読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2010.01.23
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カテゴリ: 小説
川上弘美さんの本は、いつも地上から足が数十センチ浮いている。
浮けない私は、浮いている人たちに一種のあこがれを持ちながら、一生懸命ついていこうとする。そして、いっしょに浮いている気分を味わう。
あまり高く浮きすぎると、私にはついていけなくて、置いてけぼり感を味わう。たとえば「いとしい」
待ってえーーーと言っても待ってくれないので、すごくさみしい。
でも、浮き加減がちょうどいいと、私もすごく心地よくて、楽しい。たとえば「センセイの鞄」

そして、この本は、地上から足がちょっと離れたか離れないかくらいの浮き加減でした。
「これでよろしくて?」
「よろしいんじゃないでしょうか」
これくらいです。


嫁姑関係というのは、結婚したら確実にほぼ100パーセントついてくる、避けようのない(ほんとはものすごく避けたい)関係なので、いくら川上弘美さんといえど、浮いてる場合じゃなかったんだろうなと思います。
読書友達のきたあかりさんは、主婦ならうなずけることばかりなので、首を鍛えてから読んだほうがいいというアドバイスをいただいていましたが、普通の主婦がうなずけるくらい普遍的なテーマ「嫁姑」(と同時に夫の頼りなさ)には、川上弘美さんも脱帽って感じでしょうか。


夫婦二人暮らしの家にころがりこんできた姑「ママン」と嫁、菜月の関係が中心になって、結婚生活が続いていくわけですが、結末は意外にもありきたり。このあたりでは、地上に足がしっかりついちゃってました。
菜月が入る「これでよろしくて?同好会」は、名前こそ風変わりだけど、結局昔でいう井戸端会議。今なら主婦友達がカフェで盛り上がるって感じです。ここらへんも、地に足がつきすぎだわ。

川上弘美の浮き方を期待する人にはオススメできませんが、「これでよろしくて?同好会」のおばさん二人のやりとりだけは、なかなか深くおもしろかったですよ。
私はこのおばさんたちの背景がもっと知りたいです。


これでよろしくて?





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Last updated  2010.01.23 08:55:45
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