったのかとかが書いてあって、これがとても面白い。ただ、著者の個人的な出来事とかは、私には要らない(苦笑)。なので最初と中間はだいぶすっ飛ばしました。兄さんのパーティー三昧が垣間見られます。やりたい放題じゃん。笑しかし、兄さんの書いた方は単語が難しい。なので読みにくい。でも、これがブレット・アンダーソン節なんだろうなと妙に納得しながら読んでいます。
2024.09.07
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私は片付けというものが本当に苦手な人間なので、他人に部屋を見せることなどとてもできません。白状しますと、あまりにも散らかっているので少しは整理しようかと思ってごそごそしていたところ、記憶にない箱を発見。開けてみたら…なんと!Suedeのシングルがどっさり入っていました。そういえば、ちょこちょこ通販したり中古で買ったりしてたかも…。いやはや、宝の山でした。写真のシングルはほんの一部。これらはすべて日本盤で、帯付きのものもあります。このころはシングルもリリースされてたんだなあと、懐かしくもあり、現状に悲しくなったりもしました。何が良かったって、Electricityのシングルかな。B-sidesも収録されていて、ニール作詞作曲しかも歌ってるWaterlooが聴けます。そして、謎曲との誉れ高いImplement Yeah!も入ってる。Stay Togetherも日本盤あったんですね。いつ買ったのか思い出せない。実は密かに好きなinstant sunshine epもここにしまい込んでいました。他にも輸入盤いろいろありまして、北欧限定?のLet Goも買ってました。忘れてた。あと、Trashの紙ジャケみたいなやつも。兄さんの手書きプリントと思しき歌詞カードが入っていますが、どうやっても読めない。笑London Suede名義のcoming upもあって、映像コンテンツが入っているようなのですが、古すぎて今のPCには対応してない(泣)。その上、new morningツアーのパンフみたいなものまで発見し、掃除はそっちのけになりました。このパンフもなかなか面白くて、当時のみなさんのバンド・オブ・ザ・イヤーに軒並みThe Vinesが挙げられてるところも懐かしい。でもみんな字がお綺麗では、ない。読めない。そして兄さんの「What's your obsession?」の答えが「Pornographic Etchings」ですって。なに言ってるんでしょう。最近だと「息子!」って言ってるのに。マットが「朝起きていちばんにすることは?」の質問に「ネコをどかすこと」って答えてて笑いました。ちょっとだけ在籍してくれたアレックスの横顔が妙にキレイで、こりゃあニールのそっくりさんって言われるのもわかるかも、と思ったり。掃除は進みませんでしたが、収穫は十二分にあったお休みの午後でした。
2024.09.03
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Morrisseyが1993年にパリで行ったライヴ盤「Betthoven was deaf」がリマスターされて再発されました。先日友人とのランチついでにタワレコ渋谷に行ったら、Moz様がずらりと並んでいたので思わずお買い上げ。タワレコ限定のオレンジ・ヴァイナルです。見た目ポップでめちゃ可愛い。1993年のパリ公演のライヴ盤で、リマスターされてはじめてのリイシューだそうです。アートワークも一新されたということですが、当然ながら表も裏も中もMoz様一色。なんとも言えずチャーミングですよね、この方。ずっと眺めてニヤニヤしてます。さて、ソロでも素敵なモリッシー節が炸裂しておりまして、どれを聴いてもキュンキュンニヤニヤしてしまいます。どうしてこの人は人間の醜い部分をこんなにも的確に掴み出して、こんなに美しいメロディに乗せて朗々と歌い上げてしまうのでしょうか。彼の作曲パートナーたちの腕もホント凄いと思います。モリッシーの詞のどういうところが好きかって細かく言及してしまうと、私の人格がヤバい人みたいになっちゃうのであまり言いたくないですし、本当に痛いだけの人みたいで恥ずかしいんですが、もう、共感しかない。の一言です。(We Hate It When Our Friends Become Successfulとか。こんなこと、思ってても言えないでしょ)かと思えば、You're Gonna Need Someone On Your Sideとか(このイントロめちゃくちゃかっこいい→つまりマーク・ネヴィン最高)I Know It’s Gonna Happen Somedayの無尽蔵の優しさとか、泣かせに来てるとしか思えません。しんどい時に聴くと刺さりすぎて辛い。まあ、その一方でSuedeheadみたいな、キャッチーなのに超セクシー(と自分では思った→歌詞が)曲もあったりして、そんなところも好き。終始ニヤニヤしながら聴ける素敵なレコードです。
2024.08.30
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THE GREAT WAIT IS OVER.なんて力強い言葉!オアシス、再結成発表しましたね。昨日ちょうど、なんとはなしにツイッター開いたら、ちょうどノエルが投稿した30秒後くらいで。しかもその時聴いてたのがTimes Fliesだったものですから、最高のタイミング。電車の中だったんですが、思わず「うっ!」と言っちゃいました。まさか本当にこの日が来るとは…!でも、兄弟以外のメンバーはどうなるんでしょうか?嬉しいんですが、お願いだから日本公演が実現するまではケンカ別れしないでください。それしか言えない。彼らの日本での最後のライヴはフジロックで、私もグリーンステージで見ていましたが、その時のことはすごく覚えています。雨が降って、その中でフィナーレを迎えたあの瞬間は、何とも言えず美しかったなあ…。一瞬、マンチェスター行きを考えてしまいました。しかし、私にはSuede貯金をしなければいけない使命があるので…(いつ何が起こるかわからないので・笑)。噂の域を出ていませんが、KasabianとかPaul Heatonとかがサポートアクトに名前挙がっていますね。Kasabianはやりそう。無給でもやりそう。
2024.08.28
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今回のSuedeソウル公演で感じたこと。何がすごかったかって、韓国のファンの熱気です。私は二階席にいたので会場全体を一望できていたんですが、ちょっとこれは圧倒されるほどの熱量でした。バンドをメインに動画撮るのもいいけど、オーディエンス込みで残しておきたくなるほどでしたね(facebookとインスタには上げた)。シンガロングすさまじいし(どの曲やってもすごい反応)、アリーナなんてギュウギュウにお客さん入ってるし、これはもう、日本でやったライブと段違いな気が(正直、日本負けてる…!)。マットもTwitterでここ数年のライブの中でも最高!って言ってましたが、ホントそうだと思います。兄さんの自伝も韓国語版出てるし、いやもう韓国のファン熱すぎて愛が深すぎて、尊敬しかないです。そして、年代は幅広いのは当然なんですが、若い子もすごく多くて。超可愛い韓国女子が嬉しそうに待っている姿を見て、なんか羨ましくなりました。チケットに関しては、これが一番の懸念材料ではありました。ネットで決済しましたが、当日会場で引き換えのためパスポートと支払った証明持って来いということになっており、本当に大丈夫なの?と最後まで不安でした。でもちゃんと一枚一枚封筒に入れて用意してあって、スタッフさんも慣れた様子でパパっとチェックして、「はいどうぞ!」という感じで渡されて一安心。さて、私は今回の旅で金浦空港発着の便を利用したんですが、会場までも地下鉄一本で、アクセスという点では非常に便利でした。空港としてはとても小さいし、迷いようがないので楽と言えば楽。なので次は仁川を利用してみたいです。キャッシュレス化は日本よりもずっと進んでいる感じで、クレカ一枚あれば何とでもなりました。地下鉄だけt-moneyかWOWPASSがあれば、というところなのかなあ。そうそう、初めて飛行機のオンラインチェックインなるものを試してみましたが、あれは便利!そして機内食をベジタリアンミールに変えたんですが、特別食っていちばん最初に持ってきてくれるので、なんか得した気分でした。
