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さて今日は久々に株式投資本オールタイムベストシリーズです。第39位は、
グリーンブラット投資法(ジョエル・グリーンブラット著、パンローリング社)
です。
この本は、M&A、企業分割、倒産、リストラなどの「特殊状況」を利用して儲かる株を探すやり方を解説した物なのですが、著者が実際に行った投資の具体例が満載で非常に説得力があります。
彼の投資手法を簡潔に言うと、古典的なバリュー手法である グレアム流の
「
安全域:マージンオブセーフティ」
の考え方をベースとし、更にそこにプラスして、
オッズが有利になるように仕組んだ投資の世界である「特殊状況」だけに特化して戦うことによってパフォーマンスの向上を目指す、というものです。 日本で言うと、 かぶ1000さん が一番グリーンブラットの投資法に近いやり方を実践されているように個人的には感じています。
この本の中で印象的だったところを1つだけ挙げると、
利益が不安定でややこしい事業部門だった子会社のリーマン・ブラザーズを独立した会社として分割したアメリカン・エクスプレスが「はっきりと分かりやすい割安株」に変身したことによって、企業分割から6ヶ月後にウォーレン・バフェットがその株式を10%弱買ったと発表した、という話です。これは明らかに企業分割、本業と関係の無い事業の分割によってアメリカンエクスプレスが「バフェット銘柄」に変身した、つまり企業分割によって掘り出し物が生まれた、ということなんですね。
それ以外でも、
名人の真似をする、優秀な投資ファンドの構成銘柄から新しい投資アイデアを探すことを推奨している点も興味深いです。これは私が以前から提唱している
パクリ投資は素晴らしい最高の投資手法である
という考え方とほぼ同じです。名著
バリュー投資アイデアマニュアルのジョン・ミハルジェビック
と同じく グリーンブラットもパクリ肯定
ということですね。(笑)
我々アクティブ投資家はその宿命として、
「効率的市場仮説という異形の宗教」
を乗り越えていかなくてはなりません。このグリーンブラットの本にはそのヒントが眩いばかりにこれでもかと散りばめられています。間違いなく名著ですね。未読の方は是非。
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