電通に罰金50万円求刑 違法残業初公判、社長が出廷
9月22日 朝日新聞
違法残業
があったのに必要な防止措置を取らなかったとして、
労働基準法
違反の罪に問われた広告大手・電通(東京)に対する初公判が22日、
東京簡裁
(菊地努裁判官)で開かれた。
大企業が長時間残業について刑事責任を追及され、トップが法廷に立つのは異例。
法人を代表して山本敏博社長(59)が出廷し、起訴内容についての認否を問われ、
「間違いありません」と罪を認めた。
検察側は「自社の利益を優先させ、 違法な残業
が常態化していた」と指摘し、
罰金50万円を求刑。
公判は同日結審した。
判決は10月6日。
検察側は冒頭陳述で「クライアント(顧客)ファーストで、
深夜残業や休日出勤もいとわない、という考えが浸透していた」と指摘。
「 労働基準監督署
から是正勧告を受けていたが、
社員の増員や業務量の削減といった抜本的な対策を講じなかった」と述べた。
起訴状によると、電通では、 過労自殺
した新入社員の高橋まつりさん(当時24)を
含む社員4人が2015年10~12月、労使が「36(サブロク)協定」で定めた
残業時間の上限を最大で月19時間超過して違法に働いていた。
電通はこうした違法状態に対し、必要な防止措置を講じることを怠ったとされる。
公判で検察側は、電通での 違法残業
を示す高橋さんらの出退勤記録や、
上司だった東京本社の部長からのメール、パソコンの使用時間をまとめた資料、
電通幹部らの 供述調書
を証拠として提出。
高橋さんの母、幸美さん(54)が娘の自殺について語った調書も出された。
また、弁護側、検察側双方による山本社長への被告人質問も行われた。
電通は7月に同法違反罪で略式起訴された。
関係者によると、このときの検察の求刑も50万円の罰金刑。
一方、同容疑で書類送検された部長らは残業を強制するなどの悪質性は認められない
として、起訴猶予とされた。
検察は非正社員の増加で 36協定
が長期間無効になっていたと明らかにしていた。
これに対し、 東京簡裁
は同月、法人の電通について書面だけの審理で結論を出すのを
「不相当」と判断。
正式な裁判を開くことを決めた。(長谷文、根津弥)
2017-9-23
このニュースは、テレビでは北朝鮮のニュースに次いで報道されていましたが、
本来はトップニュースではと思いました。
記事で気になったのは、
「同容疑で書類送検された部長らは残業を強制するなどの悪質性は認められない
として、起訴猶予とされた。」
という点です。
これでは、高橋さんがすすんで残業して、
思い詰めて自殺したような印象を受けます。
遺族は、44時間も連続して働かされたことや、
食事時間を長めにとったことにして、残業時間を減らすように指導していた事を
指摘していました。
事件直後は、パワーハラスメントも報道されていましたが、どうなったのでしょう。
「非正社員の増加で 36協定
が長期間無効になっていた」
というのもひどい話です。
非正規や管理職など働くもの全員なのに、36協定の対象が組合員だけと
労使双方が思い込んでいたということのようです。
電通は、労務管理ができていない、会社の体をなしていない企業なのでしょう。
大企業になった今でも広告屋のままなのでしょうか。
公判の後で、まつりさんのお母さんが、「電通は言葉だけ」と言っていましたが、
何度も何度も違反を繰り返すのは、労務管理できる人材がいないのでしょう。
続きます。
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