2024.08.25
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Suedeのライヴ終演後、しぶとく待っていたら、スタッフさんたちがフェンスを持ってきて「そこに並んでろ!」みたいなことを言い出しました。ハングルなのでほとんどわからないんですが、「メンバーが来るけど、お見送りで、Hi!って言うだけな」みたいな意味合いだと思ってたんです。そしたら、黒くて大きなバンが停まったぞ…って、サイモンが出てきた!ハーイ、来てくれてありがとう!なんて非常にフランクなノリでサインを書いて…くれました…。オレンジっぽい髪にしててそれがカッコいい。サイズ感も小さくてなんか嬉しい。そして次は…なんだかいっぱい来た!マット・兄さん・リッチです。マット近くで見たらめっちゃイケオジです…素敵です…そしてその肩口から兄さんがひょいと顔を!出した!サイン書いてくれた!で、リッチがですね、すごくお優しい。笑私はBlue Hourのジャケにサインをもらってたんですが、黒いとこに書いちゃって、「ごめん!ここ黒いんだけど大丈夫?」と。まったく問題ありません。よく見れば気合いで見えますから。「このアルバム好きなんだね。楽しんでくれた?」と。や、優しい…!さて。最後に来ましたニール。私は固まってしまいました。同じ世界に存在する人だと思ってなくて、本当にいるんだ!というアホな感想で固まってたんです。なのでサインはもらえず、はっと我に返って撮った写真がこちら↓ぼやけていますが、まぎれもなくニールです。細いです。ビューティフルです。でも、この暑いのにライヴ中もずっとこのライダース着たままでした。汗はかかないんですか?シャンプーなに使ってるんですか?といつか聞いてみたい。で、この時彼もSee you soonって言ってたんで、やっぱりそう遠くないうちにまた来るのかな?と。…というわけで私のSuede in Seoulは最高の幕切れでした。ホテルに帰っても、飛行機に乗っても、羽田に着いても、なんだかふわふわとしていて、まるで夢を見ていたような気がしています。観光せず、お土産もほぼ買わず、お盆過ぎから引きずっている腹痛を抱えて体調は絶不調ながらも、行って良かったです。でも次はもうちょっと観光したいかな。セミの声がこっちで聞くのとちょっと違うような気がしました。それがいちばん覚えてるソウルの印象。
2024.08.24
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Suedeのライヴinソウル、1泊2日の強行軍で行ってきました。まさかちゃんとチケット取れるとは思わず。取っちゃったらもう行くしかないでしょ!の勢いで(2010年のRAHの時と一緒)、カムサハムニダとアンニョンハセヨしか言えないのに行ってきました。英語だけで何とかなりました。日本語表記のところも多くてありがたかった!宿に着いてからKBS Arenaの下見に行きましたが、炎天下を30分歩き続けたら気持ち悪くなった。苦笑でも先にチケットボックスの場所とか時間とか聞けたので、不安解消されてよかったです。待っている間、こないだのマニックスとのジョイントライヴのTシャツ着てた男子に話しかけたら、台湾から来たと言っていました。近いから行けるよね!の勢いで来たらしく、私とまったく同類。私は安全策を取って2階席にいましたが、非常に見晴らしが良くていい席でした。ホールもさほど広い感じでもなくてちょっと嬉しい。そして20時、ほぼ定刻きっかりに客電が落ちました。あ、2階は立たない仕様なんですね。なのでおとなしく座ってましたが、思いっきり歌えてそれはそれで良かったかも。TOYBAYはすっかりオープニングに定着しましたね。マットのベースがホントカッコいい!…と思って見てたら…のろのろと出てきましたよ、ブレ兄さん!もう最初からエネルギー全開です。気付いたらたぶん1曲目か2曲目で汗びっしょり(笑)Personality Disorderはニールのコーラスがいつもより大きくて良かった!叫ぶのもセクシー…この日はBest of Bestなセトリで、Trash・Animal Nitrate・Drownersの連打!喉が痛い。リチャードのギターがカッチョイイ。Nitrateのイントロはいつ聞いてもぞわぞわっとして妖しくてたまりません。私はこれまでSuedeのライヴを観たときって、ドラムセットがほぼ見えないくらいの位置ばかりだったんですが、今回はサイモンがすごく良く見えて、あらためて彼のドラムスが力強くていいなと思いました。Drownersのイントロが腹にビシバシ来る感じで。We Are The Pigsで思いっきりコーラスを合唱した後は、私が大好きなIt Starts And Ends With You!Bloodsportsはこの曲のためにあると勝手に思っているくらい好きで、Suedeの新たな出発を飾った一曲なので思い入れもひとしおです。そしてTOWICLYなんですが、兄さんが!客席に!…というのはいつものことなんですが、なんとどんどん登って行っちゃって、なんと2階席にご降臨。マイクのコード、長すぎ。周りの人たちは走って向こうに行っちゃった人もいました。それからのLife is Goldenは、私的にはこのライヴのハイライト。みんながスマホのライトを点けて振る様子が感極まるほど美しいし、しかも合唱の完成度高いし、私は涙ぐむくらいに感動してしまいました。ホールが明るくなるくらいのライトの多さで、これは韓国すごいなと思いました。次のNew Generationの合唱もホールに響き渡るほどでしたよ。Filmstarは相変わらずのグラマラスさで、私は座っているのに腰砕けでした。でもこれやるとCan’t Get Enoughはやらないことがあるんですよね…それが残念でもありましたが。さて、動き回りすぎてほぼステージに居ない兄さんのためなのか、2 of Usは兄さんお休みのために寝っ転がって歌ってます。あれだけ暴れてたら疲れるよね、そうだよね、お休みしてくださいと微笑ましく見守りました。そこでエネルギーを回復してからのSSLMOは、また兄さんのクネクネ&ジャンプが全開です。Shadow Selfの不思議なダンスが大好きです。フー!が冴えてた。すごい良く出てた。笑Everything Will Flowはまた兄さんが2階席に消えました。これも合唱が楽しすぎて、やっぱりライヴはいいなと実感する曲。私のベストソングです。The Wild Onesはリッチがアコギを持ち、兄さんと2人で演奏です。日本だと兄さん1人でしたから、やっぱりリッチのギターが見たかった&聞きたかったので感激…!ここからはラストに向けてたたみかけてきますね。So Young・Metal Mickey・Beautiful Ones。So Youngは兄さんお決まりのマイクパフォーマンスがばっちり決まっていました。本当に上手なんですよね…あのマイクを巻き付けるタイミング。ニールは間奏まで何もしないのが良い。間奏のピアノは人が変わったように指が動く動く。Beautiful Onesの半端ない一体感は、至福のひとときでした。あのグラマラスなイントロが流れた瞬間に突き上げてくる興奮は、他のどれとも比べられません。周りもみんな笑顔、下のもみくちゃな観客の様子も本当に幸せ。そして兄さんが何度も「Beautiful!」と言っていましたが、これこそビューティフルだよねと納得しました。アンコールがSaturday Night。日本では聞けなかったのでこれは嬉しい誤算。でも、これが流れ出すと、ああ終わっちゃうんだ、現実に戻らなきゃっていう思いがまずこみ上げてきて、ほろ苦いんです。でも好きなんですけど。で、また泣きそうになる。笑See you soon!と叫んで去って行った兄さんですが、本当にsoonで来るのかな?そしたら私、また行かないといけないじゃないですか。しかもこの後ニールもsoonって言ってたし…終演後は嬉しいサプライズがありましたが、長くなったので次の記事に。Turn Off Your Brain And YellPersonality DisorderTrashAnimal NitrateThe DrownersWe Are The PigsIt Starts And Ends with YouThe Only Way I Can Love YouLife Is GoldenNew GenerationFilmstar2 Of UsShe Still Leads Me OnShadow SelfEverything Will FlowThe Wild OnesSo YoungMetal MickeyBeautiful Ones----------------------Saturday Night
