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トレンドのライフサイクル
図12.1はトレンドの「ライフサイクル」を定型化したもので、トレンド追随戦略の基礎にある経済学的根拠を表す。ファンダメンタル価値の変化に対して、当初の反応が過小であるために、新たな情報が価格に十分に織り込まれる前に、トレンド追随戦略は可能となる。その後、ハーディング(群衆行動)効果によってトレンドはファンダメンタルズを超えて拡大し、やがて反転する結果となる。
トレンドの始まりー情報に対する過小反応ー
図12.1に示した定量化された例では、ポジティブな利益公表、供給ショック、需要シフトといったカタリストが、株式やコモディティ、通貨、債券の価値を変化させる原因になる。実践で示したように、価値の変化は即座に起こる。市場価格(点線で示されている)は、カタリストの結果として上昇するが、当初の反応は過小で、上昇はしばらく続く。
i.アンカリングと不十分な修正:人々には、見通しをヒストリカルデータに強く結びつける傾向があり(アンカリング)、新しい情報を受けても不十分にしか見通しを修正しない。
ii. ディスポジション効果:人々には、勝者の売却を急ぎ過ぎ、敗者にしがみつき過ぎる傾向がある。早めに勝者を売るのは、利益の実現を好むことによる。これが価格の下方圧力となり、新たに得たポジティブな情報に対する価格の上方修正を遅らせる。
iii. 利益を追求しない行動:中央銀行は為替レートや金利のボラティリティを抑制するために、通貨や債券市場で操作(オペレーション)を行う。これはニュースに対する価格の修正を遅らせる可能性がある。また、機械的にウェイトを戦略的資産配分にリバランスる投資家もトレンドに逆らった売買を行っている。
トレンドの継続ーその後の過剰反応ー
トレンドがいったん形成されると、ファンダメンタル価値を超えてトレンドを拡大させる可能性のある現象が起こることが多く報告されている。
i . ハーディングとフィードバック取引:価格がしばらく一方向に動くと、ハーディングすなわちフィードバック取引によって、時流に乗ろうとするトレーダーが現れる。
ii. 確証バイアスと代表性:このどちらもがトレンドの継続をもたらす。
iii. ファンドフローとリスク管理:ファンドのフローは最近のパフォーマンスを後追いすることが多い(おそらくiとiiによる)。
トレンドの終焉
明らかに、トレンドは永遠に継続しえない。どこかで価格はファンダメンタル価値から乖離し過ぎて、人々がこれを認識すると、価格はファンダメンタル価値に向かって回帰し、トレンドは消滅する。
図12.1 トレンドの定型的なライフサイクル
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