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私
:中国の 温家宝
首相の訪日は「 薄氷の旅
」とあるが、歴史問題は火種を残しているね。
帰国して氏の対日柔軟姿勢が批判を浴びないとも限らないね。
過去の戦争は 一部の軍国主義者の責任
で 一般日本国民の責任でない
という例の論理が繰り返されたね。
一部の軍国主義者とは A級戦犯
だね。
A氏
:それなのに、 南京虐殺
をいまだに大々的に宣伝するのは矛盾だね。
東条が南京で刀を振ったわけでも、現地で命令したわけではない。
実際の虐殺を実行したのは
徴兵された一般の日本兵か、下級将校だね。
ところで 靖国問題
は、くすぶったままだね。
A級戦犯の靖国神社への合祀
に当時の 厚生省が関与
している文書が出て、また、もめる種が出そうだったが、この問題は、温家宝訪日ではあまり騒がれなかったようだね。
私
:一時、厚生省に軍人が関与していてそれらの人が密かに靖国神社と連絡をとっていたようだね。
この問題で 厚生省の一部軍関係者の関与はすでに
前から常識的なことだった
と思うのに、なんでまた騒ぐのかね。
当時は再軍備に消極的な 吉田首相暗殺事件
もうわさされていたくらいの時代だしね。
A氏 :A級戦犯の合祀という重要な決定についての厚生省の一部の人々の動きは、 当時の厚生大臣や首相の「命令」 ではなく、 当事者間の「アウンの呼吸」 ですすめているね。
戦争だから、残虐行為があるのは世界歴史上常識だね。
だから、太平洋戦争でも日本だけ優等生ではないから、残虐行為は他の戦争同様事実あったろうね。 太平洋戦争では、 アメリカ兵の個人的な残虐行為
はあった。
それを 日本の残虐行為だけを組織的、計画的だとか、日本軍の残虐性は世界歴史上ない特質だとか、被害者は何十万人だとか数字を言い出すと、
当然反発者が出るから話がおかしくなるんだね
。
「 それはおかしい。そんな計画的な事実はないだろう
」と一方が言うと、「 残虐行為はゼロではないだろう
」と話をそらす。
A氏
:それはどんな戦争でも残虐行為ゼロはありえないよ。
それに「 文書の記録が出た
」ということがよく言われるけれど、 元になっていうのは伝聞であったり、限られた聞き込み
であったりして、その結果を書類にしたのに過ぎないものが多いね。
無実なのに強制され自白調書に署名すれば、文書になる。
私 :「 ザ・レイプ・オブ・南京 」という本は、 南京虐殺は天皇まで関与した組織的な虐殺で、ヒットラーのホロコーストと同じだ と言っているらしいね。
A氏 : 慰安婦問題 もそうだね。
私
:そんな整然とした統一組織なら関東軍の暴走はなかったのにね。
沖縄の集団自決問題
もそうだね。
当時の状態は、 鬼畜米英
だし、 戦争の真っ最中だから「命令」だとかどうとかを意識する正常な状態でない。
それを 平和になった現在
は冷静に考えられるから、集団自決を省みて「 なんであんなむごい自殺をしたのか
」となる。
だから、 軍人が手榴弾を民間人に渡す行動を「自決命令」だ
と解釈したい気持ちになる。
民間人が嫌がっているのに押し付けたからとしてね。
そして、「 軍の組織的な命令で自決した
」となる。
あるいは「 沖縄人だから
」と琉球時代の歴史までさかのぼる。
A氏
:「命令があったのは事実」かどうかという当時の現実を忘れた議論にカッカとする。
鬼畜米英で戦争している最中の当事者感覚では不毛の議論だろうね。
私
:俺も君も当時「 軍国少年
」だったから、本土決戦になっていたら自決していたね。
「魔法」が解けた今、考えるとバカらしいがね。
こないだ、 立川談志
のテレビドキュメントを見ていたら、 彼も小学生のときに敗戦を迎え、「魔法」が解ける。
しかし、 同時に「魔法」をかけた大人に対する不信感がトラウマになる。
彼が、 世の中を斜めにみる落語
を選び、また、 既存の落語に反旗
をひるがえしてきたのはその トラウマが原点
だという。
美談は信じないと言い切る。
養老孟司
氏が 解剖学を選んだのもそのトラウマのせいだ
と言っているね。
同じ世代なんでよく分かるよ。
しかし、 この世代には良い後継者が少ないね。
「魔法」のトラウマは引継ぎできないのだろうね。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24