2024.08.24
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ギターを弾く姿が世界一カッコいいと私が思っている(個人的にクラドック兄貴と双璧)バニことBernard Bulterですが、先日「People Move On」のレコードがちょいとお値打ち価格で手に入るところを見つけて、2,3日迷ってやっぱりゲットしました。見てくださいこのジャケット。若い!細い!可愛い!裏側の写真も、内袋もカッコいい。オリジナルと違うところは、バニがヴォーカルを再録しているところです。なので、聴いてみるとだいぶ印象が違います。でも枯れ渋になったバニの声が好きなので、実はこっちの盤の方が好みだったりします。そしてやっぱりNot Aloneが好きすぎる…ギターをギュインギュインいわせて痙攣してるみたいにプレイする姿も好きなんですが、彼のゴージャスすぎるストリングスアレンジ、これがたまらないんですよ。歌詞も、相当強がってのI’m not aloneの叫びっぽいように私には聞こえてしまって、辛いのに好き。ラスト3曲、Stay~In Vain~I'm Tiredの流れはずっと胸を締め付けられて、いまだにキュンキュンしてしまうんです。Stayの優しさ、In Vainの空しさ、それで締めにI’m Tired。そりゃあI’m Tiredって言いたくなるよね、だってあなたこの頃ものすごい波乱万丈だったもんね、と妙に慰めたくなってしまうほど(とはいえブレ兄さんをボロクソ言ってたことはちょっと好きじゃない。苦笑)。それでも、In Vainの「人生の窓辺に座ってても、端から滑り落ちることなんか怖くない」なんてフレーズが耳に入ってきてしまうと、逆境に立ち向かおうとしている当時の彼の姿が重なって、ほろりとします。ずいぶん尖がってましたね。いまはだいぶ丸くなって、この頃の彼からは想像できないほどキュートなオジ様になりましたが、それもまた好きです。25年ぶりの新譜「Good Relief」を聴くと、必死に強がって自分の足で立ち上がろうとしていた彼が、もうしっかりと地に足をつけ、何にも脅かされることのない強い信念を築き上げたことが感じられます。
2024.08.17
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Travisの7th「Where You Stand」。先日のブックオフ戦利品の中の一枚です。Travis、好きだったんです。the Man WhoとかInvisible Bandとか、擦り切れるんじゃないかと思うくらい聴きまくっていました。フジロックでも見たし、実際に会えたダギーが素敵すぎて卒倒しそうになったくらい。あれは本当にカッコ良すぎました。ただ、Ode to J.Smithのあたりで「なんかちょっと違うな」と思ってから、遠ざかっていました。そして私のいわゆる暗黒時代に突入し、まったく聴くことがなくなっていたのです。そんな中でのブックオフでの思わぬ邂逅。だから、ちょっと怖かったんですよね。「やっぱりちょっと違う」って思っちゃったらどうしよう、そしたら今度こそTravis聴かなくなっちゃうなという思いがありまして。しかし、それが杞憂に過ぎなかったことは、1曲目の「Mother」を聴いた瞬間に確信しました。何だこれ、ちゃんとしっかりTravisじゃん。私が大好きだったころの音。インタールードのピアノが心の琴線を直撃して、思わず目が潤むくらい。そこから流れ込む「Moving」はこれぞTravis節。これを聴いて胸に広がった安堵感の大きさは、他の追随を許しません。そうなんです、私が彼らに求めてる音って、心の波をすーっと穏やかにしてくれる優しさ。この曲にはそれが全部詰まっているような気がしました。でも、対訳の「ずっとずっとずっと」が繰り返されるのはちょっと怖いです。そこまで忠実に訳さなくてもいいんじゃないか…苦笑アルバムタイトルにもなっている「Where You Stand」もいい。ほろ苦い歌詞なのに根底にたゆたうのはやっぱり優しさ。「Moving」と「Where You Stand」が私のベストトラックだなと思っていましたが、どっちもダギーが書いてます。なんか意外でしたが、嬉しい。しかもちょっと切ないような感じがたまらない「Different Room」も、イントロ数秒で恋に落ちる「On My Wall」もダギー作ですと!?私の耳はダギー専用かと錯覚するほどです。そしてボートラ3曲がこれまたどれも良い!国内盤で大正解。アルバムを通して感じる、清冽でひんやりとした雰囲気は、やはりTravisならではの音ですね。彼らの音は晩秋から冬にかけてがしっくりきます。晴れた早朝とか、日暮れ前とか最高。土手に座ってイヤホンぶっ込んでウルウルしながら聴きたい。ホントにやったら変な人だけど。そんなTravisも先日新譜が出ましたね。また欲しいものリストに追加されています。いっこうに減る気配がないんですが…このリスト…
2024.08.16
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最近ブックオフに行って中古を漁ったりすることがあるのですが、そこでの収穫がこちらです。JEWのSinglesと、Jebediahとのスプリット盤の2枚組。Singlesといっても、いろいろ調べたらB-sideってことでしょうか。存在は知っていましたが、なかなか手にする機会がなく。国内盤だと、1曲目にSweetnessのデモが入っているみたいですね。青いです。青すぎます。今の私には眩しすぎるほどに輝いていて、ヒリヒリしていて、粗削りで、これぞエモ。最近流行ったEmoとかじゃなくて、90年代後半くらいからの、あのエモです。1曲目の「Opener」のイントロとか、流れ出した途端に泣きそうになります。エモというと私の中での取っ掛かりはLast Days of Aprilなんですが、それを聴くようになったきっかけは、当時通い詰めていたアパレルショップで聴いたことでした。そこからその界隈のエモっぽいものを聴くようになり、その中にJEWもあったのです。だから、こういうヒリヒリした「ディス・イズ・エモ!」みたいな音を聴くと、否応なしに当時を思い出します。若かったなあ、あの頃はあの頃でそれなりに楽しかったなあ、とか。「Spangle」の静かなギターが流れ出すと、走馬灯のように当時がよみがえりました。こういう音が突き刺さりまくる時期って、あるんです。世界をヒネた目で見ていて、自分をわかってくれる人なんてそうそういやしないなんて思っちゃったりして、エモだけが自分の心に寄り添ってくれる、なんて信じてたりして。ちなみに2枚目は、JEWが3曲(No Sensitivityが入ってる)、Jebediahが3曲のスプリット盤です。実はこれがとても聴きやすくてむしろこっちをリピートしがち。Jebediahも再結成してからまだまだ頑張っているみたいですね。
2024.08.12
