健康寿命とはどのようなもの?|公益財団法人 生命保険文化センター (jili.or.jp)
(参考)
春秋( 12 月 17 日)
貧乏画家だった夫が、にわかに売れっ子になる。めざましい出世だが、妻はそれが嫌でたまらない ―― 。太宰治が女性の独白体でつづった「きりぎりす」である。年賀状を 300 枚も刷らせた夫に、妻はつぶやく。「いつのまに、そんなにお知合(しりあ)いが出来たのでしょう」
▼ この小説が書かれたのは 1940 年。昭和の戦前期は年賀状の習慣が定着し、 35 年には年賀切手が売り出されている。「きりぎりす」の夫のように、大量の賀状が社会的地位の証しみたいな風潮は当時からあったのだろう。そういう傾向は戦後さらに強まり、義理や見栄(みえ)で出すはがきが飛びかっていたのが平成前半である。
▼ 世の中のデジタル化や高齢化で、それがずいぶん減った。今年の年賀はがきの発行枚数は約 19 億 4 千万枚と、前年に比べて 17% も少ないそうだ。ピークだった 2003 年の半分以下である。くっきりした時代の流れだが、今年はコロナのあおりで業績不振の企業が目立ち、広告用の需要が落ち込んだのも響いているという。
▼ コロナ禍は逆の現象ももたらしている。人と会いにくいから、あえて年賀状をしたためるという声もよく聞くのだ。「一日も早く、平穏な日々が戻りますように」 …… 。かつてない文面が増えるに違いない。形ばかりの「お知合い」のはがきは減っても、災厄のなかの肉声が聞こえるような賀状が残るのなら、それもいい。
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