読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2008.01.06
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カテゴリ: 小説
長編好きの私も、ちょっとひいてしまうほどの厚み。
表紙の絵は、いかにも心の闇を照らす風の、明るい月。
そして、タイトルはドーンと「幻覚」。




目次もすごいですよ。
「昏睡状態」「強迫性障害」「適応障害」「不能治療」「異常人格」「過剰投与」「人格崩壊」・・・・・これはもう、精神科医療を舞台にした人間の本質に迫る内容に違いない!
そう思って読み始めました。

それなのに、がっかりでしたよ。
渡辺淳一さんの小説で、肩透かしだったのは初めてです。
主人公の精神科医は、二つの病院を経営する謎多き30代の美女。その美しさと優秀さに言い寄る男性は山ほどいるんだけど、男嫌いなのか交際する気はなさそうです。

語り手は5歳年下の気弱な看護士。この看護士が、まるで中学生の初恋のようにうぶで純粋で、マヌケなんです。これはユーモア小説か?って思ってしまったくらいです。この二人、愛し合うようにはならなかったけれど、何度か体の関係を持ちます。が、そのベッドシーンはちっともいやらしくなくて、看護士のまぬけさに笑ってしまうくらいです。

途中から、この女医の抱えている秘密が簡単に想像できて、特に衝撃的な結末ということもなく、あっけなく終わりました。
「過剰投与」の理由に迫ることもなかったし・・・
本の厚みには圧倒されましたが、読み終わってみれば、まる一日かかりませんでした。
あー物足りない。
もっと深くて、ずっしりずずーんって感じのものが読みたかったなあ。





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Last updated  2008.01.06 14:53:25
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