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Kasabianの8th「Happenings」。もう8枚目のアルバムになるんですね。Club Footの衝撃からいったい何年経ったのかと思うと、ちょっと恐ろしいです。私が音楽と断絶していた間に、トムミがバンドを去り、サージがヴォーカルを取るようになったKasabian。大丈夫なのかなと思いつつも音を聴くこともせずにいましたが、昨年末に前作を聴いてみて、「あ、これならカサビアン大丈夫でしょ」と思って(あとでブログの記事にしたい)、今回の新譜も期待していました。そして期待は裏切られることはありませんでした。「Call」とか「How Far Will You Go」なんかはまさにKasabianらしいエレクトロでリズミカルで重低音で、ライヴでも映えそうです。でも、私が気に入ったのは、ちょっと意外に思った「Come Back To Me Around」です。ディスコチックな音がなんだかとても魅力的。すごくメロディアスで美しいなと感じる一曲です。Kasabianの曲をカッコいいと思うことはあっても、美しいという感想を持ったことはあまりなかったんですが、この曲は美しい。詞も割とロマンチックな雰囲気で、それまで彼らの音を雰囲気だけで聴いていた私は、深く反省しております。その流れでいうと、「Darkest Lullaby」もそうなのかな。詞はすごく沈痛だし音はメロウだし…でもしっかりKasabianらしいダークなリズムが刻まれているのが、カッコ美しい。ラストナンバーの「Algorithms」も、これ本当にKasabianですか?と思ってしまいましたが、美しさ、優しさ、荘厳さが一気に押し寄せてきて、これライヴで聴いたら泣きそうです。力強いコーラスがまるで賛歌です。Kasabianで泣く日が来るとは思いませんでしたが、これは泣くと思う。Kasabianの音楽は、「踊れてトリップできて合唱できる激ロック」と勝手に決めている私ですが、この1枚はまさにそれでした。トムミがいなくても、彼らは大丈夫(そりゃあいたほうが良かったけど)。改めてそれを感じたアルバムです。10月には久しぶりの単独来日公演があります!もちろんチケット取りました。楽しみです。
2024.07.31
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個人的に、いまいちばんアルバムリリースを楽しみにしているバンドが、イースト・ロンドン発のDeadletterです。ポストパンクのカテゴリに入っているようなのですが、私はポストパンクっていまいちどんなものなのかよくわかりません。調べてみたけどさらによくわからなくなりました。なのでポストパンクという言葉は忘れようと思います。投げやりに言葉を叩きつけてくるヴォーカルが、だんだんと癖になります。そして後ろでクールにビートを刻む弦楽器隊とドラムス。そこに、実にイイ感じで艶やかさを添えるサックス。鋭く冷たく、硬質なサウンドは、聞いていて多幸感を得られるとかそういう類のものではありません。でも、このストイックな世界観には、とても引き付けられるものがあるんです。PVが軒並みモノトーンなとこもカッコいい。私が一番好きなのがこれ↓「Mere Mortal」割と軽快でポップ風味な↓「The Snitching Hour」これがいちばん最近公開になったPV↓「Relieved」ちなみに6人組の写真ですが、先日インスタで女性メンバーのPoppyが脱退するようなメッセージを見たような気が。彼女のサックスがけっこうサウンドの中でも効いてたので、残念ではあります。9月にアルバム「Hysterical Strength」がリリースされます。これは楽しみ。
2024.07.30
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アマプラ入ってて良かったなと心底思ったのが、今回のフジロックの配信です。しかも、私が見たかったKillers、ジザメリ、RIDE、ノエル兄にルー様。最高じゃないですか。特にジザメリ~RIDE~ノエルの流れなんて、UK好きには泣いてくださいって言ってるようなものです。キラーズに関してはすっかり忘れていて、途中から見ましたが、ワタルさんのドラム(激うま)に感動したり、ブランドンの変わらぬカッコよさに悶絶したりと、とても楽しめました。初日のトリがすでに最終日の大トリでもいいんじゃないかと思うほどの満足感。1st~3rdくらいまでしか聞いていない、大したことないファンですが、Mr.BrightsideとHumanはやっぱり最高でした。3日目はもう言うことなし。ルー様ことRufus Wainwright。本当にこの人の歌声は規格外です。画面越しでこれだけ伝わる神々しさ。年取ったなあとさすがに思いましたが、荘厳かつ壮大な彼の世界観は十分に伝わってきました。ハレルヤとかもう泣くしかないじゃないですか。キラキラしすぎなジャケットもルー様だから許せます。次はジザメリ。あの甘いのに鳴りまくるギターがいい。あの……ジムが可愛すぎるんですが。両手で終始マイクを持って歌い続ける姿に、失礼を承知で萌えてしまいました。ベースがプライマルのシモーヌさんでカッコ良かった。そしてやはりジムが可愛い。可愛らしく手をつないでデュエットしてたのは、ベス・ギボンズでいいんですよね?RIDEはたまらなかったです。あの場にいたら、もっとすごい音のシャワーを浴びることができたでしょうね。現地の方が本当に羨ましかったのはこのアクト。Peacesignで思わずPCの前でピースサインしました。Chelsea Girlとかなんですかあれは。そしてアンディはひたすらカッコいい。ノエル兄は、兄よりも後ろのハリボテ?ペップが映るたびに笑ってしまいました。せっかくいいとこなのにあれが映ると笑っちゃう。私はノエル兄ソロはあんまり聴いてない不届き者ですが、後半のOasisセットリストには、曲が始まるたびに頭を抱えてました。泣かせに来てるでしょ?WhateverにMasterplan、Little by Little、Stand By Me、Live Foreverで極めつけのドンルク。兄、カッコ良すぎです…!!!一時期、本気で3日目だけ行こうかと思ってたくらいのフジロックなので、まさかの見たいやつ全部配信は嬉しい誤算でした。アマプラに感謝。
2024.07.29
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アンドリュー・スコットがローレンス・オリヴィエ賞を受賞した「プレゼント・ラフター」をNTLiveで観てきました。2019年の作品ですが、再上映ということでこれは逃せん!ということで。3時間という長尺ながら、全然飽きなかったです。というのも、登場人物たちのマシンガンのような会話劇が面白過ぎるから。主演のアンドリュー・スコットがもちろんお目当てでした。チャーミングが大爆発していました。アフリカツアーを目前に控えた人気俳優のギャリーを中心に、元妻・リズや彼の躍進を支えてきたメンバー(+その夫)、秘書、お手伝いさんたちや行きずりの関係を持った若手女優とか彼のファン(?)のイカれた駆け出し劇作家などなど…みんながそれぞれに強烈な個性を発揮して、すさまじい化学反応で生み出される笑いがたまりませんでした。終始ニヤニヤしつつ、時に声を上げて笑っちゃいましたよ。アンドリュー演じるギャリーは、名誉欲とか虚栄心とかの塊な癖に誰も結局信じられなくて、誰に対しても演技してしまう。それがだんだんと暴かれていき、ラストに大爆発してしまいます。それにしてもこの人の「ニヤリ」と笑う顔の気持ち悪さ(いい意味です)が最高です。静と動の対比もすごいし、素面になった瞬間のすさまじい孤独感を目線や背中だけで語るってすごい。「ぼく、迷子なんだよ」とぽつりと呟くところの眼差しも、静かなのに強烈な印象。どこに行っても人気俳優として見られてしまい、本当の自分なんて誰も見てくれないし、自分でも本当の自分がなんなのかわからなくなりかけている。そんな皮肉も随所に散りばめられていて、これがスターの悲哀か…と。個人的には、無理やり押しかけてくる劇作家もどきのローランドがめちゃくちゃ面白かった!最初はギャリーを批判しているくせに、ギャリーが逆ギレした途端に恍惚とした表情になってしまって、それでこそあなたです!みたいな感じでもはやストーカーと化す(笑)。あと、設定がバイセクシャルになってる人が多くて、誰が誰と関係があるの!?と一瞬混乱しました。面白かったですけどね。ギャリーとジョーの妙に濃厚なキスシーンとか。あと、下心のある相手の家に押し掛けるためにやたらと「鍵を忘れた」っていうセリフが出てきて、これが常套句なのか!と納得してずっと笑ってました。ますますアンドリューが好きになってしまった次第です。
2024.07.24
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先日懐かしいtumblr界隈を徘徊していたら、それはそれはゴージャスでビューティフルなニールの笑顔が登場しまして、これはなんだと思ったら、Sky Artsで放送したらしいcoming upのドキュメンタリーの映像でした。あんなに笑顔の彼はあんまり見たことないです。Suedeのアルバムはこれですべて記事にすることになりますが、ラストは「coming up」を。無人島に持って行くならどの一枚?なんて聞かれたら、私は即答でこれを選びます。本当にダントツで好きで、何を聴いていても結局これに帰ります。バーニーの脱退という、バンド史上屈指の危機を乗り越え、華やかにシーンに帰還した彼らの代表作です。加入当時若干17歳のリチャード、そしてニールという2人のニュー・ボーイズと、ブレット・マット・サイモンの年長組が、凄まじい化学反応を起こした一枚だと思います。ニールのコーラスが入るようになったのも大きいと思いますね。あのコーラスは、何とも言えず、エロい。1st、2ndとはまったく異なるアプローチで、ポップに振れた彼らの音ですが、根底に流れる毒っ気やドラッグやエロさは変わっていません。私が彼らの曲の中でいちばん好きなtrash、ライヴ最高なfilmstarにbeautiful ones、ライヴでやってくれないけどこの頽廃感が実にsuedeチックなlazy、なんだかいつも感極まってしまうsaturday night。彼らを代表する曲がめいっぱい詰め込まれたこの一枚は、間違いなく、私の中で最強アルバムです。そして、ニールがバンドのソングライターとして「こいつ、やれるぞ」と周囲に思わしめたstarcrazy。ライヴではおなじみのsheも、suedeならではのねじくれて病んだ世界観がたまりません。ジャケットはJoy DivisionやNew Orderを手掛けていたピーター・サヴィル。この人相当ブレさんにほれ込んでいたみたいで、このあとhead musicも彼が手掛けます。そして私が存在を忘れていたデラックスヴァージョンには、B-sidesやデモ音源がこれでもかというほど詰め込まれています。デモ音源はけっこう楽しい。そしてB-sidesは…本当にね、彼らのB-sidesは素晴らしいんですよ。another no oneとか、泣いちゃいますよ。Suedeの描くガールズの典型。しかも愛すべき。europe is our playgroundのオリジナルヴァージョンが入ってて、一瞬、何の曲かわからなかった(苦笑)。声が好き嫌い分かれるのは事実だと思います。でも、これがハマると抜け出せなくなるんですね…。ライヴの動きが変だと言われるのも事実です。今は多少マシかもしれない。でも、これも、ハマると目がハートになっちゃうくらい抜け出せなくなるんです…。
2024.07.14
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これも私の暗黒時代にあった話ですが、SuedeがDog Man Starリリース20周年記念でロイヤル・アルバート・ホールで行ったライヴの模様が収録された、いわば最強ヴァイナルが2015年にリリースされておりました。CDのみでもリリースあったみたいなのですが、そこは今、私の欲がリミッターを振り切っているので、どうしてもレコードが欲しくて。タワレコに在庫があるようなので、電話してみたら、店員さんが「マイク振り回してるやつですよね!」とジャケットの説明をしてくれたので、思わず笑ってしまいました。さて、届きましたが、ものすごく重いです。配送にしてもらって良かった。内容は4LP+2CDに加えて、実にカッチョイイ写真がおさめられたブックレット付です。バーニー在籍時のアルバムを、バーニーのいない彼らが再現するのってどうなのかなと思いましたが、そんなもの杞憂です。というか私はリッチのギターも好きなのでむしろ大歓迎。しかもそこにニール加わってるんですから、言うことないです。また、このライヴではサックスやストリングスが加わっています。彼らのライヴでは実にレア。最初の2LPは、Dog Man Starの再現です。再結成した勢いとバンドとしての円熟味が合わさって、なんだかもう凄いとしか言いようがない。語彙力乏しいので申し訳ないですが、このライヴは、凄い。やはり場所が彼らにとっての大きな節目となってきたロイヤル・アルバート・ホールですから、気合の入りようも違ったのでしょうね。new generationはお客さんの盛り上がりっぷりも聞こえてきて、こちらもテンションが上がります。こないだマンチェスターのライヴではやったみたいなのですが、Hollywood Lifeの力強さったらもうもうもう!昔の兄さんの声は若い艶やかさがありましたが、40代超えた兄さんの、まさに年の功的な安定の声で歌われるのもいいですね。2 of usは、けっこう最近になって個人的に前より好きになった曲。割とライヴでやってます。ニールのピアノのタッチが優しくていいな、と。バーニーのピアノは、感情の塊って感じなので、二人のスタイルはずいぶん違うと思います。その流れのblack or blueも美しい…。the asphalt worldからのstill lifeは、もう恍惚の域です。次の2LPはアンコールでやったらしく(でも1時間くらいある)、ヒットパレード+α的なもの。ライヴでおなじみのナンバーはもちろんですが、my dark starやwhipsnade、together、そしてなんとstay togetherもあり…dog man starの世界観とつながるナンバーもセレクトされています。Bloodsportsからのit starts and ends with youとかもあるので、このアルバムがお気に入りの私には嬉しいです。文句なく素晴らしいライヴですが、改めて、バーナード・バトラーという人の才能を再実感した次第でもあります。彼はそこにいないのに、いまだにバンドに影響力を及ぼしているという…。けれど、彼の残した曲を、新たに加入した当時のNew Boysたちと兄さん・マット・サイモンでさらなる高みへと引き上げた、記念碑的なライヴなのだなと思いました。すごいね、本当に。
2024.07.13
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Suedeのオフィシャルストアがクローズすることになったらしくて(Townsend Musicに移行するらしい)、なんだかいろいろ投げ売り状態になっていたので、思わずポチっとしたのが、The Insatiable Onesのポスター。セールになっていたこともありますが、本体より送料の方が3倍くらいした(苦笑)。とはいえ、すごく厳重に梱包されて届いたので、こりゃあ送料も高いよなと納得です。ただ…想像以上に大きい。貼るつもりないけど、貼る場所もない。↑のポスターは、TrashのPVですね。若かりしマットの横顔が麗しい。ぼやけてるけど、兄さんが顔面最強だったころの美しさも伝わってきます。そして、↓のポスターがどうしても欲しくて。だって、リッチ(痩せてるとき)+王子様チックなニール+兄さんのお尻ですよ。しかも王子の指めっちゃキレイ…。今も眺めてにやけています。で、もうひとつ頼んだのが、兄さんソロのときのTシャツです。分かる人には分かるけど、知らない人はなんも分からないというところがミソです。Suedeの韓国ライヴに着て行こうかな。でも、マニックスとのコラボTも捨てがたい。そしてTeenage Cancer TrustのTシャツも着たい。そんなことで迷うなんて、なんてお気楽なんでしょうか。舞い上がっているだけです。本当に。
2024.07.05
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7月2日、ヒューリックホール東京にてFairground Attractionのライヴを観に行ってきました。私は彼らのリアルタイムを知りません。大人になってから兄に教えてもらったEddi Readerが入口でした。けれど、EddiのライヴでPerfectを初めて聴いたとき、初めてなのに泣いたんです。なんだかすごく心が震えたんです。それから何度か彼女のライヴに足を運び、CDを買いそろえていましたが……まさかのFairground Attractionの再結成のニュース!BBCとか動画見ましたよ。EddiとMarkが仲良く出ていて、しかもyoutubeに新曲もアップされていて、嘘じゃないと確信したときにはひとりで祭りでした。チケットが取れたのは、本当に運が良かったのですね。ところが、この日はなんと、ドラムスのRoyが体調不良により不参加!驚きましたけれど、他のメンバーがそれでもライヴを決行してくれたことを本当にありがたく感じました(ちなみに今日のRoyさんは復活してる模様)。定時を少し回ったところでメンバーが登場です。ただ、私は立つ気満々だったんですが、立たない仕様だったようで……おとなしく座ったままでいることにしました。それにしても……なんでこんなに涙が出てくるのでしょうか。私、最初からハンカチ必要でした。Eddiが!すごくチャーミング!ニコニコしながらダンスし、聴衆を歌わせ、そしてその素晴らしい歌声。時々Royさんのいないドラムをいじくってみたり、本当に可愛い。ドレスも綺麗。Markと可愛いダンスしてたのも微笑ましかったです。Royの不在は残念でしたが、その分、お客さんとの一体感は半端なかったと思います。みんなあったかい拍手でリズムを取って、それがドラムの代わりでした。曲の後の鳴りやまない拍手にEddiがちょっと泣いちゃう場面もあって、私もまた泣く(笑)。本当はメンバーもとても不安だったのかなと思います。そりゃあそうですよね、大事な1ピースが欠けた状態で、35年ぶりに自分たちを楽しみに詰めかけてくれたお客さんをがっかりさせたくないとすごく気張っていたのでしょう。Find My LoveとかClareとかもうなんでもどれでもいちいち感動。そしていちいち涙ぐむ自分。Perfectは……もちろんパーフェクトでした!みんなニコニコで大合唱。気持ち良かった!Commedy WaltzはちょこっとEddiが歌ってくれて、それも感動的だったし、Allelujahで感動は最高潮!で、また泣く。これで終わりかと思って帰り始めるお客さんがいる中、しぶとく残って拍手を続ける(私もです)人たちのおかげか、まさかのトリプルアンコールでEddiが登場!「ボーイズはもう寝るんだって」とか、タバコを吸うジェスチャーをして見せたりしながら、彼女が弾き語りで歌ってくれたのはWhispers。残っててよかった…!新曲のWhat's Wrong with the World?もBeautiful Happeningも、新曲とは思えない雰囲気で馴染んでいたと思います。私はこのBeautiful Happeningをyoutubeで聴いたときから、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような思いがしていて…実は今回いちばん泣いたのはこの曲です。彼らの再結成、そして来日公演と、それらがすべて、私にとってのBeautiful Happeningでした。彼らが日本を大事に思ってくれていることが伝わるライヴでした。それは、この日手に入れたEPもそうです。これは日本限定みたいで、Beautiful Happeningを始め、4曲すべてが新曲です。可愛らしいクリアピンクのヴァイナル。サインの入ったシートもついています。嬉しすぎる!これからも元気に(これがいちばん大事)活動を続けていってくれたらいいな。
2024.07.03
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公開前からずっと、これは観てみたいと思っていたのが「フィリップ」です。原作となった小説は、母国ポーランドでは長らく発禁処分となっていたとか。この日なぜか観客は私ひとりでした…なぜだ!ユダヤ人であるフィリップは、ナチスによって両親や兄弟、婚約者を一度に惨殺されてしまいます。ここまで体感1分。あっという間に彼がどん底に突き落とされます。その後彼はフランス人と偽り、なんとフランクフルトのホテルで働き始めました。なぜ彼がそんなことをしているのかというと…その美貌と肉体をもって、ナチス将校の妻たちを次々と誘惑し、寝取るため。そして寝取った後は、「お前の夫は戦場で死ぬ」とか、「その老いた身体を抱いてくれるやつなどもういない」とか、呪いのような言葉を吐いて彼女たちを捨て去ります。愛など微塵もないセックスシーンが強烈です。当時のドイツは、ドイツ人女性は外国人と交わることを禁じられていたそうです。そのため、フィリップとの関係を公に口にできない彼女たちは、黙り込むしかないわけです。そうやって、間接的に復讐を果たそうとしているのが、彼なのです。あまりにも孤独。そんな中で彼はリザというドイツ人女性と出会います。彼女は今までに出会った女性とは違い、純粋で、真っ直ぐで、彼の凍り付いた心を溶かしていくのですが……。フィリップを演じたエリック・クルム・ジュニアの狂気は、圧巻でした。激情を解放するかのように、夜中にホテルのホールで走り回ったり転げまわったり、まるで前衛芸術のように踊る彼の姿は、言葉こそなくても、こちらに強く訴えかけてくるものがありました。特に、親友を無残にもナチスに殺された後のシーンは、彼の慟哭が痛すぎて、直視できないほどでした。その前にも、同僚を目の前で絞首刑にされていて、彼だけは目を閉じることなくそれを見ているんです。もちろん、家族と婚約者が次々と射殺されていく様子も見ているわけですから、彼の精神が崩壊しない方が無理という話です。ぱっと見はそこまで美男子に見えないんですが、内側から匂い立つ何かが、彼を凄まじい美しさに仕立て上げています。おそらくそれは彼の背負う孤独や狂気なのでしょうが、くらくらするほど美しい。ナチスに殴られて、顔に傷を負ってからの方が、さらに美しいのです。結局、彼はリザとの愛を選ぶ直前で親友の死に直面し、復讐の鬼と化してしまいます。ナチス関係者のパーティーで、ダンスに興じる彼らを、密かに手に入れた拳銃でまるでスナイパーのごとく射殺していくときのあの横顔!そしてそこから身を翻し、人波に紛れてパリ行きの列車に乗り込む彼の背中が漂わせる孤独と言ったら…その後、彼はどうなったのでしょうか。リザが彼に「あなたには幸せになって欲しい」みたいな感じのことを言うシーンがあるのですが、彼は幸せになれたのでしょうか。心を引き裂かれた彼がどこに行きついたのか、その魂が平穏を迎えられることを願ってやみません。
2024.06.30
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Suedeがソウルでライヴやりますよ。行ってきます!たぶん大丈夫。だと思う。
2024.06.24
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いまさらのいまさらのいまさらで、いまさら何言ってんだというところですが、私の初めてのBlack Keysです。Black Keysという名前はずっと知っていたけれど、なぜか耳に入れることもなく通り過ぎてきていたのはなぜなのか、いまだにわかりません。何が私を避けさせていたのかも、全然わかりません。そしてなぜこれをリアルタイムで聴かなかったのか、当時の自分をちょっと叱りたい。ただ、これをディスクユニオンの棚でなんとなく手に取ったこないだの自分をほめたい。「El Camino」は彼らの7枚目のアルバムです。徹頭徹尾、ロックです。歪んだギターと乾いたドラムスの竜巻のようなグルーヴで押し切るこの熱量。だけどメロディのそこかしこに感じる歌心というか、哀愁めいたものが、ブルースなのでしょうか。私にはそれを語れるほどの知識がありませんが、なんだか単なるロックという言葉で片付けられないものがあるように感じます。ヴォーカル&ギターとドラムスの2人組というと、White Stripesを思い出しますが、私はちょっと声が苦手で…。その点、Black Keysの声は私の耳に何の違和感もなく馴染みます。だから余計に気に入ったのかもしれません。これを大音量で聴きながら車をかっ飛ばすと、非常に爽快です。
2024.06.22
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「マッドマックス:フュリオサ」は、2時間半の長尺をまったく感じさせず、超弩級のアクションと、フュリオサがなぜああいうキャラクターになったのかをストーリーに詰め込んでいました。お腹いっぱいになるけれど、前作とのつながりを発見して理解するごとに、どんどん面白くなっていきましたね。なぜフュリオサが義手なのか。どうして彼女が警護隊長になれたのか。彼女が生まれた緑の地とは、なんだったのか。アニャ・テイラー・ジョイの細さが、もうおばちゃん目線で「大丈夫なの!?そんなにか細いのに…涙」みたいな感じで見てしまいましたが。多くの悲劇を目を見開いたまま見てきた彼女だから持つ、強さと絶望と果てしない怒りと憎しみが、少ないセリフと仕草にあふれています。しかしそれにしても、アクションがカッコいい。スナイパーっぷり(ママ譲り)を発揮するシーンとか、「いけ!やれ!」と拳を握りしめるくらいには、興奮しました。ディメンタスがクリス・ヘムズワースなので、なんか勝手にいい人になるんじゃないかと思ってしまう(笑)。でもいい人じゃなかったです。そしてその最期は……ああ、そういうやり方もあるんですか!とね。そしてジャック(トム・バーク)…いい男すぎる!そしていい男の宿命は…(涙)…でした。怒りのデス・ロードを観た人はみんな観に行くとは思いますが、ぜひ、観て!と宣伝して歩きたい。
2024.06.18
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Suedeの「love and poison」です。1993年のブリクストン・アカデミーでのライヴ盤。昔はこれ、VHSしかなかったはず…と思うのですが、アルバムのデラックスエディションに丸ごと入ってるし、レコードも出てるし。希少価値は薄れましたが、こうした音源に気軽にアクセスできるようになったことは、ファンとしてはやはり嬉しい限りです。レコードストアデイ限定のアナログだと、クリアヴァイナル仕様になってます。いきなり最初が「The Next Life」で来るのでびっくりしますが、やはりこの曲は美しい。そしてブレ兄さんのファルセットがこのころは最強です。透明感ありすぎて本当にあの世に行きそうです。当然なのですが、Suedeの1st期の曲しか入ってません。バニ信者は全員悶え死ぬこと請けあいです。好き勝手するギターが炸裂しています。少し粗い感じなのも若さダダ洩れでいいと思います。ずーっと強いタッチのまま弾き続けるThe Next Lifeも好き。このライヴは1993年のものだけれど、音をリマスターしていることもあってか、この頃の彼らの勢いがハイクオリティな音で迫って来るので、本当に恐ろしいほどぞくぞくします。MovingとNitrateの流れ最高。Movingとかライヴで聴きたいなあ…。そして、Painted Peopleがこんなにライヴ映えすると思わなかったです。再発見でした。Suedeは韓国でのライヴが決定したとのこと。いいなあ。
2024.06.17
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今日は、栃木県交響楽団の定期演奏会に行ってきました。ふだんの私ならまず行かない類のコンサートではありますが、行けなくなった叔母の代理ということで。一度だけ、子供のころ観に行ったことはあるんですけれどね。でも、私は中・高と吹奏楽部にいたので、割とこういう演奏会、興味があったんです。今日の演目は、ガーシュウィン:パリのアメリカ人チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23シューマン:交響曲第2番ハ長調作品61いちおう、何となく知っている曲なので、ハードル下がりました。久しぶりに生で聴くクラシック・コンサートはとても楽しかったです。弦楽器の響き、管楽器の突き抜けた音。私はチューバを6年やっていたので、どうしても中音・低音にばかり聴き入ってしまいました。でもチューバはパリのアメリカ人しかいなかった…。トロンボーンの方のソロが良かった!ああいうの聴くと、なんかちょっと吹いてみたくなる。ピアノは栃木県出身のピアニスト・阿久澤政行さんでした。月並みな感想ですが、プロってすごい。私、最初の音で涙ぐんでしまいました。なんでだかよくわからないけれど、こみ上げてきてしまって。来てよかったなと思いましたよ。ロックなライヴも楽しいんですが、たまにはこういうのも、違う方面からの心の栄養です。
2024.06.16
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ソロ名義で25年ぶりのアルバムですよ。Bernard Butlerがやっと自分で歌う気になった「Good Relief」。本国では5月31日リリースで、1週間ほど遅れて私の元にもやって来ました。オフィシャルストアからオーダーすれば、500枚限定のゴールド・ヴァイナルでバニのサイン入りシートが付きますよ。ということで私はもちろんプレオーダーしました。音源は以前からネットに小出しにしていたんですが、それで聴いたときよりも、一枚通して聴く方がずっといい。言っておきたいけれど、SuedeのBernard Butlerはここにいません。そして、ロックも、エロいギターも唸るギターもありません。枯れ渋なフォークを訥々と歌い上げる彼が、そこにいます。プラス、彼お得意の流麗なストリングスのアレンジ。これはたまらん。リード・トラックとなる「Camber Sands」を聴いたときから、今度のアルバムはこういう路線になるのだろうなと思っていました。郷愁を漂わせる、大人のフォーク。でね、一回さらっと聴いただけじゃ、ハマらない人、多いと思います。でも、じっくりと腰を据えて、すべての雑音をシャットアウトして、歌詞とにらめっこしながら聴くと、じわじわと「来る」んですよ。本当に、歌詞も含めて「郷愁」としか言いようのないサウンド。私が勝手に解釈した感じなので、正確な意味はわかりかねますが、ある程度の年を重ねた「I」が過去を振り返り、そこに帰ろうと呼びかけたり、失った大事な人にもう一度なんとか触れようとしてみたり(でも無理)、急に人生全部クリーンにしてやる!って開き直ってみたり。私は「Pretty D」という曲が大好きなんですが、これ、何の予備知識もなく歌詞だけ見てたら、「え?これバニ自身のこと?」と思っちゃいそう。Well, it’s been 20 years since you broke my heartOh 20 years We’ve been falling apartAm I losing my touch, baby? Why don’t we start it again?またブレットとなんかあったの!?と私は一瞬誤解しましたよ(苦笑)。でも、メディアのインタビューを読んでいたら、彼が「The League of Gentlemen」というドラマに登場するバンドのメンバー同士の関係性(仲違いしてるみたい)に言及してて、そういうことですかと納得。ただ同時に、Pretty Dは自分自身でもあるとも言っているので、まあ、いろんなイメージを詰め込んだ上でのキャラクターなのかなとも思いました。バニに対して失礼かもしれませんが、ホントにキュートなオジさまになったなと。アルバムリリースが決まるあたりからずっと彼のSNS見ていますが、やることなすこと可愛いんですよ。犬と登場したり、寝起きだったり(たいてい寝癖大爆発してる)、移動中だったり。で、「Hello, it's a lovely day!」なんて言われた日には、悶絶します。本国ではインストアイベントを精力的にこなしているようで、羨ましい限りです。日本のことも、忘れないでね…!
2024.06.15
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ちょっと待って、そんなの聞いてないよ!というのが第一感想です。ホントに、聞いてないですよ。Shed Sevenの新譜がここまでいいなんて、聞いてない!facebookの関連投稿に出てきたので、Shed Seven再結成してから頑張ってるんだなーと思ってたら、今年の頭に出た新譜「a matter of time」が、良すぎます。しかも、バンド初の英国チャート1位。イギリスってなんなの。羨ましい。結成30年経っても1位になるって。日本じゃ考えられない。プロデューサーはKilling JokeのYouth。それだけでなんか期待しちゃいますが、本当に、それ以上の出来だと思います。聴いた途端に頭をぶっ飛ばされるような興奮に包まれる、「Let's Go」の破壊力に勝る曲を、今年はまだ聴いたことがありません。このPV。オーディエンスもバンドも、なんでみんなこんなに楽しそうなの。羨ましすぎるよ。しかもこのアルバム、Let’s Goだけじゃありません。どう控えめに言っても、全部がキラーチューン。爽快感で突っ走るロックナンバーがたまらない。50過ぎでなんでこんなに青臭いメロディを何の衒いもなく繰り出せるのでしょうか。しかもそれがそこいらの若者よりもカッコいいのですから、始末に負えない。その上、聞かせるミディアムスローなナンバー、なんだかぐっときて涙ぐんでしまうバラードの数々。ちなみにゲストとしてReverend and the MakersのLaura McClure、Happy MondaysのRowetta(in Ecstasyのロック感はたまらん)、そしてLibertinesのピート!私、ピートがゲストやってるなんて知らずに買ったので、あの特徴的な声がラストナンバーに聞こえてきて本当に驚きましたよ。で、ピートが一緒に歌っているThrowawaysが、噛めば噛むほど味が出てくる、心に染み入るバラードなんです。「使い捨てになんかされない、絶対に消されない、雨の中に放り出されたって、俺たちはやり方を変えない」って。「勢いに乗っていたって、捨てられてしまうだろうけど。それは時間の問題なんだろう。でも、自分たちのやり方を変えるつもりなんかない」って。30年のキャリアの中で、アップダウンもあって、どん底からの復活を果たした彼らだから言える決意表明じゃないですか。これで泣くなという方が無理です。というふうに私は解釈しました。個人的に唯一残念なのはジャケです。ガラの悪さこの上ない感じですが、妙にギラついた感が、だんだん見ているとハマる(笑)。
2024.06.12
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私は断然「coming up」以降のSuede派なので、この「dog man star」というアルバムを異常に持ち上げる流れって苦手なんです。とはいえ、バーニー在籍時ラストのアルバムということで、その存在感はおそらくずば抜けています。そして、バンドに入った大きな亀裂をそのままアルバムにぶち込んだ感が、かえって歪な美しさを醸し出していると思うんですね。今はもう、昔ほどの苦手感はありません。彼らの音を何十年も聴いてきて、ようやく全部いいじゃんと思えるようになりました(遅い)。We are the Pigsのような不穏極まりない音もあれば、the Wild Onesのようにバンド史上に輝く珠玉のバラードもあり。私はHeroineの美しくちょっと歪んだ音が一番好きです。Daddy's Speedingのねじれたラストも、the Powerの野心的な力も、New Generationのキャッチーなのにどこか血の匂いさえ感じる部分も、全部好き。This Hollywood Lifeの破滅的なリリックも、まるでブレバニの別れのアンセムみたいなthe 2 of Usも、陶酔感に満ちたBlack or Blueも、これぞブレの描く女たち、みたいなAsphalt Worldも、あまりにも美しい。そしてラストのStill Life。絶望しかないのになんでこんなに美しいエンディングなのか。そして、バニがこの後プロデュース業でめっちゃ生かしているストリングスが、このアルバムからは随所に匂います。ロックのアプローチというよりもむしろクラシックなのでは?と思ってしまうほど。ブレットとバーニーの間の亀裂はもういかんともしがたく、作業もずっと別々だったようです。バニはエドにプロデュースのやり方も教わりながら、ひとりで曲を仕上げていたようで。あまりにもストイックで厳しい注文に、サイモンと衝突したり。まあね、兄さんがパーティーとかドラッグとかやったりしてる横で、バニは真面目一辺倒な印象ですからね…。ちなみに、デラックスバージョンにはB-sidesやライヴ音源、ブレバニインタビューも入っています。本当にバーナード・バトラーと言う人の才能はすごい。B-sidesこそ聴くべきだと私は思います。様々な角度からの音楽的な表現が詰め込まれていて、それをちゃんとSuedeの音に仕立てている。その上であの唯我独尊のギター。おかしい。インタビュー映像は実に和やかです。バンド最大の危機を招いたこの一枚を、ブレバニ二人が時に笑いながら語っている姿は、心の底から嬉しくなりますよ。youtubeでも見られたと思うけど、もちろん字幕はないです。
2024.06.09
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何で今更、2005年リリースのアルバムなんだ、と。Editorsの1st「The Back Room」です。私はこれを買った記憶があるんです。でも棚にないんです。ということはつまり、売った…?やはり、音楽のテイストというものは常に変動しつづけるものなのだと痛感。先日「EBM」を激賞したおかげで、もう一度このアルバムを手に入れてみようと思い、再購入しました。本当にすみませんでしたとしか言えない。この暗く美しい闇を、どうして当時の私は放り出してしまったのかと後悔しています。アルバムを彩る11曲すべてがこんなにも美しく聞こえるとは。lights~munich~blood~fallの出だしのインパクトは計り知れないほどです。イメージとしてはモノトーンの世界ですが、時に冷たく、時に熱く響く彼らのサウンドは、圧倒的なエナジーを感じさせます。とはいっても、大音量だとか音の洪水だとか、そういう類のものではなくて、何か一本、確固たる芯の通った音が持つ力。たぶんこのギターが多分にポストパンクな色合いだからなのでしょうか。そして、それに重なるトム・スミスの声。この人の声ってけっこう低いと思うんですが、他のバンドのヴォーカルとは一線を画す存在感を放っています。ジョイ・ディヴィジョンを引き合いに出されることが多い彼らですが、ホントそう。イアン・カーティスを連想しますよね、この声は。で、歌詞が本当につかめない感じがまた、良いのです。愛だ恋だ言わないのが、本当にいい。私に考えることを強いてくれる歌詞は、とても魅力的です。「blood」の「blood runs through your (our) veins, that's where our similarity ends」というフレーズが、、なんだか頭から抜けないんです。ゴス寄りに分類されることもあるという彼ら。実にアーティスティックかつインテリな雰囲気が、たまりません。やだもう、アルバム全部追わないといけないじゃないですか。
2024.06.08
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